更新日:2026年03月05日
「髪のパサつきが増えてきたけれど、もしかしてケラチン不足?」と悩んでいる人もいるかもしれません。ケラチンは髪の約8〜9割を占める土台であり、不足すると髪の内部を支える柱がなくなるため、髪が乾燥しやすくなります。
本記事では、ケラチン不足が引き起こす髪トラブルと、効果的な補給方法を解説します。ケラチン配合のヘアケア用品を選ぶポイントも紹介するので、ぜひご確認ください。
ケラチンは、髪や爪、肌の表面を構成しているタンパク質の一種です。髪の毛においては、全体の約80%から90%がケラチンによって占められています。ケラチンは髪の内部で柱のような役割を果たしているので、ツヤやコシ、しなやかな弾力を保つために必要な存在といえるでしょう。
ケラチンは、シスチンやグルタミン酸、ロイシンといった18種類以上ものアミノ酸が組み合わさって構成されているのが特徴です。一つひとつのアミノ酸が強く結びつくことで、摩擦や熱といった外部刺激に強い丈夫な髪が形作られます。
タンパク質を摂取することで体内でアミノ酸に分解されるため、健康で美しい髪を維持するためには、日々の食事からタンパク質を意識的に摂取することが大切です。

ケラチンは髪の主成分であり健康な髪の土台となります。ケラチンは熱や摩擦などの外部刺激から髪の内部を保護して、弾力やしなやかさを与える役割を担っています。ケラチンを健やかに保つため、日々の食事で良質なタンパク質や亜鉛などの栄養素をバランス良く摂取しましょう。
ケラチン不足は、見た目のツヤを損なうだけでなく、髪の構造を脆くさせる原因となります。ここでは、ケラチン不足によって生じる3つの髪トラブルをまとめました。
ケラチンを失った髪は、本来保持すべき水分や油分を留めておく力が弱まり、乾燥してパサついているように見えます。ダメージや加齢によってケラチンが減少すると、髪の内部はスカスカの空洞状態になるのです。ケラチンは髪の内部を満たし、強度と弾力を支える柱のような役割を果たしています。
髪の内部構造が不均一になることで、外からの湿気が髪に入り込みやすくなります。スカスカの部分が不規則に水分を吸って膨らむと、髪一本一本に歪みが生じ、うねりや広がりとなって現れます。髪の美しさを保つには、内部の空洞をケラチンで埋め、構造を安定させることが必要です。
髪の芯であるケラチンが不足すると、髪は本来の強度を保てなくなり、ハリやコシが失われてしまいます。髪一本いっぽんが芯から細く弱くなることで、根元から立ち上がる力がなくなり、髪全体がへたってボリュームダウンした印象を与えてしまうのです。
ケラチンは髪の弾力を生み出す源でもあるため、不足すると指どおりが悪くなり、スタイリングをしても形が崩れやすくなります。若々しくふんわりとしたボリュームを維持するためには、外側からのケアだけでなく、栄養バランスを整えて髪の主成分であるケラチンを健やかに保つことが欠かせません。
ケラチンが不足することで髪の強度が低下し、切れ毛や枝毛が増加します。ケラチンが不足して内部結合が弱まると、外部からの摩擦や引っ張りに耐える力が失われ、日常の動作で髪が簡単に裂けたり、切れたりしてしまうのです。
ケラチンが不足した状態では、ブラッシングやドライヤーの熱、紫外線といった日常的な刺激さえも深刻なダメージにつながりやすくなります。髪は一度損傷すると自己修復できないので、流出したケラチンを完全に元に戻すことはできません。
ダメージが蓄積する前に、食事やヘアケアでケラチンを補い、髪の密度を保つ事前の予防と早めのケアが髪を守るための手段となります。
ケラチンを補うには、日々の食事による内側からのサポートと、ヘアケア製品による外側からの直接補修を組み合わせる方法があります。ここでは、ケラチンを効果的に補う方法を見ていきましょう。
ケラチンを体内で生成するためには、原料となる栄養素を日々の食事から意識的に取り入れることが大切です。土台となるのはタンパク質ですが、アミノ酸に分解されケラチンとして再構成されるまでには、亜鉛やビタミンB群といったサポート役の栄養素も欠かせません。
忙しい毎日の中で食事からの摂取が難しかったり、不足を感じたりする場合には、サプリメントを活用して効率良く栄養を補うことも一つの手です。ただし、サプリメントはあくまで補助的な役割に留め、基本的には食事から栄養素を摂取しましょう。内側からのケアを積み重ねることで、ケラチンの密度が高まり、芯から強く美しい髪を維持できます。
ケラチンはタンパク質の一種であるため、生成には良質なタンパク質の摂取が欠かせません。体内でケラチンを合成するには、基本的な素材となる肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を十分に摂取しましょう。タンパク質を豊富に含む主な食品は以下のとおりです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
厚生労働省の「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」によると、19歳以上の成人における1日タンパク質維持必要量は、体重1kgあたり0.66 gと推定されています。タンパク質の吸収を高めるためには、一度に大量に摂るよりも、一日の食事で分散して摂ることが効果的です。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
亜鉛は、ケラチンの合成に欠かせないミネラルです。食事から摂取したタンパク質が体内でアミノ酸に分解されたあと、ケラチンへと再構成される際、亜鉛は酵素の働きを助ける司令塔のような役割を担います。タンパク質を摂取しても亜鉛が不足しているとケラチンは効率良く作られず、髪の成長が滞ったり、細く脆くなったりする原因となり得ます。亜鉛を豊富に含む主な食材は、下記のとおりです。
亜鉛を摂取する際は、レモンやブロッコリーなどのビタミンCを多く含む食材と一緒に食べるのがおすすめです。ビタミンCには、亜鉛の吸収を助ける働きがあるため、より効率的に髪へ栄養を届けられます。
サプリメントで栄養を摂取したい方は、「サプリメントは薄毛改善・AGAに効果がある?選び方や注意点を解説」をご確認ください。
ビタミンB群はタンパク質の代謝を助け、ケラチン生成をサポートする栄養素です。ビタミンB群を多く含む主な食品は以下のとおりです。
ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、体内に蓄積されにくく、定期的な補給が必要です。
ストレスや疲労がたまると、ビタミンB群の消費量が増加する傾向があるので、意識して摂取しましょう。ビタミンについて詳しく知りたい方は、「ビタミンの髪の毛への効果は?薄毛対策で摂取するべき栄養素について解説」をご一読ください。
日々のダメージで失われた髪のツヤや弾力を取り戻すには、ヘアケア製品を使って外側から直接ケラチンを補給するのも手です。ケラチン配合のシャンプーやトリートメントは、髪表面の凹凸や内部の空洞を物理的に埋めるので、使用直後から手触りの向上やツヤといった即効性を実感しやすいでしょう。
トリートメントの効果を引き出すためには、塗布前のひと手間がポイントです。軽くタオルドライをして余分な水分を除くことで、補修成分が髪の毛に浸透しやすくなります。塗布後に温かい蒸しタオルで髪を包み込めば、熱の力でキューティクルが適度に開き、ケラチンが髪の深部まで行きわたるのです。

食事からの栄養摂取やヘアケア製品でケラチンを補給しましょう。内側と外側の両方からケアすることで、より効果的に髪の健康を取り戻せます。即効性はありませんが、長期的な髪の健康には食事の見直しが有効です。
ケラチン配合のヘアケア製品で健康な髪を手に入れるには、成分の浸透力と髪質との相性を見極めることが大切です。ここでは、ヘアケア製品を選ぶ際のポイントを解説します。
髪のダメージを根本から修復し、手触りや弾力を改善したい方は、加水分解ケラチンが配合されたシャンプーやヘアマスクを取り入れるのがおすすめです。加水分解という工程を経てタンパク質の分子が小さくなると、髪表面のわずかな隙間から内部までスムーズに浸透します。
加水分解ケラチン配合のヘアケア製品は、ダメージでスカスカになった髪の芯を内側から補強し、空洞を埋めて密度を高める効果が期待できるでしょう。製品を選ぶ際は、成分表示を確認してみましょう。「加水分解ケラチン(羊毛)」や「加水分解ケラチン(羽毛)」などと記載されていることが一般的です。
自分の髪質や悩みに合わせて最適なケラチン製品を選ぶことは、理想の仕上がりを手に入れるための要素となります。ケラチン製品といっても、配合されているほかの成分や処方によって、使用感は異なるからです。
たとえば、細毛や軟毛でボリュームが出にくい方には、サラッとした軽い質感のケラチン製品がおすすめです。ハリ・コシを与える効果に特化した、軽やかな仕上がりのタイプを選びましょう。
太毛や硬毛で広がりやゴワつきが気になる方は、ケラチンに加えて脂質や保湿成分が豊富に含まれた、しっとりまとまるタイプが適しています。髪の芯をケラチンで埋めつつ表面を柔軟に整えることで、硬い髪の広がりを抑え、しなやかな指どおりへと導いてくれるでしょう。
髪の悩みがセルフケアで改善しない場合は、早めに医師へ相談するのがおすすめです。ケラチンを意識した食事やヘアケアは、髪を美しく保つためには有効です。しかし、丁寧にケアを続けても抜け毛が減らなかったり、地肌の露出が目立ってきたりする場合は単なる栄養不足ではなく、AGA(男性型脱毛症)が原因かもしれません。
AGAは進行性の疾患であり、髪の成長サイクルが乱れている状態です。AGAの場合、外側からケラチンを補ったり、食事を見直したりするだけでは根本的な解決を図れません。
AGAは医学的な根拠に基づいた内服薬や外用薬による治療を行えば、薄毛の進行を抑え、改善できる可能性があるのです。できるだけ早めに病院を受診し、自分の症状に合った適切な治療を受けることが、健やかな髪を守ることにつながります。
ケラチンは、髪の健康を支えるタンパク質の一種です。ケラチン不足は髪のパサつきやボリュームダウン、切れ毛などのトラブルを引き起こす可能性があります。ケラチン補給には、食事からの栄養摂取と適切なヘアケア製品の使用といった内外からのアプローチが効果的です。
食事では良質なタンパク質や亜鉛、ビタミンB群などを意識して摂取すると、体内でのケラチン生成をサポートできます。ヘアケア製品を選ぶ際は、加水分解ケラチンが含まれていることや自分の髪質や悩みに合ったものを選ぶようにするのがポイントです。
ケラチンを補給しても薄毛が改善しない場合はAGAの可能性もあるので、早めに医師に相談しましょう。