更新日:2024年07月11日
ピルを飲むとむくみが出るって本当?むくむ原因と対処方法について解説
- ピルによるむくみの原因は、ホルモンの作用により水分をため込むことと、食欲増進によるもの
- まれにピルの副作用である血栓症の初期症状で、むくみがみられる場合がある
- ピル服用後にむくみが気になっても、1〜2ヶ月程度は様子をみると良い
- ピルによるむくみは、生活習慣の改善で予防できる
- むくみが続く場合は、医師にピルの変更を相談すると良い
ピルの服用を考えている人の中には、むくみが気になる人も多いのではないでしょうか。たしかにピルを飲むと、副作用としてむくみが生じることがありますが、対処法もあります。
本記事では、ピルによるむくみがなぜ起こるのか、ピルを飲んでむくみが気になる場合の対処方法について解説するので、ピルの服用を開始する際の参考にしてください。
ピルによるむくみの原因は?
ピルによるむくみの原因は、以下の3つが考えられます。
- 水分をためこむ
- 食欲が増進する
- 血栓症の初期症状が起こっている
ここでは、それぞれについて解説します。
水分をためこむ
ピルに含まれるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、体の中に水分や栄養をためようとする働きがあります。そのため、ピルを服用すると、むくみを感じたり、体重が増えたりすることがあります。
食欲が増進する
黄体ホルモンはほかにも、食欲増進する働きがあります。そのため、ピルの副作用により食欲が増進し、食べすぎによりむくみや体重増加が起こる場合があります。
血栓症の初期症状が起こっている
ピルの重篤な副作用として血栓症があり、血栓症を発症した場合、初期症状としてむくみを強く感じることがあります。ピルによる血栓症は、1万人あたり3〜9人(※)と発症率は低いため、ほとんどの人が経験することはありません。しかし、万が一の場合に備えて、血栓症になった場合、どのようなことに注意するのか、血栓症の初期症状がどのようなものか知っておくと安心でしょう。
血栓症が疑われる症状は以下のとおりです。
- 足のむくみが強くなる
- 足の腫れが気になる
- ふくらはぎがむくみ、痛みがある
- 我慢できないほどの頭痛や腹痛がある
- 胸が締め付けられうような痛みがある
- 片側だけ力が入らない(脱力感)
- 目がかすむ、見えにくいところがある
このような症状がみられたら、血栓症の可能性があります。すぐに服用を中止して、医師に相談しましょう。
※参考:日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」
ピルを飲んでむくみが気になったら服用を中止すべき?
いろいろな副作用が出ることは聞いていても、むくみが気になったら服用を中止するべきなのかと迷うことがあるでしょう。
ピルによるむくみがあっても、基本的には服用を中止する必要はありません。ピルによる副作用は一時的なものなので、すぐに服用をやめず、まずは体がピルに慣れるまで1〜3ヶ月程度は様子をみましょう。しばらくすると体が慣れるため、むくみ以外の副作用も落ち着くことがほとんどです。そのため、基本的には心配することはありません。
それでもむくみが気になる場合や、急激に体重が増えた場合は医師に相談してください。また、血栓症を疑うような症状があった場合は、すぐに医師に相談して中止する必要があります。
ピルによるむくみの対処方法
1〜3ヶ月でむくみが収まるといっても、できるかぎり対処したいと考えることもあるでしょう。ここからは、ピルによるむくみの対処方法をご紹介します。
ピルの種類を変更する
ピルの服用をしばらく続けてもむくみが改善しない場合は、ピルの種類を変更してみてもいいかもしれません。
ピルにはアンドロゲンというホルモンが含まれており、このアンドロゲンによっても食欲増進、体重増加、多毛などの副作用が起こることがあります。このアンドロゲンの作用は、ピルの開発された世代が新しくなるにつれて弱くなる傾向があります。
そのため、第4世代のピルであるヤーズやヤーズフレックスなどのアンドロゲン作用の弱いピルに変更すれば、むくみを解消できる可能性があります。むくみが改善せずに気になる場合は、ピルの変更を医師に相談してみると良いでしょう。
食生活を改善する
ホルモンバランスの変化による副作用でむくみが出ている場合、できるだけむくみを抑えられるように、食生活の改善を試してみましょう。むくみを抑えるための主な方法は、以下のとおりです。
- 塩分を控える
- アルコールを控える
- ビタミンやミネラルを多く含む食事を摂る
塩分を多く含む食事やアルコールはむくみにつながります。塩分をとりすぎると、体の塩分濃度のバランスを保つために、体の中に水分をため込もうとし、その結果むくんでしまうのです。
塩分を取りすぎた場合は、塩分を体の外に出す働きがあるカリウムを多く含む食材(ほうれん草やバナナ、かぼちゃなど)を意識して摂取するといいでしょう。
また、ビタミンやミネラルが不足するとむくみにつながることがあります。ビタミンやミネラルは野菜から摂取することができるため、積極的に野菜を食べるように食卓を工夫しましょう。
生活習慣を見直す
デスクワークであまり動かない場合や、立ち仕事などの場合、どうしても下半身がむくみやすくなります。運動不足の方は、1日5000歩を目安に動き、ストレッチやマッサージをするなど、むくみ解消を試みましょう。
また、疲れやストレスもむくみが悪化する原因になります。そのため、できるだけ休息をとり、リラックスすることも大切です。忙しい中でも十分な睡眠時間を確保し、リラックスできるよう、生活習慣の改善に努めましょう。
リラックスする際は、自分の好きな音楽を聴いたり、好みのアロマなどを焚くのがおすすめです。ストレッチをすることでもリラックス効果を得られるため、定期的に休息をとり、軽く体を動かしてみるのも良いでしょう。
むくみ以外に生じるピルの副作用
ピルを服用すると、むくみ以外にもさまざまな副作用が現れます。ここでは、むくみ以外の副作用について解説します。
不正出血
不正出血は、ピルの服用時に起こることが多い副作用です。しかし、不正出血は一時的なもので、服用を継続することで症状はおさまっていくとされています。
3ヶ月以上不正出血が続く場合は、病気が原因の可能性がありますので、一度医師に相談しましょう。
吐き気や嘔吐
ピルを服用すると、吐き気や嘔吐の副作用がみられる場合があります。症状の頻度は薬剤により異なり、体がピルに慣れてくると症状が治まることがほとんどです。
もしピルを服用してすぐに嘔吐してしまうと、ピルの成分が吸収されず、避妊効果やPMS改善効果が得られなくなってしまう可能性があります。そのため、服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、もう一度ピルを1錠服用する必要があります。
吐き気や嘔吐の副作用がある場合は、吐き気どめの薬を使うなどして対処しましょう。
胸の張り
ピルの服用により、胸の張りや痛みが現れることがあります。胸の張りにも個人差がありますが、ピルに含まれている黄体ホルモンの影響で症状が起きていることが多いので、続く場合は医師に相談しましょう。
まとめ
ピルによるむくみは、飲み始めの時期によくみられますが、次第に体がピルに慣れていくと落ち着いていきます。ピル以外にむくむ原因をなるべく作らないためにも、生活習慣を改善し、むくみ対策をしてください。
また、万が一血栓症の初期症状が起こっていないかも確認し、症状がみられたらかかりつけの医師を受診してください。しばらく様子をみても改善しない場合は、医師との相談の上、薬の変更などを検討することになるでしょう。
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