更新日:2026年10月01日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
髪のボリュームが気になり始め、髪の毛にいい食べ物が何か知りたい方もいるかもしれません。髪にいい食べ物には、タンパク質や亜鉛、鉄分、ビタミン類などの栄養素があります。タンパク質は卵や肉、魚、亜鉛は牡蠣やレバー、鉄分は赤身魚やほうれん草、ビタミンは緑黄色野菜やナッツ類などに含まれます。 しかし、注意点として、食事は健康な髪を育てる土台作りにはなりますが、薄毛の根本的な改善にはなりません。特に、AGAによる薄毛が気になる方は医師への相談を検討しましょう。
髪にいい食べ物を選ぶうえで大切なのは、髪の材料やその働きを助ける栄養素を含む食材を摂ることです。髪の毛は主にタンパク質からできており、その合成や頭皮環境の維持には亜鉛や鉄分、ビタミン類など複数の栄養素が関わります。ここでは髪に関わる主な栄養素と、それぞれを多く含む食べ物を紹介します。
| 栄養素 | 代表的な食べ物 | 働き |
|---|---|---|
| タンパク質 | 卵、肉、魚、大豆製品など | 髪の主成分であるケラチンの材料になる |
| 亜鉛 | 牡蠣、レバー、牛赤身肉など | タンパク質の合成を助ける |
| 鉄分 | レバー、赤身魚、ほうれん草、ひじきなど | 毛母細胞へ酸素・栄養を運ぶ血液をつくる |
| ビタミンA | にんじん、うなぎなど | 新陳代謝に関わる |
| ビタミンB群 | 豚肉、赤身魚など | タンパク質・脂質の代謝を助ける |
| ビタミンC | ブロッコリー、柑橘類など | コラーゲンの生成を助ける |
| ビタミンE | ナッツ類、かぼちゃなど | 抗酸化作用・血行に関わる |
| 大豆イソフラボン | 納豆、豆腐、豆乳など | 女性ホルモンに似た働きをもつとされる(効果は未証明) |
髪にいい食べ物の基本となるのが、タンパク質を含む食材です。髪の毛の主成分は、アミノ酸が結びついてできたケラチンというタンパク質です。タンパク質の不足により、毛髪の材料が足りなくなることにつながり、毛髪の成長障害や脱毛の一因となることがあります。タンパク質を多く含む食べ物は、卵や肉、魚、大豆製品などです。栄養バランスが偏りがちな食生活の方は、主菜として肉や魚、卵を意識して摂ると良いでしょう。
亜鉛は、髪の材料であるタンパク質の合成に関与するミネラルです。亜鉛は体内で作れない栄養素で、外食やインスタント食品中心の食生活では不足しやすいため、食べ物から補う必要があります。亜鉛を多く含む食べ物には、牡蠣やレバー、牛赤身肉などがあり、クエン酸などを含む食品と組み合わせることで吸収を助ける可能性があります。なお、亜鉛には摂取量の上限が定められているため、サプリメントなどで摂り過ぎないよう注意しましょう。
鉄はヘモグロビンの材料となるなど、全身の正常な機能に欠かせない栄養素です。鉄が不足すると、脱毛など毛髪の状態に影響することがあります。鉄分を多く含む食べ物は、レバーや赤身魚、ほうれん草、ひじきなどです。肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄は、植物性食品の鉄よりも吸収されやすい性質があります。植物性の食材から摂る場合は、ビタミンCを多く含む野菜や果物と組み合わせると効率良く補えます。
ビタミン類は種類ごとに異なる働きをもち、正常な皮膚や毛髪の維持に関わる栄養素です。種類によって働きが異なるため、いくつかをバランス良く摂る必要があります。主なビタミンの種類とそれが多く含まれる食べ物は、次のとおりです。
これらのうち、脂溶性のビタミンAやEは、油と一緒に調理すると吸収されやすくなります。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをもつとされる成分です。納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品に含まれ、植物性のタンパク質源としても役立つでしょう。手軽に手に入るため、毎日の食事に組み込みやすいのが特徴です。 なお、女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造をもつものの、薄毛やAGAへの効果は確立されていない点に留意しましょう。

髪にいい食べ物を摂るのと同じくらい、髪の成長の妨げになりやすい食べ物を控えることも大切です。特定の食べ物が直接薄毛を引き起こすわけではありませんが、栄養の偏りや頭皮環境の悪化につながる食習慣はできるだけ避けましょう。
脂質や糖質の多い食品に偏った食生活は、栄養バランスが崩れる原因になるため注意が必要です。揚げ物やスナック菓子、甘い飲み物などに偏らず、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を心がけましょう。
お酒の飲み過ぎは、肝臓への負担や栄養バランスの乱れにつながるため控えたい習慣です。過度な飲酒は、肝機能への負担や栄養バランスの乱れを通じて、髪の健康に影響を与えることがあります。 飲酒する場合は、量ではなく純アルコール量を把握し、自分に合った飲酒量を考えることが大切です。厚生労働省は、飲酒量が少ないほど健康へのリスクが低くなることを示しています。たとえば、ビール500mL(アルコール度数5%)には約20gの純アルコールが含まれます。
参考:厚生労働省「アルコール」
インスタント食品やファストフードに偏った食生活では、髪に必要な栄養が不足する可能性があります。こうした食品は手軽な一方で、塩分や脂質が多く、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。忙しいときに頼ること自体は問題ありませんが、それが続くと栄養バランスが崩れやすくなります。やむを得ず食べることになっても、サラダや乳製品、卵などと組み合わせて栄養を補う工夫をしましょう。
髪にいい食べ物は、毎日の食事でバランス良く取り入れることが大切です。特定の食材を多く摂取すれば良いわけではありません。また、食べ物の組み合わせを意識して摂取すると、栄養の吸収率アップが期待できるでしょう。ここでは、栄養を効率的に摂るための食習慣のポイントを紹介します。
髪のためには、さまざまな食材をバランス良く摂ることが基本です。髪に良いとされる栄養素は、タンパク質や亜鉛、鉄分、ビタミンなど多岐にわたり、どれか一つを大量に摂っても効果が高まるわけではありません。主食や主菜、副菜を揃え、肉や魚、野菜、大豆製品などを組み合わせる和定食のような献立を意識すると、自然と栄養バランスが整いやすくなります。毎回の食事で完璧を目指す必要はなく、1食や1日単位で帳尻を合わせる感覚で続けてみましょう。
同じ食材でも、食べ方や調理法で栄養の吸収率が変わることがあります。たとえば、生の卵白を大量かつ継続的に摂取すると、アビジンがビオチンの吸収を妨げる可能性があります。通常の食生活で問題になるケースは多くありませんが、卵を食べる場合は加熱調理も選択肢です。 また、亜鉛はタンパク質の合成などに関わる栄養素です。通常は食事から摂取することを基本とし、サプリメントなどによる過剰摂取には注意しましょう。
| 栄養素 | 食べ方・調理方法 |
|---|---|
| 亜鉛 | 食事からの摂取を基本とする |
| 脂溶性ビタミン(A・E) | 油と一緒に調理する |
| ビオチン | 卵を摂取する際は、加熱してビオチンの吸収を妨げるアビジンの働きを抑える |

バランスの良い食事は、健康な体と頭皮を保つうえで大切です。しかし、食事だけでAGAの進行を止めることは困難です。抜け毛や薄毛が気になり始めているなら、セルフケアと並行して早めに医師へ相談しましょう。AGA(男性型脱毛症)の場合は、早期の対策が改善につながりやすいとされています。
ここまで髪にいい食べ物を紹介してきましたが、食事だけではAGAを改善できません。食事はあくまで髪が育つ土台を整えるもので、薄毛が気になる場合は原因を踏まえた対策が必要です。
AGA(男性型脱毛症)は、遺伝的素因と男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が関与する進行性の脱毛症です。DHTは男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の作用によって生成されます。このDHTがヘアサイクルの成長期を短くすることで抜け毛が生じます。

バランスのよい食事は健康な毛髪を維持するために重要ですが、食事だけでAGAの進行を抑えられることは確立されていません。AGAは進行性のため、気になる場合は早めの対策が必要です。
AGAが疑われる場合は、医療機関で診断を受け、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル外用薬などの治療を検討できます。治療方法は症状や希望、副作用などを踏まえて医師と相談して決めます。 食事による頭皮環境のケアを維持しながら、医師に相談し、自分に合った治療を検討しましょう。
髪にいい食べ物について、よくある質問と回答をまとめました。髪にいい食べ物に関して疑問がある方は、参考にしてください。
髪の毛にいい食べ物は女性と男性で違いますか?
髪に必要な栄養素(タンパク質や亜鉛、鉄分、ビタミンなど)は男女で大きく変わりません。ただし、女性は月経の影響で鉄分が不足しやすい傾向があるなど、不足しやすい栄養素に違いが出ることはあります。基本は、男女ともにバランスの良い食事を意識することが大切です。
コンビニ食でも髪にいい食べ物はとれますか?
とれます。ゆで卵やサラダチキン、納豆、豆乳、ほかにもサバ缶、カットサラダなどを組み合わせれば、タンパク質やビタミンなどを補えます。おにぎりやパンだけで済ませず、主菜と副菜を意識して商品を選ぶと、栄養バランスが整いやすくなります。
サプリメントで栄養を補ってもいいですか?
食事で不足しがちな栄養を補う手段にはなりますが、まずは食事から栄養を摂ることが基本です。過剰摂取に注意が必要な亜鉛などの栄養素もあるため、サプリメントを摂る際は用法・用量を必ず守りましょう。薬を服用中の方は、飲み合わせが関係するため、医師や薬剤師に相談してから利用すると安心できます。
髪にいい食べ物とは、タンパク質を含む卵や肉、魚、大豆製品、亜鉛を含む牡蠣やレバー、鉄分やビタミン類を含む緑黄色野菜などが挙げられます。これらの食べ物だけを集中して摂取し続けるより、さまざまな食材をバランス良く摂ることが健康な髪にとって大切です。一方で、脂質や糖質に偏った食事、過度な飲酒は髪だけでなく健康そのものにもよくないため、控えましょう。 食事はあくまで髪が育つ土台を整えるもので、AGAの進行を止める働きはありません。AGAによる薄毛の根本改善を目指すなら、クリニックでの薬剤治療が必要です。 レバクリを通じたオンライン診療なら、医師に相談でき、自宅にいながら治療を始められます。薄毛が気になる方は、食事の見直しと合わせて医師への相談も検討しましょう。
厚生労働省「アルコール」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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