レバクリ

更新日:2024年01月11日

AGA治療は効果がないと言われる6つの理由

この記事のまとめ
  • AGAは適切な治療を行えば進行を遅らせることのできる脱毛症
  • 効果が出ない原因には、薬が合っていないことや適切に服用できていないことなどがある
  • 効果を実感しやすいのは、早期に治療を開始した人や異なる作用をもつ治療薬を併用している人
  • AGAの治療法には、服薬以外にも植毛や増毛、LED治療がある
  • AGA治療で効果を得るには、医師に相談したうえで治療を始めることが大切

AGAの治療を検討している方の中には、「効果がないという声をネット上で見かけたので始めるか迷っている」という人もいるかもしれません。

AGAは進行性の脱毛症であるため、完治させることはできませんが、適切な治療を行えば進行を遅らせることができます。

ここでは、AGA治療は効果がないと言われる6つの理由と、どのような人が効果を実感しやすいのかを解説します。また、AGAの治療方法もご紹介するので、参考にしてください。

AGA治療は効果がないと言われる5つの理由

AGA治療は効果がないと言われる主な理由として、以下の5つが挙げられます。

  • 効果を感じる前に治療を中断したから
  • 薬が合っていないから
  • 薬を正しく服用できていないから
  • 個人輸入した薬を服用していたから
  • そもそもAGAではなかったから

それぞれについて詳しく説明します。

効果を感じる前に治療を中断したから

AGA治療薬の服用を開始してから効果を感じられるようになるまでは、毛周期(ヘアサイクル)の関係で早い方で3ヶ月、一般的には6ヶ月程度かかるとされています。

効果が出るまでの期間について理解できていないと、効果が出る前に途中で服用をやめてしまい、「効果がなかった」と感じてしまう可能性があります。 飲み始めてすぐに効果が出るものではないため、根気よく治療に取り組むことが大切です。

薬が合っていないから

AGAの進行度合いや体質に合っていない治療薬を服用している場合も、効果がないという結果につながるかもしれません。

AGAの進行が早いと、使用していた治療薬が合わなくなることがあります。思っていた効果が得られないときは、自己判断で服用をやめるのではなく、医師に相談することが大切です。

薬を正しく服用できていないから

AGA治療薬は基本的に1日1回、1錠を服用します。

服用のタイミングが前回から24時間以上空いてしまったり、飲み忘れが続いてしまったりすると、期待する効果が得られないこともあるでしょう。

個人輸入した薬を服用していたから

AGA治療で効果が出ない人の中には、海外サイトの通販を利用して個人輸入した薬を服用していた方もいます。 専門知識がある医師以外が個人輸入したAGA治療薬には、偽薬が含まれている可能性があります。偽薬は治療効果を感じられない可能性があるだけでなく、思わぬ副作用に悩まされるおそれもあります。また、健康被害が起こった場合に国の救済制度が使えないといった状況にも陥ります。

費用を節約する目的で個人輸入をしたにも関わらず、健康被害によって医療費がかさんでしまったり、副作用が起こったときにどう対処してよいかわからなかったりと、良い結果に結びつくことはほとんどないといえるでしょう。

AGA治療薬の個人輸入については、「AGA治療薬の個人輸入は危険?AGA治療薬の安心できる入手方法を解説」でも詳しく解説しています。

そもそもAGAではなかったから

薄毛の症状は、AGA以外によっても起こるものです。 薄毛の原因がAGAではなく円形脱毛症や脂漏性脱毛症だった場合は、AGA治療薬を適切に使用していても症状の改善は期待できないでしょう。

また、長時間髪の毛をきつく縛る状態が続くと、牽引性脱毛症を発症し、薄毛になるケースもあります。 AGA以外の原因で脱毛が起こっているケースがあるので、自己判断せずに、医師に相談したり、検査を受けたりして、治療開始前に自身の薄毛の原因を理解しておくことが大切です。

AGA治療の効果を実感しやすい人の特徴

結論からお伝えすると、早期に治療を始めた人と、異なる作用をもつAGA治療薬を併用している人が効果を実感しやすいでしょう。

早期にAGA治療を始めた人

早期に始めた方はAGAの治療効果を実感しやすいと考えられます。これは、髪の毛の成長に関わる孟母細胞に寿命があるためです。

生涯で起こるヘアサイクルの回数は20~40回程度です。本来、ヘアサイクルにおける成長期の期間は2年〜6年ですが、AGAを発症すると成長期が数ヶ月〜1年ほどに短くなります。 こうしたヘアサイクルの乱れを放置していると、ヘアサイクルの消費速度が早くなり、早いうちに毛母細胞が寿命を迎えてしまう可能性があるのです。

できるだけ早期に治療を開始すると、毛母細胞の寿命を延ばすことができることから、効果を実感しやすくなるでしょう。

異なる作用をもつAGA治療薬を併用している人

AGA治療は、内服薬と外用薬を併用している方のほうが効果を感じやすいとされています。 例えば、内服薬にはプロペシアやデュタステリド、外用薬にはミノキシジルがあります。

プロペシアやデュタステリドはAGAによる抜け毛を抑制する作用があります。5αリダクターゼを阻害し、AGAの原因となるジヒドロテストロンの産生を抑制するためです。 一方、ミノキシジルの外用薬は発毛・育毛効果が期待できます。直接頭皮に塗ることで、毛母細胞の成長因子の産生を促進し、発毛を促すためです。

脱毛抑制と発毛効果という異なる役割の治療薬を併用することで、より効果を感じやすくなると考えられます。

異なる作用をもつAGA治療薬の併用ついて詳しく知りたい方は、「フィナステリドとミノキシジル併用の効果や注意点を説明」も参考にしてみてください。

AGA治療で効果を得るならクリニックに相談するのがおすすめ

AGA治療で効果を得るには、自力で取り組むよりもクリニックで薄毛の原因を明らかにし、症状に合わせた治療薬を服用することが大切です。AGAは進行していく脱毛症なので、AGAかもしれないと思ったら、手遅れの状態になる前に医師に相談しましょう。

食生活の改善や頭皮マッサージといったセルフケアで症状を改善しようと考える方もいるかもしれませんが、セルフケアはあくまでも健康的な髪の毛を生やすための土台作りに過ぎません。AGAを発症している場合、セルフケアだけで症状を改善するのは難しいでしょう。

なお、クリニックでの検査や問診で、自身の薄毛の原因がAGAではないと分かることもあります。その場合はAGA治療をせずとも、食事の改善やストレスケアなどにより頭皮環境が良くなるケースがあります。

AGAの治療方法

ここでは薬剤治療として内服薬と外用薬の種類を紹介するほか、植毛や増毛、LED治療について説明します。

薬剤治療

AGA治療における治療薬には内服薬と外用薬の2種類があります。 治療薬の種類によって、脱毛抑制や発毛・育毛促進の効果が期待できます。

内服薬

内服薬にはプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)、ミノキシジルがあります。

プロペシアとザガーロは5αリダクターゼを阻害する作用があり、ヘアサイクルを正常化することで、本来の生える力を最大化させる効果が期待できます。 一方、ミノキシジルの内服薬は血管を拡張する作用があり、髪の毛が育つために必要な栄養が毛根まで届きやすくなることから、発毛や育毛の効果が期待できます。

内服薬の種類ごとの効果と副作用の例は、以下のとおりです。

薬名期待できる効果副作用
プロペシア(フィナステリド)脱毛抑制性欲減退、勃起機能不全、射精障害、射精量減少、乳房肥大、抑うつ、男性不妊、精液の質低下、肝機能障害など
ザガーロ(デュタステリド)脱毛抑制性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)、乳房障害、腹部不快感、抑うつ気分、めまい、脱毛症、多毛症、味覚異常、肝機能障害など
ミノキシジル発毛・育毛促進、脱毛抑制胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血、性心不全、むくみなど

参考: KEGGデータベース「プロペシア (プロペシア錠0.2mg 他)添付文書」「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg添付文書」 公益社団法人 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

外用薬

AGA治療で使用する外用薬にはミノキシジルがあります。直接頭皮に塗布するもので、血管の拡張によって血流が良くなり、毛乳頭細胞に栄養が十分に届くことで、育毛効果が期待できます。また、ミノキシジルによって髪の毛を作り出す毛母細胞が活性化し、発毛効果が期待できます。

ミノキシジルの外用薬のメリットは、使用する部位が頭皮だけなので、内服薬に比べると副作用の出る範囲が限定的であることです。一方、内服薬よりも発毛作用が少ないとされる点がデメリットとして挙げられます。 ミノキシジルの外用薬は、塗布した部位の赤みやかゆみ、かぶれのほか、手足のむくみや頭痛などの副作用があるとされています。

参考:KEGG MEDICUS「ミノキシジルローション5%「JG」添付文書

植毛・増毛

植毛は髪の毛を頭皮に植える外科手術です。植毛には自毛植毛と人工毛植毛があります。

植毛

自毛植毛

自毛植毛は、薄毛が気になる箇所に自分の髪の毛を移植する方法です。AGAを発症すると前頭部と頭頂部が薄毛になりやすいため、AGAの影響を受けにくいとされている後頭部の髪を主に採取して移植します。

自毛植毛であればより自然な仕上がりとなり、移植した部分の髪の毛が定着すれば抜け落ちてもまた生えてくるという特徴があります。ただし、術後採取した部分に痛みを感じる場合がある、人工毛植毛に比べると費用が高額になりやすいといったデメリットもあります。

人工毛植毛

人工毛植毛は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作られた毛を頭皮に植える方法です。

人工毛植毛は、植毛する髪の長さや量を調整でき、理想の髪型を実現しやすいことがメリットです。ただし、合成繊維で作られた髪を植えるため、体の免疫システムが働くと人工毛を異物と認識し、体外に追い出そうとして抜け落ちる可能性があります。また、自毛は少しずつ伸びることで根元の汚れを押し出しますが、人工毛は伸びないため、皮脂やほこりなどの汚れが溜まりやすくなります。

増毛

増毛とは、今生えている自分の髪の毛に人毛や人工毛を結びつけたり、人工毛を植えたシートを頭皮に貼りつけたりする方法です。 増毛は手術ではないため、植毛に比べると体の負担を減らせるのがメリットですが、手入れに手間がかかることや地毛が残っていないとできないなどのデメリットがあります。

植毛と増毛のどちらも費用は施術を受けるクリニックや増やす髪の毛の本数によって異なりますが、薬による治療に比べると高額になりやすいでしょう。

LEDによる治療

LEDの光を毛乳頭細胞に届かせて毛母細胞の発達促進と毛の発達の阻害因子を抑制することで、発毛・育毛効果が期待できる治療方法です。 LED治療は、発毛効果だけでなく皮膚表面のトラブル改善といった効果もあります。

LED治療による副作用は個人差があるものの、照射から24時間ほど赤みや紅斑といった症状が続いたり、術後数時間は頭痛が起こったりする場合があります。 1回の照射は30分ほどで、頻度は1週間に2回〜3回です。LED治療を始めてから3ヶ月から4ヶ月ほどで効果を感じられるようになるといわれています。

医師と相談して自分に合ったAGA治療を行おう

AGA治療は効果がないといわれる理由と、効果を得るためにはどのような方法があるのかについて説明しました。

AGAは適切な治療を実践することで進行を遅らせることができます。一方で、効果が出るまでに時間がかかることを理解せずに治療を中断したり、薬を正しく服用できていなかったりする場合、効果が出ない可能性もあります。 効果を最大化するためには、医師に相談して自分の症状にあった治療方法を提案してもらうこと、決められた通りの治療方法を3ヶ月以上継続することがポイントです。

AGA治療を始める方は、直接クリニックに行く以外にも、オンライン診療で医師に相談することもできます。オンライン診療であれば通院時間だけでなく待ち時間も基本的にないため、仕事が忙しい方も診察を受けやすいというメリットがあります。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会