更新日:2026年01月30日
「AGA治療を始めると初期脱毛が起きるの?」と不安を感じている方もいるかもしれません。AGA治療を始めると初期脱毛が起こる可能性はあります。AGA治療薬による初期脱毛は、治療薬がヘアサイクルを正常化する過程で起こる一時的な現象のことです。本記事では、初期脱毛のメカニズムや治療薬による違い、初期脱毛を乗り切るための対策などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
初期脱毛とはAGA治療薬が毛髪のサイクル(ヘアサイクル)を正常化する過程で起こる、一時的な現象のことです。
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」という3つの時期があり、薄毛に悩む方の場合は毛髪が「休止期」に留まっていることが多いでしょう。AGA治療薬には休止期に弱った毛髪を一度抜け落とさせ、新しい成長期のサイクルへと移行させる作用があります。
つまり、初期脱毛は弱く細くなった髪が抜け落ち、その後に新しい髪が生えてくるための通過点といえるでしょう。
初期脱毛が始まる期間は使用するAGA治療薬や個人の体質などにより異なり、治療開始後1ヶ月程度で始まることが一般的です。初期脱毛が始まった場合は、これから髪が生まれ変わる前触れとポジティブに捉えるようにしましょう。
「抜け毛がひどい人必見!髪の毛が抜ける原因とは?対策・予防法を解説」の記事では、抜け毛の原因について解説しているので、ぜひご一読ください。
AGA治療に用いられる薬にはミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドなどがあります。ここでは、それぞれの治療薬とその特徴について見ていきましょう。
ミノキシジルは発毛を直接促す治療薬で、AGA対策では攻めの薬とされています。ミノキシジルは血管を拡張して頭皮の血流を改善し、毛母細胞に栄養を届けやすくします。これにより、休止期に入っていた毛髪を成長期に移行させるのです。
しかし、ミノキシジルの使用によって新しい髪を育てる過程で、弱った髪が押し出されて抜け落ちる「初期脱毛」が起こる可能性があります。ミノキシジルによる初期脱毛は使用開始から2週間〜1ヶ月ごろに始まり、2〜3ヶ月間程度続くことが一般的です。
フィナステリドは主に抜け毛を抑制する効果があるAGA治療薬です。男性型脱毛症の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑え、髪の毛が抜けるのを防ぎます。
フィナステリドによる初期脱毛は服用開始から10日〜2週間ほどで見られることが多く、その後1〜2ヶ月ほどで落ち着くケースが一般的です。ただし、体質によっては3〜6ヶ月ほど続くことも考えられます。初期脱毛が始まっても自己判断で中止せずに医師に相談したうえで治療薬の調整をしたり、治療法を変更したりするようにしましょう。
デュタステリドはフィナステリドよりも強力にDHTの生成を抑制するAGA治療薬です。国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、フィナステリドがll型5α-還元酵素のみを阻害するのに対し、デュタステリドはl型とll型の両方を阻害するため、より高い効果が期待できます。
デュタステリドによる初期脱毛は、開始から1〜3ヶ月の間に起こる可能性があります。初期脱毛は治療薬が効き始めているサインでもあるため、一過性のものとして捉えることが大切です。
AGA治療薬の種類についてさらに詳しく知りたい方は、「はげに効く薬とは?AGA治療薬の種類や副作用、入手方法を解説」の記事もあわせてご一読ください。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
「AGA治療薬による初期脱毛をできるだけ抑えたい」と考える方は少なくありません。ここでは、AGA治療による初期脱毛を抑制するための5つの対策を紹介します。
質の良い睡眠は髪の健康維持に欠かせません。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、毛髪の成長に重要な役割を果たします。睡眠不足はストレスの原因となり、脱毛を悪化させる可能性があるのです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」によると、7時間前後の睡眠時間の人が生活習慣病やうつ病の発症および死亡に至るリスクが最も低いとされています。寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、規則正しい生活リズムを作るよう心掛けましょう。
参考:厚生労働省「第3回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会」

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
健康な髪の毛を育てるためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどのさまざまな栄養素が必要です。偏った食事では栄養素が不足し、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。
特に髪の健康に必要な栄養素は以下のとおりです。
上記の栄養素をバランス良く摂取するために、肉や緑黄色野菜、ナッツ類などを積極的に食事に取り入れましょう。
喫煙や飲酒の習慣は頭皮の血流を悪化させ、髪の成長を妨げる要因です。タバコのニコチンや一酸化炭素は毛根への酸素や栄養供給を阻害し、さらにDHTの増加やビタミンCの消耗を招くことで抜け毛を加速させます。
また、過剰な飲酒は肝機能の低下や栄養不足、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、薄毛を進行させやすくするのです。禁煙と適量の飲酒を心掛けることが初期脱毛を抑え、髪の健康を守る第一歩といえます。
ストレスによって分泌されるコルチゾールというホルモンは毛髪の成長を抑制し、脱毛を促進する可能性があります。また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こすこともあるのです。
ストレス解消には以下のような方法がおすすめです。
自分に合ったストレス解消法を見つけ、定期的に実践するよう心掛けましょう。ストレスを解消することで、初期脱毛の程度を軽減できる可能性があります。
初期脱毛の期間中は髪型やスタイリング剤を工夫することで、見た目の変化を目立たなくできます。ただし、頭皮に負担を掛けるヘアスタイルは髪が抜けてしまう恐れがあるため避けましょう。
スタイリングで薄毛をカバーする際の主な方法は以下のとおりです。
強く髪を引っ張るヘアスタイルや頭皮に刺激の強いヘアケア製品は避け、なるべく自然な髪の動きを活かしたスタイリングを心掛けましょう。
「AGAは予防できる?予防方法や原因を解説」の記事では、AGAの予防方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
先述のとおり、初期脱毛が始まる期間は使用するAGA治療薬や個人の体質などにより異なるものの、治療開始後1ヶ月程度で始まることが一般的です。初期脱毛はAGA治療薬が効き始め、毛髪のサイクルに影響を与え始めたサインと考えられます。
初期脱毛の期間は通常2〜3ヶ月ほどで、その後は徐々に抜け毛が減少します。3ヶ月を過ぎると初期脱毛が収まり、新しい髪の毛が生え始めることが多いでしょう。ただし、人によっては4ヶ月ほど続く可能性もあるため、初期脱毛が続く期間には個人差があることを覚えておくと良いでしょう。
初期脱毛の期間中は不安になることもあるかもしれません。しかし、AGA治療の効果は通常6ヶ月〜1年ほど掛けて徐々に現れるので、長期的な視点で治療を継続することが大切です。
初期脱毛がなかなか終わらず不安を感じている方もいるかもしれません。ここでは、初期脱毛が長引く主な要因について解説します。
AGA治療薬は人によって効果や副作用が異なります。使用している薬が自分の体質に合わない場合、以下のような状況が起こる可能性があるでしょう。
上記のような場合は、処方されている薬の種類や濃度が自分の身体に合っていない可能性があります。自己判断でAGA治療薬の使用を中断せず、医師に相談しましょう。薬の種類や用量の変更、あるいは併用療法の検討などで状況が改善する場合もあります。
特にAGA治療薬を個人輸入して使用している場合、まずは専門医の診察を受けることが大切です。医師による適切な診断と薬の処方が効果的な治療につながるでしょう。
初期脱毛が長期間続く場合、AGAとは別の脱毛症を併発している可能性も考えられます。AGA以外の主な脱毛症は以下のとおりです。
これらの脱毛症はAGAとは原因も治療法も異なるため、AGA治療薬だけでは改善しないことが考えられます。脱毛のパターンが局所的であったり、短期間で急激に進行したりする場合はAGA以外の脱毛症の可能性があるため、医師に相談するのがおすすめです。
AGA治療薬による初期脱毛に悩む方は少なくありません。ここでは、AGA治療薬による初期脱毛に関するよくある質問をまとめているので、ぜひご一読ください。
初期脱毛はAGA治療を受けるすべての人に起こるわけではありません。初期脱毛が発生するかどうかは治療薬の種類や個人の体質によって異なります。
また、初期脱毛が起こらないからといって不安になる必要はありません。人によっては初期脱毛が起こらず、徐々に髪質や髪の密度が改善するケースもあるからです。
初期脱毛によって見た目がスカスカになるほど髪が抜けることは少ないでしょう。通常は、シャンプー時や枕に髪の毛が多く残るなど、普段より抜け毛が増えたと感じる程度です。
初期脱毛の期間を乗り越えると新しい髪の毛が生えてくるため、AGA治療は長期的に考えるようにしましょう。
ミノキシジルなどの外用薬(塗り薬)の使用で初期脱毛が起こる可能性があります。ただし、国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、内服薬に比べると外用薬の初期脱毛は穏やかな場合が多いとされています。内服薬は腸管から吸収され、外用薬より効果が高いためです。外用薬の場合も内服薬と同様に薬の種類や濃度、個人の体質によって初期脱毛の程度は異なります。
フィナステリドで初期脱毛が起こるのはなぜ?期間の目安や対処法を解説 デュタステリドによる初期脱毛とは?抜け毛が起きる理由や効果が出る時期 ミノキシジルの初期脱毛が起こる理由とは?原因と対策を解説
AGA治療における初期脱毛は、治療薬が毛髪のヘアサイクルを正常化する過程で起こる一時的な現象です。初期脱毛は治療開始後1ヶ月ほどで始まり2〜3ヶ月程度で収まることが一般的です。また、使用するAGA治療薬や個人の体質によって、初期脱毛が起こるかどうかや続く期間の長さなどが異なります。
初期脱毛の影響を抑えるには十分な睡眠やバランスの良い食事、禁煙や適量の飲酒などの対策が必要です。初期脱毛が3ヶ月以上続く場合は処方薬が体質に合っていなかったり、AGA以外の脱毛症を併発していたりする可能性も考えられるため、専門医に相談しましょう。