レバクリ

更新日:2024/02/21

フィンペシアとは?効果や副作用、通販で購入する際の注意点

この記事のまとめ
  • 2023年12月現在、フィンペシアは国内未承認のAGA治療薬である
  • フィンペシアに含まれている有効成分フィナステリドには脱毛抑制効果がある
  • フィンペシアの副作用には、性機能障害や抑うつ、肝機能障害などがある

フィンペシアは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬の一つです。

AGA治療薬にはさまざまな種類があり、効果や副作用にも違いがあります。その中でフィンペシアにはどういった特徴があるのか気になっている方もいらっしゃると思います。

この記事では、フィンペシアの特徴や効果、副作用などについて詳しく説明します。フィンペシアを個人輸入で入手する際の注意点や服用におけるリスクも併せて説明しているので、AGA治療薬の服用を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。

※2023年12月現在、レバクリでフィンペシアの取り扱いはございません。

フィンペシアとは

フィンペシアは、インドの製薬会社であるシプラ社が製造・販売しているAGA治療薬です。有効成分はフィナステリドで、プロペシアのジェネリック医薬品としても知られています。

しかし、2023年現在、フィンペシアは厚生労働省の承認を受けていないため、日本国内では医師が処方することができません。

個人輸入や通販で入手することは可能ですが、偽薬や不良品が紛れているリスクがあるので注意が必要です。

フィンペシアとプロペシアの違いについては、「プロペシアとフィンペシアの違いは?使用方法や注意点について解説」を参照してください。

フィンペシアの効果

フィンペシアに含まれる有効成分フィナステリドには、AGAによる抜け毛を抑制する効果があります。

AGAは、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンが、頭皮にある男性ホルモン受容体と結合することで発症します。このジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる酵素と結合することによって生成されます。

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、フィンペシアはそのうちのⅡ型の働きを抑制します。5αリダクターゼⅡ型の働きが阻害されると、ジヒドロテストステロンの生成が抑制されるため脱毛を抑制する効果が期待できます。

フィンペシアの効果が出始めるタイミング

フィンペシアの効果は、服用開始から3〜6ヶ月ほどで出始めます。

フィンペシアに限らずAGA治療薬は飲み始めてすぐに効果が得られるものではありません。早くて3ヶ月、長ければ1年程度かかることもあります。

フィンペシアの効果が得られない際に考えられる理由

フィンペシアには脱毛を抑制する効果が期待できますが、なかには効果が得られないと感じる場合もあります。効果が実感できない場合の理由として、下記が考えられます。

薄毛の原因がAGAではない

正しい服用方法で6ヶ月以上フィンペシアを飲み続けても効果を感じられない場合は、AGA以外の病気が薄毛の原因となっていることが考えられます。

上述した通り、フィンペシアの効果を実感できるまでには3~6ヶ月程度の期間を要します。6ヶ月以上経っても効果が感じられない場合は、一度医師に相談してみましょう。

初期脱毛が起きている

フィンペシアをはじめとするAGA治療薬は、服用し始めた段階で一時的に抜け毛が増えることがあります。

この症状は初期脱毛と呼ばれる副作用で、AGAによって短くなった毛周期がAGA治療薬の作用によって正常な毛周期に戻る過程で起こります。そのため、初期脱毛が起こったとしても過度に心配する必要はありません。

万が一抜け毛が起こる期間が長すぎたり、あまりにも症状がひどいと感じたりするときは医師に相談しましょう。

フィンペシアの初期脱毛については、「フィンペシアの初期脱毛はいつまで起こる?副作用やリスクについても解説」でも詳しく解説しています。

服用中の薬が偽造品である

フィンペシアは個人輸入で海外から入手することが可能です。しかし、個人輸入で入手する薬は、含まれている成分が異なったり成分量が少なかったりするおそれがあります。

日本の病院で処方される薬は、基本的に「医薬品医療機器等法」に基づいて有効性と安全性が確保されています。しかし、個人輸入で入手した薬はこの法の基準に基づいておらず、有効性や安全性が確かなものではないため、服用することで予期せぬ健康被害が生じる可能性があります。

参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

フィンペシアの安全性

フィンペシアの安全性は、基本的に同じ有効成分を含むプロペシアと同様であると考えられています。

しかし、個人輸入で海外から入手した場合は、偽薬や不良品が届くおそれがあるため注意が必要です。

また、過去に製造されたフィンペシアには、コーティング剤にキノリンイエローというタール色素が使用されていたことがあります。このキノリンイエローには発がん作用が示唆されたこともあり、ヨーロッパでは、子供の多動性障害や注意欠陥が増加するとして自主規制の対象となっています。

その安全性の観点から、2014年にフィンペシアの販売元であるシプラ社は、キノリンイエローが使用されていないフィンペシアの発売を開始しました。2023年現在で販売されているフィンペシアにはキノリンイエローは使われていませんが、気になる方は避けたほうがよいでしょう。

フィンペシアの飲み方

フィンペシアは1日1錠を水か白湯で服用します。

1日に決められた量以上の薬を服用すると副作用のリスクが高まるため、たとえ薬を飲み忘れたとしても、翌日に2錠服用するのは避けてください。

食後や食前などの飲むタイミングに指定はありませんが、飲み忘れがないように毎日決まった時間に服用することがおすすめです。

フィンペシアを服用するときの注意点

ここからは、フィンペシアを服用する際の注意点を説明します。

女性・子供は服用しない

フィンペシアは、女性や子供への安全性が明らかになっていない薬です。

特に妊娠している女性が服用してしまうと、胎児が男の子だった場合、生殖器の発育に影響を与えるおそれがあります。

また、服用せずにフィンペシアの成分が直接肌に触れるだけでも体内に吸収されてしまうおそれがあるため、取り扱いにも注意が必要となります。

献血をしない

フィンペシアの服用中は献血をすることができません。

万が一、輸血を通して女性の体内にフィンペシアの成分が入ってしまうと、前述したような悪影響を及ぼす可能性があるからです。

フィンペシアの服用をやめてから1ヶ月以上経つと献血が可能になります。(※)

※参考:日本赤十字社「薬の服用と献血ができるまでの期間について①

飲み合わせを確認する

フィンペシアを服用する際には、他の薬との飲み合わせを確認しましょう。

フィンペシアは、プロペシアやザガーロなどの作用機序が同じ薬とは併用できません。同時に服用すると副作用のリスクが増加するおそれがあります。

薬以外の食べ合わせ・飲み合わせについては、グレープフルーツジュースやお酒と一緒に服用することは控えてください。グレープフルーツには有効成分であるフィナステリドを分解する酵素を阻害する働きがあるため、フィナステリドが体内に残る時間が増え、副作用のリスクが高まります。

また、フィナステリドは肝臓で分解された後に体外へ排出されます。アルコールはフィナステリドと同様に肝臓で分解されるため、同時に摂取することで肝臓に負担がかかり、肝機能障害を発症するリスクが高まります。

フィンペシアの副作用

フィンペシアの副作用について説明します。いずれも発症率は高くないため、過度に心配する必要はありません。万が一、下記のような症状が出た場合は、医師に相談しましょう。

性機能障害

フィンペシアを服用することで、勃起機能障害(ED)や性欲の減退などの性機能障害が起こることがあります。

フィンペシアにはAGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を生成する酵素(5aリダククターゼ)の働きを阻害する作用があります。また、このジヒドロテストステロンには性欲を増強する作用があるとされています。そのため、フィンペシアによってジヒドロテストステロンの生成が抑制され、性機能障害を発症する可能性があるといえるのです。

精液量の減少や射精障害が起こる場合もあるので、妊活をしている方の服用には注意が必要です。

抑うつ

フィンペシアの服用により、気分が落ち込んだり、何事もやる気が起こらなかったりといった、抑うつの症状が見られる場合があります。

肝機能障害

フィンペシアの成分は肝臓で分解されるため、フィンペシアの服用によって肝臓に負担がかかり、肝機能障害が起こることがあります。

服用前から肝機能が低下している方は、事前に医師に相談しておくことをおすすめします。

アレルギー反応

フィンペシアに含まれる成分に対してアレルギー反応が起こる可能性があります。

服用後に蕁麻疹(じんましん)や発疹、かゆみなどの症状が見られる場合は、アレルギー反応であるおそれがあるため、すぐにフィンペシアの服用を中止してください。

フィンペシアの副作用について詳しく知りたい方は、「フィンペシアの副作用は?効果と服用時の注意点について解説」も参考にしてみてください。

フィンペシアの服用におけるリスク

フィンペシアを服用するにあたって、以下のリスクがあります。リスクを正しく理解したうえで服用を検討するようにしましょう。

ポストフィナステリドシンドロームが起こる可能性がある

フィンペシアの服用を中止した後も、前述したような副作用が続くことがあります。これはポストフィナステリドシンドロームと呼ばれる症状で、フィナステリドを含む薬を服用すると起こる可能性があります。

ポストフィナステリドシンドロームを発症した場合、男性機能の低下や抑うつなどの副作用が続く可能性があるため、留意しておきましょう。

前立腺がんの腫瘍マーカーの数値が減少する

フィンペシアの服用により、前立腺がんの指標としてチェックされるPSAの値が約50%低下することがわかっています。前立腺がんのリスクを見落とさないためにも、検査前にフィンペシアを服用していることを医師に伝えましょう。

医薬品副作用被害救済制度が利用できない

個人輸入で入手したフィンペシアの副作用によって健康被害が出たとしても、医薬品副作用被害救済制度を利用することはできません。

この制度は、医薬品の副作用による重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や障害年金などの給付を行う制度です。しかし、厚生労働省のサイトに記されているとおり、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象とならないため、個人輸入されたフィンペシアによる健康被害は、この制度の救済対象にはなりません。

安全にAGAの治療を行うためにも、AGA治療薬は医師に処方してもらうことをおすすめします。同じ有効成分が含まれており、国内で承認を受けているプロペシア(フィナステリド)の服用も検討してください。

参考:厚生労働省「医薬品副作用被害救済制度の概要と制度への協力のお願いについて」「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

まとめ

フィンペシアはAGA治療薬の一種です。フィンペシアに含まれる有効成分フィナステリドには、AGAによる抜け毛を抑制する効果があります。副作用の発症頻度は稀ですが、万が一性機能障害や肝機能障害が起こった場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

フィンペシアは国内未承認の薬のため、国内の病院では処方してもらうことができません。AGAの治療においてフィンペシアの服用を検討している方は、同じ有効成分を含むプロペシアやフィナステリド錠の服用を検討してみるのはいかがでしょうか。

レバクリではAGAのオンライン診療サービスを行っています。好きな時間や場所で医師の診察を受けることができるため、薄毛や抜け毛に悩んでいる方はぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会