更新日:2026年08月13日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
お風呂で抜ける髪の毛を見て「最近抜け毛が多い」と不安になる方も少なくありません。洗髪による抜け毛は1日30〜60本程度が目安ですが、排水溝にたまる量がいつもより多く感じる場合は、AGAなどの脱毛症の可能性も考えられるため、気になる場合は早めの受診を検討しましょう。ほかにも、一時的な抜け毛には季節の変わり目や生活習慣の乱れ、不適切なシャンプー方法といった要因もあります。お風呂での抜け毛が増えないよう、日頃から肌に合ったシャンプーを使い、正しい手順で洗うことが大切です。
お風呂での抜け毛は、30〜60本程度が目安です。健康な人でも髪は毎日生え変わっており、1日に抜ける髪はおよそ50〜100本とされています。洗髪時は頭皮に物理的な刺激が加わるため、1日の抜け毛の多くがお風呂で抜けるといわれています。お風呂で30〜60本程度の抜け毛は自然な範囲のため、心配する必要はありません。
ただし、排水溝にたまる毛が急に増えたり、指に絡む毛が明らかに多くなったと感じたりする場合は、頭皮環境の悪化や脱毛症の可能性があります。まずは次のセルフチェックで、抜け毛が多過ぎないかを確認してみましょう。
お風呂での抜け毛が多いかどうかは、本数と抜けた毛の状態の2つで見分けられます。正常な抜け毛との違いを知っておくと、受診を考えたいサインにも早く気づけるでしょう。ここでは、自宅でできる2つのチェックポイントを紹介します。
まず確認したいのは、お風呂で抜ける髪の本数です。1回の洗髪で抜ける毛が60本を大きく超える日が続く場合は注意が必要とされています。健康な状態でも30〜60本程度は抜けますが、排水溝や手のひらにたまる毛が以前よりはっきり増えたと感じるなら、ヘアサイクルが乱れている恐れがあります。正確に数えるのは難しいため、「いつもより明らかに多い」という変化が続くかどうかを目安にしましょう。
次に、抜けた毛の毛根や太さを観察しましょう。寿命を迎えた自然な抜け毛は、毛根がふくらんで白っぽく、毛先までしっかりした太さがあります。一方で、毛根が小さく黒ずんでいたり、毛が細く短かったりする抜け毛が増えている場合は、髪が十分に育つ前に抜けているサインかもしれません。細く短い毛が目立つときは、AGA(男性型脱毛症)や頭皮環境の悪化などでヘアサイクルが短くなっている可能性があります。気になる変化があれば、早めに医師へ相談すると安心です。
お風呂の抜け毛が増える主な原因は、以下の5つです。
以下で詳しく見ていきます。
肌に合わないシャンプーを使い続けると、頭皮トラブルによる抜け毛が起こりやすくなります。シャンプーには洗浄成分として界面活性剤が含まれ、成分が肌に合わないと頭皮が刺激を受けて、さまざまなトラブルを引き起こす場合があります。 抜け毛のほかに次のような症状が現れたら、シャンプーの成分が合っていないかもしれません。
上記のような症状が気になった場合は、今使っているシャンプーの使用を控え、症状が改善するか様子を見ましょう。
洗い過ぎや間違った洗い方も、お風呂での抜け毛が増える原因になります。たとえば、1日に何度もシャンプーをするのは、頭皮を守る皮脂まで落とし過ぎてしまい、乾燥や炎症などのトラブルを招きやすくなるので良くありません。
反対に、爪を立ててゴシゴシ洗ったり、すすぎが不十分だったりすると、頭皮への刺激や汚れの残留につながります。 シャンプーは1日1回を目安に、指の腹でやさしく洗うことが大切です。洗い方を見直すだけで、物理的な刺激による抜け毛を減らせる可能性があります。
抜け毛は、季節的な要因で増える場合があります。秋は抜け毛が増えやすい時期で、これは夏場に浴びた紫外線や汗の影響で、頭皮環境が悪化しやすいためだといわれています。
季節の変わり目に増える抜け毛は一時的であることが多く、頭皮環境が落ち着けば抜け毛の増加もおさまるのが一般的です。秋に増える抜け毛の対策としては、夏場に帽子をかぶって頭皮や髪の毛を紫外線からガードすることや、頭皮用の日焼け止めを活用するなどの方法があります。
ストレスや睡眠不足は、頭皮環境を介して髪の健やかな成長を妨げる可能性があります。ストレスや生活習慣の乱れがAGAを直接引き起こすことはありませんが、栄養バランスの取れた食事や質の高い睡眠、ストレスをためない工夫は、健やかな髪を育てる土台づくりの助けになります。
ただし、生活習慣の改善だけで進行性の脱毛を止めるのは難しいため、抜け毛が続く場合は医学的なアプローチもあわせて検討しましょう。
お風呂での抜け毛が以前より多い状態が続く場合、AGA(男性型脱毛症)を発症している可能性があります。AGAは男性ホルモンや遺伝が関わる進行性の脱毛症で、前頭部の生え際や頭頂部から薄くなるのが特徴です。AGAを発症すると髪の成長期が短くなり、太く長く育つ前に抜けてしまうため、細く短い抜け毛が増えていきます。
AGAは自然に治ることはなく、放置すると進行するため、早めに医師へ相談することが大切です。お風呂の抜け毛とあわせて生え際や頭頂部の変化が気になる場合は、AGAを念頭に置いて受診を検討しましょう。
お風呂での抜け毛を防ぐには、正しいシャンプーで頭皮への刺激を抑えることが大切です。シャンプーそのものに発毛効果はありませんが、頭皮環境を整えることで、洗髪時の摩擦や汚れの残留による抜け毛を減らせる可能性があります。正しいシャンプーの手順は、以下のとおりです。
適切なシャンプーの仕方を継続し、頭皮や髪の負担を抑えることが大切です。
まずは、シャンプー前のブラッシングと予洗いで頭皮と髪の毛についた汚れを落としましょう。ブラッシングは髪の毛が乾いた状態で行い、頭皮にブラシを当てるようにして汚れを浮かせます。ブラッシング時には、髪の絡まりもほどいておきましょう。 次に、38~40℃くらいのお湯で頭皮と髪の毛を予洗いします。
予洗いで汚れやスタイリング剤の大半を落としておくと、そのあとに使うシャンプーの泡立ちが良くなります。 お湯が熱過ぎると頭皮にダメージを与える可能性があります。予洗いは1分以上の時間をかけて、しっかり行うことが大切です。
シャンプーは、髪の毛につける前に手のひらで十分に泡立てましょう。手に取ったシャンプーを直接髪の毛につけて泡立てる方もいるかもしれませんが、原液のまま使用したシャンプーは洗浄成分が頭皮や髪に残りやすいため注意が必要です。
また、髪の毛同士の摩擦が起こり、ダメージにもつながりやすくなります。 シャンプーを手に取ったらお湯を少し加え、ある程度泡立ててから髪の毛にのせるようにしましょう。泡がクッションの役割を果たし、摩擦によるダメージを軽減します。
また、しっかり泡立てたシャンプーの泡は汚れを吸着するため、頭皮や髪の毛を清潔に保つことにもつながります。 ボリュームがある泡を作るポイントは、手のひらでシャンプーとお湯を混ぜるときに、空気を含ませながら泡立てることです。空気を含ませることで、つぶれにくく弾力のある泡で頭皮や髪の毛を包むようにやさしく洗えます。
シャンプーで洗うときは、指の腹で頭皮をマッサージするように洗うことを意識しましょう。汚れをしっかり落とそうと力を入れると頭皮を傷つける可能性があり、髪の毛が引っ張られることで抜け毛を増やすかもしれません。
シャンプー時は髪の毛を泡で洗うことに意識が向きやすいですが、頭皮を洗うことを意識するのがポイントです。爪を立てないように指の腹を使って、頭皮を軽く揉むようにしてやさしく洗いましょう。 頭頂部はしっかり洗えていることが多いですが、後頭部や襟足、耳周り、髪の生え際は洗い残しが多い部分です。円を描くイメージで手を動かし、頭を一周するように全体を洗いましょう。
シャンプー後は、お湯でしっかりすすぎましょう。すすぎ残しは、頭皮や髪のベタつき、ニオイの発生、かゆみなどを引き起こすことがあります。 すすぎに使うお湯の温度は、予洗いのときと同じく38~40℃くらいに設定しましょう。髪の毛の生え際や耳の後ろは、すすぎが不十分になりやすい箇所です。汚れや泡が残らないよう、シャワーでまんべんなく洗い流すようにしてください。
洗髪後は、すぐにドライヤーをかけて髪の毛をしっかりと乾かしましょう。濡れたまま長い時間過ごすと、頭皮に雑菌が繁殖し、ニオイだけでなくフケやかゆみといった頭皮トラブルを招きやすくなります。
水分が多い状態の髪の毛はドライヤーの熱でダメージを負いやすいため、タオルで髪の毛の水分をしっかり取ってから乾かしましょう。水分をある程度取ることで、ドライヤーの使用時間を短くし、熱によるダメージを軽減できます。ドライヤーで乾かすときは、毛先よりも髪の根元を中心に風を当てることを意識してください。

お風呂に入るときは抜け毛の本数だけで一喜一憂する必要はありません。しかし、「細く短い毛が増えた」「生え際や頭頂部の変化が気になり始めた」と感じたら、シャンプーの見直しだけで様子を見るのは避けましょう。AGAが原因の場合、市販のシャンプーや育毛剤だけで進行を止めるのは難しく、早めに医療機関を受診することで対策を検討できます。
お風呂で抜けた髪の毛は毎回数えた方が良いですか?
毎回数える必要はありません。正確な計測は難しいため、排水溝や手に残る毛が「いつもより明らかに多い」状態が続くかどうかを目安にしましょう。
抜け毛が一時的に増えたのですがAGAでしょうか?
季節の変わり目などで一時的に増える抜け毛は、時間とともに落ち着くことが多いです。抜け毛が数ヶ月と長く続いたり、細く短い毛が増えたりする場合はAGAの可能性があるため、医師への相談を検討しましょう。
お風呂の抜け毛が気になるときはどこに相談すれば良いですか?
AGAは主に皮膚科などで相談でき、状況に応じて専用の治療薬が処方されます。通院の手間をかけずに相談したい場合はスマホ1つで受診できるオンライン診療も選択肢となります。
お風呂で抜ける髪の毛は30~60本程度が目安で、この範囲なら過度に心配する必要はありません。ただし、明らかに抜け毛の量が増えている状態が続いたり、細く短い抜け毛が増えたりする場合は、AGAを発症している可能性もあるので早めに受診しましょう。
AGA以外で抜け毛が多くなる原因には、肌に合わないシャンプーの使用や洗い過ぎ、季節の変わり目による要因、ストレスなどがあります。抜け毛対策のため、髪や頭皮にやさしいやり方でシャンプーをすることも自分でできる対策の一つです。一方で、AGAの場合はセルフケアだけで止めるのは難しく、治療が必要です。日頃からお風呂での抜け毛量を確認しておきましょう。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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AGAで抜け毛が増える仕組み
AGAは、男性ホルモンのテストステロンが頭皮の5αリダクターゼという酵素によって、薄毛を招くホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されて進みます。このDHTが脱毛因子を生成し、髪の成長期を短縮させます。その結果、髪が十分に育つ前に抜け、細く短い毛が増えていくのです。
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