更新日:2024年03月13日
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)とは?作用や服用方法などを解説
- バイアグラジェネリック(シルデナフィル)は、バイアグラと効果・効能などは変わらないが価格が安い
- バイアグラジェネリックは、有効成分であるシルデナフィルが、体内の勃起を抑える酵素の働きを阻害し、正常な勃起を補助する
- バイアグラジェネリックは、用法用量を守り正しく服用すれば安全な薬剤である
- バイアグラジェネリックを入手するには医師の処方箋が必要
- バイアグラジェネリックの効果を感じられない場合は、正しい服用方法ができているか見直す
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)はED治療薬の一種で、バイアグラの後発医薬品です。バイアグラとどのような違いがあるのか気になっている人も多いでしょう。
本記事では、バイアグラとの違いや作用機序、服用方法、安全性、副作用について解説していきます。効果が得られない場合の対処方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)とは?
バイアグラは、シルデナフィルという有効成分を含んだED治療薬です。
バイアグラジェネリックはバイアグラと効果・効能・効果時間・副作用に変わりはありませんが、価格が安いことが魅力です。
新薬を開発した製薬会社は、特許の出願により、その新薬を独占的に製造・販売する権利が与えられます。しかし特許期間が過ぎると、ほかの製薬会社も同じ有効成分を使った薬が製造・販売できるようになります。ほかの製薬会社が後発で販売する薬をジェネリック医薬品といいます。
ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使用しており、効き目や安全性は同じです。
なぜジェネリック医薬品(後発品)が安く販売できるかというと、新薬に比べて薬の開発費用が少なくて済むからです。少しでも費用的な負担を減らしたい人はバイアグラジェネリックを選ぶことをおすすめします。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の作用機序
はじめに、勃起の仕組みについて解説します。
男性は性的刺激を受けると、身体の神経や細胞からNO(一酸化窒素)が放出され細胞内のグアニル酸シクラーゼという酵素が活性化し、cGMP(サイクリックグアノシンーリン酸)という物質が生成されます。
cGMPにより陰茎海綿体の平滑筋が弛緩し、海綿体に血液が流入・貯留することで陰茎の勃起が起こります。そして、cGMPがPDE5(5型ホスジエステラーゼ)という酵素によって分解されることで、勃起は終息します。
勃起不全の方は、後天的に体内にあるPDE5が多かったり活性化しやすかったりするため、 勃起してもすぐに萎えてしまいます。
これに対し、バイアグラジェネリックは、有効成分であるシルデナフィルがPDE5の活性を阻害することで、EDへの治療効果を発揮するのです。
また、バイアグラジェネリックは催淫剤ではありません。催淫剤とは、性欲を増進させる作用の薬剤のことです。性欲を増進させる作用はないため注意してください。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の服用方法
バイアグラジェネエリックは、服用するタイミングなどによっては効果が下がる可能性があります。ここでは、バイアグラの服用方法と服用するときの注意点について解説します。
性行為の1時間前に服用する
バイアグラジェネリックは、性行為の1時間前に服用するのが最も効果的です。
服用する際は、水またはぬるま湯で服用するようにしてください。ジュースや脂肪分の多い飲み物と一緒に服用してしまうとシルデナフィルの吸収が阻害され、効果が正しく発揮されないことがあります。
空腹時に服用する
シルデナフィルは胃で溶けて腸で吸収されるため、食事中や食直後に服用すると、成分が十分に吸収されず効果が低下してしまいます。
空腹時であれば、有効成分が吸収されやすくなるため、効果を得られやすいです。もしやむを得ず服用が食後になる場合は、食後2時間以上空けてから服用するようにしてください。
使用は1日1回で投与間隔は24時間以上とする
バイアグラジェネリックを服用する際は、1日1回かつ投与間隔を24時間以上とすることを厳守してください。自己判断でそれ以上の量を飲むと、体に不調を来たすリスクがあります。もし効果が感じられない場合は、自己判断せず医師に相談するようにしましょう。
併用禁忌薬と併用しない
バイアグラジェネリックには、併用禁忌薬があります。厚生労働省によると、バイアグラとの因果関係は不明としているものの、併用禁忌薬を服用していた方がバイアグラを使用したことで、死亡事故が発生したと報告しています。
バイアグラとの併用禁忌薬は、硝酸塩が含まれている薬剤・アミオダロン塩酸塩・可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬があります。
硝酸塩は、狭心症や心筋梗塞などの治療に用いられ、バイアグラと併用してしまうと急激に血圧が低下し、場合によっては心原性ショックを起こし意識を失い命を落とす危険性もあります。
アミオダロン塩酸塩は、不整脈などの治療に用いられる成分です。バイアグラと併用してしまうと心電図上のQT(心臓の収縮から弛緩までの時間)が延長してしまうQT延長症候群を引き起こし、場合によっては突然死の可能性もあります。
可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬は、肺高血圧症状の治療に用いられる薬剤です。バイアグラと併用すると、症候性低血圧を引き起こす可能性があるとされています。
上記の薬を服用している方でバイアグラジェネリックの使用を検討している方は、必ず医師に相談するようにしてください。
バイアグラの併用禁忌薬について詳しく知りたい方は、「バイアグラと飲み合わせてはいけない薬とは?併用禁忌薬を種類別に解説」も参考にしてみてください。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)服用時の過度な飲酒は避ける
バイアグラとアルコール摂取の併用は禁止されていませんが、あくまで適量のアルコールであれば問題はないということです。多量のアルコールを摂取した際は、バイアグラの服用は推奨できません。
なぜなら、多量にアルコールを摂取すると中枢神経の働きを過度に抑制してしまい、勃起の指令がうまく陰茎に伝わらず、勃起が阻害されてしまうためです。
バイアグラはPDE5の働きを阻害することで勃起を促す作用がありますが、そもそも陰茎に対する指令が伝わらなければ、いくらPDE5を阻害しても勃起は起こりません。
多量のアルコールを摂取した際にバイアグラを服用しても、バイアグラの効果が得られない可能性があるのです。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の安全性
バイアグラジェネリックは、厚生労働省の認可を受けて販売されている医薬品で、用法用量を正しく守れば安全な治療薬です。
ただし、併用禁忌薬を服用していたり、罹患している疾患があったりする場合は、体に健康被害をもたらす可能性があります。
自分がバイアグラを使用しても安全かどうかは、医師の診察を受け専門的に判断してもらうことが大切です。
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の副作用
ED治療ガイドラインによると、バイアグラジェネリックを服用すると、頭痛・ほてり・消化不良・鼻閉・めまい・眼症状・背部痛などの症状が現れる場合があります。
これらの症状は、時間が経つと自然に改善します。したがって、これらの症状が出た場合は、一旦性行為を中断し、ゆっくり休むことも大切です。
一方で、日本ではほぼ報告されていませんが、海外の研究では以下の副作用が現れることもあるとしています。もしこれらの症状が出た場合は、かかりつけの医師を受診するようにしてください。
- NAION(肺動脈炎性前部虚血性視神経症)
- 突発性難聴
- 前立腺癌術後のPSA(腫瘍マーカー)の再発
- メラノーマ
- 持続勃起症
バイアグラの副作用について詳しく知りたい方は、「バイアグラの副作用は?治療効果と正しい服用方法を解説」も参考にしてみてください。
参考:日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED治療ガイドライン」
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の入手方法
バイアグラジェネリックは、処方箋医薬品に分類されます。そのため、医師の診断・処方に基づいた使用が義務付けられ、医師が作成する処方箋がなければ販売できないことになっています。
厚生労働省の承認を受けていない海外製のバイアグラジェネリックを個人輸入で入手することもできますが、個人輸入で入手できる薬は偽造薬の可能性があり大変危険です。
厚生労働省の「インターネット販売販売製品の買上調査」では、毎年海外製の商品から医薬品成分が検出されていると報告があり、健康を害する成分が含まれていることもあります。健康被害や重篤な副作用を避けるためにも海外製品の服用は避けてください。
バイアグラの個人輸入については、「バイアグラの個人輸入や輸入代行は違法?安全に入手する方法を詳しく解説」でも詳しく解説しています。
参考:厚生労働省「令和3年度『インターネット販売製品の買上調査』の結果について」
バイアグラジェネリック(シルデナフィル)の効果を感じられないときは?
効果が感じられない場合は、誤った服用方法をしていることが考えられます。効果がないからといって服用をやめてしまうのではなく、まずは下記の服用方法に則って服用できているか、見直してみてください。
- 性行為の1時間前に服用する
- 1日1回の使用を厳守する
- 空腹時の服用を基本とし、食後の場合は間隔を2時間以上空ける
それでも変化がない場合は、自己判断せず医師に相談してください。用量を増やすなど、誤った服用方法をとるのは大変危険ですので、絶対に止めましょう。
まとめ
バイアグラジェネリックは、バイアグラの後発医薬品です。効果・効能・効果時間・副作用はバイアグラと変わりませんが、価格が安いのが特徴です。
また、バイアグラは処方箋医薬品で購入するには医師の処方箋が必要です。個人輸入による海外製のバイアグラをインターネットで購入できますが、偽造薬の可能性が高く、医薬品成分が検出されている報告もあるため、大変危険です。
処方されたバイアグラを服用したけれど、効果が感じられないときは、正しい服用方法ができているか見直してください。それでも効果が感じられない場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会