更新日:2026年07月09日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「フィナステリドを服用したいが、副作用はある?」と気になる方もいるかもしれません。AGA(男性型脱毛症)治療薬のフィナステリドは、服用によってまれに性機能障害や肝機能障害などの副作用が出る場合があります。
この記事では、フィナステリドの主な副作用や注意点、正しい入手方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
フィナステリドの服用により、初期脱毛や肝機能障害、性機能障害、アレルギー症状、抑うつ症状などの副作用が出ることがあります。フィナステリドの副作用とそれぞれの発生確率は以下の表のとおりです。
| 副作用の種類 | 発生頻度 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| 肝機能障害 | 頻度不明 | AST、ALT、γ-GTP上昇、黄疸など |
| 性機能障害 | 1〜5%未満 | リビドー(性欲)減退、勃起機能不全、射精障害など |
| 抑うつ症状 | 頻度不明 | 気分の落ち込み、意欲低下など |
ここでは、フィナステリドの3つの副作用について見ていきましょう。
フィナステリドは肝臓で代謝され肝臓に負担をかける場合があるため、肝機能障害もフィナステリドの副作用として挙げられます。ただし、発生確率(発生頻度)は不明です。
フィナステリドは肝機能障害患者を対象とした臨床試験を実施していないため、注意が必要です。肝機能数値(ALT/AST/γ-GTP)などの上昇や、食欲不振、だるさ、吐き気、黄疸など体に異常が生じた場合は、服用を中止してすぐに受診してください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
フィナステリドの副作用には勃起機能不全(ED)や性欲減退、精子減少などの性機能障害もあります。発生確率は以下のとおりです。
これらの症状は、フィナステリドの服用を止めると徐々に落ち着くと考えられています。
妊活中の人の場合、性機能障害の副作用は妊活の妨げになる可能性があるため、あらかじめ具体的な症状について理解しておくことが大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
フィナステリドの副作用により抑うつ症状を引き起こす場合があるため注意が必要です。これは、フィナステリドの服用により薄毛の原因DHT(ジヒドロテストステロン)が抑制され、ホルモンバランスが乱れることが原因だと考えられています。抑うつの発生確率(発生頻度)は不明です。
フィナステリドと抑うつ症状の関連性は明らかになっていませんが、過去にうつ病になった経験がある人は、あらかじめ医師に申告しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」

副作用と思われる症状が現れたとき、我慢するのは危険です。放置したり自己判断で中止したりせずに、速やかに担当医の診察を受けましょう。
ここでは、フィナステリドと他のAGA治療薬との違いについて解説します。それぞれの違いは、次の表の通りです。
| AGA治療薬 | 薬の種類 | 用法 | 効果・効能 | 副作用の例 |
|---|---|---|---|---|
| フィナステリド | 内服薬 | 1日1回 | ジヒドロテストステロンの産生を抑制して抜け毛の進行を抑える | ・肝機能障害 ・性機能障害 |
| ザガーロ(デュタステリド) | 内服薬 | 1日1回 | ジヒドロテストステロンの産生を抑制して抜け毛の進行を抑える | ・肝機能障害 ・性機能障害 |
| ミノキシジル | 外用薬・内服薬 | ・外用薬:1日2回 ・内服薬(国内未承認):医師の判断により処方 | 血管拡張作用により血流を改善し、頭皮に栄養を届きやすくして発毛を促進する | ・外用薬:かゆみ、赤み ・内服薬:多毛症、頭痛、動悸 |
効果や副作用は、薬や使用する人の体質によって異なります。頭皮の状態やAGAの進行度合によって使い分けられるため、ほかの薬について知りたい場合は医師に相談してみましょう。
フィナステリドを服用する際の注意点は下記のとおりです。
服用できない人もいる
服用中に献血は行わない
妊活中の場合は副作用に注意する
前立腺癌の検査を受ける人は事前申告する
個人輸入品は使用しない
フィナステリドは服用できない人もいるため、注意点を理解しておきましょう。
フィナステリドを服用できない人は、次の通りです。
20歳未満の男性
女性
日本では、20歳未満の男性に対するフィナステリドの安全性は確立されていません。
妊娠中の女性は、フィナステリドに触れたり服用したりしないようにしましょう。フィナステリドは皮膚接触でも吸収されるといわれており、男子胎児の生殖器の発達に悪影響を与えるおそれがあります。
フィナステリドの服用期間中は、献血しないよう注意しましょう。献血した血液が未成年や妊娠中の女性の体内へ輸血されることで、人体に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。
また、フィナステリドの服用中止後1ヶ月間は献血を行わないようにしてください。
フィナステリドは性欲減退や勃起障害などの性機能障害を引き起こす可能性があるため、妊活中の場合には注意が必要です。
また、医薬品医療機器総合機構の「フィナステリド錠 添付文書」によると、男性が服用した場合、精液中に極めて微量の薬剤が移行することが確認されています。ただし、その量は投与量の0.00076%以下で、胎児の健康的な発達には影響しない量だったとされています。とはいえ、100%安全とは言い切れない点には注意が必要です。
妊活中のフィナステリド使用による胎児への影響についてはさまざまなデータがあり、結論が出ていません。そのため、医師に相談して使用を検討することが大切です。
前立腺癌の検査を受ける人は、フィナステリドを服用している旨を医師に事前申告しましょう。フィナステリドは、前立腺癌検診で使用される腫瘍マーカーの数値を約50%減少させるためです。
事前申告せずに検査を受けると正しい結果が出ないため、誤った診断につながりかねません。

個人輸入の通販サイトからは、フィナステリドにかかわらず、AGA治療薬の購入はしないようにしましょう。通販サイトでは、日本未承認の薬や安価なAGA治療薬などが販売されていることがありますが、偽物が送られる可能性もあり非常に危険です。
それらを購入して服用後、万が一副作用などが出てもすべて自己責任となります。個人輸入の通販サイトは使用せず、フィナステリドは必ず病院で処方してもらいましょう。
通院時間が確保できない人や、薄毛治療について周りに知られたくない人は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。オンライン診療とは、インターネットを介して、自宅で医師の診察を受けられる方法です。オンライン診療であれば、場所を問わず気軽に診察を受けられます。
ここでは、フィナステリドの副作用についてよくある質問をまとめました。AGA治療を検討する際、薬の影響を理解しておくと、不安を軽減できるでしょう。
フィナステリドは腎臓に悪影響を及ぼしますか?
フィナステリドによる腎臓への有害作用は一般的には報告されておらず、腎機能障害患者でも通常は用量調整を必要としないとされています。医薬品医療機器総合機構の「フィナステリド錠 添付文書」でも、腎臓に関する副作用の記載は見当たりません。
ただし、持病がある場合は主治医へ相談しましょう。AGA治療は長期間にわたるケースが多く、腎機能低下の原因が持病のためなのか、フィナステリドの影響なのかが判断しにくいためです。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
もしフィナステリドの服用でEDになったらどうすればいいですか?
フィナステリドの服用によってEDの症状が現れた場合、症状の程度に応じて経過観察や減薬・中止、ED治療薬の使用などが検討されます。
フィナステリドとバイアグラは作用機序が異なるため、併用することは基本的に可能とされています。ただし、どちらの薬にも副作用が存在するため、自己判断での服用は避けましょう。AGA治療とED治療を担当する医師それぞれと連携を取り、適切なアドバイスを受けながら使用することが重要です。
フィナステリドを飲み始めたら髪の毛が多く抜けるようになったと聞きましたが、大丈夫ですか?
初期脱毛だと考えられます。初期脱毛が起こるのは、AGAによって乱れたヘアサイクルが薬の作用で正常に整う過程で、休止期だった髪が抜け落ち、新しい成長期の毛へ生え変わる過程で起こると考えられています。初期脱毛は一時的なもので、抜け毛が落ち着くと毛髪が生えてくることが一般的なケースです。そのため、過度に心配する必要はありません。抜け毛が落ち着き、新しい毛髪が生えてくるまで継続して服用しましょう。発現には個人差はありますが、目安として服用開始後2週間〜1ヶ月程度で現れる場合があります。もちろん、薬が効いていても初期脱毛が現れなかったり、気づくほど毛が抜け落ちなかったりする場合もあります。
フィナステリドは、服用を継続することで乱れたヘアサイクルが正常に整えられ、抜け毛の減少が期待できる薬です。しかし、肝機能障害や性機能障害、抑うつ症状などといった副作用が現れる可能性もあります。医薬品には有効性だけでなく副作用のリスクも伴うため、必要以上に恐れる必要はないですが、体に異変を感じた際は自己判断せず、速やかに医師の診察を受けることが大切です。
フィナステリドは20歳未満の男性や女性は服用できないほか、服用中の献血は控える必要があるなど、注意点もあります。安全にAGA治療を進めるためには、個人輸入などの安価な未承認薬は避け、必ず医療機関で処方を受けましょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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