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更新日:2024年01月24日

AGA治療のデメリットとは?後悔しないポイントも解説

この記事のまとめ
  • AGA治療のデメリットとしては、副作用や初期脱毛などが挙げられる
  • 一方で、AGA治療では、抜け毛を抑え、発毛を促進できるというメリットがある
  • 治療にかかる期間や費用相場を理解したうえで治療を開始しよう
  • 薬を服用する以外にセルフケアも行うことで、さらなる効果が期待できる

AGA治療を始めてみたいものの、メリットだけでなくデメリットもあるのではと不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

ここではAGA治療のデメリットを知りたい方に、デメリットや治療を行うメリットを解説します。また、AGA治療で副作用が起こる確率や治療をやめるとどうなるのか、後悔しないためのポイントについても説明します。

AGA治療のデメリットとは

AGA治療のデメリットとして、主に下記の4点が挙げられます。

  • 内服薬や外用薬などによる副作用がある
  • 初期脱毛が起こる
  • 治療には一定の期間が必要
  • 費用がかかる

それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。

治療による副作用がある

AGA治療を行う場合、副作用が生じる可能性があります。発生する可能性のある副作用は、服用する薬の種類や治療方法によって一部異なります。 内服薬と外用薬、レーザー治療に分けて、どのような副作用があるかについて説明します。

内服薬による副作用

内服薬には、5αリダクターゼを阻害する作用をもつプロペシアとザガーロのほか、血管の拡張作用があるミノキシジルがあります。プロペシアとザガーロはAGA治療薬として国内で承認されていますが、ミノキシジルの内服薬は国内未承認です(2023年11月現在)。

プロペシアでは、性欲減退や勃起機能不全、射精障害、射精量減少、乳房肥大、抑うつ、男性不妊、精液の質低下、肝機能障害などの副作用が見られる場合があります。ポストフィナステリドシンドロームといって、性欲減退や勃起機能不全などの副作用が投与中止後も続く例もあるため、詳しくは服用前に医師に直接確認しておくとよいでしょう。

5αリダクターゼの阻害作用を持つザガーロでも、同様の副作用が見られます。ザガーロで起こる可能性のある副作用は、性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)や乳房障害、腹部不快感、抑うつ気分、めまい、脱毛症、多毛症、味覚異常、肝機能障害などです。

ザガーロにおいても、投与中止後に性機能不全が続いたという報告があります。ザガーロを服用する際も医師に詳しく確認しておくとよいでしょう。 内服薬のミノキシジルの副作用としては、初期脱毛や多毛症、頭痛、胸痛、立ちくらみ、むくみ、心疾患、肝機能障害などが挙げられます。

外用薬による副作用

AGA治療で用いられる外用薬としては、ミノキシジルの外用薬が処方されることもあります。直接頭皮に塗布し、毛母細胞を刺激することで発毛・育毛効果が期待できます。

ミノキシジルの外用薬は内服薬に比べると副作用が出にくいとされていますが、塗布した部位に赤みやかゆみ、かぶれ(接触性皮膚炎)、にきびなどの皮膚トラブルが生じる場合があります。また、手足のむくみや目の痛みのほか、動悸、初期脱毛などもミノキシジルの外用薬の副作用として挙げられます。

レーザー治療による副作用

レーザー治療は、LEDを毛乳頭細胞に届かせて、毛母細胞の発達促進と毛の発達の阻害因子を抑制する方法で、発毛や育毛効果が期待できます。

発毛・育毛効果だけでなく、皮膚表面のトラブル改善といったメリットもありますが、副作用として、照射から24時間ほど赤みや紅斑といった症状が続いたり、数時間にわたって頭痛が生じたりすることが挙げられます。

初期脱毛が起こる

AGA治療を始めると、初期脱毛が起こることがあります。初期脱毛とは、治療を初めて数週間後に、一時的に抜け毛の量が増える症状のことを指します。

AGA治療を開始したにも関わらず抜け毛の量が増えると驚いてしまうものですが、これは治療の効果により、新しい毛が生える過程で古い毛が押し出されることによって生じる症状なので、心配する必要はありません。 初期脱毛が落ち着くまでには1〜2ヶ月ほどかかりますので、不安になって治療を中断せず、この期間も治療を続けることが大切です。

AGA治療の初期脱毛について詳しく知りたい方は、「AGA治療の初期脱毛とは?ミノキシジルやフィナステリドとの関係などを解説」も参考にしてみてください。

治療には一定の期間が必要

AGAの薬による治療は、飲み始めてすぐに効果が期待できるものではなく、毛周期(ヘアサイクル)の関係などから、3〜6ヶ月、もしくはそれ以上の長い期間がかかると想定しておく必要があります。

にもかかわらず、なかには治療を開始してすぐに効果がないと思って薬の使用をやめてしまう方もいます。期間について理解がないと、自己判断で使用をやめてそれまでの努力や費用が無駄になり、最終的には効果がなかったと後悔してしまう可能性があります。 AGA治療の効果を実感し、その状態を維持するためには、長期にわたる治療が必要になることを念頭に置き、根気よく治療を続けましょう。

費用がかかる

AGAは進行性の病気であり、効果が出た状態を維持したい場合には治療薬を継続して使用する必要があります。治療開始から効果が出るまでには一般的に半年から1年近くかかります。

月々の治療費は、軽度の方であれば安くて1万円未満、内服薬と外用薬を併用している方であれば2万円ほど。「思っていたよりも費用がかかる」と経済的な理由で治療を断念してしまわないよう、治療開始前に費用の目安を確認しておくことが大切です。

AGA治療のメリットとは

AGA治療には上述したようなデメリットがありますが、治療を続けることによって得られるメリットももちろんあります。この章では、AGA治療のメリットについて説明します。

抜け毛が減る

プロペシアやザガーロといった5αリダクターゼの働きを阻害する治療薬を使うと、ジヒドロテストステロンの産生を抑え、薄毛につながるような乱れたヘアサイクルを整えることができます。ヘアサイクルが正常化することで抜け毛が減り、AGAの進行を抑えられるでしょう。

新しく毛が生えてくる

ミノキシジルの内服薬や外用薬の服用により、より積極的な発毛・育毛の効果が期待できます。 内服薬には血管の拡張作用があり、血流が良くなることで髪の毛が成長するために必要な栄養が毛根の細胞まで届くようになります。これにより育毛効果があると考えられています。

また、頭皮に塗る外用薬には、髪の毛の元となる毛母細胞を活性化させる作用があります。毛母細胞を活性化することで、細胞増殖やタンパク質合成が促進され、発毛効果が期待できるとされています。

ミノキシジルの効果について詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」も参考にしてみてください。

AGA治療で副作用が起こる確率は?

プロペシアとザガーロを例に説明すると、プロペシアは1〜5%未満または1%未満、ザガーロは1%以上もしくは1%未満の確率で起こる副作用がそれぞれあるとされています。

プロペシアを服用した際、1〜5%未満の確率で性欲減退、1%未満の確率で勃起機能不全、射精障害、精液量減少が起こるとされています。ザガーロでは1%以上の確率で性機能不全(性欲減退、勃起不全、射精障害)、1%未満の確率で乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)や腹部不快感、頭痛、抑うつ気分、発疹が起こるとされています。

プロペシアとザガーロのどちらも、上記以外に頻度不明とされる副作用があります。また、「重大な副作用にプロペシアは肝機能障害、ザガーロは肝機能障害と黄疸がありますが、いずれも頻度は不明とされています。 副作用が不安な方は、治療を開始する前に医師に相談しておきましょう。

参照元:KEGG MEDICUS 医薬品情報「医療用医薬品 : プロペシア」「医療用医薬品 : ザガーロ

AGA治療をやめるとどうなる?

AGAは進行性の脱毛症なので、治療をやめると治療前の薄毛の状態に戻ってしまいます。AGAの治療は根治ではなく、あくまで進行を止めることです。髪や頭皮の状態によっては減薬が可能になる場合もありますが、自己判断で服用を中止してしまうと徐々に元の状態に戻り、それまでの努力が無駄になってしまいます。

ご自身が望む毛量まで髪の毛が生えて、維持したい場合は治療薬の服用を続ける必要があると覚えておきましょう。 なお、AGA治療をやめるタイミングは、個人のゴールによって異なります。「結婚したら」「薄毛が気にならない年齢になったら」などゴールは人それぞれです。薄毛・抜け毛の悩みが再び生じることがないよう、「治療をやめたい」「治療のやめ時が分からない」と考えた際は、医師に相談して適切なタイミングを判断してもらいましょう。

AGA治療で後悔しないためのポイント

続いて、AGA治療で後悔しないためのポイントについて説明します。

副作用について理解しておく

AGAの治療薬には外用薬と内服薬があり、治療薬によって起こりうる副作用が異なります。副作用が生じた際は速やかに医師に相談し、症状が悪化するのを防ぐことが大切です。できるだけ早く気づけるよう、起こりうる副作用を事前に把握しておきましょう。

AGA治療の副作用については、「AGA治療の副作用とは?治療薬ごとの副作用や対処法を解説」でも詳しく解説しています。

治療期間についてあらかじめ理解しておく

AGAの薬の服用を開始してから効果を感じられるまでは、早い方で3ヶ月、一般的には6ヶ月はかかると想定しておきましょう。また、AGAは基本的に進行していくものなので、途中で効果を感じたとしても、効果が出た状態を維持するためには治療を続ける必要があります。AGAの治療をどれくらいの期間行うかは、治療を開始する前に医師と相談して決めておきましょう。

治療にかかる費用を調べておく

AGA治療の費用は月々でみると5千円~1万円程度の場合が多く、気軽に治療を始めやすい金額に思われますが、年単位で考えると数万~数十万円になります。 また、症状の経過次第では、複数の薬を併用することになり、当初の想定以上の費用がかかる可能性もあるかもしれません。

AGAは長期間にわたって向き合っていく病気なので、毎月かかる費用や治療にかかる総費用を把握し、経済的に無理のない範囲で治療に臨みましょう。初月の費用の安さをアピールしているクリニックもありますが、カウンセリングなどの治療を始める前の段階で、最終的にどれくらいの費用が必要になりそうかを確認しておくことが大切です。

AGA治療の費用については、「AGA治療の費用相場はどれくらい?保険が適用されるかについても解説」でも詳しく解説しています。

クリニックは必ず比較検討する

クリニックは、ネット上の口コミだけを頼りにするのではなく、費用や立地など長期にわたって通い続けられるところを選択肢に入れ、実績のあるところや無理な押し売りをしてこないところを選びましょう。 実際にクリニックで話を聞いてみたり、オンラインで相談してみたりして、治療内容や費用などに疑問を感じた場合は、セカンドオピニオンを利用することも考慮しておいたほうがよいでしょう。

セルフケアも行う

生活習慣の改善など、ご自身で意識できることを行うのもAGA治療において大切なポイントです。 具体的には、以下のようなことを実践してみましょう。

  • 栄養バランスの良い食事をとる
  • 十分な睡眠をとる
  • 適度な運動をする
  • 過度な飲酒や喫煙を控える
  • ストレスケアをする
  • 頭皮環境に優しいシャンプーを使用する

食事では、鉄や亜鉛などのミネラル、タンパク質、ビタミン類などをバランス良く摂りましょう。体に良くても、ビタミンAやビタミンDなどは1日の摂取量の上限を超えて摂り続けると健康被害を招く可能性があります。習慣的にサプリメントを飲んでいる方は、過剰摂取にならないよう気を付けることが大切です。 また、高カロリー・高脂質の食事や糖分の多い食事は血行不良の原因になります。

まとめ

AGA治療のデメリットとメリット、治療で後悔しないためのポイントについて説明しました。AGA治療のデメリットとしては、は副作用があることや治療期間が長いこと、費用がかかることなどが挙げられます。一方で、治療薬を用いたAGA治療には、抜け毛の抑制や発毛の促進といったメリットがあります。AGA治療で後悔しないためには、治療内容や副作用、期間、費用などを予め把握しておくことが大切です。

これからAGA治療を始めようか悩んでいる方や、始める前に誰かに相談してみたいと思っている方には、オンライン診療がおすすめです。待合室や来院の道のりで知人に出会うリスクがなく、自宅で気軽に医師に相談できます。 レバクリでは無料で診察を行っているため、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会