更新日:2026年01月14日
ノコギリヤシはサプリメントであるため、医薬品ほどの即効性はない
消化器疾患がある方やAGA治療薬服用中の方はノコギリヤシの服用を避けるべき
より効果を求めるなら、ノコギリヤシよりもAGA治療薬を検討するのがおすすめ
ノコギリヤシははげに効果があるのか興味をお持ちの方もいるかもしれません。この記事では、ノコギリヤシの薄毛への効果や根拠、注意点を解説します。サプリメント以外の薄毛対策も紹介するので、薄毛にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
ノコギリヤシは北米南部、特にフロリダ州に自生するヤシ科の植物で、胃痛や前立腺肥大の治療薬の代用として用いられています。葉には鋭いとげがあり、このとげがノコギリの歯のように見えることから、ノコギリヤシと呼ばれています。
ノコギリヤシは、ヨーロッパでは前立腺肥大症の治療薬として承認されていますが、日本では医薬品として承認されておらず、また、有用な治療法とは言い難いのが現状です。厚生労働省eJIMの「ノコギリヤシ」によると、ノコギリヤシはまだ臨床研究において十分な安全性が確立されていないとされています。このことから、日本では治療薬としてではなくサプリメントとして使用されています。
参考:厚生労働省eJIM「ノコギリヤシ」
ノコギリヤシの育毛効果について知っておくべき事実が2つあります。それは「医薬品ではないため薄毛が完全に治る保証はない」・「副作用がゼロではない」という点です。ここでは、それぞれの実情について解説します。
ノコギリヤシは医薬品ではなくサプリメントであり、薄毛を完治させる効果は保証されていません。サプリメントは医薬品と違い、効果や安全性について厳格な臨床試験を経ていないため、効果にはばらつきがあります。
ノコギリヤシの効果は穏やかで、医薬品のフィナステリドと比較すると、5α-リダクターゼの阻害作用は弱いとされています。すでに進行した薄毛の場合や、さらなる効果を求める方は医薬品の服用を検討してみるのも良いでしょう。
ノコギリヤシの効果を実感するには、一般的に3〜6ヶ月程度の継続摂取が必要です。また、どれだけ良質なサプリメントであっても、生活習慣の改善なしでは十分な効果は期待できないでしょう。
ノコギリヤシは天然由来の成分ではありますが、副作用が全くないわけではありません。サプリメントは医薬品と比べて副作用は少ないものの、胃の不快感や下痢、吐き気などの胃腸系の不調が現れることがあります。また、頭痛やめまい、倦怠感、性欲減退などの症状が現れることもあります。
ノコギリヤシによる副作用は用量を減らすことで改善することがほとんどです。ノコギリヤシの用量を減らしても副作用の症状が続く場合は、摂取を中止して必ず医師に相談しましょう。
ノコギリヤシには、サプリメントで摂取した場合も副作用のリスクがあるため、必ずしも安心というわけではありません。適切な用量を守り、体調の変化に注意しながら摂取するよう心掛けましょう。ノコギリヤシを服用する際の注意点は、次項で詳しく解説します。
ノコギリヤシを安全に効果的に活用するためには、「一日の摂取量を守る」・「服用のタイミングに気をつける」などの注意点があります。ここでは、ノコギリヤシを使用する際の注意点について解説するので、ぜひチェックしてみてください。
ノコギリヤシを過剰摂取すると副作用のリスクが高まります必ず摂取目安量を守ってノコギリヤシを服用しましょう。
ノコギリヤシの過剰摂取による主な副作用としては、消化器系の問題(胃痛・下痢・便秘・空腹時摂取による吐き気など)や肝機能への負担が挙げられます。
ノコギリヤシの摂取タイミングについては、胃への負担を減らすために食後の摂取が望ましいとされています。また、毎日同じ時間帯に摂取し、ノコギリヤシの血中濃度を一定に保つことも大切です。
亜鉛は毛髪の主成分であるタンパク質の合成に不可欠なミネラルであり、健康な髪の毛の生成を助ける働きがあるのです。また、亜鉛不足は薄毛の原因の一つとされています。
厚生労働省eJIMの「海外の情報 亜鉛」によると、亜鉛の1日の摂取目安量は成人男性で11 mgとされています。亜鉛を過剰摂取すると銅の吸収を妨げるなどの問題があるため、適切な摂取量を守りましょう。
ノコギリヤシと亜鉛の両方を含む総合的な育毛サプリメントも市販されていますが、それぞれの成分量が適切かどうかを確認することが大切です。また、効果を最大化するためには、これらの栄養素を含む食事も意識しましょう。
参考:厚生労働省eJIM「海外の情報」

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ノコギリヤシは誰でも問題なく服用できるわけではなく、特定の健康状態や薬を服用している場合には、摂取を控えたほうが良い場合があります。ここでは、ノコギリヤシの摂取を避けるべき3つのケースを解説するので、自分の健康状態や服用中の薬との相性を確認しておきましょう。
消化器疾患がある方は、ノコギリヤシの摂取に注意が必要です。ノコギリヤシは胃腸に負担を掛けることがあり、胃炎や胃潰瘍などの症状を悪化させる可能性があります。これは、ノコギリヤシに含まれる成分が胃酸の分泌を促進したり、消化管の粘膜を刺激したりするためです。
また、高血圧症の方がノコギリヤシを服用する際も、かかりつけの医師に相談したほうが良いでしょう。
AGAの治療薬とノコギリヤシの併用は、避けたほうが無難です。フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬は、ノコギリヤシと同じく5α-リダクターゼを阻害する作用があります。したがって、AGAの治療薬とノコギリヤシを併用すると、作用が重複して思わぬ副作用を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
たとえば、過度のホルモンバランスの乱れによって、誤った信号が体に送られ、性機能障害や倦怠感などの症状が強まることがあります。また、肝臓への負担が増大し、肝機能障害のリスクも高まるでしょう。
AGA治療中にノコギリヤシを追加して服用しようと検討している場合は、サプリメントだからと自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
AGA治療薬については、「AGA治療薬の種類と効果、副作用とは?」を参照してみてください。
抗血小板薬や抗血凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している人も、ノコギリヤシの摂取を避けるべきです。
持病があり定期的に薬を服用している方は、ノコギリヤシのサプリメントを始める前に必ず医師に相談しましょう。
薄毛対策はノコギリヤシだけに頼るのではなく、複合的なアプローチが効果的です。薄毛対策には、食生活や睡眠習慣の改善や頭皮環境を整えることが大切です。また、医師から処方されるAGA治療薬は科学的に効果が実証されており、サプリメントよりも効果が期待できます。ここでは、それぞれの薄毛対策について解説していきます。
より確実な薄毛改善を求める場合、医師の処方によるAGA治療薬を検討するのが効果的です。フィナステリドは5α-リダクターゼの働きを阻害することで、薄毛の原因となるDHTの生成を抑制します。一方、ミノキシジルは血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、毛髪の成長を促進する働きがあります。
しかし、フィナステリドやミノキシジルなどの医薬品にも副作用のリスクがあることを忘れてはいけません。フィナステリドでは性機能障害、ミノキシジルでは頭皮のかゆみや発疹などが報告されています。そのため、AGA治療薬は医師の診察と指導のもとで使用することが重要です。
AGA治療薬の種類については、「AGA治療薬の種類・効果・副作用について、ガイドラインに基づいて解説」の記事でも解説しています。
生活習慣は薄毛の直接的な原因ではないものの、生活習慣が乱れているとAGAが進行してしまう恐れがあります。薄毛対策の土台となるのは、バランスの取れた食生活と質の高い睡眠だといえるでしょう。
食生活ではタンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが重要です。特に毛髪の主成分となるタンパク質や髪の成長に必要なビタミンB群、毛髪の健康に欠かせない亜鉛や鉄分などを意識して摂るようにしましょう。反対に、糖分や脂質、塩分、カフェインなどの過剰摂取は頭皮環境を悪化させる原因になります。
睡眠については、量だけでなく質も重要です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、細胞の再生や毛髪の成長を促します。そのため、毎日6〜8時間の睡眠を確保し、同じ時間に就寝・起床する習慣をつけることが理想的です。
さらに、ストレスは抜け毛の大きな要因になるため、適度な運動や趣味の時間を持つなどして、ストレス解消を図ることも重要です。基本的な生活習慣の改善が、サプリメントや薬の効果を高める基盤となります。
薄毛の人が改善すべき生活習慣については、「薄毛は生活習慣で改善できる?薄毛を予防・改善するための生活習慣とは?」の記事でも詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
頭皮環境を清潔に保つことが、薄毛対策においては大切です。毛穴に皮脂や汚れが詰まると、いくらサプリメントを摂取しても育毛効果は限られてしまいます。
正しいシャンプーの方法は、まず指の腹でマッサージするように頭皮を洗うことです。爪を立てたり強くこすったりすると、頭皮を傷つける原因になります。また、洗浄力の強過ぎるシャンプーは必要な油分まで奪ってしまうので、アミノ酸系など肌に優しいシャンプーを選ぶと良いでしょう。
シャンプー後は、頭皮に栄養を与える育毛剤の使用がおすすめです。有効成分が含まれた育毛剤が直接頭皮に働き掛けるため、サプリメントとは異なる経路で毛髪の成長をサポートします。特にセンブリエキスやグリチルリチン酸などの血行促進成分が含まれたものが効果的です。
さらに、頭皮マッサージを日常的に行うことで血行を促進し、栄養素が毛根に届きやすくなります。指の腹を使って頭皮全体を優しく圧迫するように、1日5分程度のマッサージを習慣にすると良いでしょう。頭皮マッサージなどの外からのケアと、サプリメントなどの内側からのケアを組み合わせることで、より効果的な薄毛対策が実現します。
ノコギリヤシはサプリメントなので、効果が保証されているものではありません。ノコギリヤシの使用を検討する際には、日々の摂取量に注意し、消化器疾患や高血圧がある方、AGA治療薬や血液をサラサラにする薬を服用中の方は、医師に相談してから使用を判断しましょう。
確実な薄毛対策を求めるなら、フィナステリドやミノキシジルといったAGA治療薬の検討も視野に入れることをおすすめします。また、バランスの良い食事や質の高い睡眠、正しいヘアケアなどの生活習慣の改善は、薄毛対策の基盤となる重要なポイントです。