更新日:2026年03月18日
「治ったと思ったのに、円形脱毛症を繰り返す…」と悩む方は少なくありません。円形脱毛症は突然髪の毛が抜け落ちる症状で、自己免疫疾患が主な原因です。円形脱毛症の主な治療法には、経口JAK阻害薬やステロイド外用療法などが挙げられます。本記事では、円形脱毛症を繰り返す原因や効果的な治療法、忙しい方も実践できるセルフケア方法を解説します。
円形脱毛症は、突然髪の毛が抜け落ちる症状で、進行性の薄毛とは異なります。かゆみや痛みといった自覚症状がほとんどないため、他人に指摘されて気づく場合もあるでしょう。
また、病名に「円形」とありますが、実はさまざまな形状で発症することがあります。

円形脱毛症には主に5つのタイプがあります。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 単発型 | 1箇所に10円玉ほどの脱毛斑が見られる |
| 多発型 | 2箇所以上の脱毛斑が見られる |
| 蛇行型 | 帯状に脱毛が広がる |
| 全頭型 | 頭部全体の毛髪が脱落する |
| 汎発型 | 頭部だけでなく、眉毛やまつ毛なども含めて全身の毛が脱落する |
進行性の薄毛は徐々に髪が薄くなっていくのに対し、円形脱毛症は数日から数週間という短期間で突然髪の毛が抜け落ちます。この突発的な脱毛が、円形脱毛症の特徴と言えるでしょう。
円形脱毛症が発症する要因はいくつか考えられ、自己免疫疾患や遺伝など複数の要因が重なることで発症リスクが高まるとされています。ここからは、円形脱毛症の主な原因について詳しく見ていきましょう。
円形脱毛症の主な原因と考えられているのが、自己免疫疾患です。本来なら外部からの異物を攻撃するはずの免疫系が、健康な毛包を異物と誤認識して攻撃してしまうことで脱毛が起こります。
自己免疫疾患の一種である円形脱毛症は、ほかの自己免疫疾患と併発しやすい傾向があります。たとえば、橋本病・バセドウ病などの甲状腺疾患や尋常性白斑、膠原病などを持つ方は、円形脱毛症のリスクが高まることがあるのです。定期的な健康診断で甲状腺機能を確認することも、予防策となります。
円形脱毛症は遺伝的な要素も関わっており、家族に円形脱毛症の既往歴がある場合は発症リスクが高まる傾向が見られます。これは、体質的に自己免疫疾患を発症しやすい遺伝的素因を受け継ぐ可能性があるためです。
ただし、家族歴があることで必ずしも円形脱毛症を発症するわけではありません。遺伝はあくまで複数のリスク要因の一つであり、アトピー素因などと複合的に作用することで発症に至ると考えられています。大切なのは、自分の体質を知り、早期発見・早期治療につなげることです。
アトピー素因も円形脱毛症の発症リスクを高める要因となります。アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎や鼻炎・結膜炎を含む花粉症、気管支喘息などの症状が起こりやすい体質のことです。
このようなアレルギー体質を持つ人は、免疫系が過剰に反応しやすいため、円形脱毛症を発症するリスクが高くなります。特にアトピー性皮膚炎を合併している場合は、円形脱毛症が重症化しやすい傾向があるとされています。そのため、アレルギー症状がある方は、皮膚や頭皮の状態に注意を払い、異変を感じたら早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。
ストレスと円形脱毛症の直接的な因果関係は完全に証明されていません。しかし、ストレスが円形脱毛症の誘因となる可能性は考えられます。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れます。そして、自律神経の乱れが免疫系機能に影響を与え、誤作動を引き起こすことがあるのです。そのため、適度な休息や趣味の時間の確保、質の良い睡眠などを心掛けることで、ストレスレベルを下げる工夫をしましょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
円形脱毛症は、小さい脱毛斑が1~2箇所の場合は半年や1年ほどで自然治癒することもあります。しかし、一度治癒しても再発する可能性もある疾患です。国内における皮膚科学会のガイドライン上では、重症例の場合、悪化と改善を繰り返す疾患とされています。
再発を重ねることで、小さな単発型から複数の脱毛斑が現れたり広範囲に広がったりする難治性の重症タイプに進行するリスクがあることにも注意が必要です。症状の変化に気づいたら早めに専門医に相談し、定期的なフォローアップを受けることで、再発時にも適切に対応できるでしょう。
円形脱毛症は、必ずしも同じ場所に再発するとは限りません。再発時には、前回と同じ種類の症状が現れることもありますが、別のタイプや重症なタイプへ移行したり、症状の形が変化したりすることもあります。
たとえば、最初は単発型円形脱毛症だったものが、再発時には多発型円形脱毛症になる、あるいは、多発型が全頭型へと変化する場合があります。一度治ったからといって油断せず、頭皮全体の状態を定期的にチェックすることが大切です。
また、初期症状が軽度であっても、適切な治療を受けずに放置すると、症状が拡大したり悪化したりする可能性があります。早期発見・早期治療が、重症化を防ぐ鍵となるでしょう。
円形脱毛症は自然治癒する可能性もありますが、再発リスクもあるため、医療機関の受診をおすすめします。特に初めて発症した場合や、症状が広がっている場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
治療方法は一人ひとりの年齢や状況によって異なります。どの治療法が自分に合っているのかは、主治医と相談して決めることが大切です。
円形脱毛症の主な治療法には以下のようなものがあります。
| 円形脱毛症の主な治療法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| ステロイド外用療法 | ステロイド含有の軟膏やローションを塗布 | 単発型や融合していない多発型に対して効果的 |
| ステロイド局所注射療法 | 脱毛部位に直接ステロイド薬を注射 | 局所的な症状に効果的 |
| 経口JAK阻害薬 | 炎症の信号を伝達する経路を阻害する | 重症例に効果的 |
円形脱毛症の治療には時間がかかることが多いため、主治医と相談しながら焦らず継続的に治療を続けることが重要です。
円形脱毛症の治療方法についてさらに詳しく知りたい方は、「円形脱毛症は病院に行くべき?円形脱毛症の病院の選び方、治療法を解説!」の記事もぜひ参考にしてみてください。
医療機関での治療と並行して、日常生活でできるセルフケアを取り入れることも、円形脱毛症の改善に役立ちます。
規則正しい生活習慣を心掛け、以下のポイントを意識しましょう。
特に睡眠は免疫機能の回復に関わるため、質の良い睡眠を意識的に確保することが大切です。
また、ストレスマネジメントも欠かせません。仕事のプレッシャーや長時間労働は円形脱毛症の誘因となる可能性があります。深呼吸やリラックス法の実践、趣味を楽しむなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることをおすすめします。
円形脱毛症のセルフケアや治療方法については、「円形脱毛症の改善に役立つ食べ物とは?栄養素やセルフケアについても解説」や、「円形脱毛症が治る前兆とは?治りかけの症状を知っておこう」の記事でも解説をしています。
円形脱毛症は、症状を繰り返しやすい自己免疫疾患で、遺伝やアトピー素因、ストレスなどの複数の要因が関与して発症すると考えられています。
一度治癒しても、再発する可能性があります。同じ場所だけでなく別の場所に現れたり、より重症化したりするリスクがあるため注意が必要です。治療は自然治癒を待つだけでなく、皮膚科医に相談し、ステロイド療法やJAK阻害薬など、症状に適した治療を受けることをおすすめします。
日常生活においては、規則正しい生活習慣の維持とストレスマネジメントが大切です。十分な睡眠の確保や適度な運動、バランスの取れた食事、仕事とプライベートのバランスを整える工夫が効果的です。気になる症状があれば、早めに専門医に相談し、自分に合った治療法と対策を見つけましょう。