更新日:2026年02月10日
円形脱毛症と思わしき円形の脱毛部分を発見し、早く治す方法を探している方もいるかもしれません。円形脱毛症を早く治すには、皮膚科を受診し、病状に合った適切な治療を早期に受けることが大切です。この記事では、円形脱毛症の主な原因や医療機関で行われる治療内容を解説します。自宅でできるセルフケア方法も紹介するので、円形脱毛症にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
円形脱毛症は早期に皮膚科を受診し、治療を開始することで進行や悪化を抑制し、早く治すことが期待できます。脱毛範囲が広範囲になるほど治癒までに時間がかかってしまうため、軽度であっても気づいた時点で皮膚科を受診するようにしましょう。
円形脱毛症は小さな脱毛斑であれば自然に回復することもありますが、必ずしも自然治癒するわけではありません。放置することで脱毛斑が拡大したり、複数の脱毛斑が現れたりする可能性があります。
なぜなら、円形脱毛症は自己免疫疾患の一種と考えられており、体内の免疫システムが毛根を攻撃することで起こるからです。また、ほかの疾患の合併症の可能性もあるため、円形脱毛症が起きている原因を突き止めたうえでの治療が大切になります。
初期の段階で適切な治療を始めることで、症状の進行を食い止め、早期回復につながる可能性が高まります。「様子を見よう」と放置することは、結果的に治療期間を長引かせることになるかもしれません。
円形脱毛症の治療については「円形脱毛症は病院に行くべき?円形脱毛症の病院の選び方、治療法を解説!」の記事でも解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
インターネットや口コミで見つけた自己流の対処法は、症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。たとえば市販の育毛剤は主にAGAを想定して作られています。AGAの原因は男性ホルモンですが、円形脱毛症は異なります。したがって、育毛剤を使用しても改善効果が期待できないほかか、頭皮の状態を悪化させるリスクもあるので自己判断で育毛剤を使用するのは避けましょう。
また、力を入れ過ぎたマッサージも、頭皮に負荷が掛かったり傷がついたりして症状を悪化させる恐れがあります。
円形脱毛症の治療は、医師の診断のうえ適切な治療を選択してもらうことが大切です。自己流の対処は避け、すぐに皮膚科を受診しましょう。
円形脱毛症の主な症状は、円形やまたは楕円形に毛が抜けることです。円形脱毛症の進行度合いによって以下に分類されます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 単発型 | 五百円玉以内のサイズの脱毛が1~2ヶ所発生する |
| 多発型 | 脱毛が複数ヶ所に生じ、再発している |
| 蛇行型 | 後頭部から側頭部の生え際の毛が帯状につながって抜ける |
| 全頭型 | 症状が広がり、頭部全体の毛が抜ける |
| 汎発型 | 全身の毛が抜ける |
なお、円形脱毛症はまれに毛が抜ける前に予兆が見られる場合があります。頭皮の赤みやかゆみ、湿疹、爪のでこぼこなどです。
症状が進行すると治療も難しくなるため、予兆や脱毛斑を見つけたらできるだけ早く医師に相談しましょう。頭皮を定期的にチェックする習慣をつけておくと、早期発見に役立ちます。
円形脱毛症の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。ここでは円形脱毛症の原因と考えられる要因をそれぞれ解説します。
円形脱毛症は免疫機能に異常が生じ、自分の細胞や組織を異物として攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられています。Tリンパ球が毛根を保護する毛包組織を異物として排除することで髪の毛が抜け、結果として脱毛斑が生じてしまうのです。
また、甲状腺疾患・尋常性白斑・SLE・関節リウマチなどの関連疾患を合併していると、重症化する可能性が高くなります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎のうち、いずれか1つ以上を自分自身や家族が持っていることです。
上記に当てはまりアトピー素因を持つ方は、円形脱毛症になりやすい傾向があります。これは、アトピー体質の方の免疫系が過敏に反応しやすいためだと考えられています。
円形脱毛症には遺伝的な傾向も認められています。家族内で発症例がある場合、発症リスクが高まる可能性があります。また、親等が近しいほど発症率が上がるようです。
アトピー素因も遺伝する可能性が高いため、生来の体質的に円形脱毛症を発症しやすいと考えられます。
ただし、遺伝的要因があるからといって必ずしも発症するわけではありません。円形脱毛症の原因は遺伝だけでなく環境要因なども複合的に作用しており、個人によって影響する要因が異なります。そのため、医師の診断を受け、自分の症状や体質に合った治療アプローチを見つけることが大切です。
円形脱毛症の原因については「円形脱毛症が止まらない理由とは?治療法や治る前兆を解説」でも解説しています。
円形脱毛症は、体質や年齢、病型によって受けられる治療法が異なります。ここでは、推奨度の高い円形脱毛症の治療法を解説します。
免疫反応を抑えるステロイドを脱毛斑に直接注射する治療法です。単発型や多発型など比較的症状の範囲が狭い方向けの治療法です。効果を実感しやすい方法で、治療には健康保険が適用されます。
注射した部位のみ発毛するため、全頭型や汎発型など範囲が広い場合にはほかの治療法と併用されることが多いようです。
ただし、痛みを伴いやすく、特に子どもには向かない場合があります。また、長期使用による皮膚萎縮などの副作用に注意が必要です。
ステロイド外用療法は、注射ではなく、ステロイド含有の軟膏やローションを脱毛部位に塗布する方法です。局所注射に比べると効果はやや穏やかですが、自宅で継続しやすい利点があります。ステロイド外用療法も健康保険が適用される治療法です。
副作用として、ニキビや毛包炎が発症することがあり、長期的な使用により皮膚の萎縮や血管拡張、陥凹(かんおう)をきたすこともあるので注意が必要です。そのため、長期的にステロイド外用療法を行うことは推奨されていません。医師の指導のもとで適切に使用することが大切です。
局所免疫療法は、スクアリン酸ジブチルエステルなどの薬品で人工的にかぶれを起こし、免疫反応を抑制することで発毛を促す治療法です。症状を問わずに行えるため、円形脱毛症のさまざまな病型に対応可能です。ただし、局所免疫療法には健康保険が適用されません。
この治療法は薬の慎重な取り扱いや濃度調整などが必要なため、実施している医療機関が限られているようです。
ステロイド薬を服用することで全身の免疫反応を抑制し、発毛を促す治療法です。発症後6ヶ月以内で症状が急速に進行している場合に行ってもよいとされています。ステロイド内服療法も保険適用です。
高い効果が期待できる治療法ですが、治療を止めた後の再発率が高いことや、肥満やムーンフェイス、血糖値上昇、骨粗しょう症などの副作用が起きる可能性があるため、服用の際は注意が必要です。
紫外線療法とは、特定の波長の紫外線(ナローバンドUVBやエキシマライト)を照射することで免疫反応を抑制し、毛髪の再生を促す治療法です。紫外線療法も、保険適用の治療法です。照射する紫外線の長さによって複数の種類があり、病型を選ばない治療法となります。
紫外線療法は比較的安全ですが、照射した部分が赤くなったり日焼けしたりする可能性があります。また、長期的に行うことでシミやしわなどの光老化、皮膚がんのリスクがあるため、照射量の管理が大切です。
冷却療法とは、ドライアイスや液体窒素で脱毛部位を冷却し、免疫反応を抑制する治療法です。自由診療となりますが、比較的簡単に行える治療法で副作用が少ないとされています。
ただし、広範囲の脱毛には効果が低いとされているため、症状によっては冷却療法を受けられない場合があるでしょう。
また、軽い凍傷を作る治療で処置時に痛みを伴うため、小児には行わない場合があります。
発症後6ヶ月以内で、脱毛範囲が全体の4分1以上に及び急速に進行している場合、内服の10〜20倍のステロイドを3日間点滴し続けるパルス療法を行う場合があります。入院が必要となり、ムーンフェイスや糖尿病など重篤な副作用が出る可能性もあるため、治療中は全身の状態のチェックが欠かせません。
円形脱毛症の治療法については、「円形脱毛症の治療方法とは?原因やセルフケアについて解説」でも詳しく解説しています。
医療機関での治療と並行しながら、生活習慣を改善することで進行を防ぎ、結果的に早く治すことにもつながります。ここでは、日常の中でできるセルフケア方法を紹介します。
睡眠には体と心を回復させる効果が期待できます。眠りにつく2〜3時間前に軽いランニングなどの運動をすると、上がった体温が就寝時間にかけて徐々に下がり、スムーズな入眠や深い眠りにつながって回復作用が高まります。
また、入浴にも運動と同等の効果が期待されるため、38度のぬるま湯に20~30分、または42度のお湯に5分程浸かるのも良いでしょう。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、ほかにも以下の方法が睡眠の質を上げるのに効果的だとされています。
また、できるだけ毎日同じ時間に就寝するよう心掛けたり、朝に太陽の光を浴びたりするのも効果的です。まずは無理なくできそうなことから始めてみると良いでしょう。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
ストレスは自律神経に作用し、血管を収縮させて毛髪に栄養を行き届かなくするだけでなく、自己免疫疾患や内分泌異常などのさまざまな疾患を誘引します。好きなことに没頭したり、何も考えずにリラックスできる時間を意識的に設け、ストレスを緩和することが大事です。
リラックスのためにできることの1つとして、瞑想をおすすめします。部屋の照明を落として目を閉じ、心を無にすることに専念してください。数分間の瞑想は、イライラを緩和し、心を落ち着かせる効果的な方法として知られています。
瞑想が難しい場合は、1分間ゆっくりと深呼吸をすると良いでしょう。ストレスで浅くなった呼吸を意識的に深くすることで心身をリラックスさせる効果があります。
瞑想のほかには、自分の気持ちや感情を誰かに話すことでも、ストレスを緩和させる効果があります。悩みや不安をひとりで抱え込まず、思い切って人に打ち明けることが大切です。
円形脱毛症を早く治すには、栄養バランスのよい食事を摂ることも大切です。そのうえで、健康な髪や頭皮を作るのに必要な栄養素である「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」を多く含む赤身の肉や大豆製品などを意識的に取り入れましょう。ビタミンB群を阻害する甘いものや血流を悪くするコレステロールを増やす揚げ物を控えることもポイントです。
ただし、食生活の改善を意識し過ぎて過度な食事管理を行うことはストレスとなり、かえって体に良くありません。無理のない程度に取り入れていくことが大切です。
円形脱毛症を直接治す食品はありませんが、毛髪の健康を支える栄養素を意識的に摂取することで、治療の効果を高める可能性があります。
| 栄養素 | 働き | 含まれる主な食品 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 毛髪の主成分であるケラチンの原料となる | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など |
| ビタミンB群 | ビタミンB6:亜鉛の働きをサポートする ビタミンB2:皮脂の過剰分泌を抑える | ビタミンB6:鶏ささみ・レバー、かつお、まぐろ、さつまいも、じゃがいも、ピスタチオ、バナナ、玄米 ビタミンB2:豚レバー、うなぎ、ほっけ、さば、ほうれん草、アーモンド、牛乳、納豆など |
| ビタミンC | 抗酸化作用によって頭皮環境を守る 毛髪の弾力やツヤを保つのに役立つコラーゲンの生成を促す | 赤パプリカ、キャベツ、ブロッコリー、ミニトマト、さつまいも、いちご、キウイフルーツ、みかんなど |
| ビタミンE | 血行を促進し、頭皮の健康を維持する | ナッツ類、卵、アボカド、うなぎ、かぼちゃ、緑黄色野菜、オリーブオイルなど |
| 亜鉛 | 毛髪の主成分であるケラチンの生成をサポートする | うなぎ、牡蠣、牛赤身肉、豚レバー、小麦胚芽、玄米、海藻、しじみ、卵、カシューナッツ、バナナ、ごま、アーモンドなど |
円形脱毛症を早く治すためには、早期の皮膚科受診と適切な治療、そして日常生活でのセルフケアの組み合わせが重要です。症状が軽度であっても自己判断で放置せず、専門医の診断を受けましょう。
円形脱毛症におすすめの食べ物について「円形脱毛症におすすめの食べ物は?早く治すために必要な栄養や食べ物を解説」の記事でも解説しています。
円形脱毛症を早く治す方法として、症状に気づいたらすぐに皮膚科を受診することが挙げられます。医師の診断のもと適切な治療を受けることで、進行を抑え、回復までの期間を短縮できる可能性が高まるでしょう。
皮膚科では症状や進行度合いに応じて、ステロイド局所注射やステロイド外用療法、局所免疫療法、紫外線療法などさまざまな治療法が選択されます。これらの治療と並行して、質の良い睡眠やストレス管理、バランスの取れた栄養摂取など日常生活でのセルフケアも大切です。タンパク質や亜鉛、ビタミンB群などの栄養素は毛髪の健康をサポートします。
円形脱毛症を発見したときの不安や焦りは誰もが感じるものですが、早期発見・早期治療が何より大切です。症状が軽度のうちに適切な治療を開始することで、円形脱毛症が早く治る可能性が高まります。まずは皮膚科に相談し、専門医の指導に従って治療を進めていきましょう。