更新日:2026年07月27日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
襟足はげの原因が気になっていませんか?襟足がはげる原因は、円形脱毛症や牽引性脱毛症、抜毛症などが考えられます。襟足のみがはげている場合、AGAの可能性は低いでしょう。
本記事では、襟足がはげる主な原因やAGAとの関係、薄毛が気になるときの対処法を紹介します。原因によって対処法が異なるため、気になる方は医師への相談も検討してみてください。

襟足がはげる原因は、円形脱毛症や牽引性脱毛症など多岐にわたります。病気だけではなく、生活習慣やストレスなどの原因も考えられます。症状や対処法は原因によって異なるため、まずは原因を特定することが大切です。
ここでは、襟足がはげる4つの主な原因を解説します。
円形脱毛症は、毛包(毛を作る器官)を自身の免疫細胞が攻撃してしまう自己免疫疾患で、特定の部位が円形または楕円形にはげるのが特徴です。円形脱毛症には単発型や多発型、蛇行型などのタイプがあります。

襟足にのみできるはげは単発型が多い傾向ですが、蛇行型に進展する可能性も否定できません。
円形のはげが1ヶ所のみできるタイプです。襟足に1ヶ所だけはげがある場合は、このタイプと考えられます。このあと紹介する多発型や蛇行型などに発展すると、はげが回復するまでの期間が長くなる傾向にあります。
多発型は単発型から移行する場合や、複数のはげが同時に発生するタイプの脱毛症です。多発型のはげは拡大や縮小、再発を繰り返しやすいとされます。
治療が長期にわたるケースもあるため、早期発見が症状の進行を防ぐポイントです。
蛇行型は主に後頭部から側頭部にかけて、はげが帯状に広がるタイプです。治療は長期間におよぶことも少なくありません。
蛇行型の脱毛は、進行すると頭部全体にはげが拡大する「全頭型」や、脱毛が全身におよぶ「汎発(ばんぱつ)型」などに移行するケースもあります。
全頭型は円形脱毛症が頭部全体に広がり、すべての髪の毛が抜け落ちてしまった状態です。単発型や多発型から進行して移行する傾向にあり、脱毛斑の境界が不明瞭になりながら急速に拡大することもあります。
毛包への攻撃が広範囲におよんでいるため、単発型に比べると治療には時間がかかる傾向があり、医療機関での適切な治療が必要です。
汎発型は円形脱毛症の中で最も進行した状態です。頭髪だけでなく眉毛・まつ毛・体毛など、全身のあらゆる毛が抜け落ちてしまいます。
自然に回復することは稀であるため、長期的な視点での治療計画が必要です。
頭皮環境の悪化も、襟足の抜け毛や薄毛につながります。頭皮環境が悪化する要因として挙げられるのは、以下のとおりです。
頭皮の炎症や毛穴の詰まり、乾燥などのトラブルが生じると、抜け毛が増加したり、髪の成長に悪影響をおよぼしたりします。
また、ストレスや生活習慣の乱れも頭皮環境が悪化する要因です。
牽引性脱毛症は、毛髪が長期間にわたって強く引っ張られることで発症する脱毛症です。「髪をきつく結ぶ」「エクステを装着する」「ヘアアイロンを頻繁に使用する」などが原因になります。
牽引性脱毛症によって襟足の抜け毛が増えていると感じるときは、髪型を見直したり、髪に負担をかけないよう工夫したりすることで、症状の改善が期待できます。
抜毛症は、無意識あるいは意識的に自分の毛髪を抜いてしまう精神的な病気です。毛を抜く部位はさまざまで、襟足の毛が対象となることもあります。
抜毛症に関係していると考えられているのが、ストレスや不安です。毛を抜くことでストレスによる緊張や不安が緩和することがある一方で、こうした行為で本人がつらいと感じたり、通常の生活を送れなかったりする場合には抜毛症と診断されます。
AGAの発症メカニズムや起こりやすい部位、進行の特徴などを踏まえると、襟足のはげとは関係が薄いと考えられます。
AGAに深く関与しているのは、ヘアサイクルの成長期を短縮する作用があるDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは頭頂部や前頭部に強く作用します。AGAの主なはげ方は、下記のとおりです。

襟足はDHTの影響を受けにくいとされているため、AGAによってはげる可能性は低いでしょう。また、襟足のはげが突然現れた場合には、AGAが原因である可能性はさらに下がります。AGAは進行がゆるやかで、徐々に脱毛が進むのが一般的です。急に襟足に脱毛が生じた場合は、AGAではなく、ほかの要因が疑われます。
ただし、頭頂部や生え際も薄くなっている場合は、AGAを併発している可能性もあるため注意しましょう。
襟足のはげや薄毛が気になるときは、以下の7つのポイントを意識してみましょう。
生活習慣やヘアケアの見直しにより、襟足はげを改善できる可能性があります。
襟足はげの発症や進行には、食事や睡眠といった生活習慣が間接的に関係していることもあります。心当たりがある場合は、早めに生活習慣を見直しましょう。
栄養バランスの整った食事や十分な睡眠、適度な運動は、健康な頭皮環境を育む基本です。栄養面では、髪の主成分であるタンパク質や健康な頭皮を保つために必要なビタミン、ミネラルを積極的に摂取しましょう。
睡眠不足は自律神経に影響を与える可能性があるため、質の高い睡眠を確保することも大切です。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
ストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの異常分泌や自律神経の変調を介して、襟足はげのリスクを高める可能性があります。
ストレスをコントロールするためには、以下の方法を試してみましょう。
自分に合ったリフレッシュ方法を見つけ、適切なストレスマネジメントを心掛けましょう。
参考:厚生労働省「こころと体のセルフケア」
誤ったヘアケアは頭皮トラブルにつながるため、正しいやり方を身につけましょう。

特に、洗髪の際は頭皮に負担がかからないよう、以下のポイントに注意しながら丁寧に洗うことが大切です。
襟足のはげについて、寄せられやすい疑問をまとめました。気になる点の解消に役立ててください。
襟足はげは何科を受診すれば良いですか?
襟足はげは円形脱毛症や頭皮トラブルが原因のことがあるため、皮膚科の受診がおすすめです。原因がはっきりせず薄毛全般が気になる場合は、脱毛症やAGAの専門クリニックに相談する方法もあります。
襟足の円形脱毛症に治る前兆はありますか?
円形脱毛症の回復期には、脱毛斑に産毛や白髪が生えてきます。これは毛根の働きが戻りつつあるサインで、回復するにつれて少しずつ太く黒い毛に変わっていく傾向にあります。
生まれつき襟足が薄い場合も対策できますか?
襟足の薄さは遺伝的な要因も考えられますが、生活習慣やヘアケアで薄くなっている場合もあります。襟足の薄さを遺伝と決めつけず、頭皮環境や生活習慣の見直しから始め、気になるときは医師に相談しましょう。
襟足がはげる原因は、円形脱毛症や牽引性脱毛症、頭皮環境の悪化などが考えられます。セルフケアとしては、規則正しい生活習慣への改善やストレス解消、正しいヘアケアなどが挙げられるでしょう。
生活習慣の見直しや正しいヘアケアを行っても症状が改善しない場合や、抜け毛の範囲が広がる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。皮膚科や専門クリニックでは、原因の特定やAGAとの判別、適切な治療が受けられます。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
厚生労働省「こころと体のセルフケア」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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頭皮にダメージを与える洗い方は頭皮環境の悪化につながり、薄毛や襟足はげのリスクを高める可能性があります。
ヘアカラーやパーマは頭皮や毛髪に負担をかけるため、襟足はげが気になる方は控えましょう。カラーリングやパーマの薬剤が頭皮に付着してダメージを受けると、かゆみや赤み、炎症を起こすことがあります。
かゆみで頭皮をかきむしったり、炎症で髪が成長しづらくなったりすると、薄毛につながる可能性があります。ヘアカラーやパーマはできるだけ控えるか、期間を空けての施術がおすすめです。
襟足を紫外線から守ることも、はげや薄毛のケアにつながります。顔や身体と比べて、襟足の紫外線対策は疎かになりがちです。
しかし、十分に対策しないと頭皮や髪がダメージを受け、毛髪の成長が妨げられて脱毛につながる可能性があります。帽子をかぶったり、ストールを巻いたりして、日常的に襟足を紫外線から守りましょう。紫外線対策が必要なのは夏場や晴れた日に限りません。冬場やくもりの日でも油断せずに対策するのがおすすめです。
ミディアムヘアやロングヘアで髪を1つに束ねることが多い方は、ヘアスタイルを変えることも検討しましょう。髪を結ぶことで常に襟足の髪が引っ張られていると、牽引性脱毛症を引き起こすことがあります。
また、襟足部分を引っ張りながらヘアアイロンをかけたり、エクステをつけたりすることも脱毛の引き金となります。襟足はげが気になる場合は、襟足に負担をかけないヘアスタイルを選びましょう。
襟足がはげる原因がはっきりしない場合は、クリニックの受診を検討しましょう。襟足にできたはげは自然に治ることもあれば、原因を取り除くことで改善につながるケースもあります。しかし、原因によっては、重症化する可能性も否定できません。
円形脱毛症や頭皮トラブルなどが疑われる場合は皮膚科を、薄毛全般やAGAの併発が気になる場合はAGAクリニックを受診しましょう。

襟足だけはげている場合は、AGA以外の原因の可能性があります。まずは、襟足はげの原因を見極めることが大切です。