更新日:2026年03月12日
「最近、抜け毛が増えた気がするけどなぜ?」と不安を感じている方もいるかもしれません。抜け毛の主な原因として、生活習慣やホルモンバランスの乱れ、間違ったヘアケア、AGAなどが考えられます。
この記事では、抜け毛が増える主な原因や、自宅でできる対策を詳しく解説します。また、セルフケアで改善しない場合の治療法についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
髪の毛には、ヘアサイクル(毛周期)と呼ばれる、生えてから自然に抜け落ちるまでの一連の成長サイクルがあります。ヘアサイクルには、成長期・退行期・休止期の3つのフェーズがあり、休止期を終えて再び髪の毛が発毛する段階になると、新しい毛が古い毛を押し出すようなかたちで、生えていた髪の毛が自然に抜け落ちます。

また、生活習慣や日々のヘアケアが、間接的に抜け毛の原因となっているケースも少なくありません。主な抜け毛の原因は、以下の5つです。
ここでは、それぞれの原因について、詳しく解説します。
髪の毛は日々の食事から摂取した栄養素を原料として作られています。脂質や塩分の多い食生活が続くと、髪の合成に必要な栄養が不足し、毛根の活動性が低下します。その結果、新たな髪が作られにくくなってしまうのです。
また、髪を育てる「成長ホルモン」は、深い睡眠中に分泌されることから、慢性的な寝不足は髪の正常な成長サイクルを阻害する要因となります。
さらに、運動不足は全身の血流を停滞させ、摂取した栄養が頭皮の末端まで届かなくなるため、抜け毛を加速させる可能性があります。
強いストレスを継続的に感じると、自律神経のバランスが崩れ、血管が収縮して頭皮への血流が慢性的に悪化してしまいます。 血行不良によって栄養失調のような状態を頭皮に作り出し、髪に栄養が届きにくくなることで、本来抜けるはずのない成長期の髪まで弱らせる原因となります。
また、ストレスは男性ホルモンのバランスにも影響を及ぼし、皮脂の過剰分泌を招いた結果、頭皮環境を悪化させる悪循環を生むのです。
毎日行っているシャンプー習慣が、頭皮環境を悪化させているケースも考えられます。
間違ったシャンプー方法の例は、以下のとおりです。
頭皮の表面には保護膜(皮脂膜)があり、肌を守っています。洗浄力の強すぎるシャンプーで必要以上に皮脂を奪うことで、保護膜を壊し、頭皮環境の悪化につながります。 爪を立てて洗うと頭皮の保護膜に傷を作り、炎症を引き起こすきっかけとなります。また、40℃を超えるお湯ですすぐことも、頭皮が傷んで抜け毛を助長させる原因となるのです。
成人男性における抜け毛の原因の一つが、AGA(男性型脱毛症)です。これはテストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼという酵素と結びつき、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化することで、髪の成長期を短くしてしまう疾患です。
AGAは進行性の病気であり、一度発症すると自然に治ることはないため、何も対策をしなければ薄毛の範囲は徐々に広がっていきます。特に、生え際や頭頂部の抜け毛が気になっている場合は、AGAの可能性があるため、医師に相談してみましょう。
すべての抜け毛がAGAによるものとは限りません。抜け毛の原因には、ほかの病気が隠れている可能性もあります。
たとえば、円状に髪が抜ける「円形脱毛症」は、自己免疫疾患の一つであり、AGAとは治療法が異なります。 また、頭皮に強いかゆみやベタつき、フケが出る「脂漏性皮膚炎」は、カビの一種であるマラセチア菌の増殖が原因で、慢性化・再発しやすいといわれています。こうした疾患に対してAGA治療を行っても抜け毛は改善しないため、原因を見極めることが重要です。
抜け毛の原因については、「」でも詳しく紹介しています。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)

抜け毛は生活習慣やホルモン、疾患などの要因で起こります。抜け毛は、生活習慣の乱れや慢性的なストレス、さらには特定の疾患など、複数の要因で起こることがほとんどです。 ご自身の抜け毛がどのタイプに当てはまるのか、その原因を正しく把握することで、最適な対策や治療を見つけられるでしょう。
抜け毛の原因が把握できたら、予防・対策するためのセルフケアに取り組みましょう。日々取り組めるセルフケアには、以下の5つの方法があります。
まずは、髪の成長を助ける栄養素を食事で十分に摂取しましょう。髪を構成する成分の約90%以上は、「ケラチン」というタンパク質です。髪の材料になる良質なタンパク質を取り入れるためには、肉・魚・卵・大豆製品などをバランスよく摂取することが大切です。
さらに、タンパク質を髪へと合成するときに使われる亜鉛は、牡蠣やレバー、ナッツ類などに多く含まれるため、意識的に摂取しましょう。 また、健康な髪を育むために、頭皮の血流を促すビタミンEや、粘膜を保護するビタミンB群などもバランスよく摂るのがおすすめです。
食事のバランスが偏ってしまう日は、食事に合わせてビタミンや亜鉛のサプリメントを活用しながら、必要な栄養を補えるように工夫するのも良いでしょう。
十分な睡眠時間をとり、髪の成長に必要な「成長ホルモン」を促すことも対策の一つです。成長ホルモンは深い眠りで集中的に分泌され、毛母細胞の修復や分裂を活性化させる役割があります。
厚生労働省の「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」によると、休養感のある睡眠のためには、1日に少なくとも6時間の睡眠を確保することが必要だとされています。睡眠不足は自律神経の乱れに直結し、頭皮の血行不良を引き起こしやすくなります。まずは十分な睡眠時間を確保しましょう。
また、厚生労働省の「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」が示している、良い睡眠のためにできることは以下の3つです。
日中は適度な運動をして夜には静かな環境で休むというメリハリをつけることが、質の良い睡眠で成長ホルモンの分泌を促すポイントです。
頭皮環境を整えるためには、適度な運動で頭皮の血行を促進することも大切です。適度に運動することで全身の血流を促進し、頭皮の毛細血管まで新鮮な酸素と栄養を届けられるでしょう。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023成人版」によると、1日60分以上の歩行(8,000歩以上に相当)を目指すことが推奨されています。デスクワーク中心で座りっぱなしの方は、座っている時間が長くなりすぎないよう、少しでも体を動かすと良いでしょう。
参考:厚生労働省の「身体活動・運動の推進」
毎日できるセルフケアとして、頭皮に優しいシャンプーで正しく洗髪することも大切です。洗浄力の強いシャンプーで毎日洗うと頭皮が乾燥し、それを補おうと皮脂が過剰に分泌されることで、毛穴詰まりの原因となります。洗浄力がマイルドな「アミノ酸系シャンプー」は、必要な皮脂を残しつつ汚れだけを落としてくれるのでおすすめです。
正しいシャンプーの流れは、以下のとおりです。
上記の流れを意識して、頭皮をいたわるように正しく洗髪しましょう。
抜け毛を予防するために、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。ストレスを完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、できるだけ没頭できる趣味やリラックスできる時間を作ってみましょう。
たとえば、静かな公園での散歩やアロマを使った入浴、深い呼吸を意識して行うヨガなどは、副交感神経を優位にして血管を拡張させる効果があります。
薄毛の原因や対策については、「薄毛対策に効果的な方法は?自分で始められる方法や役立つグッズを解説」でも詳しく解説しています。

抜け毛を減らすセルフケアとして、日々の生活習慣の見直しが効果的です。特に、髪の成長に必要なタンパク質や亜鉛を意識した食事や、指の腹で優しく洗う正しいシャンプー習慣は、比較的取り入れやすいでしょう。 正しいヘアケアやバランスの取れた食生活を少しずつ積み重ねることで、頭皮環境の改善を目指せるでしょう。
「抜け毛が気になるけど、どのタイミングで受診すればいいのか知りたい」と考えている方もいるかもしれません。ここからは、セルフチェックでわかる受診の目安を解説します。
日本人における成人の髪の毛は、1日に100本程度は寿命によって自然に抜け落ちるため、それほど心配する必要はありません。しかし、排水口の抜け毛が明らかに増えたり、枕に付着する毛が以前の倍以上になったりなど、毎日の抜け毛が150本を超える状態が数週間続く場合は注意が必要です。
自己判断せず、早めに専門医に相談すると良いでしょう。特に、細く短い毛や毛根がない毛が目立つ場合は、毛周期の異常やAGAが進行しているサインの可能性があるため、早期の診断が推奨されます。
抜け毛を観察し、細く短い毛や毛根がついていない毛が目立っている場合、それは髪が太く成長する前に抜けてしまっている異常な状態です。 また、正常な抜け毛には根元にふっくらとした白い「毛包」が付着しています。毛包がついていない場合や、形が歪んでいる場合は、毛根への栄養供給が止まっていることも考えられます。
発毛途中の抜け毛はAGAの可能性があるため、変化に気づいたら早めに専門医を受診し、相談してみるのが良いでしょう。ただし、毛根がついていない場合、切れ毛の可能性もあるため、髪へのダメージの有無も確認しましょう。
髪の毛自体だけでなく、頭皮にかゆみや赤み、フケなどの異常が見られる場合も、受診のサインです。かゆみや赤み、ベタついたフケが出る状態は、頭皮で炎症が起きているケースも考えられます。このような炎症は市販薬だけでは改善しない場合もあり、成分が刺激になることで、かえって悪化させる可能性もあります。
皮膚疾患からくる抜け毛の場合は、専門的な治療が必要になるため、早めに皮膚科やクリニックで相談しましょう。

受診するべきか迷う場合は一度医師に相談してみましょう。不安を抱え込まずに専門家の意見を聞くことで、症状を正しく把握できます。セルフチェックで少しでも気になることがあれば、早めの受診をおすすめします。
生活習慣を見直しても抜け毛が止まらない場合、治療を受けることで改善が見込めるケースがあります。一般的に行われているAGAの治療法について詳しく解説します。
AGA治療の一つは、内服薬の服用です。フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因となる5αリダクターゼを阻害する作用があります。それにより、抜け毛の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制し、短くなってしまった髪の成長サイクルを正常な長さに戻す効果が期待できるのです。
内服薬の効果と副作用の例を以下の表にまとめました。
| 薬の種類 | 期待できる効果 | 副作用の例 |
|---|---|---|
| フィナステリド | Ⅱ型リダクターゼを阻害し抜け毛を予防 | 性機能障害、 肝機能障害など |
| デュタステリド | I型・Ⅱ型リダクターゼの両方を阻害し抜け毛を予防 | 性機能障害、 肝機能障害など |
| ミノキシジル(内服薬) | 血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、発毛を促す | 体毛の増加、動悸、 息切れなど |
また、ミノキシジル(内服薬)には血管の拡張作用があり、髪の成長に必要な栄養が毛根まで届きやすくなるため、発毛や育毛の効果が期待できます。ただし、2026年1月時点で日本国内で未承認の薬であるため、ミノキシジル内服薬による治療を行いたい方は、医師の説明を聞き、リスクについて理解しておきましょう。
外用薬(塗り薬)による治療法も使われています。外用薬の一つであるミノキシジルは気になる部分に直接塗ることで頭皮の血管拡張を促し、毛母細胞に直接働きかけて細胞分裂を活性化させることで、発毛を促す効果が期待できます。 内服薬と合わせて使用すると、効果を実感しやすいでしょう。
ただし、使用を途中でやめてしまうと、薬の効果で維持されていた毛髪が再び抜け落ちてしまうため、根気強く使い続けることが大切です。
薬の治療で十分な効果が得られない場合、最終手段の一つとして検討されるのが自毛植毛です。これは、AGAの影響を受けにくい後頭部の自分の髪を、毛根ごと気になる部分に移植する方法です。 一度定着してしまえば、抜け落ちてもほかの髪と同様に生え変わり続けるというメリットがあります。
ただし、痛みが伴いやすくダウンタイムが必要であることや、費用が高いことなどのデメリットもある点に注意が必要です。

セルフケアを数ヶ月続けても改善しない場合は、医師に相談しましょう。 AGAは進行性の脱毛症のため、早期の受診が大切です。内服薬や外用薬の使用といった適切な治療を早くから継続すると、進行する前に症状を抑えられる可能性があります。
「抜け毛を治したいけれど、誰にも知られたくない」と悩んでいる方もいるかもしれません。オンライン診療は通院が必要なく、ほかの患者と顔を合わせずにスマートフォンなどで診察が受けられるのがメリットです。対面診療と変わらず、専門医からの診察とアドバイスを自宅から受けられます。
さらに、処方薬は薬局まで受け取りに行く必要がなく、自宅まで配送されるため、周りにAGA治療を知られることもありません。仕事で忙しい場合も、AGA治療を安心して続けやすいでしょう。
抜け毛の主な原因は生活習慣の乱れや間違ったヘアケア、AGA(男性型脱毛症)、そのほかの疾患などです。抜け毛を減らすためには、まず原因を正しく特定することが大切です。日々のセルフケアとして、髪の成長に必要なタンパク質や亜鉛を含む栄養バランスの良い食事、質の良い睡眠の確保などを試してみましょう。
セルフケアを続けても1日の抜け毛が150本を超える状態が数週間続く場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。AGA治療には内服薬や外用薬による治療、自毛植毛などの方法があります。
忙しくて通院できない方や周囲にAGA治療を知られたくない方には、自宅で気軽に受けられるオンライン診療がおすすめです。