更新日:2026年06月15日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
AGA治療を検討し始めたものの、副作用が怖くて一歩踏み出せないと考える方もいるかもしれません。AGA治療薬には性機能障害や皮膚トラブルなどの副作用のリスクがありますが、医師の管理下で服用すれば過度に恐れる必要はありません。この記事では、代表的な3つのAGA治療薬が持つ副作用の種類や症状が出た際の適切な対処法を解説します。安全に治療を継続するためのポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
AGA(男性型脱毛症)の治療薬にはさまざまな種類がありますが、国内で選択肢として検討される薬は主にフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルの3種類です。ここではそれぞれの作用効果や、効果実感までにかかる期間などを解説します。

AGA治療薬は、それぞれ髪の毛に対するアプローチ(薬理作用)が異なります。そのため、抜け毛を抑える薬と、髪を生やす力を高める薬を組み合わせて使用することが一般的です。たとえば、フィナステリドで抜け毛を抑え、ミノキシジルで発毛を促進するといった併用プランも、医師の診断のもとで提案されています。
フィナステリドは新しい毛を生やすというよりも、現状維持や抜け毛の抑制を目的とした治療薬です。AGAの大きな原因は、体内のテストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼと結びつき、脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)に変化することにあります。

フィナステリドは5αリダクターゼII型の働きを阻害することで、DHTの生成を抑制し、乱れたヘアサイクルを正常な状態へ近づける効果が期待できます。
効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、毎日服用を続けてから6ヶ月程度で変化を感じるのが一般的です。即効性を求めるのではなく、長期的な視点で治療に取り組むことが、納得のいく結果を得るためのポイントとなるでしょう。
デュタステリドは、フィナステリドと同様に5αリダクターゼを抑えることでAGAの原因となるDHTの生成を抑制する薬です。5αリダクターゼにはI型とII型の2種類が存在し、フィナステリドが主にII型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方の働きを抑制します。これにより、脱毛の原因物質であるDHTをより抑える効果が期待されています。
ただし、あくまで主な役割は抜け毛防止による進行抑制であり、髪を増やす発毛効果を期待して服用する薬ではありません。効果の実感についてはフィナステリド同様、服用を開始してから6ヶ月ほどで変化があらわれるのが一般的です。フィナステリドで十分な手応えが得られなかった場合などの、次なる選択肢ともなるでしょう。
ミノキシジル外用薬(塗り薬)は、フィナステリドやデュタステリドと異なり、発毛促進効果を持つ発毛剤です。フィナステリドとデュタステリドが抜け毛の原因となるDHTの生成を抑える薬であるのに対し、ミノキシジルは毛包を直接刺激して発毛を促す薬といえます。具体的には、以下のような働きがあると考えられています。
ただし、ミノキシジル自体には抜け毛の根本原因であるDHTを抑える働きはありません。そのため、フィナステリドやデュタステリドとあわせて使用される傾向があります。
なお、ミノキシジルも効果を実感するまでには6ヶ月程度の継続使用が必要です。
AGA治療を検討するうえで、副作用について正しく理解しておくことも大切です。過度に恐れることなく安心して治療を始めるためにも、事前に副作用について確認しておきましょう。
フィナステリドの副作用には、リビドー減退や勃起機能不全(ED)といった性機能障害のリスクが挙げられます。また、まれに肝機能障害や抑うつ症状があらわれる可能性も指摘されています。これらの症状を感じた場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
加えて、フィナステリドには、前立腺がんの早期発見に用いられる指標であるPSAの値を低下させる性質があるため注意が必要です。検査を受ける際には必ず医師へフィナステリドを使用している旨を伝えてください。
また、フィナステリドは妊婦が触れるだけでも、男子胎児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼすおそれがあるため、妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性への投与は禁忌とされています。皮膚からも成分が吸収されるため、十分に注意する必要があります。家族がいる方は、薬の管理にしっかり配慮し、安全に治療を継続できる環境を整えましょう。
デュタステリドの副作用は、基本的にはフィナステリドと似た性機能障害が挙げられます。主なものとしては、リビドーの減少やインポテンツ(勃起不全)、射精障害などが報告されています。また、精神面においても、まれに抑うつ症状があらわれるケースがあるため、気分の変化にも注意を払っておきましょう。
フィナステリドと同様にPSA濃度を低下させる特性があるため、デュタステリドを服用している場合、測定された数値を2倍にして評価する必要があります。診察時には必ず服用中であることを申告しましょう。
また、妊婦や妊娠の可能性のある女性、授乳中の方への投与はフィナステリドと同様の理由で禁じられています。デュタステリドも成分が皮膚からも吸収される可能性があるため、女性や子どもが誤って薬に触れないよう、保管管理を徹底しましょう。
ミノキシジルの外用薬を使用する場合、成分の濃度が高くなるほど副作用のリスクも高まる傾向にあります。主な症状は、頭皮の瘙痒(かゆみ)や紅斑(赤み)、落屑(フケ)といった皮膚トラブルです。また、毛包炎や接触皮膚炎などの炎症が起きることもあります。
さらに、頭皮以外の全身への影響として、めまいや動悸、頭痛といった症状が見られることもあるため、自身の体調変化を意識しておきましょう。
また、使い始めの時期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることがあります。これは休止期に入っていた古い毛が、新しく生えてこようとする元気な毛に押し出されることで発生します。あくまで「薬が効いて新しい髪が育とうとしているサイン」のため、自己判断で使用を中止しないようにしましょう。
AGA治療薬を服用中に副作用と思われる症状があらわれた場合は、薬の使用を中断し、処方医に相談してください。副作用を放置して薬の使用を続けてしまうと、重篤な健康被害を招く危険性があります。
医師に相談することで、薬の種類の変更といった対処が可能です。また、自毛植毛などの根本的に異なる治療方法へ切り替えるという選択肢も検討できるでしょう。
少しでも異変を感じたら「まずは医師に話す」という意識を持ち、安全第一で薄毛の悩みを改善していきましょう。

AGAの治療法は、薬の服用以外にも選択肢が存在します。副作用があらわれた場合でも、必ずしも諦める必要はありません。まずは医師と相談し、体質やライフスタイルに合った、無理のない治療計画を一緒に立てていきましょう。
副作用のリスクはAGA治療薬に限らず、風邪薬のような市販薬も含めたすべての医薬品に多かれ少なかれ存在するものです。大切なのは、副作用の可能性を過剰に恐れるのではなく、医師からの説明を受け、医師と相談しながら疑問点や不安点などを確認し、納得した上で治療を始めるかどうかを決めるのが良いでしょう。
AGA治療薬をインターネット通販や個人輸入で購入することは、健康被害のリスクが高いため、避けるべきです。海外から直接取り寄せられる薬の中には、偽造品や成分が不透明な粗悪品、品質が悪いものが混じっている可能性が否定できません。見た目が本物そっくりであっても、中身が全く別物であったり、有害な物質が含まれていたりするケースが報告されています。
また、正規のルート以外で購入した薬で副作用が起きた場合、医薬品副作用被害救済制度などの公的なサポートを受けられません。自分の体を守るためには、クリニックを受診し、医師の診断と処方に基づいた医薬品を使用してください。専門家の管理下で治療を受けることで安全に治療を進められるでしょう。

安価に手に入るという誘惑があるかもしれませんが、命に関わるような重篤な被害に遭ってからでは取り返しがつきません。AGA治療薬は必ず医師の管理・指導のもとで使用しましょう。
AGA治療において副作用は無視できない要素ですが、医師の診断のもとで適切に使用すれば、安全に薄毛の改善を目指せます。フィナステリドやミノキシジルなど、薬の種類によって起こりうる症状は異なります。もし服用中に違和感があれば、自己判断で続けず、速やかに専門医へ相談することが大切です。治療法の変更など、あなたの体質に合わせた柔軟な対応が受けられます。副作用を正しく恐れ、メリットとリスクを納得した上で治療を始めることが、理想の髪を取り戻すための第一歩です。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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