更新日:2026年02月04日
「最近やる気が出ない」「疲れが取れにくい」「筋力トレーニングの効果を感じられない」などの悩みを抱えている方もいるかもしれません。その原因として、テストステロン値が低下している可能性があります。
本記事では、テストステロンがもたらすメリットやテストステロン値が減少すると起こる心身の変化などを紹介します。また、テストステロン値が下がる主な原因やテストステロン値を増やす5つのセルフケアについても触れているので、ぜひ参考にしてみてください
テストステロンは主に男性の睾丸から分泌される男性ホルモンです。テストステロンは骨密度や筋肉量などに作用し、男性らしい体を作る役割を担っています。
女性の体内でもテストステロンは作られているものの、その量は男性と比べると少ないのが特徴です。女性の場合は卵巣や副腎からテストステロンが分泌され、筋肉量や骨密度の維持などに役立ちます。このようにテストステロンは男女ともに存在するホルモンですが、働きや量には違いがあるのです。
テストステロンのバランスが崩れると男性も女性も体調不良を引き起こす可能性があります。テストステロン値は加齢とともに自然に減少するため、年齢を重ねるにつれて体調の変化に気づく場合もあります。
テストステロンが身体にどのような影響を与えるのか気になる方もいるかもしれません。テストステロンがもたらす主なメリットは以下のとおりです。
ここでは、上記4つのテストステロンがもたらすメリットを紹介します。
テストステロンは心の安定と前向きな気持ちを支える役割があり、テストステロン値が正常であると意欲や集中力が向上します。
仕事や趣味に対するやる気が出なくなったと感じる場合、テストステロン値の低下が原因かもしれません。テストステロンは脳内の神経伝達物質の働きを調整し、ポジティブな感情や達成感を得やすくするのです。日々のモチベーション維持にも、テストステロンは欠かせない存在だといえます。
また、テストステロンにはストレス耐性を高める効果もあるため、プレッシャーがかかる状況においても冷静に対処できるようになります。テストステロンが適切に分泌されていれば、困難な状況においても前向きに考え集中力を維持できるのです。
テストステロンは筋肉の成長と維持に役立つホルモンで、筋肉のタンパク質合成を促進する働きがあります。筋力トレーニングをしても効果を感じにくい場合は、テストステロン値が関係している可能性があります。テストステロン値が正常な数値であれば、筋力トレーニングによって筋肉がつくことが普通です。
また、テストステロンは骨密度の維持においても重要な役割を担っています。骨形成細胞を活性化し、骨の強度を保つ作用があるためです。
テストステロンは性欲や勃起機能など、男性の性機能に直接関わるホルモンです。テストステロンが減少すると性的な興味が薄れたり、勃起不全などの問題が生じたりすることがあります。性機能の低下を感じた場合は、テストステロン値をチェックしてみるのがおすすめです。
女性の場合もテストステロンは性欲に関係しています。女性のテストステロン値は男性より低いものの、性欲や性的反応性の欠如に影響を与える可能性があります。
テストステロンには、メタボリックシンドロームや心血管疾患などの、生活習慣病のリスクを下げる作用があります。適切な数値のテストステロンは体脂肪の蓄積を抑制し、善玉コレステロール(HDL)を増加させる傾向があるのです。
また、テストステロン値が低い場合はⅡ型糖尿病を発症するリスクがあるとされています。テストステロンは、糖代謝を改善してインスリン感受性を高める作用をもつため、血糖値のコントロールに役立つのです。
テストステロン値が低下すると以下のような心身の変化が現れます。
テストステロンが低下すると「朝起きても疲れが取れない」「以前なら簡単にできていた作業が億劫に感じる」といった症状が現れることがあります。テストステロンが低下することでエネルギー代謝の調整機能が弱まるためです。
また、テストステロン値が下がることで気分の変化も顕著になります。イライラしやすくなったり、落ち込みやすくなったりと感情の起伏が激しくなる可能性があります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
身体面では筋力の低下や体脂肪の増加が見られ、特にお腹周りの脂肪がつきやすくなる傾向があります。
女性の場合テストステロンの減少は肌艶の喪失やエネルギー低下、性欲減退などの症状につながる可能性があります。
「テストステロンはなぜ減少するの?」と気になる方もいるかもしれません。テストステロン値が減少する主な原因は以下のとおりです。
ここでは、上記3つのテストステロン値が下がる原因についてそれぞれ詳しく解説します。
テストステロン値は20〜30代をピークに徐々に減少する傾向があります。
加齢によるテストステロンの減少は、精巣のライディッヒ細胞(テストステロンが生成される部分)が減少することで起こります。ライディッヒ細胞が減少することで、テストステロンの産生を促す性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が減るためです。
加齢によるテストステロンの減少は男性更年期(LOH症候群)と呼ばれることもあり、身体的・精神的変化をもたらします。
長期間にわたる心理的ストレスはテストステロン値を低下させる要因になり得ます。ストレスを感じると体内でコルチゾールというホルモンが分泌され、コルチゾールがテストステロン生成を阻害するのです。
仕事や人間関係のプレッシャーが続くと、身体は生殖機能より生存機能を優先します。その結果、テストステロンの分泌が抑制されるのです。
ストレスをため込み過ぎないよう定期的なリラクゼーションや趣味の時間をもつことで、コルチゾールの分泌を抑制しテストステロン値の低下を防ぐことができます。
睡眠不足や偏った食生活、運動不足などの不規則な生活習慣も、テストステロン値の低下につながります。特に十分な睡眠はテストステロン分泌のリズムを整えるうえで不可欠です。テストステロンは主にノンレム睡眠の間に多く分泌されるため、質の良い睡眠が重要になります。
また、過度な飲酒や喫煙もテストステロン値に悪影響を及ぼします。アルコールは肝臓でのテストステロン代謝を妨げ、タバコに含まれる有害物質は毛細血管を収縮させることで、テストステロン値を低下させる恐れがあるからです。
さらに、肥満もテストステロン低下につながる要因の一つです。体脂肪が増えるとテストステロンが女性ホルモンであるエストロゲンに変換されやすくなります。このため、適正体重を維持することがテストステロン値を安定させるうえで重要といえます。
「テストステロンを増やすにはどうしたら良いの?」と気になる方もいるかもしれません。ここでは、テストステロンを増やすための5つのセルフケアを紹介します。
テストステロン値を高めるには亜鉛やタンパク質を含む食事が重要です。亜鉛はテストステロン生成に直接関わる栄養素で、特に牡蠣や牛肉、カボチャの種などに豊富に含まれています。
タンパク質もテストステロンの生成に欠かせない栄養素です。肉や魚、卵などをバランスよく摂ることで、テストステロン生成をサポートします。特に良質な動物性タンパク質には、テストステロンの生成に必要なアミノ酸が含まれているのです。
また、ビタミンDの不足もテストステロン値の低下につながります。サケやブリなどの魚、きのこ類を積極的に食べると良いでしょう。
先述のとおり、テストステロンは主に睡眠中(特にノンレム睡眠中)に分泌されるため、質の高い睡眠を確保することが重要です。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、良い睡眠のためには6時間以上の睡眠時間を確保して規則正しい起床時刻を心掛けなければなりません。
また、就寝前のパソコンやスマホの使用を控えることも大切です。ブルーライトの影響で睡眠の質が下がる恐れがあるためです。寝室はなるべく暗く心地良い温度を保ち、ストレスを寝室に持ち込まないようにしましょう。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
定期的な運動にはテストステロン値を高める効果があります。特にスクワットやベンチプレス、デッドリフトなどの筋力トレーニングは大きな筋肉群を使うため、テストステロン分泌を促進するでしょう。週に2〜4回程度の筋力トレーニングを取り入れることで効果が期待できます。
ただし、過度な運動や長時間の有酸素運動はかえってテストステロン値を低下させる場合があります。マラソンなどの長時間の持久運動を続けるとストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、テストステロンの分泌が抑制されるのです。
適切な運動強度と休息のバランスを取ることが重要です。運動後には十分な回復期間を設け、オーバートレーニングを避けましょう。
日光を浴びることにはビタミンDの合成を促し、間接的にテストステロン値を上げる効果があります。ビタミンDはテストステロン生成を促進する作用があり、日光を浴びることでビタミンDが体内で作られるのです。
一日15〜20分程度、日光を浴びることを習慣にするのがおすすめです。日光浴の際は紫外線の浴び過ぎに注意して肌の保護を忘れないようにしましょう。長時間の直射日光は避け、必要に応じて日焼け止めを使用することが大切です。
アルコールの過剰摂取はテストステロン値を下げる原因となります。アルコールの過剰摂取は肝臓でのホルモン代謝に影響し、テストステロンの生成を阻害するのです。また、アルコール自体がテストステロンの生成組織である睾丸の機能を低下させる作用もあります。
1日あたりの適度なアルコール摂取量は純アルコール20g程度(日本酒1合程度)です。お酒を飲む場合は週に2〜3日は休肝日を設け、肝臓を休ませるようにしましょう。
テストステロンを積極的に増やしたい場合は治療を受けることも選択肢の一つです。まずは医師による血液検査を受け、実際のテストステロン値を確認します。テストステロン値が明らかに低い場合(男性ホルモン低下症)は、治療の対象となるのです。
テストステロンを増やしたい場合の治療法にはテストステロン補充療法(TRT)があり、外部からテストステロンを補います。テストステロン補充療法には注射や塗り薬などの投与方法があり、医師と相談しながら自分に合った方法を選べます。テストステロン補充療法を医師による適切な管理のもとで行えば、性機能の正常化や筋力増強、気分の安定などの効果が期待できるのです。
ただし、テストステロン補充療法にはニキビや前立腺肥大、赤血球増加などのリスクもあるため、定期的な検査と医師による観察が必要です。
「テストステロンについて詳しく知りたい」という方もいるかもしれません。ここでは、テストステロンに関するよくある質問をまとめました。
テストステロン自体が直接薄毛を引き起こすわけではありません。国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、テストステロンが5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、DHTが頭髪の成長を抑制するために薄毛が起こります。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
サプリメントだけで直接的にテストステロン値を上げるのは難しい可能性があります。ただし、不足している栄養素を補うことで間接的にテストステロンの分泌をサポートできる可能性はあります。
サプリメントを活用する場合はテストステロンの分泌を助ける栄養素である、亜鉛やビタミンDなどを摂取すると良いでしょう。
しかし、サプリメントはあくまでも不足を補うためのものであり、土台は食事や運動、睡眠などの生活習慣の改善で整えることを忘れないようにしましょう。
女性の体内にもテストステロンは存在します。テストステロンの量は男性の約10分の1程度ですが、女性の健康にも重要な役割を果たしています。女性のテストステロンは主に副腎と卵巣で生成され、筋肉や骨の健康維持、性欲などに関与しているのです。
テストステロンとは主に男性の睾丸から分泌される男性ホルモンです。テストステロンは筋肉量や骨密度の維持、意欲や集中力向上など身体的・精神的な健康に関わります。テストステロンは女性の体内でも卵巣や副腎から少量分泌されており、男女ともに健康維持に欠かせません。テストステロン値は20〜30代をピークに加齢とともに自然に減少し、過度なストレスや不規則な生活習慣によっても低下します。
テストステロンを増やすには、亜鉛などを含む食事の摂取や質の良い睡眠、適度な筋力トレーニング、日光浴といったセルフケアが効果的です。明らかなテストステロン値の低下が見られる場合は医師による血液検査を受け、テストステロン補充療法などの治療も選択肢となります。