更新日:2024年01月11日
メソセラピーとは?効果や料金、副作用などについて詳しく解説
- メソセラピーは有効成分を頭皮に直接注入する施術
- メソセラピーは2~4ヶ月で効果が出るため、服薬によるAGA治療よりも効果発現が早い
- メソセラピーは、副作用が少なく、AGA治療ができなかった方でも受けられる
- メソセラピーは、治療費として数十万円かかることがデメリット
- メソセラピーは、服薬によるAGA治療と併用すると発毛効果が高くなる
メソセラピーはAGAの治療効果が高く、AGAの最先端治療として注目を集めている治療方法です。AGA治療にメソセラピーを取り入れようと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AGA治療にメソセラピーを取り入れようか悩んでいる方に向けて、メソセラピーの効果をお伝えします。費用なども併せて紹介するので、施術をするかどうか検討する際にはぜひ参考にしてみてください。
メソセラピーとは
メソセラピーとは、注射などによって有効成分を体内に直接注入する医療行為全般を指します。AGA治療のために行うメソセラピーは、育毛メソセラピーや毛髪再生メソセラピーとも呼ばれますが、本記事ではAGA治療のために行うものを統一してメソセラピーと呼び、解説していきます。
メソセラピーは頭皮に直接有効成分を注入することで毛髪の細胞増殖や成長を促し、髪の成長を促進させる効果が期待できるものです。直接頭皮に注入する治療法には、ほかにもHARG(ハーグ)療法があります。HARG療法では、脂肪由来の幹細胞から抽出した成長因子を注入する一方で、メソセラピーでは、施術をする施設によって注入する有効成分が異なります。
また、薬物治療では、1~2種類の薬物で治療を行うことが多いです。しかし、メソセラピーでは複数の有効成分を一度に注入できるので、薬物治療だけでは対応できない薄毛の抑制や改善へのアプローチ効果が期待されています。 メソセラピーは美容業界ではすでに人気の高い施術ですが、近年はAGAの最先端治療としても注目されています。
メソセラピーに使われる成分
メソセラピーには、その医療機関によってさまざまな成分が使われますが、主に使われる成分は次のとおりです。
ミノキシジル
ミノキシジルは血管拡張作用がある成分です。血管を拡張させることで、毛包に栄養を多く送ることができるようになるため、発毛および育毛、抜け毛の予防作用が期待できます。
ミノキシジルを含む外用薬はAGAの治療薬として医療機関でも処方されることがありますが、AGA治療薬のなかでも唯一市販での取り扱いがあることが特徴です。
ミノキシジルは外用薬として処方されていますが、頭皮に塗布しても浸透するまでには時間を要します。そこで、メソセラピーでミノキシジルを頭皮に注入することで、直接塗布する以上の即効性が期待されます。
ミノキシジルについて詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」も参考にしてみてください。
ケラチノサイト成長因子
ケラチノサイトとは、表皮を構成する細胞のことで、毛乳頭においては毛母細胞と呼ばれます。このケラチナサイトを成長させるのがケラチノサイト成長因子(KGF)で、整髪剤にも含まれていることが多い成分です。
インスリン様成長因子
IGF-1とも呼ばれるインスリン様成長因子は、新しい血管の再生を助けたり、細胞の再生力を向上させたりする効果が期待されています。
インスリン様成長因子はほとんどの細胞を成長させるものですが、頭髪においてはケラチノサイト増殖促進や毛包の成長促進・成長期維持に働きかけ、健康的な髪を作るのに役立っています。
血管内皮細胞成長因子
血管内皮細胞成長因子はVEGFとも呼ばれ、新しい血管生成を促す効果が期待されています。毛嚢の毛細血管の大きさや分布度を増加させることによって、髪の量を増やしたり、髪の毛を太くしたりします。
繊維芽細胞成長因子
繊維芽細胞成長因子はbFGFとも呼ばれ、毛髪や頭皮の成長を促す効果が期待されている成分です。
また、毛乳頭細胞の活性化や新しい血管の生成を促進することで、今生えている髪の毛を健康的にするだけでなく、新しく髪を生やす効果も期待されています。
メソセラピーの施術方法
メソセラピーの施術は、注射を使って発毛に対する有効成分を頭皮へ注入します。頭皮に使う注射針は、採血で腕に使う注射針とは違い、針が細いタイプのものを使います。そのため、痛みを感じることは少ないようです。
しかし、痛みはゼロではないため、痛みが出ないように冷却などの処置をしてくれるところが多いです。また、近年では痛みに配慮して、注射器の代わりにダーマローラーやノーニードル、フラクショナルレーザーなどを使い、痛みを極力抑えて薬剤を注入できる施術に切り替えるクリニックも増えてきています。
メソセラピーの施術は、2~4週間に1回の注入を、6ヶ月~1年かけて行うことが多いです。1回の施術は30分程度であり、施術当日はシャンプーができなくなりますが、ほかの日常生活への支障はありません。効果が出るのは2~4ヶ月後からとされています。
メソセラピーを行うメリットとデメリット
ここでは、メソセラピーを受けることによるメリットとデメリットについて解説します。
メソセラピーのメリット
メソセラピーを受けるメリットは次のとおりです。
効果の発現が早い
メソセラピーの効果は早ければ2~4ヶ月程度で出るといわれています。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版によると、AGA治療において行われるメソセラピー以外の薬剤治療では、少なくとも6ヶ月は継続して様子を見る必要があるとしています。そのため、ほかの薬剤治療と比較すると、効果の発現が早いといえるでしょう。
特に、AGAの治療は早ければ早いほど高い効果が得られるため、このタイミングでメソセラピーを始めることによって、より改善効果が期待できるかもしれません。
参考:公益社団法人 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
副作用のリスクが少ない
メソセラピーは、内服薬や外用薬よりも副作用のリスクが少ないという点が特徴です。
メソセラピーにおける副作用は、注射針を刺したことによる痛みや出血が挙げられます。ほかにも施術直後は患部周辺の赤みや腫れ、かゆみが現れることがあるといわれています。これらの副作用のほとんどが一時的なものであり、施術日当日には治まってしまうことが多いようです。
このように副作用が少ないため、持病による薬の飲み合わせなどを理由にAGAの薬剤治療ができない方でも、治療が可能です。 ただし、メソセラピーの施術後にアレルギー反応や感染症が発生するケースもまれにあるため、アレルギー症状が出た場合は医療機関の受診が必要といえます。
メソセラピーのデメリット
メソセラピーを利用するうえでのデメリットは、次のとおりです。
費用が高い
メソセラピーは、ほかのAGA治療と比較しても施術の費用が高額になります。 使用する成分が施設によって異なるため施設によってかかる費用が異なりますが、1回あたりの価格は1万5000円~7万円程度になるようです。
また、メソセラピーは1回の施術で完結するものではなく、複数回の施術を必要とします。そのため、施術の費用は1回当たりではなく、複数回の治療を1クールとして、1クールあたりで請求されることもあります。もし1クール辺りでの請求だった場合は、20~80万円程度の費用が一度にかかる可能性もあります。
また、メソセラピーは、内服治療と併用することが望ましいとされており、医療機関によってはAGAの治療薬である、フィナステリドやデュタステリドの内服治療も勧められます。
AGAの治療は保険が効かずすべて自費であり、内服治療にかかる費用もすべて自費負担です。治療を受ける機関や治療内容によって費用は大きく異なりますが、AGA治療薬の相場は概ね1万6千円程度であるといわれています。つまり、内服治療をメソセラピーと併用する場合は、必要となる費用はよりかさむといえるでしょう。
AGA治療と保険適用について詳しく知りたい方は、「AGA治療は保険適用になる?月々の費用相場を解説」も参考にしてみてください。
通院が必須
メソセラピーは通院しなければ施術が受けられません。
服薬によるAGA治療の場合、近年はオンラインでも受診が可能であるため、この点もデメリットといえるでしょう。 忙しくて通院する時間を確保できないという方は、メソセラピーを受けることが難しくなります。
メソセラピーが適用外の人
脱毛部分に既に毛包がない場合には、メソセラピーの効果が期待できません。メソセラピーは毛包にある毛母細胞にアプローチをして発毛を促すため、すでに毛包がない場合は施術効果が見込めず、施術の適用外となってしまいます。
また、メソセラピーの細胞成長因子は、がん細胞の成長まで促進してしまうため、がんがある方もメソセラピーを受けることはできません。 ほかにも、注入する成分に対するアレルギーがあると受けられないため、アレルギーの検査は十分に実施してもらう必要があります。
まとめ
メソセラピーは高い発毛効果が期待でき、副作用もほとんどないAGA治療法です。しかし、費用がかさむため、少なくとも1年間継続できる程度の費用を準備しておくことが必要です。
費用を出すのが難しい場合は、まずはオンライン診療を活用して、手軽にAGAの内服治療から始めることがおすすめです。内服治療の効果が出てきて、さらに発毛を望む場合は、補助としてメソセラピーを行ってみるというのも1つの方法です。自分の予算と合わせたうえで、より効率良く薄毛を改善できるように検討してみてはいかがでしょうか。
レバクリでは、AGA治療のオンライン診療サービスを提供しています。 オンライン診療を活用すれば自宅などで診察ができ、治療薬は自宅に届けてもらえるため、忙しい方でも無理なく治療することが可能です。忙しくてクリニックに通うのが難しいという方は、ぜひ利用を検討してみてください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会