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更新日:2024年02月28日

頭皮のかゆみは何が原因?改善方法やかゆみを放置するリスクを解説

この記事のまとめ
  • 頭皮のかゆみの原因には乾燥、皮脂の過剰分泌、地肌への刺激がある
  • 頭皮のかゆみを放置すると、フケや抜け毛といった症状へとつながる
  • 頭皮のかゆみを改善させるには、洗髪方法やシャンプー、日常生活を見直すと良い
  • セルフケアをしても改善されない場合には、病気を発症している可能性がある

頭皮がかゆく、どうしたら治すことができるのか悩んでいる方もいる方もいるのではないでしょうか。頭皮のかゆみをそのままにしていると、薄毛など他の症状につながる可能性があるため、早めに対策することが大切です。

本記事では、頭皮のかゆみの原因や対策について詳しく解説します。また、かゆみを放置をすることで起こり得るリスクについても解説するため、頭皮のかゆみが気になるという方はぜひ参考にしてみてください。

頭皮のかゆみの原因

頭皮のかゆみは、主に次の3つが原因となることが多いです。

  • 乾燥
  • 皮脂の過剰分泌
  • 地肌への刺激

それぞれ解説します。

乾燥

頭皮が乾燥していると、かゆみの原因となることがあります。頭皮が乾燥する原因は、もともと肌が乾燥している、いわゆる乾燥肌であることが挙げられます。

乾燥肌ではない場合、頭皮が乾燥する原因として考えられるのが、洗髪のしすぎです。過剰に洗髪することによって、頭皮に必要な皮脂が洗い流されてしまうと、頭皮のバリア機能が低下し、少しの刺激にも敏感に反応してかゆみが起こってしまうのです。 たとえば、頭の脂っぽさが気になって1日に何回も洗髪をしてしまう、洗浄力の強いシャンプーを使用しているという場合には、頭皮が乾燥しやすくなるので要注意です。

ほかにも、ドライヤーをあてる時間が長いと、ドライヤーの熱によって頭皮が乾燥しやすくなってしまい、かゆみが引き起こされます。

頭皮の乾燥については、「頭皮が乾燥するとどうなる?原因とおすすめのケア方法を解説」でも詳しく解説しています。

皮脂の過剰分泌

皮脂が過剰分泌されることによって、頭皮に常在しているマラセチア真菌という菌が繁殖し、頭皮のかゆみが発生します。

皮脂が過剰に分泌される原因は、脂質の過剰摂取や睡眠不足などが考えられます。脂質が多い食事をとると、皮脂分泌をコントロールするビタミンB群が脂肪を代謝する際に消費されるため、皮脂分泌をコントロールする機能が抑えられ、皮脂が過剰に分泌しやすくなるのです。

また、睡眠時間が不足すると交感神経が活発になります。交感神経が活発になると、皮脂分泌を促す男性ホルモンの分泌が活性化するため、皮脂分泌量が増加してしまいます。 さらに、過剰分泌された皮脂が洗髪不足によって頭皮に残ると、かゆみの原因となる可能性があります。

ほかにも、皮脂の過剰分泌によって頭皮の皮脂バランスが崩れると、頭皮にもニキビや皮膚炎ができることがあり、これがかゆみの原因となることもあります。

地肌への刺激

地肌への刺激によってかゆみが起こっている可能性も考えられます。地肌の刺激には主に2つの種類があります。

1つは、化学的な刺激です。化学的な刺激とはシャンプーやリンス、育毛剤などに含まれる界面活性剤や防腐剤、香料などによるアレルギー反応を指します。特に、ヘアケア製品に使われる以下のものは、アレルギーを引き起こす可能性があるため、もしも、頭皮のかゆみに悩まされているという場合には、使用を止めることを検討すると良いでしょう。

  • 界面活性剤(ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Naなど)
  • 香料
  • 着色料
  • 防腐剤(パラベン、フェノキシエタノールなど)

化学的な刺激の場合は、これまではかゆみを感じずに使えていた商品であっても、加齢や頭皮環境の変化によってアレルギー反応によるかゆみを引き起こすケースもあります。

もう1つの刺激は、紫外線によるものです。紫外線によって頭皮が日焼けすることで乾燥し、かゆみを引き起こしている可能性も考えられます。

頭皮のにおいにも悩んでいる方は、「頭皮のにおいの原因は?においが出やすい人や対策方法についても紹介」も参照してみてください。

頭皮のかゆみを放置するとどうなる?

頭皮のかゆみを放置してしまうと、かゆみ以外の症状が出る可能性があります。ここでは、頭皮のかゆみを放置することで起こり得る症状について、解説します。

フケが多くなる

頭皮のかゆみを放置すると、フケにつながる可能性があります。特に、乾燥によってかゆみがある方は、乾性のフケが出ることが多いです。パラパラとしたフケが出ている場合には、頭皮の乾燥が原因である可能性が高いでしょう。

また、かゆみを我慢できずに頭皮をかきむしることで、かゆみの原因となるヒスタミンが過剰に分泌されてしまうため、さらにかゆみを引き起こしてフケが増える恐れがあります。

抜け毛が発生する

頭皮のかゆみを放置すると、抜け毛を引き起こす恐れがあります。かゆみによって抜け毛が増える理由は、主に2つあります。

1つは物理的な刺激によるものです。頭皮がかゆくてかきむしってしまうと、その刺激で髪の毛が抜けることがあります。 もう1つは、頭皮環境が悪化しているためです。何らかの原因によってかゆみが生じているにもかかわらず放置し、頭皮環境が悪化すると、細く柔らかい髪の毛が多くなり、結果として抜け毛につながる可能性があります。

頭皮のかゆみ対策

頭皮のかゆみは、セルフケアを行うことで改善できる可能性があります。頭皮のかゆみ対策は次のとおりです。

洗髪方法を見直す

頭皮のかゆみを改善するには、まずは洗髪の方法を見直してみましょう。頭皮のかゆみを改善させる洗髪方法は、以下のとおりです。

まず、洗髪の前にくしで髪をとかします。髪をとかすことによって、髪についているほこりや汚れを予め落とすことができるので、普段よりも汚れを落としやすくなるでしょう。また、皮脂の汚れを浮かす効果も期待できます。

続いて、お湯のみで髪の毛を洗いましょう。髪についた汚れはお湯のみでも十分に落とすことができるので、シャンプーを付ける前にまずはお湯で髪の汚れを取り除くことが大切です。このときのお湯の温度は、38〜39℃程度にすると頭皮へのダメージを防ぐことができます。

シャンプーをする際は、シャンプー剤を適量手に取り、お湯と混ぜて軽く泡立ててから使用します。シャンプー剤はたくさん使っても汚れをきれいに落とせるとは限りません。大量に使うと、むしろすすぎ残しなどが発生して頭皮のかゆみにつながる可能性もあります。シャンプー剤の量の目安としては、ショートヘアの男性で半プッシュ~1プッシュ程度と考えておきましょう。

シャンプーを充分にお湯で流した後は、タオルドライで髪の毛の水分を拭き取ります。タオルドライで十分に頭皮と髪の水分を拭き取っておけば、ドライヤーを使用する時間が短くなります。ただし、ごしごしと力強く拭くと髪にダメージが加わったり、頭皮のかゆみを誘発したりするため、水気を拭き取る程度に優しく押さえるイメージで行いましょう。

ドライヤーは髪から20センチほど離した状態で、髪の根元から毛先という順番で当てていきます。このとき、頭皮も髪も8割程度乾いていれば問題ありません。しっかりと乾かそうとすると頭皮や髪にドライヤーの熱風を当て続けることになり、乾燥やかゆみを誘発する刺激になるためです。 また、洗髪後6~24時間で、頭皮の皮脂は洗髪前の量に戻るといわれています。そのため、かゆみの対策として毎日1回はシャンプーをすることがおすすめです。

シャンプーの種類を見直す

適切に頭皮のケアを行うために、シャンプーの種類も見直してみましょう。シャンプーには主に、アミノ酸系、高級アルコール系、石鹸系の3種類があります。このなかでもかゆみ対策におすすめなのがアミノ酸系シャンプーです。

アミノ酸系シャンプーには、脂肪酸・アミノ酸・アルカリ剤で作られる、弱酸性の界面活性剤が含まれています。洗浄力は弱いですが刺激も弱いため、頭皮のかゆみを抑えることにつながります。

石鹸系や高級アルコール系シャンプーは、洗浄力や頭皮への刺激が強いため、かゆみを誘発する可能性があります。かゆみに悩まれる方はまず低刺激で洗浄力が優しいアミノ酸系シャンプーを使用することをおすすめします。

紫外線を避ける

帽子や日傘を活用し、頭皮のかゆみの原因になる紫外線を避けることも重要です。ただし帽子を長時間着用していると蒸れてしまい、頭皮環境が悪化しかゆみを助長する可能性があるため、定期的に防止を脱いで汗などを拭き取るようにしましょう。

帽子をかぶったり日傘を差したりするのが難しい場合は、定期的に髪の分け目を変えて紫外線に同じ場所ばかりが当たらないようにするのも良いでしょう。

生活習慣を整える

生活習慣を整えることで、頭皮のかゆみを改善できる可能性があります。皮脂の分泌量のバランスが崩れた結果としてかゆみを引き起こしやすくなる可能性もあるため、生活習慣を見直して皮脂の分泌量を正常にすることがポイントとなります。そのためには、食事と睡眠の見直しが重要です。

皮脂の分泌量が多い場合、脂っぽい食事を控えましょう。脂っぽい食事が続くと、皮脂の分泌量が増えてしまいます。 アボカドや桃、うなぎなどに含まれるビタミンBは皮脂をコントロールする作用が期待でき、緑黄色野菜や赤身肉に含まれるビタミンAは頭皮の新陳代謝を活発にします。野菜やフルーツ全般に含まれるビタミンCは皮脂の過剰分泌を抑える作用が期待できるので、これらの食材を積極的に摂取しましょう。

頭皮が乾燥している場合は、ビタミン類やミネラルを積極的に摂ると良いでしょう。ビタミン類は血流を良くして頭皮へ栄養を行き渡らせ、亜鉛などのミネラルはタンパク質の合成を助け、頭皮や髪の毛の生成を促進します。

睡眠では、男性ホルモンを活性化させる交感神経を落ち着かせるために、質の高い睡眠をとるように心がけましょう。質の高い睡眠をとるためには、就寝前にたばこやカフェイン、アルコールの摂取は控え、パソコンやスマホの画面を見るのを避けると良いです。特にアルコールは体内での分解時に水分を消費し頭皮の乾燥につながってしまうため、極力控えることで睡眠の質を高められるだけでなく、直接頭皮の乾燥を抑えることができます。

頭皮のかゆみは病気が原因である可能性も

頭皮のかゆみは病気の可能性も考えられます。頭皮がかゆい場合に発症している可能性がある病気は次のとおりです。

  • 接触性皮膚炎
  • 皮脂欠乏性湿疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 脂漏性皮膚炎
  • 乾癬
  • 頭部白癬
  • 伝染性膿痂疹 など

もしもこれらの病気が原因で頭皮のかゆみが出ている場合には、セルフケアでは改善が見込めず、皮膚科などの医療機関による治療が必要です。そのため、セルフケアをしていても頭皮のかゆみが治らないという時にはクリニックで受診しましょう。

まとめ

頭皮のかゆみは乾燥や皮脂の過剰分泌などさまざまな原因が考えられます。頭皮がかゆいのに放置してしまうと、抜け毛やフケといった症状につながる可能性があります。そのため、かゆみは放置せず、かゆみに気づいた時点で頭皮の洗い方やシャンプーを見直したり、生活習慣を整えたりしてセルフケアをすることが大切です。

それでも頭皮のかゆみが改善されない場合は病気を発症している可能性が考えられるため、早めに医療機関で受診してかゆみの原因を調べ、治療することが望ましいです。

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この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会