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更新日:2024年03月21日

バイアグラの副作用は?治療効果と正しい服用方法を解説

この記事のまとめ
  • バイアグラには血管拡張作用があるため、一過性のほてり・紅潮・頭痛の副作用が起こりやすい
  • 非常に稀な副作用として、循環器障害・視覚障害・胃腸障害の報告がある
  • バイアグラを服用している方が硝酸薬などの併用禁忌薬を使用すると、重篤な副作用や死亡のリスクがある
  • バイアグラの副作用が出たときは、安静にしたり、かかりつけ医や処方医に相談したりすると良い

ED治療薬の服用を検討している方のなかには、副作用について不安に感じている方もいるかもしれません。バイアグラには確かに副作用がありますが、厚生労働省に認可されている安全性の高い薬剤です。

本記事では、バイアグラにはどのような副作用があるのか解説していきます。また、バイアグラの副作用で命の危険性はあるのか、副作用を極力抑えるにはどのように薬を服用すべきかといったことについても紹介するので、バイアグラを服用する際の参考にしてください。

バイアグラの効果

勃起は、性的刺激を受けることで生成されるcGMPという物質が、陰茎の筋肉を弛緩させることで陰茎内に多くの血液が流入して起こります。ただし、ずっと勃起状態が続かないように、勃起を抑えるPDE5という酵素が併せて分泌されます。このPDE5がcGMPを分解することで、勃起が治まります。

EDは、性的刺激を受けている間にPDE5が優勢になり、勃起の維持が難しくなってしまう疾患です。そこで、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルがPDE5の働きを阻害することで、勃起状態を持続させる効果を発揮します。

また、バイアグラはあくまで勃起状態の維持をサポートする薬剤で、催淫効果はありません。バイアグラを服用するだけでは勝手に勃起は起こらず、性的刺激を受けることが必要です。

バイアグラの効果について詳しく知りたい方は、「ED治療薬であるバイアグラの効果や服用方法・副作用・注意点について解説」も参考にしてみてください。

バイアグラの副作用

ここでは、バイアグラの副作用について解説します。

主な副作用

バイアグラの主な副作用は、ほてり・頭痛・紅潮です。バイアグラの添付文書にて報告されている副作用の発現割合は、ほてりと紅潮が5.78%、頭痛が3.87%となっています。100人中3~5人程度に副作用が見られるため、軽視せずに副作用の症状をチェックしておきましょう。

これらの副作用が起こる理由は、バイアグラの血管を拡張させる作用に関係しています。バイアグラは陰茎周囲の血管だけでなく全身の血管を拡張させます。これにより、血液の流れが良くなるため、顔が赤くなったりほてったりします。

また、頭部の血管の周りには複数の神経が走行しているため、血管が拡張するとそれらの神経に刺激を与えてしまい、頭痛が起こると考えられています。

そのほかに、発症頻度は低いものの、以下の副作用が見られる可能性があります。

  • 循環器障害(胸痛、動悸、頻脈)
  • めまい、傾眠、昏迷
  • 消化器障害(消化不良、腹痛、口渇)
  • 鼻炎
  • 関節痛、筋肉痛
  • 発疹
  • 視覚障害、眼の充血、結膜炎

これらは、出現頻度が0.1~1%未満と決して高くはありませんが、なかには日常生活へ支障をきたすものもあるため、注意して観察しておきましょう。

バイアグラの副作用による頭痛について詳しく知りたい方は、「バイアグラの副作用で頭痛が起こる?原因や対処法について解説」も参考にしてみてください。

重篤な副作用

発症頻度は極めて低いものの、重篤な副作用が起こる可能性もあります。 海外における「重篤な心血管系障害の有害事象」の報告としてバイアグラ(100mgの投与例を含む)の添付文書に記載されているのは、以下のとおりです。

  • 心原性突然死
  • 心筋梗塞
  • 心室性不整脈
  • 脳出血
  • 一過性脳虚血発作

これらは、放っておくと日常生活に支障をきたしたり、命のリスクに直結したりといった可能性があります。

そのため、上記に該当しそうな症状がバイアグラ服用後に見られた場合は、なるべく早くかかりつけ医や、バイアグラを処方された医療機関で受診するようにしましょう。

参考:日本医薬品情報センター「バイアグラ添付文書

バイアグラのジェネリックの副作用

バイアグラは2014年10月よりジェネリック医薬品の販売が開始され、現在では約10社の製薬会社からバイアグラジェネリックが販売されています。

有名なのが、シルデナフィルというジェネリック薬です。有効成分の含有量や含まれている添加物の量がバイアグラとほぼ同じであることに加え、バイアグラよりも安い価格で購入できるため、費用を抑えたい方は選択するのも一つの方法です。

発現する副作用もバイアグラと同じとされています。しかし、シルデナフィルはジェネリックのため副作用発現頻度が明確となる調査はされていません。同じ副作用は起こるとされているものの、どのくらいの頻度で起こるのかは添付文書でも不明とされています。

バイアグラとジェネリックのどちらを服用するかは、医師と相談して決めると良いでしょう。

シルデナフィルについて詳しく知りたい方は、「バイアグラジェネリック(シルデナフィル)とは?作用や服用方法などを解説」も参考にしてみてください。

参考:富士化学工場株式会社「シルデナフィル添付文書

バイアグラの副作用が出た場合の対処法

ここでは、バイアグラの副作用が出た場合に焦らず冷静に対処できるよう、バイアグラの副作用が出た際の対処法について解説します。

バイアグラの服用によって副作用が出た場合には、主に次の4つを試してみましょう。

安静にする

バイアグラの服用後に副作用が出た場合は、まずはいったん横になって安静にしましょう。

副作用が出ているにもかかわらず性行為を続けていると、症状が悪化するリスクがあります。そのため、いったん性行為を中断して症状が和らぐまで様子をみるのが望ましいといえます。

市販薬を服用する・対症療法を実践する

安静にしていても状態が改善しないときには、市販薬を使用するのも1つの手です。特に頭痛などは市販薬が活用できるため、使用してみると良いでしょう。

市販薬が使えないほてりや紅潮などの副作用が起きたときは、室温や寝具を調節して身体を冷やしましょう。頭痛がひどいときは頭や首あたりを冷やすと症状がやわらぐこともあります。

かかりつけ医や処方医へ相談する

市販薬や対症療法を試しても状態が改善しない場合には、医師へ相談しましょう。

副作用を放置しておくことで重篤な副作用につながる可能性も考えられます。重篤な副作用を回避するためにも、副作用の症状が気になったらなるべく早めに相談するのが望ましいでしょう。

副作用の発現頻度や重症度によっては、次の服用から1錠ではなく半錠のみ服用する、50mgを服用している方は25mgのバイアグラに変えるなどの対処法が指示されるかもしれません。医師の指示に従って、服用方法を検討しましょう。

バイアグラ以外の薬剤や異なる用量の薬を使用する

もしも、さまざまな点に留意しながらバイアグラを服用しても副作用が出る、あるいは副作用でEDは改善しても性行為が満足にできないという場合は、バイアグラ以外の薬剤を使用したり、同種類でもより高用量に移行するのも1つの方法です。

日本で認可されているED治療薬には、バイアグラ以外にシアリスとレビトラ(現在はジェネリック医薬品のバルデナフィルが代替薬)があります。

一般的に、3種類のED治療薬のうちシアリスは副作用症状が出にくいといわれています。 そのため、医師に相談して別の薬へ切り替えることも、副作用が出た場合の対処法として活用すると良いでしょう。

バイアグラの副作用で死亡する可能性はある?

インターネットなどで、バイアグラの副作用で死亡する可能性があると目にした方もいるかもしれません。ここでは、バイアグラの副作用で死亡する可能性があるかどうかについて解説します。

死亡例など重篤な副作用の報告がある

バイアグラには重篤な副作用による死亡例の報告があります。

日本救急医学会の報告によると、バイアグラを服用した方が、狭心症・急性心筋梗塞などの治療薬である硝酸薬を投与されたことで、死亡例を含む重篤な副作用が発生した報告があるとしています。

もしも、狭心症や急性心筋梗塞で救急受診が必要となった場合には、重篤な副作用を予防するためにも、バイアグラの服用をしたことがある、あるいは服用していることを必ず医師に伝えましょう。

参考:日本救急医学会「バイアグラに関する日本救急医学会・日本循環器学会の提言

バイアグラの偽薬による死亡例がある

正規のバイアグラだけでなく、バイアグラの偽薬による死亡例も報告されています。医療機関ではなく、インターネット通販で購入したバイアグラは、偽薬である可能性があります。

偽薬は成分が不明のものが多く、健康被害のリスクが非常に高いです。また、製薬会社4社が偽薬に関して行った総合調査の結果によると、偽薬のなかには正規品よりも約50%多く有効成分を含んでいるものや、約40%も有効成分が少ないものがあったとしています。

また、同資料では偽薬のバイアグラを服用したことで、昏睡などの重篤な有害事象が現れた海外事例も報告されています。

日本において、オンライン診療以外のインターネットを活用して購入したバイアグラは偽物である可能性がきわめて高いといえます。

バイアグラの個人輸入については、「バイアグラの個人輸入や輸入代行は違法?安全に入手する方法を詳しく解説」でも詳しく解説しています。

参考:ファイザー株式会社/バイエル薬品株式会社/日本イーライリリー株式会社/日本新薬株式会社「偽造ED医薬品四社合同調査

バイアグラで重篤な副作用が出る可能性がある人

以下に該当する方は、バイアグラにより重篤な副作用が出る可能性があるため、服用は禁忌となっています。

  • バイアグラの成分によって過敏症を発症したことがある
  • 硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を服用している
  • 心血管系障害があり、性行為によって障害が悪化するリスクがある
  • 重度の肝機能障害がある
  • 低血圧(血圧<90/50mmHg)または高血圧(安静時収縮期血圧>170mmHgまたは安静時拡張期血圧>100mmHg)であり、なおかつ未治療
  • 最近6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血や心筋梗塞になった
  • 網膜色素変性症の患者である
  • アミオダロン塩酸塩(経口剤)、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を服用している

もし自分が上記に該当するかどうかわからない場合は、必ず医師に確認するようにしてください。

バイアグラを服用できない人について詳しく知りたい方は、「バイアグラを飲んではいけない人は?自己判断で服用するリスクも解説」も参考にしてみてください。

参考:日本医薬品情報センター「バイアグラ添付文書

バイアグラ服用の注意点

バイアグラは、医師の指示のもとで服用することで、安全に服用することができます。また、正しい服用方法を意識することで、より安全に高い効果を見込むことができます。

ここでは、バイアグラを服用する際に注意すべきポイントについて解説します。

正しいタイミングで服用する

バイアグラは、性行為の1時間前に服用しましょう。空腹時に服用することで効果をしっかり得ることができます。

KEGGによると、食後にバイアグラを服用した場合、効果が出るまでの時間が1.8時間長くなるとされています。さらに最高血中濃度も42%減少するとされているため、本来のバイアグラの持つ十分な効果が得られないといえるでしょう。

また、バイアグラを1回服用したら次の服用までは24時間以上空ける必要があります。効果がなかったからと追加で服用することはせず、服用するタイミングを守りましょう。

参考:KEGG「医療用医薬品:バイアグラ

使用期限を守る

バイアグラは必ず使用期限を守りましょう。使用期限が切れたバイアグラは、成分が変性している可能性があり、服用すると思わぬ副作用が引き起こされることがあります。

医薬品は、未開封の状態で保管すれば、3~5年は成分の変性が生じないように製造されています。しかし、長期間保管した後に服用する場合は、使用期限を確認してから服用しましょう。人から譲り受けたり、個人輸入などで購入したりしたバイアグラは使用期限が切れている可能性があるため、服用しないようにしましょう。

用量を必ず守る

バイアグラは用量を必ず守って服用しなければなりません。海外では100mgが流通しているので、効果を高めようと50mgのバイアグラを2錠服用しようと考える方もいるかもしれませんが、危険ですのでやめましょう。

用量を守らなければ、重篤な副作用につながる可能性があります。もし50mgで効果が出てないならば、服用のタイミングや体調管理を見直すことで、バイアグラの効果が高まる可能性もあります。

用量は必ず守り、効果が薄い場合にはほかの観点から改善を図りましょう。

4時間以上の持続的な勃起が続いたら医師へ相談する

万が一4時間以上持続して勃起が続いている状態になった場合、医師に必ず相談しましょう。4時間以上の勃起は持続勃起と呼ばれ、特に痛みを伴う勃起が6時間以上続くと、陰茎組織が損傷したり勃起機能が低下したりするリスクがあります。

勃起が続く場合はすぐに医師へ相談し、対処してもらいましょう。

まとめ

バイアグラの主な副作用は、紅潮・ほてり・頭痛です。副作用症状が出たら一旦性行為を辞めて安静にし、様子を見ましょう。また、バイアグラはごく稀に重篤な副作用症状が出る可能性があり、中には死亡例もあります。特に、個人輸入サイトで購入した薬は偽造薬の可能性が高く、重篤な副作用および死亡の報告がされています。

バイアグラを服用するときは、医師から処方されたものを用法・用量を守り正しく服用しましょう。 もし、副作用症状が改善しない、命に直結しそうな副作用症状が出たという場合にはバイアグラを処方した処方医に相談しましょう。

レバクリでは、ED治療薬のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。 診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会