更新日:2026年01月21日
メソセラピーは有効成分を直接注入し、薄毛に集中的にアプローチできるAGAの治療法
メソセラピーの施術には注射やレーザーなど、さまざまな機器を用いる方法がある
メソセラピーの費用はクリニックによるものの、1回あたり3〜10万円程度が目安
メソセラピーの効果実感までに複数回の継続治療が必要なため、費用は高額になりやすい
AGA治療のためにメソセラピーを検討しているなら、まずはクリニックに相談する
薄毛に悩む方の中には、「メソセラピーの効果や費用が気になる」と考える方もいるかもしれません。メソセラピーとは、注射器やレーザーなどを用いて、薄毛が気になる箇所に直接有効成分を注入する治療法です。
本記事では、メソセラピーの仕組みや施術方法の種類、治療にかかる費用目安について解説します。メソセラピーのメリット・デメリットも紹介しているので、AGA治療の選択肢を広げたい方はぜひ参考にしてみてください。
メソセラピーとは、注射やレーザーなどで表皮などに局所的に投与する治療法を指します。注入する薬剤によって期待される効果が変わるため、AGA治療をはじめ、ニキビや傷跡の修正、アンチエイジングなど、幅広い治療で取り入れられているのが特徴です。
AGA治療におけるメソセラピーでは、頭皮に有効成分を注入することで薄毛が気になる部位に直接アプローチできます。また、複数の有効成分を一度に注入できることから、AGA内服薬との併用により相乗効果が期待される可能性があるのです。
AGA内服薬の服用に抵抗がある方や、すでに内服治療を行っているものの効果に限界を感じている方にとって、検討する価値のある選択肢といえるでしょう。
メソセラピーで使用される薬剤には、さまざまな種類があります。AGA治療で用いられる代表的な薬剤と成分は、以下のとおりです。
| メソセラピーで用いられる薬剤や成分 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 成長因子(IGF・KGF・FGF・VEGF・bFGF) | 毛母細胞の活性化や新しい血管の生成、毛髪・頭皮の成長促進 |
| ミノキシジル | 血行促進作用や毛母細胞の活性化、毛周期の成長期延長、発毛促進 |
| フィナステリド | AGAの原因物質であるDHTの生成抑制や、抜け毛の進行予防 |
| ビタミン | 頭皮の抗酸化作用や細胞の代謝促進、健康な皮膚・毛髪の維持、血行促進 |
| ミネラル | 毛髪の成長に必要な栄養素の補給や酵素の働きのサポート、頭皮環境の改善 |
| ヒアルロン酸 | 頭皮の保湿や頭皮環境の改善、注射部位の皮膚組織再生・ハリの向上 |
まず代表的なのが成長因子です。成長因子は細胞の増殖や分化を促進する物質で、IGFやKGFなどの種類があり、毛母細胞の活性化に役立ちます。ミノキシジルやフィナステリドは、AGA外用薬・内服薬の有効成分です。ほかにも、頭皮環境を整え健やかな毛髪成長をサポートするために、ビタミン類やミネラルなども配合されることがあります。
なお、クリニックによって使用する薬剤の種類や配合は異なるので、メソセラピーを検討する際は、使用される薬剤や成分について医師に確認しましょう。
ミノキシジルについて詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」も参考にしてみてください。
メソセラピーの施術方法にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。以下の表では、AGA治療におけるメソセラピーの施術方法と特徴をまとめました。
| 施術方法 | 特徴 | 痛みの程度 |
|---|---|---|
| パピュール法 | 表皮と真皮の間に、有効成分を注射 薬剤を皮内に留まらせて、効果をゆっくり持続させる | 痛みは強め |
| ナパージュ法 | 表皮に注射 有効成分を広範囲にわたって、細かく注射するのが特徴 | パピュール法より痛みは少なめ |
| ダーマローラー法 | 細かい針がついたローラー状の機器を転がし、皮膚に小さな穴を開けて有効成分を浸透させる | やや痛い |

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| ノーニードル法 | 針を使わず、電気パルスや圧力などの特殊な技術を用いて、有効成分を肌の深層に浸透させる | 痛みは少なめ |
| フラクショナルレーザー法 | レーザー光線で皮膚に小さな穴を開け、有効成分を浸透させる | 痛みは少なめ |
一般的な方法の一つが、注射器による注入法です。細かい部分への施術が可能で、頭皮の状態に合わせたきめ細かい対応ができる点が魅力といえます。ダーマローラーによる方法では、短時間で広範囲に有効成分を注入できます。
一方、針を使わないノーニードルによる方法では、レーザーなどの特殊な機器を用いて、頭皮の深部まで成分を浸透させることが可能です。痛みが少なく、注射が苦手な方も選択しやすいでしょう。
メソセラピーの施術方法は、クリニックによって異なります。何の施術方法があるのか、どの方法で治療するのかを確認して、納得したうえでメソセラピーを受けることが大切です。
AGA治療におけるメソセラピーでは、内服薬と比較して全身性副作用は少ないと考えられる一方、局所的な副作用の可能性はあると考えられています。しかし、施術方法や使用する薬剤によっては、副作用が生じる可能性があるので、あらかじめ理解しておくことが大切です。
注入を伴う施術の場合、メソセラピーの施術直後に赤みや腫れ、内出血を伴うことがあります。このような症状は、数日程度で自然に治まることが一般的です。また、ごくまれに、薬剤に対するアレルギー反応が生じる可能性もあります。
副作用の出現には個人差があり、全く副作用を感じない方もいます。メソセラピーによる副作用のリスクを最小限に抑えるため、クリニックで使用する薬剤や施術方法について十分に説明を受け、既往歴やアレルギーがあれば正確に伝えましょう。
ここでは、メソセラピー治療を検討する際に知っておきたい費用の相場や、効果を実感するまでに必要な通院回数の目安について解説します。AGA治療のためにメソセラピーを検討する方は、自分に合った治療計画を立てるための参考としてご覧ください。
AGA治療におけるメソセラピーの費用は、クリニックや施術方法、使用される薬剤の成分によって異なります。メソセラピーは保険適用外となるため、基本的に費用は全額自己負担です。
なお、1回あたりの施術費用は、3~10万円程度が目安とされています。クリニックによって価格設定が異なるため、ご紹介している目安はあくまで参考程度として捉えましょう。
メソセラピーは都度払いのほか、複数回セットでのコース料金を設定しているクリニックもあります。複数回セットの場合は、1回あたりの料金が割引される傾向にあるので、メソセラピーにかかる費用を抑えられるでしょう。
メソセラピーでAGA治療を考えているなら、自身の予算や期待する効果を考慮し、カウンセリングで総費用や内訳を確認したうえで決断することが重要です。
メソセラピーの効果を実感するまでの通院回数や期間は、個人差があります。一回の施術でAGA治療が完了するものではなく、継続的にメソセラピーを受けることが推奨されています。メソセラピーの施術を受ける場合、最初の数ヶ月間は集中的な治療として、1~2週間に1回程度の頻度で通院を提案されることが一般的です。そのあとは、頭皮の状態や発毛の状況を見ながら、月1回などのペースに移行していきます。治療期間の目安は半年~1年程度です。早い人では治療後数ヶ月で変化を感じる人もいますが、効果には個人差があります。必要な回数は薄毛の進行度や治療への反応によって変わるため、医師と相談し、自身の状態に合った治療計画を立てましょう。
メソセラピーには、「気になる箇所へ集中的にアプローチできる」「ほかのAGA治療と併用できる」といったメリットがあります。以下で解説しているので、AGA治療でメソセラピーの治療を受けようと考えている方は、参考にしてみてください。
メソセラピーを行うメリットの一つは、薄毛が気になる頭皮の箇所へ、有効成分を集中的に届けられる点です。
内服薬の場合、有効成分は体内で吸収されて全身に作用します。一方、メソセラピーは発毛を促したい箇所に高濃度の成分を直接注入するため、集中的な治療が可能です。有効成分が局所的に作用することで全身への影響は少ないと考えられており、内服薬の副作用が不安でAGA治療に踏み出せない方も検討しやすいでしょう。
また、メソセラピーで使用される薬剤には、成長因子やミノキシジル、ビタミンなどのさまざまな成分が含まれています。有効成分が頭皮の深層部に直接届くことで、毛母細胞の活性化や血行促進を効率よく促せるので、気になる部分へピンポイントで効率的に働きかけたい方に適した治療法といえるでしょう。
メソセラピーのもう一つのメリットは、ほかのAGA治療法と併用できる点です。実際にAGA治療を行うクリニックでは、効果的な結果を得るために、複数の治療法を組み合わせることをおすすめしています。
たとえば、フィナステリドやデュタステリドなど内服薬や、ミノキシジルの外用薬で現在治療を受けている場合、メソセラピーを併用することでさらなる相乗効果を目指すことが可能です。飲み薬で薄毛の進行を抑えつつ、メソセラピーによって頭皮に直接有効成分を供給することで、多角的にアプローチできるでしょう。
内服薬での治療効果に限界を感じている方や、より効果を求めている方にとって、メソセラピーの併用はAGA治療の選択肢を広げることにつながります。
メソセラピーにはメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。メソセラピーでの治療を検討する際はメリットだけでなく、デメリットも理解したうえで判断することが重要です。
ここでは、メソセラピーを行うデメリットについて解説します。
メソセラピーは内服薬や外用薬によるAGA治療と比較して、治療にかかる費用が高額になりやすいデメリットがあります。メソセラピーの治療は専門的な機器を使用したり、AGA治療の効果が期待される有効成分を組み合わせて使用したりするため、1回あたりの施術単価は高くなる傾向にあります。
さらに、効果の維持や十分な実感を得るには、継続的に通院して複数回メソセラピーの治療を受けなければなりません。そのため、治療期間全体で見た際の総額費用も高額になることを念頭に置く必要があります。メソセラピーにかかる費用や回数を確認し、自身の経済的な負担を考慮して治療計画を立てることが重要です。
AGA治療と保険適用について詳しく知りたい方は、「AGA治療は保険適用になる?月々の費用相場を解説」も参考にしてみてください。
メソセラピーは、毛根にある毛包(毛を作る組織)を活性化させることを目的とした治療法です。そのため、AGAの症状が長期間にわたって進行した部分には、発毛の土台となる組織がないため、メソセラピーによって有効成分を注入・浸透させても効果は期待できません。
AGAの進行によって毛包の機能が著しく低下している場合、メソセラピーの効果が期待できない場合、自身の髪の毛を移植する自毛植毛などの外科的治療法を検討する必要があるかもしれません。メソセラピーの効果を得るためにも、薄毛に気づいたら早めに治療を始めることが理想的です。
自毛植毛については「自毛植毛の効果とは?施術方法の種類やメリット・デメリットを解説」で解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
これまでメソセラピーについて説明してきましたが、薄毛の悩みを抱えている方にとって、まず重要なのはクリニックで診断を受けることです。自己判断での治療選択ではなく、医師の診断をもとに、自身の症状や希望に合った方法を選ぶことをおすすめします。
薄毛の原因はAGAだけでなく、ストレスや栄養不足、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が考えられます。クリニックでは薄毛の原因を検討するための問診や診察が行われるため、医師の指導のもと安心して治療を始められるでしょう。
また、AGA治療には内服薬や外用薬、メソセラピー、自毛植毛などの選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。一つの治療法から始めたり、ほかの方法と併用したりできるので、医師に相談しながら自身に合った治療法を探してみましょう。
AGAの治療法「HARG(ハーグ)療法」とは?治療法や注意点を解説 女性のFAGAとは?症状や原因、対処法、ほかの脱毛症を解説 AGAに育毛剤は効果がある?発毛剤との違いやAGAの治療方法を解説
メソセラピーは薄毛に悩む方にとって、効果的な治療方法の一つです。内服薬の副作用が気になる方や、すでにAGA治療を行っているものの効果が限定的な方は、検討する価値があるでしょう。メソセラピーは頭皮に直接有効成分を届けられるので、気になる部位に集中的にアプローチできるのが魅力です。
ただし、メソセラピーはほかのAGA治療と比較して費用が高額になりやすく、複数回の施術が必要なため、長期的な経済的負担を考慮しなければなりません。費用を出すのが難しい場合、まずはクリニックを受診して、AGAの内服治療から始めることをおすすめします。内服治療の効果が出てきて、さらに発毛を望む場合は、補助としてメソセラピーを行ってみるというのも選択肢の一つです。