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更新日:2024年01月24日

AGA治療の副作用とは?治療薬ごとの副作用や対処法を解説

この記事のまとめ
  • AGA治療薬の副作用は、性欲減退や肝機能障害、食欲不振などがある
  • いずれの副作用も発生確率は1~5%程度
  • 副作用の症状があった場合はすぐに医師に相談しよう

AGA治療を始めたいと考えていても、「副作用が怖い」「治療薬は本当に安全なの?」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。不安を軽減してAGA治療を始めるためには、起こりうる副作用や副作用が生じたときの対処法を理解しておくことが大切です。 この記事では、AGAの治療薬ごとの副作用や副作用が出たときの対処法、AGA治療で後悔しないためのポイントを解説します。

AGA治療の副作用とは

AGA治療薬を服用すると性欲減退や肝機能障害、食欲不振などの副作用が現れる場合があります。起こり得る副作用は、使用する治療薬の種類によって異なります。

AGA治療で処方されることの多い治療薬は、以下の3種類です。

  • プロペシア(フィナステリド)
  • ザガーロ(デュタステリド)
  • ミノキシジル

AGA治療で起こり得る副作用を治療薬別に詳しく解説します。

プロペシアの服用で起こり得る副作用

プロペシアは有効成分「フィナステリド」によりヘアサイクルを整え、AGAの進行を抑える効果があるとされています。

プロペシア錠0.2mg・プロペシア錠1mgの添付文書によると、プロペシアの服用で起こり得る副作用の例は以下のとおりです。

  • 性欲減退
  • 勃起不全
  • 抑うつ症状
  • 肝機能障害

フィナステリドが男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑制するため、体内のホルモンバランスが崩れ、上記のように性機能障害や抑うつ症状といった副作用が起こるかもしれません。また、フィナステリドを代謝する際に肝臓に負担がかかり、ごくまれに肝機能障害が起こるリスクもあります。

ただし、同添付文書によると、 国内第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験による副作用の発現割合は、性欲減退が1.1%、勃起機能不全が0.7%となっています。抑うつ症状や肝機能障害は頻度不明となっており、医師の指示のもと治療薬を正しく服用していれば副作用を過度に心配する必要はないでしょう。

なお、厚生労働省の「プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について」によると、プロペシアを妊娠中の女性が服用してしまうと、胎児(男児)の生殖器に異常を起こすおそれがあるとされています。パートナーが誤って服用してしまうことのないよう、薬の管理には十分注意しましょう。

参考: オルガノン株式会社「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎フィナステリド錠」 厚生労働省「プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について

ザガーロの服用で起こり得る副作用

ザガーロの有効成分は「デュタステリド」で、AGAによって乱れたヘアサイクルを整えて脱毛を抑制する治療薬です。日本では2015年に承認されました。ザガーロはプロペシアよりも血中に留まる期間が長いとされています。

ザガーロカプセル0.1mg・ザガーロカプセル0.5mgの添付文書によると、ザガーロの服用により起こりうる副作用の例は以下のとおりです。

  • 性機能不全(勃起不全、性欲減退、射精障害)
  • 抑うつ気分
  • 肝機能障害
  • 倦怠感

同添付文書によると、二重盲検比較試験による副作用の発現割合は勃起不全が4.3%、性欲減退が3.9%、精液量減少が1.3%となっています。そのほか、抑うつ気分の発現頻度は1%未満、肝機能障害や倦怠感は頻度不明とされています。 全般に副作用の少ない安全な薬といえますが、フィナステリドと比較すると副作用の頻度はやや多いようです。

デュタステリドの服用は肝臓に負担をかけるため、同添付文書では重度の肝機能障害のある人には「投与しないこと」とされています。肝臓の持病がある人は、AGA治療を始める前に必ず医師に伝えましょう。

参考:グラクソ・スミスクライン株式会社「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬デュタステリドカプセル

ミノキシジルの服用・使用で起こり得る副作用

ミノキシジルは血行を促進したり、髪の毛の元になる毛母細胞を活性化したりする作用があるAGA治療薬です。もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、服用過程で多毛の症状が発見されたためAGA治療薬として再開発され、AGA治療に使用されるようになりました。 ミノキシジルには内服薬と頭皮に直接塗布する外用薬の2種類があり、国内では外用薬のみ認可されています。

ミノキシジルローション5%「JG」の添付文書によると、ミノキシジル外用薬を使用した際に起こり得る副作用の例は、以下のとおりです。

  • 頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ
  • 頭痛やめまい
  • 胸の痛み
  • 手足のむくみ

もともと高血圧治療薬だったミノキシジルは、AGA治療薬として使用した場合に血圧が低下し、頭痛やめまいなどの症状を起こすことがあります。

なお、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、ミノキシジルの内服薬の副作用の例として多毛症が挙げられています。 また、同ガイドラインによるとミノキシジルの内服薬の有用性に関する臨床実験は実施されておらず、利益と危険性の検証が十分でないため、「ミノキシジルの内服を行うべきではない」としています。   参考: シオノケミカル株式会社「ミノキシジルローション5%JG」 公益社団法人日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

AGA治療で副作用が起こる確率は?

AGA治療薬の服用・使用によって副作用が起こる可能性は1~5%程度だといわれています。

副作用が起こる確率は低いことに加え、もし副作用が現れたとしても薬の服用を中止すれば基本的に症状は改善されるため、過度に心配する必要はないでしょう。

どのような薬にも副作用は存在し、たとえば市販の風邪薬でも副作用が起こる可能性があります。副作用が起こるかどうかは服用する人の体質による部分も大きく、「アレルギーがある」「肝臓や腎臓に疾患がある」といった場合は副作用を起こしやすい傾向にあります。

副作用について不安なことがある場合は、AGA治療を開始する前に医師に相談するようにしましょう。

AGA治療で副作用が起きたらどうするべきか

AGA治療で副作用が生じた際にすべきこととして、以下の2点が挙げられます。

  • まずは医師に相談する
  • 医師と一緒に対処法を検討する

AGA治療薬で副作用が起こる可能性は低いとされているものの、体調に異変が起きてしまった場合に備えて対処法を知っておくことが大切です。ここでは、実際に副作用が起きた場合の対処法について解説します。

まずは医師に相談する

AGA治療薬を服用・使用して副作用と思われる症状が出た場合は、速やかに医師に相談しましょう。 体調の異変を感じているにもかかわらず薬の服用・使用を続けてしまうと、症状が悪化してしまうおそれがあります。 また、自己判断で服用・使用を中止するとAGAが進行する可能性があるため、まずは担当医に相談することが大切です。

医師と一緒に対処法を検討する

副作用が生じた場合、まずは医師に相談し、そのうえで医師と一緒に対処法を決めましょう。対処法として考えられるのは以下の2つです。

  1. 薬の量を減らす
  2. 薬の種類や治療法を変える

2つの対処法について、それぞれ詳しく解説します。

1.薬の量を減らす

AGA治療薬で副作用が出た場合、医師の判断で薬の量を減らして経過を見ることがあります。 ただし、減薬することでAGAへの効果を感じづらくなる可能性があるため、メリット・デメリットを医師と確認しながら検討しましょう。

2.薬の種類や治療法を変える

AGA治療薬にはいくつかの種類があり、人によっては体質に合わない薬があるかもしれません。AGA治療薬を服用・使用して副作用が生じた際は、医師に相談して別の薬を処方してもらうという選択肢もあります。

また、成分が異なる薬を併用している場合はどちらかを中止するといった方法もあるため、医師と一緒に検討しましょう。

AGA治療で後悔しないためのポイント

AGA治療で後悔しないためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。

  • 治療時に起こりうる症状を理解する
  • 治療期間を把握する
  • 治療にかかる費用を把握する
  • 自分に合うクリニックを選ぶ
  • セルフケアも行う

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

治療時に起こりうる症状を理解する

AGA治療薬の服用・使用を開始すると、副作用が生じる可能性があるほか、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こることがあります。初期脱毛はヘアサイクルを正常化しようとするAGA治療薬の働きによる現象で、薬が効いていることの現れであると考えられます。 しかし、副作用や初期脱毛について理解していないと「副作用がつらい」「せっかく治療を始めたのに薬が効いていない」と感じ、挫折する可能性があります。

AGA治療で後悔しないために、副作用や初期脱毛など治療時に起こりうる症状を理解したうえで治療に臨むようにしましょう。

AGA治療の初期脱毛について詳しく知りたい方は、「AGA治療の初期脱毛とは?ミノキシジルやフィナステリドとの関係などを解説」も参考にしてみてください。

治療期間を把握する

AGA治療では、治療薬の服用・使用を始めてから効果を実感できるまでに6ヶ月程度かかるといわれています。また、効果を得られた状態を維持するためには、基本的に治療を続ける必要があるとされています。

AGA治療は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の影響により乱れたヘアサイクルを元に戻すことから始まります。正しいヘアサイクルに戻して髪を成長させるにはある程度の時間を要するため、短期間では効果を実感しづらいでしょう。

しかし、治療期間について理解していないと、「なかなか効果が出ない」と挫折してしまうおそれがあります。人によってはAGA治療薬の服用・使用を開始してから3ヶ月ほどで効果を感じられる人もいますが、即効性のある治療ではないため、すぐに効果が得られなくても根気よく治療を続けることが大切です。

治療にかかる費用を把握する

AGA治療は健康保険が適用されないため、診察料や薬代などは全額自己負担となります。また、前述のとおり長期間続ける必要がある治療であるため、継続的に治療費がかかり金銭的な負担が大きくなりやすいでしょう。 費用について調べずにAGA治療を始めてしまうと、「思ったよりお金がかかる」と後悔してしまうおそれがあります。

AGA治療にかかる費用は、症状や治療方法によって異なりますが、内服薬と外用薬にを併用する治療の場合は1ヶ月あたり15,000円〜30,000円程度が相場だといわれています。治療薬による治療ではなく、植毛治療や頭皮に直接薬剤を注入する治療を行うとさらに高額となるため、治療開始前に治療方法ごとの費用相場を調べ、予算の目安を把握しておくことが大切です。

6ヶ月以上の治療継続を見越して、無理のない予算を設定しておきましょう。

AGA治療の費用については、「AGA治療の費用相場はどれくらい?保険が適用されるかについても解説」でも詳しく解説しています。

自分に合うクリニックを選ぶ

長期にわたって行うAGA治療においては、クリニックとの相性も重要です。治療を継続するために、医師への質問のしやすさやクリニックへの通いやすさなどを考慮してクリニックを選ぶことが大切になります。

自分に合わない病院を選んでしまうと、治療へのモチベーションが下がってしまい、効果を得られる前に治療をやめて後悔するおそれがあるでしょう。

AGA治療を行うクリニックは多くあるので、6ヶ月以上は治療を継続することを想定して「ここなら大丈夫」と思えるクリニックを選ぶようにしましょう。

クリニックを選ぶ際に着目すべきポイントは以下のとおりです。

  • 治療プランは自分に合っているか
  • 治療にかかる費用は予算内か
  • 医師との相性は良さそうか
  • オンライン診療に対応しているか
  • 予約は取りやすいか
  • 信頼できる実績があるか

仕事やプライベートで忙しい人は、オンライン診療に対応しているクリニックを選ぶのも一つの選択肢です。また、実績が豊富なクリニックであれば安心感をもって治療を受けられると考えられます。

カウンセリングを無料で行っているクリニックは多くあるため、試しにカウンセリングを受けて複数のクリニックを比較・検討してみるのがおすすめです。

セルフケアも行う

AGA治療の効果を高めるためには、食事・睡眠の改善といったセルフケアを並行して行うことが大切です。「やっておけばよかった」と後悔しないよう、自分でできるケアをしっかり行いましょう。

AGA治療を行う際に見直すべき生活習慣は、以下のとおりです。

生活習慣内容
食事毛髪の成長に必要な栄養を十分に摂取できるよう、栄養バランスの取れた食生活を心がける
飲酒・喫煙毛髪の成長や栄養吸収を妨げないよう、過度な飲酒や喫煙は控える
睡眠寝不足により自律神経やホルモンバランスが乱れると毛髪の成長に悪影響があるため、十分な睡眠時間を確保する
運動運動不足は自律神経やホルモンバランスに影響しヘアサイクルを乱す原因となるため、適度な運動を心がける
頭皮ケア育毛剤やAGA用のシャンプーを使ったり頭皮マッサージをしたりする

食事においては、毛髪の主成分となるタンパク質や、体内でアミノ酸に分解されたタンパク質を毛髪として合成する亜鉛、血行を促進して頭皮環境を健康に保つビタミンEなどをバランス良く摂取すると効果的です。

また、高カロリー・高脂質の食事は皮脂の分泌量を増やし頭皮環境を悪化させる原因となるため、控えるようにしましょう。

まとめ

AGA治療の副作用は服用・使用する治療薬によって異なりますが、いずれの副作用も起こる確率は1~5%程度だと言われています。AGA治療においてクリニックで処方される薬は安全性が確認されており、基本的に副作用が起こる可能性は低いとされています。服用・使用すると必ず副作用が起きるわけではないため、過度に心配する必要はないでしょう。

発生確率としてはそれほど高くありませんが、AGA治療で副作用が起こった場合は、すぐに医師に相談し、適切な対応をとりましょう。

長期にわたるAGA治療ではクリニックとの相性も大切なため、自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。「事前に詳しく調べておくべきだった」と後悔しないよう、治療期間や費用、診察の予約の取りやすさなどをしっかり確認したうえでAGA治療を始めましょう。

AGA治療薬を服用して薄毛を改善したいと考えている方は、一度オンライン診療で医師に相談してみてはいかがでしょうか。オンライン診療であれば通院の手間や交通費などをかけずに医師に相談することが可能です。レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会