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更新日:2024年03月06日

AGAは予防できる?予防方法や原因を解説

この記事のまとめ
  • AGAの予防方法には薬の使用や生活習慣の見直し、ストレスケアなどが挙げられる
  • AGAは進行性の病気のため、発症したら早めに治療を開始することが大切
  • AGAの治療法には薬剤治療や植毛、増毛などがある

AGA(男性型脱毛症)は、おでこの生え際や頭頂部を中心に髪の毛が薄くなっていく疾患です。完治せず症状が進行していくため、発症した場合は早期に治療を開始することが大切です。 まだAGAを発症していない場合は、予防方法を実践することで薄毛になるリスクを減らせる可能性があります。

この記事では、AGAの予防方法を7つご紹介します。AGAを発症した場合の治療法も紹介するので、AGAについて理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

AGAは予防できる?

AGAは、薬を服用・使用する、過度な飲酒を避ける、禁煙する、ストレスを発散するといった行動により、予防できる場合があります。

AGAの予防方法を理解し、日常生活の中で実践することで、将来薄毛になるリスクを減らせる可能性があるでしょう。

AGAの予防方法

AGAの予防方法として挙げられるのは、次の7つです。

  • 薬を使用する
  • シャンプー選びや洗髪方法を見直す
  • 育毛剤を使用する
  • サプリメントを飲む
  • 生活習慣を見直す
  • 正しい方法で頭皮マッサージをする
  • ストレスを発散する

それぞれの予防方法について見ていきましょう。

薬を使用する

内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬)を使ってAGAの進行を予防する方法があります。AGA治療薬には薄毛の進行を抑える薬や発毛効果が期待できる薬があり、個人の体質や薄毛の進行度に合わせた薬を使います。

治療薬によっては薬局や個人輸入で入手できますが、自己判断で選んだAGA治療薬を使用しても、効果を実感できない可能性があります。また、個人輸入した場合、偽薬や適正な管理保存がなされていない薬が届くことがあるため、効果を感じられないだけでなく思わぬ健康被害を受けるおそれがあるでしょう。薬でAGAの進行を予防する時は、クリニックで自身の状況に合う薬を処方してもらいましょう。

AGA治療の内服薬と外服薬の違い

AGA治療において、内服薬による治療では錠剤を飲み、外用薬による治療では直接頭皮に塗布して薄毛の改善を図ります。外用薬はドラッグストアで購入できるものがありますが、内服薬は日本国内においては市販されておらず、入手するには原則として医療機関での処方が必要です。

AGA治療薬の種類について詳しく知りたい方は、「AGA治療薬の種類・効果・副作用について、ガイドラインに基づいて解説」も参考にしてみてください。

シャンプー選びや洗髪方法を見直す

AGAを予防するには、自分の頭皮に合うシャンプー選びや正しい方法による洗髪も大切です。

シャンプーの種類は、石けん系シャンプーと高級アルコール系シャンプー、アミノ酸系シャンプーの3つに大別できます。石けん系・アルコール系シャンプーは洗浄力が強い反面、頭皮に必要な皮脂を落としてしまう可能性があり、乾燥を招いて頭皮環境の悪化につながる恐れがあります。

AGAを予防するのであれば、洗浄力がマイルドで低刺激のアミノ酸系シャンプーを使用するのがおすすめです。

また、シャンプーをする際は、優しくマッサージするように洗う、すすぎ残しがないよう頭皮全体をまんべんなく洗い流すといったことを心掛けることが大切です。

育毛剤で予防する

育毛剤は、血行促進や保湿によって頭皮環境を整える働きがあり、髪の成長を促す効果が期待できます。育毛剤はドラッグストアや通販サイトでも販売されており、手軽に入手できるのがメリットです。

育毛剤に関して気を付けたい点は、種類によってはアルコール濃度が高いものがあることです。敏感肌の人がアルコール濃度が高い育毛剤を使用すると、頭皮が荒れてしまう可能性があります。自分の肌質に合う育毛剤を使用できるよう、ドラッグストアで育毛剤を購入する際は薬剤師や医薬品登録販売者に相談して選ぶのも一つの方法です。

育毛シャンプーの効果については、「育毛シャンプーの効果とは?詳しい成分や選び方を解説」を参照してください。

サプリメントで予防する

タンパク質や亜鉛、ビタミンなど髪の成長に必要な成分が入ったサプリメントを飲むことで、AGAを予防できる可能性があります。前提として、栄養バランスの良い食事をとることが大切で、サプリメントの役割はあくまで栄養摂取を補佐することです。

食生活が乱れ、栄養が不足している状態でサプリメントだけを飲んでも、髪の成長にはつながりづらいでしょう。バランスのとれた食生活を心掛け、不足する栄養素を補う目的で摂取しましょう。

薄毛とサプリメントの関係性については、「サプリメントは薄毛改善・AGAに効果がある?選び方や注意点を解説」でも詳しく解説しています。

生活習慣を見直して予防する

AGAを予防するには、過度な飲酒や喫煙を控えるなど、生活習慣を見直すことが大切です。過度な飲酒は、髪の成長に必要なアミノ酸を多量に消費したり食事で摂取した栄養の吸収力を低下させたりし、髪が成長しづらくなって薄毛を引き起こす恐れがあります。また、喫煙は血行不良を招き、頭皮に栄養が行き渡らなくなって髪が育ちづらくなるでしょう。

そのほか、AGAの予防には質の高い睡眠をとることも大切です。眠りが浅く、髪の成長に大切な成長ホルモンが十分に分泌されないと、髪が成長しづらくなる可能性があります。就寝1時間前にはスマートフォン・パソコンの使用を避ける入浴はできる限り就寝の2~3時間前に済ませるといったことを心掛けましょう。

参考: 厚生労働省「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」 厚生労働省「快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット

正しい頭皮マッサージで予防する

正しい方法で頭皮マッサージをすることにより、頭皮の血行が促進されて髪に栄養が届きやすくなり、AGAの進行を予防できる可能性があります。

ただし、間違った方法で頭皮マッサージをすると逆効果になるため、以下の内容を心掛けて実践しましょう。

  • 気持ち良いと感じる適度な強さで、頭全体をまんべんなくもみほぐす
  • 凝り固まっている部分を柔らかくなったと感じるまで指圧する
  • 地肌を持ち上げるように、ゆっくり指を上に上げる動作を5分ほど繰り返す
  • 頭皮マッサージは1日に1~2回ほどの頻度で行い、毎日続ける

頭皮マッサージを行うタイミングに決まりはありませんが、入浴後、髪をドライヤーで乾かしたあとであれば手や頭皮が清潔な状態で頭皮マッサージを行えます。

決まった行動とセットにして頭皮マッサージを行うと、習慣づけやすくなるでしょう。

頭皮マッサージの効果については、「頭皮マッサージの効果とは?頭皮マッサージの方法とリスクを解説」でも詳しく解説しています。

ストレスを発散して予防する

過度なストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを招き、薄毛の原因となる場合があるため、適度にストレスを発散することが大切です。

過度なストレスは髪の毛の成長に対してだけでなく体調面にも悪影響を与えると考えられるので、運動する、好きな音楽を聴く、友人と話すなど、自分に合ったリフレッシュ方法でストレスを発散しましょう。

そもそもAGAとは

AGAはAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語では男性型脱毛症といいます。主に額の生え際や頭頂部の髪の毛が薄くなり、徐々に薄毛の範囲が広がっていく進行性の病気です。日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 年版によると、日本人男性のAGAの発症頻度は全年齢平均で約30%とされています。

AGAの発症には遺伝や男性ホルモンなどが関わっているとされており、AGAによる薄毛を改善するには、早期に治療を開始することが大切です。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 年版

AGAの原因となる遺伝的要素

AGAの原因となる遺伝的要素として挙げられるのは、以下の2つです。

  • 5αリダクターゼの活性度
  • 男性ホルモンレセプターの感受性

それぞれについて説明します。

5αリダクターゼの活性度

5αリダクターゼは還元酵素の一種で前頭部や頭頂部などに存在し、活性度が高いとAGAを発症しやすいといわれています。

そもそもAGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンと5αリダクターゼが結合し、男性ホルモンのジヒドロテストステロンに変換されることで発症します。5αリダクターゼの活性度が高い場合、テストステロンと結びつきやすくなり、ジヒドロテストステロンが多く生成されるおそれがあります。

男性ホルモンレセプターの感受性

男性ホルモンレセプターの感受性が高いと、AGAを発症しやすい可能性があります。男性ホルモンレセプターは、AGAの原因であるジヒドロテストステロンと結合すると脱毛因子を産生します。脱毛因子が増殖すると、髪が成長する前に抜けてしまい、薄毛につながると考えられるでしょう。

男性ホルモンレセプターの感受性の高さは、5αリダクターゼの活性度と同様に遺伝しやすいといわれています。

AGAの進行パターン

AGAの進行パターンは、以下の3つに大別できます。

  • 額の生え際から薄毛が進行するM型
  • 頭頂部のつむじ周辺から薄毛が進行するO型
  • 前頭部から後退するU型

U型は前頭部から頭頂部にかけて薄毛が進行するため、AGAの3つの進行パターンの中では比較的症状に気づきやすいとされています。

一方で、M型はこめかみに近い部分から後退していくため、U型に比べて薄毛の進行に気づきにくいといわれています。また、O型も鏡を正面から見ただけでは頭頂部の状態が確認しにくく、他人に言われるまで気づかないケースが少なくありません。

AGAはどの進行パターンでも、最終的には側頭部と後頭部のみしか残らないことが多いとされています。

AGAを発症したらどうする?

AGAを発症した場合、自然治癒は期待できないので、AGAクリニックで受診して治療を開始しましょう。先述のとおりAGAは進行性の病気のため、放置すると症状は悪化していきます。

また、AGAが重症化してから治療を始めた場合、治療方法の選択肢が少なくなったり費用が高額になったりする可能性があります。AGAを発症しているかもしれないと思った際は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。

AGAの治療方法

AGAの主な治療方法を2つご紹介します。

  • 薬剤治療
  • 植毛・増毛

それぞれの治療方法について解説します。

薬剤治療

薬剤治療は、内服薬や外用薬を使用する治療方法です。使用する薬剤は個人の体質や薄毛の進行度に合わせて決めます。AGAの治療薬は1種類だけを使用することもあれば、A進行度合いによっては内服薬と外用薬を併用することもあります。

AGAの内服薬と外用薬の特徴をそれぞれ確認していきましょう。

内服薬

AGA治療の内服薬には、フィナステリドを主成分とするプロペシアやデュタステリドを主成分とするザガーロ、ミノキシジル錠剤などがあります。それぞれの効果や起こりうる副作用は、以下のとおりです。

薬名期待できる効果副作用
プロペシア
(フィナステリド)
脱毛抑制性欲減退や勃起機能不全、射精障害など
ザガーロ
(デュタステリド)
脱毛抑制性機能不全や発疹、抑うつ気分など
ミノキシジル発毛促進多毛症など

プロペシアとザガーロのどちらも、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制する働きがあり、薄毛の進行を抑える効果が期待できます。

一方ミノキシジルには血管拡張作用があり、血流が良くなって髪に栄養が行き渡ることで髪の成長を促す作用が期待できます。また、髪の元となる毛母細胞を活性化する作用もあり、発毛効果が期待できるといわれています。

ザガーロの副作用の1つである性機能不全は、性欲減退や勃起不全、射精障害を指します。

AGA治療薬を服用した際、副作用は必ず起こるわけではありませんが、上記の症状が出る場合があることを念頭に置き、体に異変が起こった際は早めに医師に相談しましょう。

外用薬

AGA治療の外用薬としてはミノキシジルがあり、頭皮に直接塗布して使用します。内服薬同様、毛髪が成長しやすくなる効果があるとされています。

メリットデメリット
植毛・自毛植毛の場合、移植した髪が生着すれば、抜けたとしても新たな髪が生えてくる
・人工毛植毛の場合、髪の長さや本数を調整しやすい
・AGAが進行し薄毛の範囲が広い場合、自毛植毛ができない可能性がある
・人工毛植毛では、拒絶反応による炎症が起こるリスクがある
・一般的に治療費が高額になる
増毛手術ではないため、外科手術の植毛に比べると施術時の身体の負担を減らせる可能性がある定期的なメンテナンスが必要

ミノキシジル添付文書によると、ミノキシジルの使用により起こりうる副作用は、頭皮の発疹やかゆみ、ふけ、頭痛などです。

参考:日本ジェネリック株式会社「ミノキシジル添付文書

植毛・増毛

植毛は自毛や人工毛を頭皮に植え込む方法で、増毛は自分の髪に人工毛を結び付けたり頭皮に人工毛のシートを貼ったりしてボリュームアップさせる治療法です。

植毛や増毛のメリット・デメリットとして、以下の例が挙げられます。

増毛と植毛にはそれぞれのメリット・デメリットがあるので、違いを把握して自分に合う治療方法を考えましょう。

まとめ

AGAは薬の使用や禁煙、ストレスケアなどにより予防できる可能性があります。栄養バランスのとれた食事や質の高い睡眠を心掛けることによっても、薄毛になるリスクを減らせる可能性があるでしょう。

抜け毛・薄毛に関する悩みは抱えたままにせず、早期に専門医に相談することで改善策を見つけられると考えられます。AGAを発症しているかもしれないと思った際は、病院やクリニックで相談してみましょう。

レバクリでは、AGA治療薬のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。 診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会