更新日:2024年03月28日
AGAが完治した人はいる?AGA治療で後悔しないために行うべきことを解説
- 2024年現在、AGAが完治した人はいない
- AGA治療ではAGAを完治することはできないが、AGAの進行を抑え症状を改善することはできる
- AGAの主な治療方法には薬剤治療や自毛植毛、レーザー治療、育毛メソセラピーがある
- AGA治療の効果が出るまでには6ヶ月ほどかかる
AGAは、成人男性によく見られる進行性の脱毛症です。「AGA治療はどのくらい続けたらいいのか」「AGA治療を行ってAGAは完治するのか」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、AGAが完治した人がいるかどうかついて解説していきます。AGAが進行する理由やAGA治療の効果が出るまでの期間、AGA治療で後悔しないために行うべきことについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
AGAが完治した人はいない
残念ながら、2024年1月現在においてAGAが完治した人はいません。
AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンがTGF-β(脱毛因子)を増やすことで引き起こされる進行性の脱毛症です。
現在の医療では、この男性ホルモンの作用を完全に止める方法はなく、薬を飲み続けることでしか進行を抑制することができません。そのため、AGAは完治させることができないのです。
男性ホルモンと薄毛の関係については、「男性ホルモンが多いとはげる?薄毛になる原因をわかりやすく解説」を参照してください。
AGAが完治せずに進行する理由
AGAが完治しないで進行し続ける理由は、男性ホルモンの作用によって髪の毛の成長期が短くなるからです。
髪の毛にはヘアサイクル(毛周期)と呼ばれる、髪が成長してから抜け落ちるまでの周期があり、その周期は「成長期」「退行期」「休止期」「脱毛期」に分けられます。
男性ホルモンの作用によって増殖したTGF-βには、このうちの成長期を短縮する作用があります。正常な男性の髪の毛は成長期が2~5年ほど続きますが、AGAを発症した場合は数ヶ月〜1年ほどになってしまうため、髪の毛が十分に成長することができず薄毛が進行してしまうのです。
AGAには早期治療が大切
前述した通り、AGAは進行性の脱毛症です。そのため、AGAの症状が見られた場合はできるだけ早く治療を開始することが大切です。
わたしたちの生涯に起こるヘアサイクルの回数には限界があり、その回数は約20~40回とされています。ヘアサイクルの回数が上限に達した毛穴には毛母細胞がなくなってしまうので、AGA治療を行ってもその毛穴から再び髪の毛が生えてくることはありません。
そのため、十分な治療の効果を得るためには、できるだけ早く治療を開始し、ヘアサイクルの上限に達するのを遅らせることが重要になります。
AGAの治療方法
AGAの進行を遅らせる治療法としては、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの治療方法やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
外用薬
頭皮に直接薬剤を塗布する治療方法です。代表的な治療薬としてミノキシジルがあります。ミノキシジルはAGA治療薬として世界で初めて認可された医薬品です。血管を拡張する作用や毛母細胞を刺激する作用があり、発毛・育毛効果が期待できます。(※)
ミノキシジルの効果について詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」も参考にしてみてください。
※参考:KEGGデータベース「一般用医薬品:ミノキシジルローション5%『JG』」
内服薬
内服薬には主にプロペシアやザガーロ、ミノキシジルタブレット(ミノタブ)があります。効果や副作用をまとめた表は以下のとおりです。
薬名 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
プロペシア (フィナステリド) | 脱毛を抑制する | 性機能不全、抑うつ、肝機能障害など |
ザガーロ (デュタステリド) | 脱毛を抑制する | 性機能不全、腹部不快感、抑うつなど |
ミノキシジルタブレット | 発毛を促進する | めまい、息切れなど |
プロペシアやザガーロには、AGAの原因となる5αリダクターゼという酵素を阻害する作用があるため、脱毛を抑制する効果が期待できます。一方ミノキシジルタブレットには、外用薬と同様に発毛を促進する効果があります。外用薬と比較して、内服薬の方が効果が高いと言われています。
薬によって効果が異なることから、症状によっては複数の内服薬を併用するケースもあります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器情報提供ホームページ「プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg」
自毛植毛
自毛植毛は、自分の髪の毛を薄毛が気になる箇所に移植する方法です。発毛組織を含む頭皮ごと移植するため、移植した後も再び髪の毛が生えてきます。ただし、手術によって点状や線状の傷跡が残ったり、術後に痛みやしびれが出たりするおそれがあります。
また、他の治療方法と比較すると、費用が高額になるというデメリットがあります。
レーザー治療
レーザー治療は、低出力のレーザーを毛乳頭に届かせることで、毛母細胞の発達を促進したり発毛を阻害する因子を抑制したりする効果が期待できます。
1回の照射は30分ほどで、1週間に2回〜3回の頻度で治療を受けます。早い人であれば3ヶ月ほどで効果を実感できるでしょう。
レーザー治療には副作用がほとんどありませんが、照射から24時間ほどは赤みや紅斑といった症状が出る場合があります。また、自毛植毛と同様、治療にかかる費用が高額であるため、経済的な部分も含めて治療を受けるか判断するのがおすすめです。
育毛メソセラピー
育毛メソセラピーは、頭皮に有効成分を直接注入する治療方法です。インスリン様成長因子(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ミノキシジルなどの発毛や育毛効果の高い成分を注入します。
副作用が起こるリスクは少ないですが、術後に一時的な頭皮の痛みを感じることがあります。
AGA治療の効果が出るまでの期間
AGA治療の効果を実感するまでにかかる期間は、治療を開始してから約3~6ヶ月とされています。AGA治療は開始してすぐに効果が期待できるものではありません。発毛には毛周期(ヘアサイクル)のタイミングが関わってくるため、最低でも半年~1年間を目安に治療を継続することをおすすめします。
また、AGA治療薬を服用する場合は、効果が出るまでの間に初期脱毛が起こることがあります。初期脱毛とは、治療を開始した初期の段階で、一時的に抜け毛が増える症状を指します。
これはヘアサイクルが正常な状態に戻る過程で新しい髪の毛が古い髪の毛を押し出すことが原因で起こる症状なので、過度に心配する必要はありません。初期脱毛が起こったとしても治療を中断せず、医師と相談しながら継続して治療を行いましょう。
AGA治療で後悔しないために行うべきこと
ここでは、AGA治療において後悔しないために行うべきことについて説明します。
AGA治療の目標やゴールを設定する
1つ目は、AGA治療における目標やゴールを設定することです。
薄毛の進行状況や進行度合いは人それぞれです。自分自身が理想とする髪の毛の状態を明確にすることで、自分に合った治療法を選択しやすくなります。
また、AGAは進行性の脱毛症であるため、効果が出てからも治療を続ける必要があります。治療期間についても自分自身のゴールを設定しておくことで長期的な治療を続けやすくなります。
AGA治療の費用を抑える方法については、「AGAの治療費は医療費控除の対象?費用を抑える方法や相場を解説」を参照してください。
AGA治療薬の服用を自己判断で中断しない
AGA治療薬の服用を中断する際は、医師に相談しましょう。少し効果が出たからといって、自己判断で服薬を中止すると再び薄毛が進行してしまう可能性があります。
また、AGA治療薬はそれぞれ効果が異なるため、髪の毛の状態に合わせて薬を減らすことも可能です。この場合も自己判断で減薬せず、医師へ相談したうえで行いましょう。
AGA治療薬を個人輸入で入手しない
AGA治療薬は、海外の医薬品を輸入できる通販サイト等で販売されているケースがあります。しかし、AGA治療薬を個人輸入で入手することは基本的に推奨されていません。
個人輸入によって海外から入手した薬は、安全性や有効性が保証されていないため、適切な効果が得られなかったり、思いがけない健康被害が起こったりするおそれがあります。万が一海外から入手した薬を自己判断で服用して健康被害が起こったとしても、厚生労働省による医薬品副作用被害救済制度の救済対象にはならないため注意しましょう。
安全に治療を行うためにも、AGA治療薬は医師に処方してもらうことがおすすめです。
参考:厚生労働省「医薬品副作用被害救済制度の概要と制度への協力のお願いについて」
まとめ
AGAを完治させることはできませんが、AGA治療によってAGAの進行を抑えたり薄毛の症状を改善させたりすることは可能です。AGAは進行性の病気のため、薄毛が気になったらすぐに治療を開始することをおすすめします。
AGA治療を行う際には、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。最近薄毛が気になってきたという方は、一度AGA専門のクリニックやオンライン診療で相談してみるのはいかがでしょうか。オンライン診療であれば、通っていることを周囲に知られずに受診できるので、まずは気軽に受診してみたい方におすすめです。
レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを行っています。オンライン診療には、通院に手間がかからない、周囲に通院していることがバレにくいといったメリットがあります。診察料は無料なので、薄毛を改善したいと考えている方はぜひ一度ご相談ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会