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更新日:2024年01月11日

U字はげの原因とは?日々の生活の中で行える対策を紹介

この記事のまとめ
  • U字はげとは、前頭部が脱毛する症状のこと
  • U字はげの原因は、AGAや生活習慣などがある
  • U字はげは、生活習慣を見直すことで改善する可能性がある
  • U字はげを根本的に治療するには、専門機関での受診がおすすめ

鏡を見たときや髪を手で触ったときに「なんとなく生え際が後退しはじめている気がする…」と感じたことはないでしょうか?生え際が後退している場合は、U字はげと呼ばれるAGA症状が発生している可能性があります。本記事では、U字はげの原因や対策、治療方法などを説明していきます。

U字はげとは

U字はげとは、下図のⅣa型のように前頭部の髪の毛が脱毛し、生え際の後退を起こすはげ方を指します。 ハミルトンノーウッド.png

進行すると、頭頂部まで脱毛が進行し、側頭部と後頭部だけに髪の毛がある状態になってしまいます。そのため、症状が軽い早期のうちから対策を講じる必要があります。

はげ方にはほかにも、Ⅱ型vertexのように頭頂部の髪の毛が脱毛していくO字はげ、Ⅰ型のように前頭部の両サイドから剃り込みが深くなるように脱毛していくM字はげがあります。どのタイプも進行すると頭部の大部分の毛髪が脱毛していくため、注意が必要です。

U字はげの原因

ここからは、なぜU字はげになるのか解説していきます。

AGAによる要因

U字はげは、AGAと呼ばれる男性型脱毛症が原因であることがほとんどです。

AGAは、体内で生成されるジヒドロテストロンが、男性ホルモン受容体に結合することで引き起こされます。ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されることで、生成されます。

5αリダクターゼは発現している場所によってタイプが分かれており、全身の皮脂腺などに発現しているものをI型、前頭部や頭頂部に発現しているものをII型と呼んでいます。この5αリダクターゼII型が活性化することでU字はげが進行するのです。

AGAについて詳しく知りたい方は、「AGAとは?抜け毛・薄毛が進行する男性型脱毛症について分かりやすく解説」も参考にしてみてください。

生活習慣による要因

U字はげになる原因として、AGA以外に生活習慣などの環境要因も挙げられます。 具体的な要因について解説していきます。

食生活

髪は食事から摂取する栄養素によって成長するため、食事の内容がU字はげの原因になり得ます。髪は大きく分けると3つの部分に分けられ、一番外側をキューティクル、中間部分をコルテックス、中心部分をメデュラと呼びます。どれもタンパク質であるケラチンを中心に構成されており、食事にタンパク質が不足していると、髪の成長が抑制される可能性があります。

また、1日の摂取カロリーや不飽和脂肪酸(脂質の一種)の摂取が多い人は、髪の状態を悪化させることもわかっています。

U字はげを防ぐためとはいえ、タンパク質を含む食品を多く食べすぎると、カロリーオーバーになり、逆効果になる可能性が高いでしょう。特に、動物性タンパク質は脂質やカロリーが高い傾向があります。タンパク質を摂りたい場合は、比較的カロリーの低い植物性タンパク質を意識して摂取するのがおすすめです。

睡眠

睡眠不足も、U字はげを進行させる原因の1つです。髪の成長や頭皮の新陳代謝・修復には成長ホルモンが関わっており、成長ホルモンは睡眠中、特に深い眠りについたときに多く分泌されます。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減少し、毛髪の形成に必要なタンパク質の合成が十分に行われなくなる可能性があります。

また、睡眠不足は頭皮環境の悪化にもつながります。頭皮環境が悪くなることで髪に十分な栄養が届きにくくなり、髪の成長が滞ったり、すでに生えている髪の毛のダメージ修復が行われなくなったりする可能性があります。

喫煙・飲酒

タバコ中に含まれるニコチンやお酒に含まれるアルコールは、血行障害や細胞へのダメージ、DNAの損傷などを引き起こすため、薄毛の原因やAGA治療の妨げになると考えられています。もちろん身体には修復機能も備わっているため、摂取量によってはそれほど悪影響が出ない可能性はありますが、AGA発症のリスクにはなるといえるでしょう。

ストレス

過度なストレスは自律神経の乱れにつながります。自律神経とは、内臓の働きや血管の収縮拡張に関わる神経のことです。過度なストレスがかかると、自律神経の乱れによって円形脱毛症を引き起こすほか、頭皮の血行障害が起き髪に十分な栄養が届かなくなる可能性があります。内臓の働きも悪くなるため、髪の成長に必要な栄養素を吸収しづらくなり、薄毛や脱毛につながります。

参考: National Library of Medicine「Alcohol and endogenous aldehydes damage chromosomes and mutate stem cells」「Androgenetic alopecia in men aged 40-69 years: prevalence and risk factors

U字はげへの対策

U字はげの対策としては、生活習慣や髪型の見直しのほか、専門医による治療があります。ここではそれぞれについて、解説していきます。

生活習慣を見直す

生活習慣を見直すにあたって、特に下記の要素を改善させると良いでしょう。

食事を見直す

日常の食事の中に、髪の成長を促すタンパク質やビタミンをバランス良く取り入れることが、U字はげの改善につながります。ただ、それらの栄養素をたくさん摂取すれば良いというわけではありません。

厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準(2020年版)(P126)」によると、30~49歳の男性の場合、タンパク質の推定平均必要量は1日50g、推奨量は1日65gです。自分のよく食べる食品に含まれるタンパク質量を確認し、必要量や推奨量に近づけるよう食事量を調節すると良いでしょう。

また、30~49歳の成人男性におけるビタミンの1日あたり目安(推奨)量は、次のとおりです。

  • ビタミンA:0.9mg
  • ビタミンD:8.5μg
  • ビタミンE:6.0mg
  • ビタミンK:150μg
  • ビタミンB群(B1・B2・B6):1.4〜1.6mg
  • ビタミンC:100mg

とはいえ、細かく摂取量を考えて食事をするのは難しいため、ビタミンを補うにはマルチビタミンのタブレットなどを使用するのも一つの方法です。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

睡眠をしっかり取る

十分な睡眠時間をとることもU字はげの対策となります。必要な睡眠時間は個人差が大きいため、具体的に何時間寝れば良い、というものはありません。起床したときに、身体の疲労感や眠気が残っていない状態であれば十分といえるでしょう。

禁煙・禁酒をする

前述したように、タバコに含まれるニコチンなどの有害物質や、酒類に含まれるアルコールは髪の成長を阻害する可能性があるため、可能な限り禁煙・禁酒することをおすすめします。

しかし、喫煙・飲酒が習慣になっている方は、すぐに辞めるのが難しい場合も多いでしょう。どうしても辞められない場合は、保険診療による禁煙外来に通ったり、アルコール外来などでカウンセリングを受けたりすることもできるので、検討してみてください。

ストレスを減らす

ストレスを発散させることも、U字はげの対策として有効です。自分の趣味に没頭するのでも良いですし、1日のうち何もしない時間を作るなどでも良いので、ストレスを発散させる自分なりの方法を見つけることが重要です。

おすすめのストレス解消方法は運動です。適度な運動はストレスを解消させると同時に、全身の血行促進が起こるため頭皮の血流改善効果が見込め、髪の成長にも良い影響を与えます。

市販の発毛剤を使用する

U字はげを改善させるには、市販の発毛剤を使用してみるのも良いでしょう。ドラッグストアや薬局などで買える医薬品には、ミノキシジルという成分を配合した発毛・育毛効果を持つ商品があります。ミノキシジルを頭皮に塗ることで頭皮の血行が促進され、髪のヘアサイクルが正常に戻り、発毛効果を発揮します。

それ以外にも、ヒノキチオール・ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)・イソプロピルメチルフェノールなどの成分が入った発毛剤を使うのも一つの方法です。これらの成分は頭皮環境を整える効果があり、発毛・育毛の効果が期待できます。

髪型を見直す

直接的な対策ではないですが、髪型を見直すのも有効な手段の1つです。

前髪の量が少なくなってくると、髪を伸ばしてはげているところを隠そうとする方もいるでしょう。しかし、無理にはげている箇所を髪で隠すと、不自然な髪型になったり、ふとした瞬間に見えるおでこの状態にギャップを感じたりするなど、逆効果になる場合もあります。

短めの髪型にして、はげている部分が少し隠れる程度にする方が、U字はげが目立ちにくくなるでしょう。

AGA専門機関での治療

U字はげの対策としては、AGA専門機関での治療が効果的です。AGA専門のクリニックでは問診と診察の後、治療薬が処方されます。

AGAの治療薬としては、フィナステリドやデュタステリドと呼ばれる薬が使われます。これらの成分は、5αリダクターゼの活動を抑制することでジヒドロテストステロンの生成を阻害し、発毛を促します。どちらも医療用医薬品として国内で承認されている医薬品で、もちろん臨床試験もされています。

内服薬以外にも、外用薬(塗り薬)として、ミノキシジルが使用されることもあります。ドラッグストアで販売されているものよりも効果が強いものが使用されるため、よりU字はげの改善が見込めます。また、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬と併用可能なため、併用して使用されることが多いです。

AGAは早期発見と早期治療が非常に重要になるため、自分がAGAかもしれないと感じたら専門機関で受診し治療を開始するのがおすすめです。

AGA治療薬については、「AGA治療薬の種類と効果、副作用とは?」を参照してください。

参考:公益社団法人 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

まとめ

U字はげは、AGA症状の一種です。生活習慣の乱れもU字はげの原因となるため、食事や睡眠を見直したり、ストレスを発散したりすることで、U字はげの改善が見込めます。U字はげの一番の対策は、AGA専門のクリニックで治療することです。また、オンライン診療という、自宅で受診できるサービスもあるので、そちらを検討してみるのもおすすめします。

レバクリではAGAのオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひ一度ご予約ください。