レバクリ

更新日:2024年07月11日

ピルを飲んでるのに生理がこない?原因や対処法について詳しく解説

この記事のまとめ
  • ピルの休薬期間に生理がこない原因は、妊娠・休薬期間の設定の誤り・病気など
  • ピルの休薬期間に生理がこないときは、産婦人科で受診する
  • ピルは、1日1錠を同じ時間に服用し、かつ1ヶ月に7日間の休薬期間を設ける必要がある

「ピルの休薬期間に生理がこない…」。このような不安に陥ったことがある方もいるのではないでしょうか。ピルには避妊や生理周期の調整などの効果があり、休薬期間に生理を促しますが、まれに生理がこないということがあります。

この記事では、ピルを服用中で休薬期間に生理がこない原因と対処法を解説します。ピルの正しい服用方法などについても説明するので、ぜひ参考にしてください。

ピルの休薬期間に生理がこない原因

ピルの主成分は女性ホルモンであり、ピルを服用することで、脳が女性ホルモンの分泌を不要と判断して排卵を休止します。

そのため、ピルを服用している間は生理がこなくなりますが、一定の休薬期間を設けることで、その間に消退出血と呼ばれる軽い出血が生じるのです。一般的に、ピルを服用している場合は、この消退出血を生理と捉えることができます。

ピルを服用している人で休薬期間に生理がこない場合、以下の原因が考えられます。

  • 休薬期間の設定が誤っている
  • ストレスなどによってホルモンバランスが乱れている
  • 妊娠している
  • 病気にかかっている

それぞれの原因について解説します。

休薬期間の設定が誤っている

ピルは、28日を1サイクルとして考えて、毎日服用することで効果を発揮します。また、1サイクルの中で7日間の休薬期間を設ける必要があります。

ピルは、1シート21錠入りと28錠入りのものがあります。21錠入りの場合は飲み切ったあとに7日間錠剤を服用せず、28錠入りの場合は7日間プラセボ(偽薬)という有効成分が入っていない錠剤を服用することになります。

通常、ピルを正しく服用することで、休薬期間が始まってから2日~3日程度で生理が始まります。しかし、休薬期間中もピルを服用し続けたり、休薬期間の日数を間違えて短くしたりすると、生理がこなくなるケースがあります。

関連記事:ピルに休薬期間はなぜ必要?生理が来ない原因や飲み忘れ時の対応も解説

ホルモンバランスが乱れている

ホルモンバランスが乱れていると、休薬期間に生理がこないことがあります。ホルモンバランスが乱れる原因としては、ストレスや生活習慣の乱れなどが考えられます。

ホルモン分泌を指令する脳の視床下部という部分は、ストレスの影響を非常に受けやすいため、強いストレスがあるとホルモンの分泌が乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまうのです。

また、栄養バランスの偏った食事や睡眠不足なども、ホルモンバランスが乱れる原因となるので注意が必要です。

関連記事:女性ホルモンのバランスを整えるには?乱れる原因や症状、整える方法を解説

妊娠している

ピルを服用しており休薬期間に生理がこない場合、妊娠している可能性があります。ピルの有効性を調べたデータによると、ピルを正しく服用している場合の避妊効果は約99.7%であり、非常に高い避妊効果があります。

しかし、ピルの服用中に一度でも異性との性交渉があった場合、妊娠の可能性はゼロではありません。また、ピルの服用時間がずれたり、飲み忘れたあったりすると避妊効果が落ちてしまうので、妊娠の確率は高くなるでしょう。

生理がこないのと同時に、体が熱っぽくなる、体がだるい・疲れやすい、眠気が続く、胃がむかむかする、胸が張るなどの症状も見られる場合は、妊娠している可能性が高いと考えられます。

このような場合は、「ピルを飲んでいるから大丈夫」と考えず、なるべく早い段階で妊娠の検査をすることをお勧めします。

参考:日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン (改訂版)

病気にかかっている

ピルを飲んでいて休薬期間中に生理がこない、妊娠の可能性もないという場合、何らかの病気にかかっている可能性があります。

特に生理不順になりやすいのは、婦人科系の病気や甲状腺の病気です。たとえば、多嚢胞性卵巣症候群の場合、卵子を包む卵胞が十分に成熟しないまま吸収されてしまうため、無排卵になり生理がこなくなることがあります。また、甲状腺機能低下症の場合は、卵胞が成熟するのに時間がかかるため生理がなかなかこないことがあります。

正しくピルを服用しているにもかかわらず、休薬期間に生理がこない状態が続くようであれば、早めに産婦人科で診察を受けるのが良いでしょう。

休薬期間に生理が来ないときの対処法

休薬期間に生理がこないときは、産婦人科で受診するようにしましょう。先述したとおり、ピルには非常に高い避妊効果がありますが、100%避妊できるわけではありません。一度でも性交渉があった場合は、妊娠する可能性があることを念頭に置きましょう。

また、妊娠していなくても、思わぬ病気が原因で生理がこないケースもあります。そのため、妊娠の可能性が低い場合であっても産婦人科で受診し、問診や採血、エコーなどの検査を受けることをお勧めします。

妊娠の可能性がなければ、予定どおりピルを服用して良いとされています。しかし、臨床試験のデータによると、休薬期間に消退出血が欠如する確率は1.7%であり、極めて稀であることが分かります。

不安がある場合は、できるだけ早く病院で検査を受けるのが良いでしょう。

参考:日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン (改訂版)

ピルの正しい服用方法

ピルの休薬期間に生理がこないことを防ぐには、ピルを正しく服用することが大切です。ピルを服用する際は、以下の2つのルールを守る必要があります。

  • 毎日同じ時間に1錠服用する
  • 7日間の休薬期間を設ける

ここからは、それぞれの用法について解説します。

毎日同じ時間に1錠服用する

ピルは毎日1錠ずつ、同じ時間に服用する必要があります。毎日決まった時間であれば何時に服用しても問題ありませんが、飲み忘れることのないよう、自分の生活パターンに合わせて服用時間を決めると良いでしょう。

ピルの服用時刻に合わせて、携帯アラームを設定しておくのも一つの方法です。その日のピルの飲み忘れを防止するために、ピルシートに曜日シールを貼っておく方法もあります。

1日分のピルを飲み忘れた場合は、翌日気付いた時点で飲み忘れた分を服用しましょう。その日飲む予定だったピルは通常どおりいつもの服用時間に飲み、翌日からまた1日1錠ずつ服用すれば問題ありません。

ただし、万が一、2日以上連続で飲み忘れた場合は、そのシートの服用を中止しなければなりません。その間の性交渉時はコンドームを使用するなど、他の方法で避妊を行う必要があります。そして、次の月経開始時から新しいシートのピルを服用することになります。

7日間の休薬期間を設ける

ピルを服用する際は、7日間の休薬期間を設ける必要があります。

先述したとおり、21錠のシートを服用する際は7日間錠剤を飲まない期間があります。また、28錠のシートを服用する際、休薬期間中はプラセボ(偽薬)を服用します。

特に21錠のシートを服用する場合、休薬期間中は錠剤を飲まないことになるため、日数を数え間違えないようカレンダーなどにメモしておくと安心です。

自己判断で休薬期間を短くしたり延ばしたりすると、不正出血が発生したり、避妊効果が落ちたりする可能性があるのでやめましょう。

生理の時期をずらしたいなどの理由で休薬期間を調整したい場合は、必ず医師に相談してください。

まとめ

通常、妊娠の可能性がなく正しくピルを服用していれば、休薬期間中に生理がきます。生理がこない場合、第一に考えられるのは妊娠です。一度でも性交渉があった場合は、できるだけ早く妊娠検査を受けましょう。

妊娠の可能性がない場合は、ピルの休薬期間の設定が正しくない、ホルモンバランスが乱れている、何かしらの病気にかかっているなどの原因が考えられます。

不安を感じたら、できる限り早くかかりつけ医に相談することをおすすめします。

オンライン診療サービス「レバクリ」では、婦人科のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました