更新日:2026年02月03日
「鏡に映った自分の髪が薄く見える…これってつむじハゲ?」と不安に感じている方もいるかもしれません。つむじハゲは頭のてっぺん(頭頂部)にあるつむじ周辺の髪が薄くなる脱毛症状です。生活習慣の乱れやストレスなどが原因で若い方や女性にも起こり得ます。
本記事では、つむじハゲの主な原因や自宅でできる対策、効果的な治療法などを紹介します。また、つむじハゲを目立たなくする方法についても触れるため、ぜひ参考にしてみてください。
つむじハゲは頭のてっぺん(頭頂部)にあるつむじ周辺の髪が薄くなる脱毛症状です。つむじハゲはほかの部分より先につむじ周辺が薄くなり始め、徐々に範囲が広がっていく特徴があります。
つむじハゲの症状は男性に多く見られるものの、女性も発症する可能性があります。男性の場合は男性型脱毛症(AGA)の症状の一つとして現れることが多く、特に30代以降に気づく方が増えるのが特徴です。髪の毛が細くなり成長期間が短くなることで、次第に頭皮が透けて見えるようになります。
つむじハゲの初期症状としては、「髪のボリュームが減った」「シャンプー時の抜け毛が増えた」「頭頂部が薄く見える」などが挙げられます。
「つむじはげ(頭頂部の薄毛)の治し方は?隠す方法や判断基準・原因も紹介」の記事では、つむじハゲの治し方について紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
つむじがハゲる原因が気になる方もいるでしょう。つむじハゲの主な原因は以下のとおりです。
ここでは、上記4つのつむじハゲの主な原因について詳しく紹介します。
つむじハゲの主な原因の一つは、AGA(男性型脱毛症)の発症です。国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、AGAとは 思春期以降に生え際やつむじ付近など特定の範囲の軟毛化が進行する状態のことを指します。テストステロン(男性ホルモン)が毛包細胞の5αリダクターゼという酵
素の活性化によってジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。AGAはジヒドロテストステロン(DHT)が頭髪の成長を抑制するために起こるのです。
AGAは遺伝的要素が強いため、父親や祖父に薄毛の人がいる場合は発症リスクが高い傾向があります。しかし、遺伝だけでなく生活習慣やホルモンバランスなど複合的な要因が関わっているため、家族に薄毛の人がいなくてもAGAを発症する可能性はあります。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
不規則な生活習慣は頭皮環境を悪化させ、つむじハゲを促進する要因となり得ます。特に偏った食事や睡眠不足、喫煙などは髪の健康に悪影響を及ぼしかねません。
頭皮環境の悪化につながる主な生活習慣の乱れは、以下のとおりです。
上記5つの要因が重なることで毛根は十分に働けなくなり、髪の成長が遅れやすくなります。血流や栄養の不足は頭皮の健康状態に影響し、頭皮環境を悪化させます。その結果、頭頂部の髪が細くなり、つむじハゲとして目立ちやすくなるのです。
過度なストレスがつむじハゲの原因になることも少なくありません。過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。血行が悪くなると髪の毛の成長に必要な栄養素や酸素が毛根まで十分に届かなくなり、健康な髪の毛を育てられなくなるのです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
また、過度なストレスは脳内の神経伝達物質のバランスや男性ホルモンの分泌量のバランスを乱します。そのため、強いストレスを感じたあとに抜け毛が増える可能性があるのです。
日常的なヘアケアの方法が間違っていると頭皮にダメージを与え、つむじハゲの原因になる恐れがあります。特に間違った洗髪方法や整髪料の使い方を続けている場合は、頭皮環境が悪化しやすくなります。
たとえば、洗浄力が強過ぎるシャンプーで頭皮を洗うと必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮が乾燥したり反対に皮脂の過剰分泌を招いたりします。また、すすぎが不十分だとシャンプーが頭皮に残り炎症を起こす原因になることも考えられます。刺激の強い成分が含まれるシャンプーは頭皮に負担を掛けるため、シャンプー選びの際は避けるのが無難です。
また、整髪料が頭皮につくと毛穴をふさぎ、健康な髪の成長を妨げる可能性があるため注意が必要です。
つむじハゲ対策にはどういったものがあるのか気になる方もいるかもしれません。今すぐ始められるつむじハゲ対策は以下のとおりです。
ここでは、上記5つの今すぐ始められるつむじハゲ対策を紹介します。
つむじハゲ対策の一つは、髪の毛の成長に必要な栄養素をバランス良く摂取することです。髪の毛の主成分はタンパク質なので、良質なタンパク質を十分に摂ることが大切です。
特に髪の健康に欠かせない栄養素には、以下のようなものがあります。
毎日の食事で、上記の栄養素をバランス良く摂るよう心掛けましょう。一方、脂っこい食事や加工食品、糖分などの取り過ぎは避けることが大切です。脂っこい食事や加工食品、糖分などを取り過ぎると体内で炎症を起こしやすくなり、結果的に頭皮環境の悪化につながります。
睡眠は髪の毛の成長にとって欠かせない要素です。特に成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、細胞の修復や髪の成長を促進します。質の良い睡眠を確保することで、つむじハゲの進行を抑える効果が期待できるでしょう。
厚生労働省の「良い睡眠の概要(案)」によると、必要な睡眠時間は人によって異なるものの、7時間前後の睡眠時間の人が生活習慣病やうつ病の発症、死亡に至る危険性が最も低いことから適切とされています。
同省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、睡眠の質を高めるためには、日中にからだを動かし夜は暗く静かな環境で休むなど、活動時と睡眠時のメリハリをつけることが大切です。また、スマートフォンやパソコンなどの電子デバイスはブルーライトを発して睡眠を妨げるため、夜間の使用は控えましょう。
「薄毛は睡眠で治る?睡眠と薄毛の関係を詳しく解説」の記事では、薄毛と睡眠の関係について解説しているので、ぜひご一読ください。
参考:厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
厚生労働省「睡眠対策」
つむじハゲ対策には正しいシャンプーの方法と定期的な頭皮マッサージがおすすめです。シャンプーは頭皮の汚れや余分な皮脂を落とすことが目的です。しかし、やり方を間違えると反対に頭皮に負担を掛けることになります。
おすすめのシャンプーのやり方は以下のとおりです。
頭皮マッサージをする場合は指の腹を使って円を描くように優しく行いましょう。頭皮マッサージは入浴中や入浴後などに、1日5分程度行うのがおすすめです。
また、つむじハゲが気になる場合は頭皮への刺激が比較的少ないアミノ酸系のシャンプーを使用しましょう。シリコンやパラベンなどの添加物が多いシャンプーは避け、天然由来の成分が多いものを選ぶのがおすすめです。
適度な運動は全身の血行を促進し、頭皮にも良い影響をもたらします。血行が良くなると髪の毛の成長に必要な栄養素や酸素が毛根に届き、健康的な髪の成長をサポートします。
特に有酸素運動は血行促進に効果的です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、1日60分以上のウォーキングが推奨されています。急に激しい運動を始めるのではなく、徐々に強度や時間を増やしていくことが大切です。
また、デスクワークが多い方は長時間同じ姿勢でいることで首や肩の血行が悪くなる傾向があります。そのため、定期的に軽いストレッチをしたり首や肩を回したりして血行を促進しましょう。
参考:厚生労働省「身体活動・運動の推進」
つむじハゲが気になる場合は育毛剤を試してみることも対策の一つです。育毛剤には脱毛の原因となるDHTの生成を抑制する成分が含まれており、正しく使用することで発毛や脱毛予防が期待できます。
ただし、育毛剤を使う際は効果が現れるまでに3〜6ヶ月ほど掛かることを理解しておかなければなりません。育毛剤を使用してもすぐにつむじハゲへの効果が現れるわけではないため、注意が必要です。
育毛剤の過剰使用は頭皮に負担をかける恐れがあるため、使用頻度や量は商品の指示に従いましょう。市販の育毛剤で効果が見られない場合や脱毛がすでに進行している場合は、専門医に相談することをおすすめします。医師の診断によっては、より効果的な処方薬を検討できる可能性があります。
ここまで、つむじハゲの主な原因や対策について見てきました。以下ではつむじハゲに悩む場合に検討するべき治療について紹介します。
セルフケアでつむじハゲの進行が止まらない場合、AGA治療薬を服用することも選択肢の一つです。主なAGA治療薬にはフィナステリドやミノキシジルなどがあります。
国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、フィナステリドはテストステロンをDHTに変換する5αリダクターゼのll型を阻害して、その血中濃度の値を下げる薬です。DHTはAGAの主な原因物質であるため、DHTの生成を抑えることで脱毛の進行を防ぐ効果があります。
また、ミノキシジルは1988年にアメリカで認可された最初の頭髪治療薬です。ミノキシジルは外用薬として頭皮に直接塗布するタイプと、内服薬として服用するタイプがあります。ミノキシジルの内服薬は腸管から吸収されるため、外用薬より効果が高いのが特徴です。
フィナステリドやミノキシジルなどの治療薬は医師の処方が必要であり、副作用のリスクもあるため専門医に相談したうえで使用を決めましょう。AGA治療を行っているクリニックでは、個人の症状や体質に合わせた治療プランを提案してくれます。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
頭皮注射(メソセラピー)は、毛髪の成長に必要な栄養素や治療薬などを直接頭皮に注入する治療法です。頭皮注射(メソセラピー)は内服薬や外用薬と併用することで、より高い効果が期待できるでしょう。
メソセラピーでは針付きのローラーや注射器などを使用して栄養成分を頭皮に注入します。注入される成分は患者さんの症状や体質に合わせてカスタマイズされることが多く、一般的にはミノキシジルやビタミン、成長因子などが含まれます。
メソセラピーを行う利点は直接毛根周辺に栄養を届けられることです。これにより、内服薬などでは時間が掛かる効果をより早く実感できる可能性があります。
メソセラピーを行う頻度は治療開始から数ヶ月の間は2〜4週間に1回程度、その後は治療の効果を維持するために1〜2ヶ月に1回となります。また、メソセラピーの施術後は一時的な頭皮の赤みや腫れが出る場合があるものの、1〜2日程度で収まることが一般的です。
国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、自毛植毛とは将来にわたってAGAの影響を受けない自分自身の後頭部や側頭部の頭髪を、薄くなった場所に移動させる作業です。2025年9月現在、永続的にヘアサイクルを繰り返せるのは自毛植毛のみとされています。
自毛植毛の方法は主にFUT法とFUE法の2種類があります。FUT法は後頭部から帯状に皮膚を切り取り、その中から毛包を取り出して移植する方法です。一度に多くの毛髪を移植できる利点がありますが、後頭部に線状の傷跡が残ります。
一方、FUE法は特殊な器具を使って毛包を一つずつ採取するため、目立つ傷跡が残りにくいメリットがあります。自毛植毛のメリットは、自分の毛髪を使用するため比較的安全であり、医学的な合併症の頻度が小さいことです。
ただし、自毛植毛後の移植毛は1〜2ヶ月で一旦抜けてしまい、100日間ほどの休止期に入ります。自毛植毛の最終的な仕上がりを判定できるのは10ヶ月後以降です。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
「つむじハゲを隠したいけど、どうしたら良いか分からない」という方もいるかもしれません。つむじハゲを目立たなくするには、以下の方法があります。
ここでは、上記3つのつむじハゲを目立たなくする方法について紹介します。
適切なヘアスタイルを選ぶことで、つむじハゲが目立たなくなるでしょう。つむじハゲを目立たなくするには、トップにボリュームを出すスタイルがおすすめです。前髪を長めに残してトップの髪を少し立ち上げるようにスタイリングすると、つむじ周辺の薄さをカバーできます。パーマを掛けてふんわりとしたスタイルにするのも効果的な方法です。
また、頭頂部が薄い場合はオールバックやツーブロックなどの短い髪型よりも、ミディアムレングスの髪型が適しています。髪の長さにある程度余裕があると、薄い部分をほかの髪で覆いやすくなるからです。特に前髪や上部の髪を少し長めにしておくと、自然に薄い部分をカバーしやすくなります。
ドライヤーを使うときは根元を持ち上げるように風を当て、髪に立体感を出します。このとき、頭を前に倒して下から風を当てると、より自然なボリュームが出せるでしょう。
スタイリング剤の選び方に関しては、油分が多いと髪が束になり地肌が透けて見えるため、べたつかないタイプのものを選ぶとよいでしょう。スタイリング剤は髪の根元からではなく、中間から毛先に向けて少量ずつつけるのがコツです。
ヘアパウダーやコンシーラーは、つむじハゲを手軽に一時的にカバーする優れた方法です。ヘアパウダーやコンシーラーは頭皮の色と髪の色の差を目立たなくし、視覚的に髪が密集しているように見せる効果があります。
ヘアパウダーの主なタイプは以下のとおりです。
これらの製品を使用する際は、まず清潔で乾いた髪に使用することが重要です。粉末タイプの場合、少量を指先や専用のパフでつむじ周辺にポンポンとたたくようにつけていきます。スプレータイプは薄くなった部分から20cm程度離して吹きかけます。いずれも使い過ぎると不自然になるので、少量から始めて徐々に調整するのがコツです。
つむじハゲを隠す即効性のある方法として、帽子やウィッグの活用が挙げられます。特に帽子は手軽に使えるアイテムで、ファッションの一部としても取り入れやすいでしょう。
帽子を選ぶ際は、つむじを覆える形状のものがおすすめです。ニット帽やベレー帽、キャップなどが使いやすいでしょう。季節に合わせて素材を変えれば、一年中活用できます。ただし、長時間の着用や締め付けの強い帽子は、頭皮の血行を悪くする可能性があるため注意が必要です。帽子を脱いだときは頭皮をマッサージして血行を促進させましょう。
ウィッグ(かつら)は、帽子よりも自然な見た目を実現できる選択肢です。最近のウィッグは、自然で違和感の少ないものが増えています。特につむじハゲだけをカバーする部分ウィッグは、自分の髪と馴染ませやすく使いやすいでしょう。
鏡で見た自分のつむじや写真に写った頭頂部が薄くなってきていると感じ、不安な方もいるかもしれません。ここでは、つむじハゲに関するよくある質問をまとめました。
10代や20代でもつむじハゲは発症する可能性があります。AGAは主に男性ホルモンと遺伝的要因によるもので、家族に薄毛の方がいる場合は遺伝的要因により若年性のつむじハゲになるリスクがあります。
10代や20代でつむじの薄さが気になり始めたら、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。栄養バランスの取れた食事や適切な睡眠、ストレス管理などの基本的なセルフケアが重要です。それでもつむじハゲの進行が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。
女性もつむじが薄くなることはあります。女性の場合は男性のように前頭部からのM字型や頭頂部の限局的な脱毛ではなく、頭全体の髪密度が低下する「びまん性脱毛」が多いです。ただし、つむじ周辺から薄くなる女性も少なくはありません。
女性の場合、薄毛の治療にはミノキシジル外用薬が有効とされています。しかし、ホルモンバランスが関係しているケースも多いため医師に相談することが大切です。つむじが薄くなっていることに気づいたら、早めに対応することで進行を遅らせられます。
つむじハゲは頭頂部のつむじ周辺が薄くなる症状で、早期に適切な対策を取ることで進行を抑えられます。つむじハゲの主な原因にはAGAの発症や生活習慣の乱れ、過度なストレスによる血行不良などがあります。
つむじハゲの対策としては栄養バランスの良い食生活や質の高い睡眠の確保、正しい頭皮ケアなどが効果的です。セルフケアでつむじハゲの改善が見られない場合はAGA治療薬の服用や頭皮注射(メソセラピー)、自毛植毛などの治療も検討してみましょう。つむじハゲが気になる場合はできるだけ早めに医師に相談するのがおすすめです。