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更新日:2024年03月28日

育毛剤と発毛剤の違いは?効果や副作用の違い、どちらを使用すべきかを解説

この記事のまとめ
  • 育毛剤と発毛剤の違いは、薬機法における分類である
  • 育毛剤には薄毛を予防する効果があり、発毛剤には発毛を促進させる効果がある
  • 育毛剤と発毛剤以外の薄毛対策には、食生活の見直しやヘアケアの見直しなどがある

薄毛を改善したいけど、育毛剤と発毛剤の違いがいまいちよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。混合されがちな育毛剤と発毛剤ですが、成分や効果に明確な違いがあります。

この記事では、育毛剤と発毛剤の違いについて詳しく説明します。副作用や使用する際の注意点についても解説していくので、育毛剤と発毛剤どちらを使用すべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

育毛剤と発毛剤の違い

育毛剤と発毛剤の違いは、薬機法における分類です。薬機法とは、医薬品や医薬部外品、化粧品などの品質、有効性及び安全性を確保するために、製造や表示、販売について細かく定めた法律のことを指します。

薬機法によると、育毛剤は医薬部外品に分類され、薬局やドラッグストアで気軽に入手できます。しかし、そもそも医薬部外品は、病気の予防や衛生を目的としたものであるため、治療に直接的な効果があるとは言えません。

一方で、発毛剤は医薬品に分類されます。発毛剤は、一般的にAGA治療薬として使用されるミノキシジルを指します。こちらは医薬品のため、入手するには病院やAGA専門クリニックで医師の診察を受ける必要があります。また、一部の発毛剤は薬局やドラッグストアでも販売されていますが、薬剤師や登録販売者から適切な情報提供を受けたうえで購入する必要があります。

参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

育毛剤と発毛剤の効果の違い

育毛剤と発毛剤は、分類だけでなく期待できる効果も異なります。

育毛剤には、健康な髪を育てるための頭皮環境を整え、抜け毛を予防する効果があります。育毛剤には、保湿成分や炎症を抑制する成分が入っているため、皮脂や汚れが頭皮に詰まったり、頭皮が炎症を起こしたりするのを防げます。また、血行を促進させる成分が入っているものもあり、頭皮に栄養を運びやすくすることができるのです。

一方で、発毛剤(ミノキシジル)には、髪の毛の毛包を活性化させて、発毛を促す効果があります。

ミノキシジルには、髪の毛の発毛を促すインスリン様成長因子1や血管内皮細胞増殖因子などの産生を促進する働きや、毛乳頭細胞を増殖させる働きがあります。こうした働きがあることから、髪の毛の生成を促す外用薬として日本で唯一厚生労働省から認可されているのです。

育毛シャンプーの効果について詳しく知りたい方は、「育毛シャンプーの効果とは?詳しい成分や選び方を解説」も参考にしてみてください。

育毛剤と発毛剤の副作用

育毛剤と発毛剤に共通する副作用には下記があります。

  • 頭皮のかゆみ
  • 頭皮のかぶれ
  • 頭皮の赤み
  • ふけ

副作用が起こる頻度はそれほど高くないですが、万が一副作用が出た際に対処できるよう、起こりうる症状を把握しておきましょう。

また、発毛剤のみに起こる副作用として、血圧の低下があります。発毛剤に含まれるミノキシジルは元々血圧降下薬として開発された薬であるため、ミノキシジルには血管を拡張して血圧を下げる作用があるのです。血圧が不安定な方や心臓疾患がある方は、心機能障害が起こったり、不静脈が悪化したりするリスクがあるので、使用する前に医師に相談するようにしましょう。

育毛剤と発毛剤の注意点

育毛剤と発毛剤を使用する際には、下記の点に注意しましょう。注意点を正しく理解していないと、期待する効果を得られない場合があります。

育毛剤の注意点

育毛剤は、自分の肌質に合ったものを使用しないと、かえって頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。

育毛剤に含まれるアルコール成分には、皮脂を除去する作用があります。敏感肌や乾燥肌の方が、アルコール濃度の高い育毛剤を使用してしまうと、本来必要である皮脂まで取り除いてしまい、乾燥による頭皮環境の悪化を引き起こすおそれがあるのです。

また、パッケージの用法用量を守らない場合も頭皮環境を悪化させてしまうおそれがあるので、使用する前にしっかり確認するようにしましょう。

発毛剤の注意点

発毛剤を使用する際の注意点には下記があります。

初期脱毛が起こることがある

発毛剤の有効成分であるミノキシジルは、初期脱毛を引き起こす可能性があります。初期脱毛は、使い始めて2~8週間頃に見られる一時的な抜け毛のことを指します。初期脱毛は、ミノキシジルの作用によってヘアサイクルが徐々に整っていく過程で生じる現象であるため、過度に心配する必要はありません。初期脱毛が起こり始めた段階でミノキシジルの使用を中断すると、再び髪の毛が元の状態に戻ってしまうので、脱毛症状が生じたとしても継続して使用するようにしましょう。ただし、3ヶ月以上抜け毛の症状が続く場合は、別の原因である可能性があるので、医師に相談するのがおすすめです。

ミノキシジルの初期脱毛について詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの初期脱毛が起こる理由とは?原因と対策を解説」も参考にしてみてください。

個人輸入にはリスクがある

発毛剤は海外の通販サイトで販売されている場合がありますが、個人輸入で入手した発毛剤には、さまざまなリスクが伴います。たとえば、届いた発毛剤が偽造品であった場合、期待した効果が得られなかったり、かえって健康被害が出たりするおそれがあります。

日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用により重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う「医薬品副作用被害救済制度」があります。しかし、個人輸入で入手した医薬品は、救済の対象外となってしまうので注意しましょう。

参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度

育毛剤との併用ができない

副作用のリスクを高めてしまうおそれがあるため、発毛剤と育毛剤は併用できません。それぞれの添付文書にも、併用は禁止であると記載されていることがほとんどのため、発毛を促進しつつ頭皮環境を整えたいという場合でも、併用はしないようにしましょう。

育毛剤と発毛剤のどちらを使用すべきか

育毛剤と発毛剤はそれぞれ効果が異なるため、自分の髪の毛の状態や目的に合わせて使用しましょう。

育毛剤は、頭皮環境を正常に保つ効果があるため、薄毛を予防したい方におすすめです。髪の毛にハリやコシがないと感じている方は、育毛剤を使用するとよいでしょう。

一方で、発毛剤は、新しい髪の毛の生成を促し、発毛を促進する作用があるため、薄毛を改善したい方におすすめです。すでに薄毛が目立ってきている方や、抜け毛の量が多い方は発毛剤を選ぶようにしましょう。

育毛剤や発毛剤以外の薄毛対策

薄毛を改善させるためには、育毛剤や発毛剤を使用するだけでなく、生活習慣やヘアケアを見直すことも大切です。ここでは、育毛剤や発毛剤以外にできる薄毛対策について解説していきます。

食生活を見直す

食生活を見直すことは薄毛対策に有効です。髪の毛が成長するには、ビタミンやタンパク質、ミネラルなどが必要不可欠です。脂っこいものをよく食べる方や、同じものばかり食べる方は栄養バランスが偏りやすいので、自分の食生活を見直してみましょう。

特に、髪の毛は、タンパク質からつくられるケラチンでできているため、タンパク質が豊富に含まれる肉や魚、大豆製品などを積極的に摂るのがおすすめです。

使用しているシャンプーを見直す

使用しているシャンプーを見直すことも薄毛対策には有効です。

頭皮環境を整えるためには、洗浄力の弱いアミノ酸系シャンプーを使用するのがおすすめです。洗浄力の強いシャンプーを使用すると、本来必要な皮脂までもを洗浄し、頭皮の乾燥を補おうと、かえって皮脂の分泌が増加して、頭皮環境が悪化するおそれがあります。

アミノ酸系シャンプーには、シャンプーの成分表に「ココイル・・・」や「ラウロイル・・・」という表記があるので、普段使用しているシャンプーを確認してみましょう。

適度な運動を行う

薄毛対策には、適度な運動を行うことも有効です。運動を行うことで、全身の血流が良くなり、髪の毛に必要な栄養素が届きやすくなります。

お腹に力を入れて作業をしたり、いつもより歩幅を広げて歩いたりするだけでも運動になるので、日常生活に取り入れてみましょう。

AGAによる薄毛に悩んでいる方は専門クリニックを受診しよう

AGAによる薄毛を根本的に治療したいのであれば、AGA専門のクリニックを受診するのをおすすめします。育毛剤や発毛剤には脱毛を抑える効果はないため、AGAによる薄毛の進行を抑えることはできません。

AGAの進行を抑えるためには、脱毛を抑制する効果のあるフィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬を処方してもらいましょう。フィナステリドやデュタステリドは、AGAによる薄毛の原因となる5αリダクターゼの働きを抑制する効果があるのです。発毛作用のあるミノキシジルと併用することもできるので、脱毛を抑制しつつ発毛を促進したい方におすすめです。

AGAは進行性の脱毛症であるため、放っておくとどんどん症状が進行してしまいます。薄毛の症状が気になり始めた段階で、なるべく早めにクリニックを受診するようにしましょう。

AGAが完治した人がいるのかについては、「AGAが完治した人はいる?AGA治療で後悔しないために行うべきことを解説」を参照してください。

まとめ

育毛剤と発毛剤の違いは、薬機法における分類にあります。育毛剤は医薬部外品、発毛剤は医薬品に分類されており、薄毛治療における効果が医学的に認められているのは発毛剤のみです。

育毛剤と発毛剤に共通する副作用としては、頭皮のかゆみや赤みなどがありますが、発毛剤のみに見られる副作用もあるため注意しましょう。

薄毛は、生活習慣の乱れや誤ったヘアケアなどが原因の場合、セルフケアのみで症状が改善することがありますが、AGAが原因の薄毛であった場合は、セルフケアのみでは根本的に改善することはできません。自分の薄毛がAGAによるものかもしれない…と感じている方は、AGA専門クリニックを受診してみるのがおすすめです。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを行っています。オンライン診療には、通院に手間がかからない、周囲に通院していることがバレにくいといったメリットがあります。診察料は無料なので、薄毛を改善したいと考えている方はぜひ一度ご相談ください。