レバクリ

更新日:2023年12月22日

頭皮マッサージを続けた結果、得られる効果とデメリットとは?

この記事のまとめ
  • 頭皮マッサージを続けることで、発毛促進効果が期待できる
  • 誤った頭皮マッサージを続けた結果、頭皮や毛根を傷つけたり、髪質を悪くしたりする可能性がある
  • 頭皮マッサージを続けること自体にAGA改善効果はない
  • 頭皮マッサージのみで薄毛を改善することは難しく、薬剤との併用がベストといえる

薄毛や抜け毛の予防として、頭皮マッサージをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、頭皮マッサージを続けた結果、本当に薄毛に効果があるのか疑問に思う方もいるでしょう。

本記事では、頭皮マッサージを続けた結果、頭皮や髪の毛に対して良い影響があるのかを解説します。また、頭皮マッサージの正しいやり方やデメリットについても紹介するので、頭皮マッサージを続けている方はぜひ参考にしてみてください。

頭皮マッサージを続けた結果として得られる効果

頭皮マッサージを続けた結果、得られる効果は次のとおりです。

血行促進

頭皮マッサージは、血行促進効果が期待できます。その結果として髪の毛に必要な栄養を与えられ、頭皮の育毛環境が整えられるため、髪の成長を促すことができ、薄毛に対して良い影響をもたらすと考えられています。

花王が発表した実験結果によると、以下の条件で9名の被験者に頭皮マッサージを行ってもらったところ、マッサージをした箇所の頭皮の定常血流量が平均して上がったことが報告されています。

  • 毎日3回、1~3分のマッサージを6ヵ月間行う
  • 朝と就寝前の頭皮マッサージは手で行い、入浴時は市販の頭皮用マッサージブラシを使用する
  • 「頭皮をほぐす、押す、さする、引き上げる、軽くたたく」の一連の動作を行う
  • 左右どちらかの頭皮をマッサージする(比較のため)

ただし、頭皮マッサージによる血行促進に即効性はなく、持続的な血流増加と頭皮状態の変化を感じられるようになるには数か月かかるといわれているため、焦らずに継続していくことが大切です。

参照元:花王株式会社「頭皮マッサージ/効果と方法

発毛促進

頭皮マッサージによる刺激によって発毛を促進する効果も期待できます。頭皮マッサージによって細胞と細胞がぶつかりあうことで、刺激で髪の成長因子が産生されたり、分泌が亢進したりするためです。

髪の立ち上がり

頭皮マッサージをすると頭皮が柔らかくなり、毛包の角度が上がりやすくなるため、髪が立ち上がりやすくなります。髪が立ち上がることで髪のボリュームがアップし、薄毛が目立たなくなるかもしれません。

リラックス

頭皮マッサージはリラックス効果があり、ストレス解消につながります。ストレスは自律神経を乱し、血流の悪化を引き起こします。血流の悪化は抜け毛につながるため、ストレスを解消させることで薄毛の改善が期待できます。

頭皮マッサージでリラックス効果を得られる理由は、頭皮にツボが多く集まっているためです。頭皮マッサージを頭皮全体に満遍なく行うことで、ツボの位置を知らなくてもツボを刺激できます。特に頭頂部付近にはリラックスに関係するツボが集中しているため、この部分をマッサージすることでリラックス効果が得られるのです。

また、頭皮マッサージがストレスや快適感に及ぼす影響に関する論文によると、頭皮マッサージの施術後は、施術前に比べて副交感神経の活性化を引き起こすことが明らかとなっており、リラックス度が上昇することがわかっています。

参照元:日本化粧品技術者会誌「『ヘッドスパ』における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

リフトアップ

発毛以外にも、頭皮マッサージはリフトアップの効果も期待できます。頭皮マッサージの刺激で大頬骨筋が緊張すると、口角が上外側に引き上がるとされています。そのため、顔のたるんだ皮膚を引っ張り上げてリフトアップ効果が期待できます。

頭皮マッサージのデメリット

頭皮マッサージは髪に対して悪い影響を与える場合もあります。頭皮マッサージにおけるデメリットは次のとおりです。

頭皮を傷つける

力強い頭皮マッサージを続けると、頭皮や毛根を傷つける可能性があります。効果を得たいからといって、強い力でマッサージをしたり爪が伸びた状態でマッサージをしたりすると、意図せず頭皮を傷つけてしまうでしょう。

頭皮が傷つくと毛根部分も傷つくことになり、毛髪の成長に悪影響を与えてしまいます。髪が十分に成長できずに細く短い毛が増えたり、抜け毛が起こったりする可能性があります。

また、頭皮マッサージの正しい方法を知らずに自己流で頭皮マッサージをした場合にも、頭皮や毛根を傷つける可能性が十分に考えられます。たとえば、強くこする、強く叩くといった方法は頭皮マッサージでは推奨されていません。

強くこする方法でマッサージをすると摩擦によって頭皮や毛根が傷つく可能性があるため、誤った方法での頭皮マッサージは発毛にはつながらず逆効果になるといえるでしょう。

髪を傷つける

頭皮マッサージを続けた結果、髪を傷つけることも考えられます。

髪の毛は内部を守るため透明で硬質なキューティクルに覆われています。しかし、頭皮マッサージなどで必要以上に力が加わるとキューティクルが破壊され、毛髪の内部までダメージが進み、結果として枝毛や切れ毛の原因となってしまいます。

正しい頭皮マッサージの方法

ここでは、正しい頭皮マッサージのやり方について解説します。

押して離すことを繰り返す

頭皮マッサージをするときは、1箇所あたり5~10秒押すと良いでしょう。一呼吸置いたらまた押すというのを繰り返すのがおすすめです。頭には、おでこから上に向かう前頭筋、両側の耳の上に位置する側頭筋、後頭部には後頭筋があるので、これらをほぐすようにマッサージをしましょう。

マッサージは指の腹で押すのが効果的ですが、あまり長く続けると指が疲れてしまうため、手の付け根のふくらみを利用することもおすすめです。

1日3~4分程度に留める

頭皮マッサージは長い時間やれば良いというものではなく、1日に3~4分程度が良いとされています。また、先述の花王の実験のように、約3分間のセルフマッサージ方法によって血行促進作用が認められたとの報告もあります。

1度のマッサージを長時間かけて行うのではなく、1度のマッサージ時間を短くしたうえで継続してマッサージをすることが大切であるといえます。

参照元:花王株式会社「頭皮マッサージ/効果と方法

心地良い力加減で行う

頭皮マッサージは、自分が心地良いと感じる力加減で行いましょう。過度に伸展刺激(伸び縮みの刺激)を長時間繰り返してしまうと、炎症反応を引き起こす可能性があります。炎症反応が引き起こされると、頭皮の環境が悪くなるリスクがあります。

また、頭皮マッサージは、押す・しっかりこする・もむ、という3つの動作を組み合わせることで高い効果が得られます。ただし、こする動作は髪に摩擦を与えて抜け毛や切れ毛を伴うリスクがあるため、心地良い力加減で行うように心がけましょう。

育毛剤の同時利用もOK

頭皮マッサージは育毛剤を併用することでさらに高い効果が期待できます。

育毛剤は頭皮を血行の良い状態に保ちながらも、髪の毛を生成する毛母細胞の分裂・増殖を活性化する効果があります。そのため、頭皮マッサージによって血行を促進すれば育毛剤の栄養がより髪の毛へと届き、育毛剤の効果が高まるでしょう。

頭皮マッサージと育毛剤を組み合わせようと考えている場合には、育毛剤を塗布してから頭皮マッサージを行うようにしましょう。

頭皮が硬くなるとどうなる?

頭皮が硬い状態のままでいると、頭皮の血行が悪くなり、毛母細胞への血流が悪くなります。髪の毛を成長させるためには、髪の毛を生成する毛母細胞へ栄養を届けなければなりません。頭皮の血行が悪くなると毛母細胞に栄養が行き渡らなくなるため、髪が十分に成長できず、その結果として髪が抜けやすくなり、薄毛を誘発すると考えられています。また、メラノサイトという髪の色に関係している細胞への栄養供給が滞り、白髪になるリスクもあるでしょう。

自分の頭皮が硬いのかが分からないという方は、両手の指を大きく開いた状態で、大きく円を描くようにして指で頭皮をゆっくりと動かしてみましょう。このときにスムーズに頭皮が指の動きに沿って動けば、頭皮は柔らかいという証拠です。逆に頭皮が張りついたような感覚になっていて動かしにくいという場合には、頭皮が硬い可能性があります。

少しずつ毎日マッサージをしていれば次第に頭皮は柔らかくなります。焦って強い力で頭皮を動かそうとすると、頭皮が硬くなっているときには頭皮そのものを傷つける可能性があるので注意しましょう。

頭皮マッサージはAGAには効果がない

薄毛の原因が血流の悪化やストレスによる自律神経の乱れである場合には、頭皮マッサージは薄毛に対して効果が期待できます。しかし、薄毛の原因がAGAの場合は、頭皮マッサージをしても薄毛の改善にはつながらないでしょう。

頭皮マッサージがAGAに効果がないとされている理由は、次のとおりです。

AGAは男性ホルモンが原因で発症するため

頭皮マッサージがAGA改善に効果がないといわれている理由は、AGAの原因が男性ホルモンに由来しているからです。

AGAは、男性ホルモンの1種であるジヒドロテストステロンが原因で発症すると考えられています。このジヒドロテストステロンが、男性ホルモンのレセプター(受容体)に結合することで、脱毛因子を生成し、髪が抜け落ちて薄毛になってしまうのです。

男性ホルモンが原因のため、頭皮マッサージによって間接的に薄毛改善ができたとしても、根本的な改善には至らないのです。

ジヒドロテストステロンについて詳しく知りたい方は、「ジヒドロテストステロンとは?AGAとの関係性や抑制する方法を解説」も参考にしてみてください。

遺伝の影響があるため

AGAは遺伝の影響が大きく関係しています。AGAの原因となる5αリダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンをAGAの原因となるジヒドロテストステロンに変換する酵素です。この5αリダクターゼの分泌量や、男性ホルモンの受容体の数は遺伝で決まるといわれています。

遺伝的要素は当然頭皮マッサージで解決できないため、AGAに直接的な効果はないとされているのです。

AGAによる薄毛は専門クリニックで治療するのがおすすめ

頭皮マッサージによって血行を改善したり発毛を促したりできることは、さまざまな研究からも分かっています。しかし、薄毛の原因がAGAの場合は、頭皮マッサージのみでは改善は難しいといえます。

AGAによる薄毛を根本的に治療するには、AGAクリニックを受診し薬物治療をすることが望ましいです。AGAクリニックでは、医学的根拠に基づいて髪や頭皮の診断を行い、症状に合わせたAGA治療薬を処方してくれます。AGA治療薬と併用しながら頭皮マッサージを行うことで、より薄毛の改善効果が期待できるでしょう。

AGA治療薬について詳しく知りたい方は、「AGA治療薬の種類と効果、副作用とは?」も参考にしてみてください。

まとめ

正しい方法で頭皮マッサージを続ければ、結果として血行促進など髪によい影響が与えられます。一方で、間違った頭皮マッサージを続けた結果、頭皮や髪に対して悪い影響を与えることもあります。

また、AGAが薄毛の原因である場合は、頭皮マッサージを続けても薄毛の改善効果が期待できにくいといえるでしょう。

根本的に薄毛を改善したいと考える方は、AGA専門クリニックを受診して薬剤を処方してもらい、薬剤と頭皮マッサージを併用してみることをおすすめします。