更新日:2026年08月04日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「体毛が濃いとはげる?」と不安に思っている方もいるかもしれません。結論からいうと、体毛が濃いからといって必ずしも薄毛になるとは限りません。体毛を濃くするホルモンとAGAの原因となるホルモンは異なるためです。正しい知識は不安を解消するヒントになるので、まずはこの記事で紹介する薄毛の原因や治療方法を確認することから始めてみましょう。
体毛が濃いからといって、必ずしもはげるとは限りません。ここでは、体毛の濃さと薄毛の関係について解説します。
体毛の濃さは、主にテストステロンというホルモンの影響を受けています。テストステロンは男性ホルモンの一種で、思春期に分泌量が増加し、一般的に20代~30代でピークを迎えます。テストステロンは体毛の成長を促進するとともに、男性らしい骨格や筋肉の発達にも影響を与えるホルモンです。

成人男性の薄毛の代表的な原因の一つに、AGAがあります。AGAの原因となるのが、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)です。 DHTは、5αリダクターゼの働きによってテストステロンから変換されることで生成されます。このDHTがアンドロゲンレセプターに結合し脱毛因子TGF-βやDKK1を生成することで、ヘアサイクルの成長期が短縮し、髪が太く長く育つ前に抜け落ち、薄毛が進行します。
親族に薄毛がいる人や生活習慣が乱れている人は、薄毛になりやすい傾向があります。ここでは、薄毛・AGAになりやすい人の特徴を見ていきましょう。
AGAの発症は、遺伝が影響します。親族に薄毛の方がいる場合、はげるリスクが高まる可能性があります。母方の家系が話題にされることもありますが、実際には母方だけで決まるものではなく、複数の遺伝的要因や男性ホルモンへの感受性が関与すると考えられています。 遺伝する要素の一つは、アンドロゲン受容体の感受性です。アンドロゲン受容体の感受性が高いとDHTの影響を受けやすく、ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行しやすくなります。 薄毛が気になり始めた段階での早期治療によって、AGAの進行を抑えることが可能です。親族にAGAの人がいて自身の薄毛の進行に不安を感じたときは、早めに医師に相談しましょう。
不規則な生活習慣は、髪の毛の成長に必要な栄養供給やホルモンバランスの乱れを招き、はげるリスクを高める可能性があるでしょう。偏った食事は髪の主成分であるタンパク質や髪の生成に必要な亜鉛、ビタミンなどの栄養素不足を招きます。栄養バランスの偏りによって、健康な髪が育ちづらくなるでしょう。
また、睡眠の質の低下は、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは深い睡眠時に分泌されるので、質の悪い睡眠を続けていると、健康な髪が育ちづらくなるでしょう。就寝1時間前からスマートフォンの使用を控えたり、日中に適度な運動を取り入れたりすることで睡眠の質を高められるといわれています。
参考:厚生労働省「睡眠」
頭皮環境の悪化は、はげる要因となります。肌に合わないヘアケア用品の使用や間違った洗髪方法は頭皮環境の悪化を招き、健康な髪が育ちにくくなったり抜け毛が増加したりする可能性があるでしょう。 たとえば、頭皮の皮脂は洗い流し過ぎると乾燥を招き、頭皮トラブルにつながるリスクがあります。1日に何度もシャンプーすることはせず、1日1回、夜にシャンプーすることをおすすめします。そのほか、洗髪後のすすぎが不十分だと、シャンプーの成分が頭皮に残って炎症を引き起こす可能性があります。頭皮の健康を保つためには、時間をかけて丁寧にすすぐことが大切です。

「抜け毛が増えた」「髪が細くなった」は薄毛が進行しているサインです。生え際の後退や頭頂部の薄毛もAGAの初期症状として挙げられます。薄毛の症状が気になるときは医師に相談しましょう。

AGAによる薄毛は、クリニックで適切な治療を受けることで改善を図れる可能性があります。ここでは、AGA治療薬について解説します。
フィナステリドは、AGAの進行を抑制する内服薬です。AGA治療薬として認可されており、薄毛の原因物質であるDHTの生成を抑制する効果があります。 具体的には、テストステロンをDHTに変換する5αリダクターゼII型の働きを抑制し、抜け毛の増加を防ぐ仕組みです。DHTの生成を抑制してヘアサイクルを改善することで、抜け毛の進行抑制が期待できます。効果を維持するためには、1日1錠を継続的に服用することが必要です。
フィナステリドは、性欲減退や勃起不全などの副作用が報告されています。医師の処方のもと用法・用量を守って正しく服用し、気になる症状が出た際は医師に相談しましょう。
デュタステリドもAGA治療薬として認可されており、フィナステリドよりも強力にAGAの進行を抑えることが期待できる内服薬です。フィナステリドが5αリダクターゼII型のみを抑制するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害してより広範囲に作用します。 デュタステリドは、1日1錠を継続的に服用することで効果を得られます。デュタステリドも性欲減退や勃起不全などの副作用が報告されているため、気になる症状が出たときは医師に相談しましょう。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、血流改善によって発毛を促進する効果が期待できます。 ミノキシジルは、頭皮に直接塗布する外用薬と、錠剤を服用する内服薬があります。ミノキシジル外用薬は日本国内で承認されており、ドラッグストアでも入手できる治療薬です。1日2回、頭皮の薄毛が気になる部分に塗布します。起こりうる副作用は、皮膚のかゆみや赤みなどです。 内服薬は1日1錠を服用します。発毛を促進する効果が期待できますが、AGA治療薬として日本国内では未承認であるため、医療機関や医師の管理のもと輸入され、使用されています。起こりうる副作用は、多毛症や動悸、むくみなどです。
体毛が濃いからといって、必ずしも薄毛になるとは限りません。体毛の濃さにはテストステロンがかかわっていますが、薄毛の原因となるのはDHTという別の男性ホルモンだからです。テストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変換され、ヘアサイクルの成長期が短縮することでAGAが進行します。 薄毛になりやすい人の特徴には、遺伝だけでなく生活習慣の乱れや頭皮環境の悪化などがあります。これらが原因で、髪の健康な成長が妨げられる可能性があるでしょう。もし抜け毛の増加や髪の軟毛化が気になるときは、薄毛が進行しているサインかもしれません。 AGAによる薄毛は、クリニックで適切な治療を受けることで進行を止められる場合があります。自身の髪に不安を感じたときは、一人で悩まずに早めに医師へ相談してみるのが良いでしょう。
厚生労働省「睡眠」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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