更新日:2024年03月28日
フィナロイドとは?効果や副作用、フィンペシアなど他の治療薬との違いは?
- フィナロイドはフィナステリドを有効成分とする国内未承認のAGA治療薬
- フィナロイドには、抜け毛を抑制する効果がある
- フィナロイドの副作用は、男性機能の低下や肝機能障害、アレルギー反応など
AGA治療薬には、フィンペシアやプロペシア、ザガーロ、ミノキシジルなどたくさんの種類があります。そのため、どのAGA治療薬を服用すればよいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、AGA治療薬の一つであるフィナロイドについてご紹介します。フィナロイドの有効成分には、プロペシアやフィンペシアと同様のフィナステリドが使用されています。 フィナロイドの効果や副作用、ほかのAGA治療薬との違いなどを詳しく解説するので、AGA治療薬の服用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
※2024年2月現在、レバクリでのフィナロイドの取り扱いはございません。
フィナロイドとは
フィナロイドは、フィナステリドを有効成分とするAGA治療薬です。 フィリピンの製薬会社であるロイドラボラトリーズ社が2016年から販売を開始しました。
フィナロイドは日本では未承認の薬のため、医師から処方してもらうことができないので注意しましょう。
フィナロイドの効果
フィナロイドには、AGAによる抜け毛を抑制する効果があります。
そもそもAGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)が毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれることによって引き起こされる脱毛症です。このDHTは、男性ホルモンの一種であるテストステロンと、5αリダクターゼという酵素の一種が結合することによって生成されます。
フィナロイドの有効成分であるフィナステリドには、5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害する作用があります。そのため、フィナステリドが5αリダクターゼⅡ型の働きを阻害することでDHTの生成を制限し、AGAによる抜け毛を抑制できるのです。
フィナステリドの効果については、「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」でも詳しく解説しています。
フィナロイドの効果が出るまでの期間
フィナロイドをはじめとするAGA治療薬は、効果を実感するまでに3ヶ月〜6ヶ月かかるのが一般的とされています。
AGAによって乱れた毛周期が正常な周期に戻るまでには数ヶ月かかるため、AGA治療薬を飲み始めたからといってすぐに効果が得られるわけではありません。
効果が出るまでには個人差があるので、AGA治療薬はまずは半年~1年間を目安に飲み続けるようにしましょう。
フィナロイドの服用によって初期脱毛が起こることがある
フィナロイドをはじめとするAGA治療薬の服用を開始してから10日〜1ヶ月後に、初期脱毛と呼ばれる症状が起こる場合があります。
初期脱毛は、AGAによって乱れていた毛周期が整う過程で、古い毛が新しい毛に押し出されることで起こると考えられています。薬の服用を継続することで次第に症状は落ち着くため、安心して治療を継続してください。
初期脱毛を気にしてAGA治療薬の服用を途中でやめてしまうと、AGAが再び進行するおそれがあるため、自己判断でやめないようにしましょう。2ヶ月以上脱毛が続く場合や、症状がひどいと感じる場合は、別の疾患が隠れていたり薬が合っていなかったりする可能性があるので医師に相談しましょう。
フィナロイドの副作用
フィナロイドの副作用には以下があります。
男性機能の低下
フィナロイドの副作用として、勃起機能不全(ED)や性欲減退、精液量の減少などの男性機能の低下が起こることがあります。フィナロイドに含まれるフィナステリドには、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する作用があるためです。
性交渉に支障をきたす可能性があるため、妊活中の男性が服用する場合には注意が必要です。
肝機能障害
フィナロイドをはじめとするAGA治療薬を服用することによって、肝機能障害が起こることがあります。これはフィナロイドを代謝する際に、肝臓に負担がかかることが原因とされています。
持病などでもともと肝機能が低下している方は、服用を開始する前に必ず医師に相談するようにしましょう。
また、治療薬の服用を開始してから食欲低下や倦怠感、黄疸などの症状が出た場合、肝機能に影響を及ぼしている可能性があるため、速やかに医師に相談しましょう。
アレルギー反応
服用後に蕁麻疹やかゆみ、赤みなどの症状が現れる場合、フィナロイドの有効成分であるフィナステリドに対して免疫が過剰に反応してしまっている可能性があります。
万が一症状が現れた場合は、服用を中断して医師に相談しましょう。
また、過去にフィナステリドを有効成分とするAGA治療薬を使用した方で、上記のような症状が出たことがある場合も服用は避けたほうがよいでしょう。
フィナロイドの服用方法
フィナロイドは1日1回、1錠を服用するようにしましょう。
服用するタイミングに指定はありませんが、飲み忘れを防ぐために毎日同じタイミングで飲むことがおすすめです。
もし、当日中に飲み忘れたことに気づいたら、その段階ですぐに1錠服用しましょう。翌日以降に前日の飲み忘れたことに気づいた場合、1日に2錠服用してはいけません。1度に2錠以上服用してしまうと、血中濃度が過度に上昇し副作用のリスクが高まるおそれがあるためです。
また、効果を早く実感するために、1日に2錠以上服用することも避けましょう。
フィナロイドを服用する際の注意点
フィナロイドを服用する際には、下記の点に注意しましょう。
女性や子どもは使用しない
フィナロイドの有効成分であるフィナステリドは、女性や20歳未満の子どもに対する安全性が確認できていないため、女性や子どもが使用することはできません。
特に妊娠中や妊娠の可能性がある女性が使用してしまうと、男児の生殖器に異常を起こすおそれがあります。
また、フィナステリドは皮膚から吸収される性質を持つため、女性や子どもが直接触れないよう取り扱いにも注意が必要です。
献血をしない
フィナロイドを服用している間は、献血をすることができません。
フィナロイドに含まれるフィナステリドが、輸血された人の健康に影響を及ぼすおそれがあるためです。前述したように、妊婦の体内にフィナステリドが入ってしまうと男児の生殖器形成に異常が生じる可能性があります。
献血を行う場合は、服用をやめてから1ヶ月は間を開けましょう。
飲み合わせを確認する
フィナロイドは、プロペシアやザガーロなど作用機序が同じか類似した薬との併用ができません。
併用すると薬の作用が重複してしまうことから、副作用が現れやすくなってしまうおそれがあります。
また、フィナロイドをグレープフルーツジュースと一緒に飲むことは避けましょう。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンがフィナロイドの成分の分解を阻害し、血中濃度を高めてしまうことがあります。フィナロイドの血中濃度が高くなると、副作用のリスクが高まってしまうため飲み合わせには注意が必要です。
他のAGA治療薬との違い
フィナロイド以外にも、AGA治療薬にはフィンペシアやプロペシア、ザガーロ、ミノキシジルなどの種類があります。
ここでは、フィナロイドと主なAGA治療薬の違いを解説します。
フィナロイドとフィンペシアの違い
フィナロイドとフィンペシアの違いは、製造販売元です。
フィンペシアは、フィナロイドと同様にフィナステリドを有効成分とするAGA治療薬で、インドの製薬会社であるシプラ社が製造しています。一方、フィナロイドはフィリピンの製薬会社であるロイドラボラトリーズ社が製造しています。どちらも日本では未承認の薬であり、医師に処方してもらうことができないため注意しましょう。
フィナロイドとプロペシアの違い
フィナロイドとプロペシアの違いは、日本国内で承認されているかどうかです。
プロペシアもフィナロイドと同様にフィナステリドが有効成分であるAGA治療薬です。プロペシアは2005年に日本国内で承認されていますが、フィナロイドは2024年1月現在も未承認です。
フィナロイドはプロペシアのジェネリック医薬品の1つではありますが、国内での承認を受けていない以上、正規のジェネリック医薬品としてみなされないため注意しましょう。
ちなみに、プロペシアのジェネリック医薬品として国内で扱われているのは、フィナステリド錠です。この薬は2015年にフィナステリドを含む後発医薬品として、国内で初めて承認されています。
フィナロイドとザガーロの違い
フィナロイドとザガーロの違いは、有効成分です。
サガーロは、フィナロイドと同様に5αリダクターゼの働きを阻害し、抜け毛を抑制する効果があるAGA治療薬です。
フィナロイドには有効成分としてフィナステリドが含まれている一方で、ザガーロにはデュタステリドが含まれています。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドは5αリダクターゼのⅡ型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害する作用を持ちます。
これまではAGAの発症に関わるのは5αリダクターゼII型のみであるとされていましたが、近年の研究により、I型も発症に関与することがわかってきました。そのため、5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害できるザガーロは、Ⅱ型のみを阻害するフィナロイドよりも高い作用が期待できるとされています。
フィナロイドとミノキシジルの違い
フィナロイドとミノキシジルの違いは、効果です。
フィナステリドには脱毛を抑制する効果がある一方で、ミノキシジルには発毛を促進する効果があります。
ミノキシジルは、髪の毛を成長させる毛母細胞を活性化させることで発毛を促す薬であり、フィナロイドとは異なる作用機序であることから併用が可能とされています。フィナロイドで脱毛を抑制しつつミノキシジルで発毛を促進することで、薄毛改善へのより高い効果が期待できるようになります。
AGA治療薬の種類については、「AGA治療薬の種類と効果、副作用とは?」でも詳しく解説しています。
AGA治療薬は医師から処方されたものを使用しよう
フィナロイドは国内未承認の薬のため、医師から処方してもらうことができません。そのため、フィナロイドを手に入れる場合は個人輸入を行う必要があります。しかし、個人輸入は偽物や粗悪品が届くリスクがあるため推奨されていません。偽物や粗悪品を使用すると、期待した効果が得られなかったり、予期せぬ健康被害が起こったりする可能性があります。
また、個人輸入した薬を使用して健康被害が起こっても、医薬品副作用被害救済制度を受けることができません。医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を正しい方法で服用したにもかかわらず入院が必要になるほどの健康被害が生じた場合に、国が救済給付を行う制度です。健康被害が起こると、治療のために本来不要だったはずの治療費や治療期間が必要となってしまう場合があるため注意しましょう。
安全にAGA治療を行うためにも、AGA治療薬は医師から処方されたものを使用するのがおすすめです。
AGA治療薬の個人輸入の危険性について詳しく知りたい方は、「AGA治療薬の個人輸入は危険?AGA治療薬の安心できる入手方法を解説」も参考にしてみてください。
参考: 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
まとめ
フィナロイドはフィナステリドを有効成分とするAGA治療薬です。フィナロイドには、抜け毛を抑制する効果が期待できます。副作用には男性機能の低下や肝機能障害などが挙げられます。副作用はいずれも発症率が低いですが、万が一副作用が出たときのために、服用する前に症状をしっかりと確認しておきましょう。
安心にAGA治療を行うためには、国内で承認されているAGA治療薬を服用するのがおすすめです。フィナロイドは国内未承認の薬のため、医師に処方してもらうことができないので注意しましょう。
AGA治療薬はAGA専門クリニックやオンライン診療で入手することが可能です。
レバクリではオンライン診療サービスを行っています。オンライン診療には、通院に手間がかからない、周囲の人に知られずに通えるといったメリットがあります。AGA治療を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会