更新日:2024年03月06日
ケラチンとは?髪への影響と、不足する原因・補う方法について解説
- ケラチンは、丈夫な髪の毛を維持するために不可欠なタンパク質である
- ケラチンが不足する原因は、偏った食事や髪の毛への刺激
- ケラチンが不足すると、髪の毛が痩せ細りハリツヤがなくなる
- ケラチン不足は、シスチンを含むタンパク質を食事で摂取することで改善できる
- ケラチン不足は、ケラチン配合のシャンプーやトリートメントで外から補うこともできる
髪の毛のダメージが気になっている方の中には、ケラチンという成分を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。ケラチンは、しなやかで丈夫な毛髪を維持するうえで、不可欠なタンパク質です。この記事では、ケラチンとは何か、ケラチン不足を補う方法を紹介します。ヘアケアについて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
ケラチンとは
ケラチンとは、細胞骨格を構成するタンパク質の1つで、特に髪の毛や爪に多く存在します。髪の毛は、約80%がタンパク質で構成されていますが、そのタンパク質のうちおよそ90%がケラチンと言われています。
ケラチンは18種類ものアミノ酸が結合してできており、繊維状で弾力性があるのが特徴です。毛髪の主成分であるケラチンは、しなやかで丈夫な髪の毛を維持するために欠かせないタンパク質といえます。
髪の毛の構造とケラチンの役割
髪の毛の構造は、外側からキューティクル(毛表皮)、コルテックス(毛皮質)、メデュラ(毛髄質)の3層構造になっています。
キューティクルは透明のうろこ状の組織で、1枚あたりはとても薄いですが、数枚が重なり合って毛髪を包み、髪の内部を保護しています。キューティクルが剥がれ落ちると髪の内部の水分が蒸発しやすくなり、髪の毛がパサパサになったり指どおりが悪くなったりします。
コルテックスはケラチンの集合体で、毛髪の85〜90%を占めています。ケラチンが不足するとコルテックスが痩せていき、髪が細くなったり柔らかくなったりします。
メデュラは髪の毛の中心にある芯のようなもので、産毛や細毛には存在しないことが多く、太い毛ほどメデュラが多く存在しています。
毛髪の大部分がケラチンで構成されていることから、ケラチンが髪の毛の質に大きく関係していることが分かるでしょう。
ケラチンが不足することによる髪への影響
毛髪成分の大部分を占めるケラチンですが、不足してしまうと毛髪にさまざまな悪影響があります。ここでは、ケラチンが不足する原因や不足による毛髪の変化について解説します。
ケラチンが不足する原因
毛髪のケラチンが不足する主な原因は、以下の2つです。
- 偏った食事
- 毛髪への熱や摩擦などの刺激
ケラチンは、食事で直接摂取できるものではなく、体内でアミノ酸が合成されて作られる成分です。アミノ酸の元となるタンパク質を食事などからバランス良く摂取することで、ケラチンは生成されます。そのため、偏った食事を続けていると、アミノ酸不足となりケラチンが生成されなくなってしまいます。そのほか、熱や摩擦といった物理的な刺激で、毛髪内のケラチンが流れ出てしまうこともあります。
ケラチン不足による毛髪の変化
ケラチン不足はさまざまなヘアダメージを引き起こします。ケラチン不足によって起こる毛髪の変化は以下のとおりです。
痩せ細る
ケラチンが不足した毛髪は中身がスカスカになり、痩せ細ってしまいます。ケラチン不足で痩せてコシのない毛髪は、繊維がもろくなっているため、ちぎれやすい状態になっています。シャンプーやブラッシングなどの何気ない動作でちぎれてしまい、切れ毛や枝毛の増加につながるでしょう。
ハリツヤがなくなる
ケラチンが流出して不足すると、キューティクルが剥がれやすくなり、ハリやツヤがなくなります。ケラチンが流出する際、一緒に色素も流れ出てしまうため、黒髪の方は茶色っぽい毛髪に、カラーリングをしている人はカラーが落ちやすくなることもあります。
うねる・広がる
ケラチン不足で中身がスカスカになった毛髪は、水分を吸収しやすくなります。水分を吸収した毛髪が膨張することで、うねりや広がりを引き起こします。
ケラチン不足を補う方法
ケラチンの生成を促す栄養素を摂取することで、ケラチン不足を補うことができます。ここではケラチン不足を補う食べ物やサプリメントについて解説します。また、髪の毛に直接ケラチンを届ける方法として、シャンプーなどのヘアケア製品についても紹介します。
食べ物で補う
ケラチンを生成するために欠かせない物質は、アミノ酸です。中でもケラチンを構成するアミノ酸としてはシスチンが最も多いので、シスチンを豊富に含むタンパク質や、ケラチンへの合成を促す栄養素を摂るとケラチン不足を補えます。シスチンを含むタンパク質は、下記の食品から摂取できます。
- 肉類:牛肉、羊肉、豚肉
- 魚類:イワシ、さけ、まぐろ
- 乳製品:牛乳、チーズ
- その他:卵、大豆製品
肉類に関しては、特にレバーがシスチンを含むタンパク質が豊富です。
また、シスチンをケラチンに合成するには、亜鉛が必要です。そのため、亜鉛を含む食品を摂取することも、ケラチン不足を補うことに役立ちます。亜鉛を豊富に含む食品は、以下のとおりです。
- 肉類:牛赤身肉、豚レバー
- 魚介類:牡蠣
- その他:油揚げ、カシューナッツ、小麦胚芽、卵
シスチンを含むタンパク質や亜鉛は、どちらも肉類や魚介類に多く含まれているので、積極的に摂取すると良いでしょう。
亜鉛の髪の毛の関係性については、「亜鉛で髪は伸びる?亜鉛が髪にもたらす効果や亜鉛を多く含む食品を紹介」でも詳しく解説しています。
サプリメントで補う
食事でケラチンを補い切れない場合には、サプリメントで補うのも1つの方法です。ケラチンを含むサプリメントは、ドラッグストアなどで手軽に購入することができます。
なお、ケラチンの生成を助ける栄養素としては、亜鉛のほかにビタミンBなどがあります。より効率良くケラチンを補うために、亜鉛やビタミンBなどをサプリメントで摂取することも心がけましょう。
髪の毛に良いサプリメントについては、「サプリメントは薄毛改善・AGAに効果がある?選び方や注意点を解説」でも詳しく解説しています。
ケラチン不足に有効なシャンプー・トリートメント
食事やサプリメントでケラチンを補っても、すでに伸びている毛髪部分にケラチンを届けることはできません。ケラチンが流れ出てしまったダメージヘアには、下記のような製品を使って、外からケラチンを補う方法が有効です。
シャンプー
毎日使うシャンプーをケラチン配合のものに変えるだけなので、手軽にダメージケアができます。 購入する際は、成分を確認し、ケラチンまたは加水分解ケラチンが配合されたシャンプーを選ぶと良いでしょう。
加水分解ケラチンは、ケラチンのシスチン結合を切断し、加水分解することで得られるペプチド(アミノ酸が2個以上つながっている化合物)です。加水分解ケラチンは、通常のケラチンより分子量が少なく、より髪の内側まで浸透させることができます。通常のケラチンは髪の外側に浸透するため、内側と外側のどちらを補修したいかによって、使うシャンプーを選ぶようにしてください。
トリートメント・ヘアマスク
ケラチンが配合されたトリートメントやヘアマスクも多数発売されています。毎日使うものから、週1回のスペシャルケア用など、さまざま商品があります。大きく分けて、洗い流すタイプと洗い流さないタイプがあるので、継続しやすいものを選ぶと良いでしょう。
ヘアスプレー
髪に吹きかけるタイプのヘアスプレーやヘアミストは、毛髪に直接ケラチンを補いながら、ドライヤーの熱から守ってくれるものもあります。熱や摩擦といった物理的刺激は、ケラチンが損傷する原因の1つです。ドライヤー前にスプレーをかけることで、ケラチンが損傷するのを防ぐことができます。
まとめ
ケラチンはしなやかで丈夫な髪の毛を維持するために不可欠な成分です。髪が痩せ細っている、ハリやツヤがなくなっていると感じる方は、ケラチン不足かもしれません。ケラチン不足による髪の毛のダメージは、シスチンを含むタンパク質を食事から摂取したり、ケラチンをサプリメントで摂取したりすることで、改善が期待できます。ケラチン配合のヘアケア商品を使用することでも、ケラチンを補うことができるので、ぜひ試してみてください。
また、「髪の毛が細くなった」「以前より薄毛が進行している」と感じている場合は、専門の医療機関を受診してみても良いかもしれません。AGAと呼ばれる男性型脱毛症を専門に扱うクリニックで、適切な治療を受けることで、健康な髪の毛を取り戻すことができるでしょう。AGAクリニックは、手軽に受診できるオンライン診療に対応しているところも多いため、そちらの受診を検討してみるのもおすすめです。