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更新日:2024年03月29日

薄毛はサプリメントで改善できる?髪の毛に良いサプリメントや摂取方法

この記事のまとめ
  • サプリメントには、髪の毛に必要な栄養素を補い、薄毛改善をサポートする働きがある
  • 髪の毛に良い成分には、亜鉛やL‐リジン、ビタミン類などがある
  • サプリメントを摂取する際は、摂取目安量やほかの薬との飲みあわせを確認しよう
  • サプリメント以外にも、生活習慣の改善したりヘアケアを行ったりすることで薄毛対策ができる

育毛を謳うサプリメントは薬局や通販サイトで多く販売されています。サプリメントを飲むことで、実際に薄毛改善の効果があるかどうか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、薄毛はサプリメントで改善できるかについて解説します。髪の毛に良いサプリメントの成分や摂取する際のポイント、サプリメント以外にも効果的な薄毛対策なども紹介します。薄毛対策のためにサプリメントの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

サプリメントだけで根本から薄毛を改善するのは難しい

残念ながら、サプリメント自体に薄毛を改善したり発毛を促進したりする効果はありません。

厚生労働省によると、サプリメントは医薬品でなく健康食品の一つとして考えられています。サプリメントはあくまで栄養を補助するための健康食品であり、それ自体に薄毛を改善する効果は期待できないのです。

ただ、サプリメントには、薄毛改善のサポートをする働きはあります。髪の毛は基本的に食事から摂取した亜鉛やミネラル、ビタミン類などの栄養をもとにつくられます。そのため、サプリメントで普段の食事からでは摂取しきれない栄養素を補給することで、発毛を補助する効果が期待できます。

参考:厚生労働省「1)健康食品やサプリメントの名称について

髪の毛に良いサプリメントの成分

薄毛に効果のある成分には下記が挙げられます。

亜鉛

亜鉛は、髪の毛の主成分であるケラチンを合成するのに欠かせない成分です。

ケラチンはタンパク質の一種であり、複数のアミノ酸が結合することで合成されます。亜鉛にはこのケラチンの元となるアミノ酸の結合をサポートする働きがあります。

ただし、亜鉛を過剰摂取すると、貧血や毛髪異常を引き起こすことがあります。通常の食生活では、亜鉛を摂りすぎることは少ないですが、サプリメントを多量に服用することで亜鉛を摂りすぎてしまう可能性もあります。サプリメントで亜鉛を摂取する場合は、必ず摂取目安量を守るようにしましょう。

亜鉛と髪の毛の関係については、「亜鉛で髪は伸びる?亜鉛が髪にもたらす効果や亜鉛を多く含む食品を紹介」でも詳しく解説しています。

ミネラル

ミネラルは、筋肉や骨格などの組織を形成する成分で、前述した亜鉛もミネラルの一種です。。ミネラルが不足すると、歯がもろくなったり、皮膚が荒れたりすることがあります。

ミネラルは体内で作ることができないため、食事やサプリメントで補いましょう。

L‐リジン

L‐リジンは、必須アミノ酸の一つです。L‐リジンにはタンパク質の吸収や合成をサポートする働きがあるため、髪の毛の主成分であるケラチンの合成を促すことができます。

ビタミン類

ビタミンは、身体の健康を維持するのに必要な栄養素です。頭皮環境の改善に特に効果のあるビタミンは、下記のとおりです。

  • ビタミンA:粘膜や皮膚などの細胞の活性化
  • ビタミンB群:細胞分裂の活性化(ビタミンB2)、代謝を促進(ビタミンB6)
  • ビタミンC:毛細血管の生成をサポート
  • ビタミンD:ミネラルの吸収を促進
  • ビタミンE:抗酸化、血行促進

ミネラル同様、ビタミン類も体内ではほとんどつくることができないため、食事やサプリメントで積極的に摂取するようにしましょう。

参考:厚生労働省「ビタミン

リコピン

リコピンは、カロテノイドと呼ばれる色素の一種で、トマトの赤色の元になっている成分です。リコピンには抗酸化作用があり、髪の毛や頭皮の老化を防ぐことで、頭皮環境を整える効果が期待できます。

また、血行を促進させる効果もあるため、髪の毛や頭皮に栄養素が行き渡りやすくすることができます。

ノコギリヤシ

ノコギリヤシは、北米南東部に生息しているヤシ科の植物です。ノコギリヤシには、AGAの原因になる5αリダクターゼという酵素の働きを抑制し、薄毛を防ぐ効果が期待できるといわれています。

5αリダクターゼは、男性ホルモンの一種であるテストステロンと結合すると、AGAの原因とされるジヒドロテストステロンを生成します。そのため、5αリダクターゼを抑制し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えることで薄毛を予防することができるのです。

イソフラボン

イソフラボンは大豆製品に多く含まれている成分であり、ノコギリヤシと同様に5αリダクターゼの働きを抑制する効果があります。

ただし、イソフラボンは女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た働きをするため、過剰摂取すると生殖機能の低下や慢性的な倦怠感を引き起こすおそれがあります。摂取量には十分に注意しましょう。

イソフラボンの効果について詳しく知りたい方は、「大豆イソフラボンの効果とは?男性AGAに効く理由や摂取目安量を解説」も参考にしてみてください。

サプリメントを摂取する際のポイント

続いて、サプリメントを摂取する際のポイントを解説します。

摂取目安量を守る

サプリメントを摂取する際は、パッケージに記載されている一日の摂取目安量を守りましょう。

摂取目安量より多くサプリメントを飲んだからといって、サプリメントの効果が高まることはありません。水溶性ビタミンのように一度に吸収できる量が決まっている成分もあるため、多く飲んだ量が無駄になってしまうことがあります。

また、サプリメントを過剰摂取することで健康被害が起こるおそれもあります。ビタミンやミネラルの過剰摂取は、泌尿器結石や膵臓の異常、下痢などを引き起こすとされています。サプリメントの摂取量は自己判断で増やさないようにしましょう。

参考: 厚生労働省「健康食品の正しい利用法」 独立行政法人日本スポーツ振興センター「サプリメントの危険性

水またはぬるま湯と一緒に飲む

サプリメントは基本的に水またはお湯と一緒に摂取しましょう。

一緒に飲むものによっては、サプリメントに含まれる成分の吸収を妨げるおそれがあります。たとえば、鉄(ヘム鉄を除く)を含むサプリメントをお茶やコーヒー、牛乳と一緒に飲むと、成分が正常に吸収されない場合があります。

適切な効果を実感するためにも、サプリメントはお湯または水で摂取するようにしましょう。

なるべく食後に摂取する

サプリメントは基本的に好きなタイミングで摂取することが可能ですが、なるべく食後に摂取するのがおすすめです。

サプリメントの種類によっては、脂性成分や血行促進成分など胃に負担のかかる成分が含まれていることがあります。食後は胃の中に食べ物がある状態なので、これらの成分による胃への負担をある程度軽減することができるのです。

また、サプリメントは健康の維持を目的としており、継続して摂取することが大切なので、飲み忘れを防ぐためにも毎日同じタイミングで摂取するようにしましょう。

他の薬との飲み合わせに注意する

サプリメントに含まれる成分によっては、他の薬と飲み合わせると副作用を増強してしまったり効果を減少させてしまったりすることがあるので注意が必要です。

たとえば、ノコギリヤシは血液を固まりにくくする作用があるため、抗凝固剤や抗血小板薬との併用は避けるべきとされています。

なんらかの薬を服用している場合は、サプリメントを使用する前にかかりつけの医師に相談するのがおすすめです。

参考:厚生労働省「食物とくすりの相互作用

サプリメント以外の効果的な薄毛対策

サプリメント以外で効果的な薄毛対策には下記があります。

栄養バランスの良い食事を摂る

薄毛対策には、タンパク質やビタミン、ミネラルなど栄養バランスの良い食事をとることが大切です。栄養バランスが偏ってしまうと、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足し、髪の毛が細く・弱くなる可能性があります。

髪の毛の成長に必要な栄養素と摂取できる食べ物は以下のとおりです。

栄養素作用摂取できる食べ物
タンパク質髪の毛の材料となる肉、魚、卵、乳製品など
亜鉛タンパク質の生成をサポートする牡蠣、レバー、イワシなど
ビタミンB6タンパク質の生成をサポートするまぐろの赤身、パセリ、鶏肉など
ビタミンB2皮脂の過剰分泌を抑えて頭皮環境を整えるレバー、うなぎ、納豆など

十分な睡眠をとる

髪の毛の成長に必要な成長ホルモンは寝ている間に多く分泌されるため、薄毛対策には十分な睡眠をとることも大切です。 十分な睡眠をとるために、できるだけ毎日同じ時間に時間にベッドに入ることを心がけましょう。

また、髪の成育のためには、睡眠の長さだけでなく質も大切です。睡眠の質を上げるためには、湯船に浸かったり、ストレッチをしたりして就寝前に身体をリラックスさせるのがおすすめです。

ヘアケアを行う

頭皮への負担を減らすために、シャンプーをする際には指の腹でやさしく洗い、洗いすぎないよう注意しましょう。強い力でゴシゴシと洗ったり、何度も洗ったりすると頭皮にダメージを与え、抜け毛を引き起こす原因になることがあります。

シャンプーは、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のシャンプーを使用するのがおすすめです。洗浄力の強いシャンプーは、皮脂を過剰に落とし頭皮の乾燥を招き、頭皮環境を悪化させるおそれがあります。

シャンプー以外にすぐにできるヘアケアとしては、入浴中の頭皮マッサージがあります。身体が温まった状態で頭皮を刺激すると、血行が促進されて頭皮に栄養を行き届きやすくすることができます。

医師に相談する

AGAによる薄毛を改善したい場合は、医師に相談するのがおすすめです。サプリメントの摂取のみでは、AGAによる薄毛を根本的に改善することはできません。

AGA治療は、薬剤による治療が一般的です。内服薬や外用薬の作用によって、AGAの進行を抑制したり、薄毛の症状を改善したりすることができます。AGAには、薬剤治療のほかに植毛や発毛セラピーなども有効です。

AGAは進行性の脱毛症であるため、治療をしないとどんどん症状が進んでしまいます。抜け毛の量が増えた、髪の毛が細くなったなど、薄毛の症状を自覚し始めた段階で、速やかにAGA専門クリニックを受診しましょう。

AGAの診断方法については、「AGAの診断方法について、セルフチェック・診断キット・専門機関を解説!」を参照してください。

まとめ

サプリメント自体に髪の毛を増やしたり伸ばしたりする効果はありません。しかし、サプリメントには、食事だけでは補えなかった栄養素を補給し、髪の毛の成長をサポートする効果が期待できます。薄毛が気になっている方は、髪の毛に良いとされる亜鉛やミネラル、ビタミンを含んだサプリメントを飲むのがおすすめです。

薄毛を根本的に改善したい方は、AGA専門のクリニックやオンライン診療で医師の診察を受けるのがおすすめです。

レバクリではAGAのオンライン診療サービスを行っています。オンライン診療には、通院の手間がかからない、クリニックに通っていることが周囲にバレにくいなどのメリットがあります。AGAによる薄毛を根本的に改善したい方だけでなく、自分の薄毛がAGAかどうかわからないという方も、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会