更新日:2026年03月18日
「ミノキシジルはどう作用するのか」と気になる方もいるかもしれません。ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、血管拡張作用による毛包周囲の血流増加や毛包へ直接作用しヘアサイクルの成長期を延長する作用によって発毛が促進されると考えられています。
この記事では、ミノキシジルの作用機序やフィナステリド・デュタステリドなど他のAGA治療薬との作用の違いについて解説します。ぜひご一読ください。
ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、主に下記の作用があると考えられています。
もともとミノキシジルは血管拡張薬(降圧薬)として開発され、服用者の副作用に多毛症が認められたことから、発毛剤として再開発された経緯があります。そのため、毛包周囲の血流を改善することで酸素や栄養の供給が増え、発毛が促進される可能性が示唆されています。ただし、血流改善のみで発毛効果を完全に説明できる明確な裏付けがあるわけではなく、あくまで一因として考えられている状況です。
また、動物実験などの結果ではヘアサイクルの休止期から成長期への移行を促進し、成長期を延長する作用が示されていることから、髪が太く長く育ちやすくなると考えられています。
ミノキシジル内服薬についても、外用薬と同様に毛包周囲の血流改善やヘアサイクルの成長期延長といった作用を介して発毛が促進されると考えられていますが、作用機序は解明されていません。
ミノキシジルの外用薬については、国からの認可を受け、すでに長年にわたってAGA(男性型脱毛症)の標準治療として確立されています。一方、内服薬は低用量の使用に関する裏付けに限られており、大規模な臨床実験が十分に行われておらず長期的な有効性・安全性が確立されているとはいえない状態で、AGA治療薬として認可されていません。
ミノキシジルについては、「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」で詳しく解説しています。
髪が生え変わる周期は、成長期・退行期・休止期の3つの段階から成り立っており、「ヘアサイクル」と呼ばれます。
正常なヘアサイクルと各段階の目安の期間は以下の図のとおりです。

AGAを発症すると、このヘアサイクルが乱れて髪が育つ成長期が短くなることで、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまいます。また、休止期に入った毛包が増えることで新しい髪が生えにくくなるため、薄毛が進行する可能性があるでしょう。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、その剤形によって作用する範囲が変わるため、副作用の種類も異なります。
主な副作用をそれぞれ見ていきましょう。
頭皮に直接塗布する「外用薬」は、成分が作用する範囲が塗布した周辺に限られます。副作用も基本的にはその部位に現れる局所的なものが中心だと考えられていますが、まれに全身症状が出ることもあります。
主な症状としては、頭皮のかゆみや赤み、かぶれといった皮膚トラブルです。これらはミノキシジル成分そのものへのアレルギー反応や、溶剤に含まれるアルコール成分による刺激が原因で起こっている可能性も考えられます。
また、まれではありますが、以下の全身症状にも注意が必要です。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
もし症状が強く現れたり、炎症を起こしたりしている場合は、すぐに使用を中止して医師に相談しましょう。肌が弱い方の場合は、低濃度や添加物の異なる製剤へ変更することで副作用が出づらくなるケースもあります。
ミノキシジル内服薬(ミノタブ)は、成分が消化管から吸収されて血液とともに全身を巡るため、外用薬と比べると全身性の副作用が現れやすいと考えられています。
内服薬による副作用として代表的なのが、頭髪だけでなく腕や背中などの体毛が濃くなる「多毛症」です。また、動悸や息切れ、立ちくらみ、顔や足のむくみなどの症状が起こる可能性もあります。これは、ミノキシジルの血管拡張作用により血圧の低下や反応性の頻脈を起こしたり、体液貯留によるむくみが生じたりするためと考えられています。
このような副作用が現れた場合、自己判断で継続せずに服用を中止して速やかに医師に相談しましょう。動悸や息切れ、急なむくみ・体重増加などがある場合は、早めの受診が必要です。
なお、ミノキシジル内服薬は海外でオフラベルで使用されることが増えていますが、AGA治療薬として承認されているわけではなく、大規模試験や長期安全性のデータも十分ではないため、専門医の管理下で慎重に検討すべき治療です。
ミノキシジルは血管拡張作用や毛包への作用などによって発毛が促進されると考えられていますが、ほかのAGA治療薬であるフィナステリド・デュタステリドはAGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑えることで抜け毛を抑制します。
ここでは、フィナステリドとデュタステリドの作用機序についてそれぞれ解説します。
AGAの主な原因は「ジヒドロテストステロン(DHT)」と考えられており、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の「5α還元酵素」と結合することで生成されます。DHTは毛包に作用してヘアサイクルの成長期を短縮し、毛包を小さくすることで薄毛が進行すると考えられています。
フィナステリドは5α還元酵素II型の働きを阻害し、髪の成長を妨げるDHTの生成を抑制することで、AGAの進行を遅らせると考えられています。
デュタステリドもフィナステリドと同様にAGAの原因であるDHTへの変換を阻害して抜け毛を抑制する薬です。しかし、フィナステリドと比べてより広い範囲でDHTの生成を抑制できるという特徴があります。
抜け毛の原因に関与する5α還元酵素には「I型」と「II型」の2種類が存在し、頭部だとI型は側頭部や後頭部、II型は前頭部や頭頂部に多く存在するといわれています。フィナステリドがII型のみを抑制するのに対し、デュタステリドはその両方の型を阻害するため、DHTへの変換をより広い範囲で抑えることが期待できるでしょう。

ミノキシジルとフィナステリド・デュタステリドは作用機序が異なるため、併用するのも一つの方法です。ミノキシジルは発毛の促進、フィナステリドやデュタステリドは抜け毛の抑制という両面からアプローチできます。これらのAGA治療薬はクリニックに行くほか、オンライン診療でも処方してもらえるので、利用を検討してみましょう。
ミノキシジルの作用機序は完全には解明されていないものの、血管拡張作用による毛包周囲の血流改善や毛包に作用し成長期を延長することなどが主に考えられています。もともと降圧薬として開発されたミノキシジルは、副作用として多毛症が確認されたことから発毛剤として再開発された経緯があります。
一方、フィナステリドやデュタステリドといった他のAGA治療薬は、5α還元酵素を阻害する作用があり、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制します。ミノキシジルは発毛効果が期待でき、フィナステリド・デュタステリドは抜け毛を抑制できるのが特徴です。
ミノキシジルによる治療を検討する際は、薬の特性と副作用を理解した上で適切に使用することが大切です。