更新日:2026年07月22日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
頭を洗ってもフケやかゆみが治まらず、頭皮にカビが生えているのではと不安な方もいるかもしれません。頭皮のカビの正体は、誰の肌にもいるマラセチア菌という常在真菌で、増え過ぎると脂漏性皮膚炎の一因になります。この記事では、主な症状や原因、治し方とセルフケア、薄毛・AGAとの違いまで紹介します。フケやかゆみ、抜け毛が気になる方は、本記事を参考に、ご自身の頭皮環境に合わせた適切なケアを検討してみてください。
頭皮のカビの正体は、マラセチア菌という頭皮の常在真菌です。カビと聞くと不衛生な状態を思い浮かべるかもしれませんが、マラセチア菌はもともと皮膚に住みついている菌で、清潔にしていても存在します。普段は悪さをしませんが、皮脂が増えるなどの条件がそろうと増殖し、フケやかゆみといった頭皮トラブルの引き金になります。
マラセチア菌は、皮脂腺の多い場所を好んで住みつく常在真菌の一種です。癜風菌(でんぷうきん)とも呼ばれ、頭皮だけでなく顔や胸、背中などにも存在します。食品に生える青カビや浴室の黒カビとは性質が異なり、皮膚の常在菌として人と共存しているのが特徴です。
そのため、頭皮にマラセチア菌がいること自体は珍しいことではなく、菌がいるからといって病気というわけではありません。
マラセチア菌は皮脂をエサにして増えるため、皮脂が過剰になると頭皮トラブルにつながる恐れがあります。菌が増え過ぎると、菌そのものや、皮脂を分解する過程で生じる刺激物質がフケ・かゆみを引き起こすためです。
脂漏性皮膚炎の人の頭皮では、健康な人と比べてマラセチア菌が大幅に増えていると報告されています。大切なのは菌をゼロにすることではなく、エサとなる皮脂を適切にコントロールすることです。
頭皮のカビが増えた状態では、フケ・かゆみ・赤み・かさぶたといった症状が現れます。ただし、自分の頭皮トラブルがカビによるものかどうかを、自分で判断することは難しいため、症状が続く場合は医療機関での確認がおすすめです。
頭皮のカビが関係するトラブルでは、次のような症状が見られます。
これらの症状は一時的なものなら心配いりませんが、長引いたり繰り返したりする場合は脂漏性皮膚炎などの可能性があります。
フケには大きく分けてパラパラ型とベタベタ型があり、タイプによって考えられる原因が異なります。乾いた白い粉のように落ちるのがパラパラ型で、頭皮の乾燥が関係していることが多いとされます。
一方、湿って黄色っぽく、かたまりになって頭皮に貼りつくのがベタベタ型です。ベタベタ型のフケは、皮脂やマラセチア菌が関係する脂漏性皮膚炎のサインとなることがあり、注意が必要です。
自分の頭皮トラブルがカビによるものなのか、気になる方もいるかもしれません。下記の項目で、自分の頭皮の状態を確認してみましょう。
上記の セルフチェックは、自分の頭皮状態を確認するための目安にはなりますが、最終的な判断は医師の診察が必要 です。
頭皮のカビが関係する代表的な病気が脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は、マラセチア菌の増殖や皮脂が一因となって起こる皮膚の炎症で、フケ・かゆみ・赤みを伴います。皮脂の分泌が多い頭皮や顔(鼻の脇、眉間など)に出やすく、慢性化したり再発したりしやすいのが特徴です。
脂漏性皮膚炎は、皮脂とマラセチア菌が関わって生じる頭皮の炎症です。皮脂が過剰に分泌されるとマラセチア菌が増え、皮脂を分解して生じる刺激物質が炎症やかゆみを引き起こします。
菌や皮脂、頭皮環境の乱れが重なって発症・悪化するため、洗い過ぎや生活習慣の乱れも要因の一つです。症状が軽いうちは赤みが出ず、脂っぽいフケが出るだけのこともあります。
脂漏性皮膚炎は、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などと症状が似ているため、見分けがつきにくい病気 です。かゆみや赤み、フケといった症状はほかの皮膚疾患でも起こるため、見た目だけで自己判断するのは難しいといえます。
症状が重い場合は、乾癬などほかの病気が隠れていることもあります。確実に見極めるには、医療機関でフケや頭皮の状態を調べてもらうのが安心です。

フケやかゆみが数週間以上続くときは、市販のシャンプーだけで様子を見続けるよりも、一度医療機関で頭皮の状態を確認することをおすすめします。脂漏性皮膚炎は再発しやすい病気なので、原因に合った対処を早めに知っておくと、その後のケアもしやすくなります。
頭皮のカビを放置すると、抜け毛や薄毛のリスクが高まる可能性があります。脂漏性皮膚炎によって頭皮環境が悪化すると、髪が育ちにくくなり、抜け毛が増えることがあるためです。フケやかゆみだけの問題と軽く考えず、早めに対処することが髪を守ることにつながります。
炎症やかゆみで頭皮をかきむしると、毛根や頭皮が傷つき、健康な髪が育ちにくい環境になりかねません。頭皮環境の悪化は、抜け毛が増える要因の一つです。
また、過剰な皮脂やフケが毛穴に詰まり、炎症が慢性的に続くと、抜け毛が目立つようになるケースがあります。ただし、これはマラセチア菌や皮脂が関わる頭皮の病気であり、原因は後述するAGA(男性型脱毛症)とは異なります。抜け毛が気になるときは、まず頭皮の状態を整え、薄毛の原因を見極めることが大切です。
なお、レバクリでは脂漏性皮膚炎など頭皮のカビ自体の診療は、行っておりません。男性のAGA・薄毛のオンライン診療に対応しています。
頭皮のカビによる脂漏性皮膚炎は、医療機関での薬物治療とセルフケアの組み合わせで対処します。原因となるマラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬と、炎症を抑える薬を使い分けるのが基本です。症状が軽い場合は市販の薬用シャンプーやセルフケアで頭皮環境を整える方法もあります。
医療機関では、症状の程度に合わせて複数の薬を組み合わせて治療します。主な薬は次のとおりです。
| 薬剤の種類 | 主な働き |
|---|---|
| 抗真菌外用薬 | マラセチア菌の増殖を抑える |
| ステロイド外用薬 | 頭皮の炎症や赤みを抑える |
| 抗ヒスタミン薬 | かゆみをやわらげる |
| ビタミン剤 | 皮脂の分泌を整え頭皮環境をサポートする |
原因となる菌を抑える抗真菌薬と、炎症を抑える薬を組み合わせるのが脂漏性皮膚炎の治療の基本です。自己判断で市販薬を使い続けても改善しない場合は、皮膚科などの医療機関で相談すると、症状に合った治療を受けられます。
症状が軽い場合は、抗真菌成分を配合した薬用シャンプーでケアする方法もあります。ミコナゾール硝酸塩などの抗真菌成分を配合したシャンプーは、マラセチア菌の増殖を抑え、フケやかゆみをケアする目的で市販されています。
あくまで頭皮環境を整えるためのアイテムであり、症状が強い場合や長引く場合は、市販品だけに頼らず医療機関を受診しましょう。
治療と並行して、頭皮環境を整えるセルフケアを行うと再発の予防につながります。マラセチア菌のエサとなる皮脂をためこまないよう、正しい洗髪や生活習慣を意識しましょう。
ただし、セルフケアだけで症状を治そうとすると悪化することもあるため、まずは医療機関で原因を確認したうえで取り入れるのが安心です。具体的な方法は次の章で紹介します。
マラセチア菌は皮脂をエサに増えるため、皮脂の過剰分泌を抑える洗髪・食事・紫外線対策が予防のポイントです。やり過ぎは逆効果になることもあるので、適度なケアを続けることが大切です。

シャンプーは1日1回を目安に、頭皮をやさしく洗うことが大切です。洗浄力の強いシャンプーで何度もゴシゴシ洗うと、必要な皮脂まで落とし、かえって皮脂の過剰分泌を招くことがあります。
マイルドな洗浄力のシャンプーを手で泡立て、指の腹で頭皮をマッサージするように洗い、すすぎ残しがないよう十分に流しましょう。洗髪後はドライヤーでしっかり乾かし、頭皮の蒸れを防ぐことも予防につながります。
頭皮環境を整えるための食事についてはさまざまな研究が進められていますが、現時点では「これを食べれば治る」というような、明確な食事推奨は確立されていません。
一部の研究では、果物の摂取が多いと脂漏性皮膚炎のリスクが低下する可能性が示されている一方で、アルコールや肉食に特徴づけられる西洋的な食事は、女性においてリスク因子となる可能性も示唆されています。
「特定の食品を完全に断つ」といった極端な方法ではなく、全身の健康や皮膚のターンオーバーを支えるために、バランスの良い食生活と十分な睡眠、規則正しい生活を心掛けることが大切です。
過度な紫外線は頭皮を含む皮膚全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、屋外では帽子や日傘で頭皮を守りましょう。ただし、帽子を長時間かぶり続けると頭皮が蒸れてマラセチア菌が増えやすくなるため、こまめに通気を意識することが大切です。汗をかいたあとは放置せず、清潔な状態を保つよう心掛けましょう。
頭皮のカビによる薄毛とAGAは、原因が全く異なります。カビによる薄毛は皮脂やマラセチア菌による頭皮の炎症が関係するのに対し、AGAは男性ホルモンの働きによって進行します。原因が違えば対処法も変わるため、薄毛が気になるときはどちらが関係しているかを見極めることが大切です。

カビによる薄毛とAGAは、髪が抜ける仕組みが異なります。カビによる薄毛は、皮脂とマラセチア菌による頭皮の炎症、そしてそれに伴う頭皮環境の悪化が主な要因です。
一方、 AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが毛根に作用し、髪の生え変わるヘアサイクル(毛周期)を乱すことで発症します。本来なら数年かけて太く長く育つはずの髪が、育ちきる前に抜けてしまうのが特徴です。しだいに細く短い毛が増えて、地肌が目立つようになります。
カビは頭皮の炎症、AGAはホルモンが主な原因という違いがあります。
フケやかゆみが治まっても薄毛・抜け毛が続く場合は、AGAの可能性も考える必要があるでしょう。AGAは進行性のため、放置すると薄毛が少しずつ進むのが特徴です。頭皮のカビによる炎症が落ち着いても抜け毛が気になるときは、 自己判断せず、薄毛の原因を医療機関で確認すると安心です。AGAであれば、早めに治療を始めるほど髪の状態を保ちやすいとされています。
レバクリを通じたオンライン診療なら、スマホのビデオ通話で医師に相談でき、初診・再診の診察料は発生しません。 ただし、レバクリでは、脂漏性皮膚炎など頭皮のカビ自体の診療は行っておりません。男性のAGA・薄毛のオンライン診療に対応しています。
頭皮のカビについて、読者が抱きやすい疑問にお答えします。
頭皮のカビは自然に治りますか?
軽い場合は生活習慣の見直しで落ち着くこともありますが、脂漏性皮膚炎は再発しやすい病気です。症状が長引くときは、自然に治るのを待たず医療機関で相談すると安心です。
市販のシャンプーだけで頭皮のカビは治せますか?
抗真菌成分配合の薬用シャンプーは、症状のコントロールに役立つことがあります。ただし、赤みやかゆみが強い、長引くといった場合は医療機関での治療を検討しましょう。
頭皮のカビはほかの人にうつりますか?
マラセチア菌は誰の肌にもいる常在菌のため、水虫などのように人から人へうつる可能性は極めて低いとされています。タオルの共用などを過度に気にする必要はないとされています。
頭皮のカビの正体は、誰の肌にもいるマラセチア菌という常在真菌で、増え過ぎるとフケ・かゆみ・赤みを伴う脂漏性皮膚炎の一因になります。自分の症状が頭皮のカビによるものかどうかをセルフチェックで見分けるのは難しいため、医療機関で確認してもらいましょう。
治療は抗真菌薬やステロイド外用薬が基本で、正しい洗髪や食事などのセルフケアで再発を防げます。頭皮環境の悪化は抜け毛のリスクにもつながるため、早めの対処が大切です。フケやかゆみが治まっても薄毛・抜け毛が続く場合は、原因が異なるAGAの可能性も考え、医師への相談を検討してみてください。
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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