更新日:2026年08月18日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「U字はげはもう治らないのでは」と諦めかけている方もいるかもしれません。U字はげはAGAが進行した状態ですが、毛根が完全に消失する疾患ではないため、治療による改善が期待できます。改善を図るための主な選択肢は、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬の服用・使用です。AGAは進行性のため、薄毛が気になる場合は早めに医師に相談しましょう。
U字はげは、生え際のラインがアルファベットの「U」のように見える状態を指します。M字はげ・O字はげがそれぞれ進行すると「U字状」に見えることがあるでしょう。U字はげとM字はげ、O字はげの3つのパターンは、以下の図のとおりです。

M字はげは、額の両サイドにある生え際が部分的に後退していき、正面から見たときにアルファベットの「M」の形に見える薄毛のタイプです。一方、O字はげは、頭頂部にあるつむじ周辺の髪が円形(Oの形)に薄くなるタイプを指します。
U字はげの前兆は、生え際の後退や頭頂部の軟毛化です。U字はげの前兆を確認したい場合は、生え際が後退するM字はげとつむじ付近から薄くなるO字はげがどの程度進んでいるかをチェックすることが大切です。
U字はげの原因がAGA(男性型脱毛症)の場合、進行度合いを客観的に見分ける目安として、「ハミルトン・ノーウッド分類」という世界的な分類に高島分類のII vertex型を加えた分類がよく用いられます。生え際や頭頂部の薄毛の進行具合を7段階で分類しています。

各段階の特徴と自覚しやすい変化は、以下の表のとおりです。
| 進行段階 | 特徴 | 自覚しやすい変化 |
|---|---|---|
| Ⅰ型 | 生え際の後退などはほとんど見られない | 強い照明の下などで、以前よりも地肌の透け感が出る |
| Ⅱ型 | こめかみ部分がわずかに後退し、軽いM字が目立ちやすくなる | Ⅱ型:額が露出しやすくなる Ⅱ型vertex:頭頂部のO型の薄毛が進行し、トップ部分のスタイリングがしにくくなる Ⅱa型:額が露出し始め、前髪のスタイリングがしにくくなる |
| Ⅲ型 | M字はげが目立ち、周囲からも気づかれ始める | Ⅲ型:頭頂部の薄毛が確認できる・地肌の露出面積が増える Ⅲ型vertex:頭頂部のO型の薄毛が進行する Ⅲa型:生え際の薄毛が進行してM字になる、全体的な髪のボリュームも減少する |
| Ⅳ型 | M字の中心部が細くなり、O字はげも現れる | Ⅳ型:整髪料を使っても地肌を隠すのが難しくなる Ⅳa型:M字の中心部が薄くU字に近くなる |
| Ⅴ型 | M字とO字の薄毛が進み、境界線が狭くなる | Ⅴ型:生え際と頭頂部の薄毛が広がり頭皮が露出する Ⅴa型:頭頂部の薄毛が進行しボリュームも大幅に減少する |
| Ⅵ型 | 前頭部から頭頂部にかけての境界がほぼ消失する | 頭皮が完全に露出し、年齢よりも老けて見られることが多くなる |
| Ⅶ型 | 側頭部と後頭部のみ髪が残り、U字型になる | 後頭部にかけて頭皮の露出が広がる |
薄毛の状況を客観的に判断するために、スマートフォンのカメラで定期的に頭頂部を撮影し、過去の画像と上表の進行段階を照らし合わせてみるのも一つの方法です。

AGAは進行性の疾患であるため、薄毛が気になる場合は早期から治療を始めることが大切です。U字はげの進行度合いに関わらず、「髪の毛に変化が現れた」など気になることがあれば、早めに医師にご相談ください。
U字はげを引き起こす主な要因として、AGAが挙げられます。AGAの発症には、男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)と遺伝が関与しています。

AGAの主な原因として、DHTの影響が考えられています。男性ホルモンの一種であるテストステロンに5αリダクターゼという酵素が作用すると、DHTが生成されます。DHTは、毛包にあるアンドロゲンレセプターと結合して脱毛因子TGF-βやDKK1を生成し、ヘアサイクル(毛周期)の乱れを招きます。

DHTの影響で約2〜6年ある成長期が数ヶ月〜1年程度に短縮するため、髪の毛が太く長く育つ前に抜けてしまい、薄毛が進行します。
U字はげを引き起こすAGAの原因の一つとして、遺伝が関係していると考えられています。そのため、親や祖父母が薄毛である場合には、遺伝的要因が影響する可能性があります。

5αリダクターゼの活性度が高い、またはDHTとアンドロゲンレセプターの結合が多い場合は、AGAを発症する可能性があるでしょう。あらかじめ自身の遺伝的傾向を把握することは、早期の受診・治療開始につながり、薄毛の進行抑制や現状の毛髪維持を目指す取り組みに役立つ可能性があります。
AGAの主な原因はDHTの影響や遺伝と考えられており、生活習慣の乱れやストレスは直接的な原因ではありません。ただし、生活習慣の乱れや過度なストレスが続くと、ヘアサイクルの乱れや頭皮環境の悪化などを招き、間接的に髪や頭皮の健康に影響を与える可能性があります。
AGAによるU字はげが疑われるときは、AGAクリニックまたは皮膚科を受診しましょう。医師に相談することで、原因を明らかにして適切な治療法を提案してもらえます。治療方法は薄毛の進行度によって変わるため、まずは早期に受診して現状を正しく把握することが大切です。
| AGAによるU字はげの治療法 | 期待される効果 | 効果を実感するまでに必要な期間 |
|---|---|---|
| フィナステリド | 抜け毛の抑制 | 約6ヶ月 |
| デュタステリド | 抜け毛の抑制 | 約6ヶ月 |
| ミノキシジル | 発毛促進 | 約4~6ヶ月 |
| 自毛植毛 | 移植した髪の定着後の生え変わり | 約12ヶ月 ※一時的な脱毛のあと移植部分から発毛し、生え揃うまでの期間 |

AGAの場合、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった治療薬による治療が一般的です。ここでは、それぞれの治療薬の作用・効果を解説します。
フィナステリドは、5αリダクターゼⅡ型という酵素を阻害する作用があります。

5αリダクターゼⅡ型を阻害することで、テストステロンがDHTに変換されるのを抑え、抜け毛を抑制する効果が期待できます。服用を開始してから効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、6ヶ月ほどかかるとされています。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
デュタステリドは5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型を阻害し、フィナステリドよりも強く作用すると考えられます。

服用を開始してから効果を実感するまでには、少なくとも6ヶ月程度の連続服用が必要とされています。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、血管拡張作用により毛包周囲の血流を改善すると考えられています。

これにより毛根に栄養や酸素が届きやすくなり、発毛を促す効果が期待できるでしょう。また、毛包に直接作用してヘアサイクルの成長期を延長する働きも示唆されています。ミノキシジルはフィナステリドやデュタステリドと作用機序が異なり、併用することが可能です。
なお、ミノキシジルには国内で承認されている外用薬(塗り薬)と、2026年6月時点で国内未承認の内服薬があります。
U字はげの原因がAGAの場合、生活習慣のみで改善することはできません。AGA治療薬での治療が基本となり、セルフケアはあくまで間接的なサポートです。AGA治療と並行して生活習慣やヘアケアの方法を見直すことで、U字はげの改善に役立つ可能性があるでしょう。
AGA治療の間接的なサポートとして、生活習慣の改善が挙げられます。良質な睡眠を確保すると成長ホルモンが分泌され、髪や頭皮のダメージを修復しやすくなります。

就寝前はブルーライトを発するスマートフォンなどの使用を避け、落ち着いた睡眠環境をつくりましょう。食事面では栄養バランスを意識しつつ、髪の主成分であるタンパク質を含む食材や、代謝を助ける亜鉛を多く含む食材を取り入れるのがおすすめです。

そのほか、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。軽いジョギングやヨガなどの有酸素運動や趣味の活動を取り入れ、ストレスを溜め込みすぎない生活を目指しましょう。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
AGA治療と並行して、頭皮環境を整えるケアも間接的なサポートになります。適切な方法でシャンプーを行うことで、髪への負担を抑えながら余分な皮脂を取り除き、頭皮を清潔に保てます。

38℃前後のぬるま湯で頭皮まで流す「予洗い」をしっかり行い、シャンプーを手のひらで泡立ててから頭に置き、指の腹で優しく洗うのがコツです。タオルで水分を優しく拭き取った後、ドライヤーで根元からしっかり乾かしましょう。
根本的な解決策にはならないものの、U字はげが気になる部分をかつらで隠すという選択肢もあります。好みの毛量やデザインのかつらを使うことで、見た目の改善を図れるでしょう。AGAの治療効果が出るまでの補助手段として活用する方法もあります。ただし、費用が高い場合があることや、メンテナンスが必要になるなどのデメリットもあるため、注意が必要です。
ここではU字はげについてよくある質問に回答します。
U字はげの治療費用はどれくらいかかりますか?
AGA治療薬は1ヶ月あたり数千円程度が目安で、ジェネリック医薬品を選ぶと費用を抑えやすくなります。ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に販売される、同じ有効成分を含んだ薬です。
自毛植毛でU字はげの治療をする場合、200万円程度費用がかかる可能性があります。
U字はげの治療は何歳から始められますか?
AGA治療薬の服用・使用は、20歳から始められます。フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルは、20歳未満に対する安全性・有効性が確立されていないためです。20歳未満で薄毛・抜け毛が気になる場合、まずは皮膚科で医師に相談し、頭皮や髪の状態を診てもらいましょう。
U字はげは、生え際と頭頂部の薄毛が進行し「U字状」に見える状態です。主な原因はAGAで、男性ホルモンのDHTや遺伝的要因が関わっていると考えられています。生活習慣の改善のみで進行を止めることは難しく、改善を図るにはフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬の服用・使用が主な選択肢となります。AGAは進行性のため、薄毛が気になる場合は早めに医師に相談しましょう。通院に負担を感じる方は、自宅から受診できるオンライン診療も検討してみてください。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
大正製薬「リアップX5チャージ説明書」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
オンライン診療サービス「レバクリ」なら、医師の診察からお薬の処方まで、すべてスマホひとつで完結できます。
AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
「レバクリ」は、AGA治療の「始めやすさ」と「続けやすさ」を重視し、オンライン診療のメリットを最大限に活かしたサービスを提供しています。

外用薬はクリニックで処方してもらうほかドラッグストアでも購入できますが、内服薬は医師の管理下で服用する点に留意しましょう。効果を感じるまでには、4〜6ヶ月程度の使用・服用の継続が必要とされています。
参考:大正製薬「リアップX5チャージ説明書」
AGA治療薬による治療では改善が難しい場合、自毛植毛という選択肢があります。

ただし、自毛植毛には費用がかかることや、手術によるダウンタイムが伴うなどのデメリットもあります。

まずは内服薬・外用薬による標準的な治療を検討しつつ、治療方針について医師と相談するとよいでしょう。