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更新日:2023年12月22日

ノコギリヤシは薄毛やはげの改善効果がある?効果や副作用を解説!

この記事のまとめ
  • ノコギリヤシはアメリカ原産の植物で、欧州では前立腺肥大症の治療薬として承認されている
  • ノコギリヤシには5αリダクターゼやLTB4の活性を阻害する作用があり、薄毛改善の効果が期待できる
  • 過剰摂取により胃腸障害のリスクがあるが、適量であれば副作用のリスクは低い
  • 消化器疾患や高血圧症を患っている人は、ノコギリヤシの服用に注意

薄毛やはげが気になってきたという方の中には、まずはサプリメントなどで薄毛やはげの改善をしたいという方もいるでしょう。薄毛やはげの改善に役立つサプリメントには、ノコギリヤシがあります。ノコギリヤシは臨床試験もされており、一部地域ではAGAの治療薬としても使われています。本記事では、ノコギリヤシの効果や副作用について詳しくご紹介します。

ノコギリヤシとは

まずは、ノコギリヤシとはどのような植物なのか、解説していきます。

アメリカ原産のヤシ科の植物

ノコギリヤシは、アメリカ南東部が原産地であるヤシ科の植物です。葉には鋭いとげがあり、このとげがノコギリの歯のように見えることから、ノコギリヤシと呼ばれています。海外では、ソウパルメット(Saw Palmetto)や、セレノア・レペンス(Serenoa repens)などという名前で呼ばれています。

ヨーロッパでは前立腺肥大症の治療薬として承認

ノコギリヤシは、胃痛や赤痢、前立腺肥大の治療薬の代用として用いられていました。その後、研究によってβ-シトステロールという、血中のコレステロール値の低下が期待できる成分が含まれていることや、頻尿や排尿時の不快感の改善効果があることが、徐々に判明していきました。

現在では、欧州の一部地域では前立腺肥大症の治療薬として承認されています。

日本では治療薬としては認められていない

ヨーロッパでは前立腺肥大症の治療薬として承認されているノコギリヤシですが、日本では、医薬品として承認されていません。厚生労働省によると、ノコギリヤシはまだ臨床研究において十分な安全性が確立されていないとしています。

また、前立腺肥大に対するノコギリヤシの有効性についての研究は活発に行われている一方で、前立腺肥大以外の症状や病気における研究は、十分に行われていません。このことから、日本では治療薬としてではなくサプリメントとして使用されています。

参考元:厚生労働省eJIM「ノコギリヤシ

ノコギリヤシによるAGAへの効果

前立腺肥大症への効果があるだけでなく、実はノコギリヤシはAGAによる薄毛の改善にも効果があるとされています。ここからは、ノコギリヤシが薄毛の改善にどのように関係しているのかを解説します。

5αリダクターゼの阻害

5αリダクターゼは、男性ホルモンの一種であるテストテロンを、AGAによる薄毛の原因となるジヒドロテストステロンに変換させる酵素です。5αリダクターゼの働きを阻害することができれば、ジヒドロテストステロンの生成を抑制でき、薄毛になるリスクを下げられます。

ノコギリヤシを使用した臨床試験において、ノコギリヤシに一定の薄毛改善効果がある可能性が示唆されています。この臨床試験によると、ノコギリヤシを24カ月間毎日服用した被験者の38%に発毛効果があったと報告しています。

同研究では、AGAの治療薬の1つであるフィナステリドの方が、薄毛改善効果において優れていたと報告しています。フィナステリドと比較すると効果は少ないですが、ノコギリヤシは副作用があまりなく、ノコギリヤシを使用したサプリメントはドラッグストアや通販などでも購入できるため、手軽にAGAによる薄毛の改善を図りたい場合に有用といえるでしょう。

ただし、サプリメントはあくまでも食品として扱われるため、医薬品のように薄毛改善の効果を保証するものではないことは念頭に置きましょう。

5αリダクターゼについて詳しく知りたい方は、「5αリダクターゼとは?AGAとの関わりや抑制する方法について解説」も参考にしてみてください。

参照元: National Library of Repens「Comparitive effectiveness of finasteride vs Serenoa repens in male androgenetic alopecia: a two-year study」 日本泌尿器科学会「男性株尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(p.23)」 厚生労働省「1)健康食品やサプリメントの名称について

毛包の慢性炎症改善

毛包に慢性的な炎症が起こることもAGAの原因の1つとされています。毛包とは、毛根を包んでいる皮膚組織のこと。この毛包の炎症には、LTB4という物質が関与しており、ノコギリヤシにはこのLTB4を抑制する作用があることが臨床試験によって示されています。

参照元:National Library of Repens「Inhibition of inflammatory gene expression in keratinocytes using a composition containing carnitine, thioctic Acid and saw palmetto extract

ノコギリヤシの副作用

ここからは、ノコギリヤシの副作用について解説します。

目安量の範囲であれば副作用が起こる可能性は低い

ノコギリヤシの摂取目安量は、生エキスの場合は1日あたり320mg、乾燥エキスであれば1回あたり400mgの摂取を1日2回までです。この範囲での服用であれば、副作用の出る可能性は低いといわれています。

なお、臨床における実験はすべて生エキスで行われているものです。日本では固形のサプリメントとして販売されているものが多いですが、より有効性と安全性を担保したいという方は、生エキスを入手して服用するのも一つの方法です。

参照元:日本メディカルハーブ協会「Saw Palmetto

過剰摂取で起こり得る副作用

ノコギリヤシの過剰摂取による副作用として報告されているのは、下痢や空腹時摂取による吐き気などの胃腸障害です。

ノコギリヤシの摂取目安量を逸脱し、過剰な量を摂取してしまうと副作用が起こる可能性が高くなります。過剰摂取をしたとしても効果が高まるわけではないので、摂取目安量を守って服用するのが賢明です。

参照元:日本メディカルハーブ協会「Saw Palmetto

ノコギリヤシの服用に注意すべき人

ノコギリヤシは誰でも問題なく服用できるわけではなく、中には服用を注意するべき人がいます。ノコギリヤシを服用する際に注意すべき方は、次のとおりです。

消化器疾患や高血圧症を患っている人

ノコギリヤシの過剰摂取による胃腸障害が報告されていることから、消化器疾患がある方や消化器関係の既往歴がある方は、注意が必要です。ノコギリヤシを服用したい場合は、かかりつけの医師に相談するようにしてください。

また、特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会によると、951名を対象としたソウパルメットエキスの効能についての臨床試験中に、約3%の被験者に高血圧の症状が出たとしています。同資料では高血圧の症状とノコギリヤシの副作用は無関係としているものの、高血圧の治療をしている方も、念のため医師に相談してから服用するとよいでしょう。

参照元:日本メディカルハーブ協会「Saw Palmetto

AGAの治療薬を服用している人

ノコギリヤシには5αリダクターゼを阻害する作用があり、AGAの治療薬であるフィナステリドやデュタステリドにも同じ作用があります。作用が重複することによって、副作用のリスクを高めるかもしれません。

AGA治療薬を服用し、さらにノコギリヤシを摂取しようと検討している方はまず、AGA治療をしている医師へ相談してみましょう。

AGA治療薬については、「AGA治療薬の種類と効果、副作用とは?」を参照してください。

抗血小板薬・抗血凝固薬を服用している人

厚生労働省の報告によると、ノコギリヤシと抗血小板薬や抗血凝固薬は相互作用が起こる可能性があるとしています。そのため、抗血液凝固薬や抗血小板薬との併用には注意が必要です。

抗血小板薬・抗血凝固薬を服用している方は、ノコギリヤシを服用しても良いか、一度医師に確認するのが良いでしょう。

参照元: e-ヘルスねっと「食物と薬の相互作用(健康食品扁)」 福岡県薬剤師会「質疑応答

まとめ

ノコギリヤシは、AGAの原因となる5αリダクターゼの活性を阻害する効果や、LTB4による毛包の炎症を抑える効果が期待されています。副作用が少ないため、薄毛やはげが気になっている方は安全性を確認したうえでノコギリヤシを使ったサプリメントの服用を検討してみても良いでしょう。ただし、ノコギリヤシの有効性は、まだまだ実証途中の段階です。AGAによる薄毛やはげの改善に対して高い効果を期待している方は、AGAクリニックを受診し、専門的な治療を受けることをおすすめします。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)

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