更新日:2026年01月16日
「AGAが完治した人はいる?」と思っている方もいるかもしれません。AGAの完治は難しいものの、適切な治療で症状の進行を抑制したり健康的な髪を取り戻したりすることは可能です。この記事では、AGAが完治しにくい理由や治療法、自分でできる対策を詳しく解説します。治療を始める前に知っておくべき副作用や費用、継続性についても触れていますので、後悔のない治療選択のための参考にしてください。
AGAを完治させることは難しいものの、適切な治療を続けることで状態を維持させたり症状を改善させたりすることは可能です。ただし、AGA治療を止めてしまうと元の状態に戻ってしまいます。症状の進行を遅らせるためにもAGA治療を続けることが大切です。
AGA治療薬を使用することで「抜け毛の進行抑制」「健康的な髪の育成」などの効果が期待できます。完治が難しいからといって何もしないと症状は進行してしまうため、AGA治療は続けていくべきだといえるでしょう。
男性ホルモンと薄毛の関係については、「男性ホルモンが多いとはげる?薄毛になる原因をわかりやすく解説」を参照してください。
AGAが完治せず進行し続ける理由は、治療薬なしではDHTの生成を抑えるのが難しいためです。したがって、AGAの原因であるDHTの生成を抑えるために、治療薬を使用し続ける必要があります。
また、AGAによって毛母細胞が死滅した場合、再生するのは難しいとされています。そのため、AGA治療では「いかに早く気づいて進行を食い止め、状態を改善するか」という視点で考えることが必要です。
AGAは進行性の脱毛症です。そのため、AGAの症状が見られた場合はできるだけ早く治療を開始することで、髪の状態を維持・回復させやすくなります。
生涯に起こるヘアサイクルの回数には限界があり、ヘアサイクルの回数が上限に達した毛穴は毛包組織が極度に萎縮するため、AGA治療を行ってもその毛穴から再び髪の毛が生えてくることはありません。
そのため、十分なAGA治療の効果を得るためには、できるだけ早く治療を開始し、ヘアサイクルの上限に達するのを遅らせることが重要になります。
AGAの進行を効果的に食い止めるには、適切な治療法の選択が大切です。ここでは、AGAの進行を食い止める5つの治療方法についてそれぞれ解説します。
AGA治療の代表的な薬剤には、プロペシアやザガーロなどがあります。
プロペシアやザガーロは、5αリダクターゼを阻害する効果がある薬です。5αリダクターゼを阻害することによって、男性ホルモンの一種であるテストステロンがAGAの原因となるジヒドロテストステロンへと変換されるのを抑え、抜け毛を減らす効果が期待できます。
プロペシアやザガーロなどの効果を感じるまでには通常3〜6ヶ月程度かかり、服用を継続することで徐々に頭皮環境が改善されていきます。月々かかる薬の費用の目安は、プロペシアが5,000〜9,000円、ザガーロが7,000〜1万円です。
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)について詳しくは、「プロペシア(フィナステリド)の効果とは?効果が現れるまでの期間や副作用を解説」と「ザガーロ(デュタステリド)の効果と副作用を解説」の記事で解説しています。
ミノキシジルなどのAGA外用薬は頭皮に直接塗布することで、局所的に発毛を促進します。ミノキシジルは血管を拡張する作用や毛母細胞を刺激し、毛髪に必要な栄養を届けやすくすることで発毛を促すのが特徴です。
ミノキシジルは1日2回、朝晩に清潔な頭皮に適量を塗布します。ミノキシジル外用薬の費用は、5,000〜8,000円が相場となっています。
ミノキシジルの効果について詳しく知りたい方は、「ミノキシジルの効果とは?副作用や他のAGA治療薬との違いも解説」も参考にしてみてください。
自毛植毛は、自分の髪の毛を薄毛が気になる箇所に移植する方法です。発毛組織を含む頭皮ごと移植するため、移植したあとも再び髪の毛が生えてきます。そのため、植毛した髪が定着したあとは洗髪やヘアカラー、パーマなども今までどおり行うことが可能です。
ただし、手術によって点状や線状の傷跡が残ったり、術後に痛みやしびれが出たりするおそれがあります。
また、ほかの治療方法と比較すると費用が高額(30〜120万円ほど)であることや、手術後の回復期間が必要なことがデメリットです。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ドナー部位(毛髪を採取する部分)の毛髪量には限りがあるため、すでにAGAが進行している場合は複数回の手術が必要になることも考えられます。
レーザー治療には低出力のレーザーを毛乳頭に届けることで、毛母細胞の発達を促進したり発毛を阻害する因子を抑制したりする効果が期待できます。
1回の照射は30分ほどで、1週間に2〜3回の頻度で治療を受けることが一般的です。早い人であれば3ヶ月ほどで効果を実感できるでしょう。
レーザー治療を受けると、照射から24時間ほどは赤みや紅斑といった症状が出る場合があります。また、治療にかかる費用が1回1万〜2万円ほどと高額であるため、経済的な部分も含めて治療を受けるか判断することをおすすめします。
メソセラピーは、発毛や育毛に効果的な成分を極細の注射針で頭皮に直接注入する治療法です。ガイドラインでは推奨度Cとなっており、有用性が低いとされているため、他の治療が推奨されています。
メソセラピーはインスリン様成長因子(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ミノキシジルなどの発毛効果のある成分を注入します。
有効成分を頭皮に直接注入するため、血流を介した内服薬や頭皮表面から浸透させる外用薬より効率的に成分を届けられます。注入する成分は、症状やAGAの進行状況に応じて異なりますが、主な成分は以下のとおりです。
発毛促進因子(成長因子)
ビタミン
ミネラル
タンパク質
ヒアルロン酸
メソセラピーは月に1〜2回の頻度で行い、6ヶ月〜1年を1クールとするのが一般的です。メソセラピーでは頭皮に細かい注射針を刺す必要がありますが、専用の機器を使用するため痛みは比較的少ないとされています。
メソセラピーの治療費は1回あたり2〜5万円ほどで、継続的な通院が必要となります。
AGA治療にはデメリットもあります。後悔のない選択をするためにも、AGA治療を受ける場合の注意点を事前にチェックしておきましょう。
AGA治療薬を受けることにより、副作用が発生する可能性があります。
プロペシアやザガーロなどの内服薬では、性機能障害や肝機能への影響、稀に抑うつ症状などが見られる場合があるのです。
ザガーロはプロペシアと比較して作用が強力である分、副作用のリスクもやや高い傾向があります。
また、ミノキシジルなどの外用薬では頭皮の炎症やかゆみ、初期脱毛などが生じることがあるようです。なお、AGA治療薬による副作用は、服用を中止することで改善する傾向があります。
副作用のリスクを最小限に抑えるためには、必ず医師の適切な診断と処方を受け、用法容量を守ることが大切です。
AGA治療薬の種類については「AGA治療薬の種類・効果・副作用について、ガイドラインに基づいて解説」の記事を参照してみてください。
AGAは見た目の改善を目的としているため、保険の適用外です。したがって、治療費用の全額が自己負担となります。長期的な治療計画を立てるにあたって、費用負担を考慮する必要があるでしょう。
クリニックによっては定期的なAGA治療薬の購入や通院によって割引が適用されるプランや、複数の治療法をセットにしたコースなどもあります。費用対効果を考慮し、自分の予算と症状に合った治療法を選ぶことが大切です。
また、ジェネリック医薬品を選択することで費用を抑えられる場合もあります。
AGA治療の費用を抑える方法については、「AGAの治療費は医療費控除の対象?費用を抑える方法や相場を解説」を参照してみてください。
前述のとおり、AGA治療の効果は治療を続けている間だけ持続し、中断すると徐々に元の状態に戻ってしまいます。
したがって、AGAの治療方法を検討する際は、以下の点をふまえるようにしましょう。
長期的な費用計画
定期的な通院の可能性
ライフスタイルの変化(転勤など)への対応
副作用と効果のバランス
無理なく続けられる治療計画を医師と相談しながら立てることが、長期的に治療を続けるうえで大切です。オンライン診療であれば、診察からお薬の受け取りまで来院することなく完結するため、長期的に治療を継続しやすいでしょう。
薬物治療と並行して、食事や睡眠といった日常生活を整えるのも良いでしょう。ここでは、自分でできる4つのAGA対策を紹介するので、チェックしてみてください。
ただし、治療薬のように直接的な効果を持つわけではないので、あくまでも補助的な要素と考えましょう。
適切な栄養摂取によって、頭皮環境を整えられる可能性があります。
特に重要な栄養素はタンパク質や亜鉛、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分などです。以下に髪に良い食材とその効果をまとめました。
| 栄養素 | 主な効果 | おすすめ食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分ケラチンの材料になる | 肉・魚・大豆製品・卵 |
| 亜鉛 | 毛髪の成長を促進し、脱毛を防ぐ | 牡蠣・レバー・ナッツ類 |
| ビタミンB群 | 血行促進や代謝を向上させる | レバー・緑黄色野菜・乳製品 |
| ビタミンE | 抗酸化作用で頭皮環境を改善する | ナッツ類・植物油・アボカド |
| 鉄分 | 酸素を毛根に運ぶ | レバー・赤身肉・ほうれん草 |
過度な偏食や極端なダイエットは栄養バランスを崩し、AGAを悪化させる可能性があります。1日3食、タンパク質や亜鉛、ビタミンB群などを含む食材からバランス良く栄養を摂取することを心掛けましょう。髪と亜鉛の関係性については「亜鉛で髪は伸びる?亜鉛が髪にもたらす効果や亜鉛を多く含む食品を紹介」の記事でも解説しています。
睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や再生を促進し、髪の成長にも関わっています。また、慢性的な睡眠不足は脱毛の症状が悪化する要因の一つであるストレスにもつながるため、睡眠を改善することで薄毛の症状改善にもつながるでしょう。質の良い睡眠のために実践できるポイントは、以下のとおりです。
厚生労働省の「良い目覚めは良い眠りから知っているようで知らない睡眠のこと」によると、必要な睡眠時間には個人差があるものの、6時間以上が妥当とされています。睡眠と薄毛の関係については「薄毛は睡眠で治る?睡眠と薄毛の関係を詳しく解説」の記事でも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
参考:厚生労働省「健康日本21アクション支援システム 睡眠」
慢性的なストレスはAGAの進行を加速させる可能性があります。ストレスにより自律神経が乱れ血行不良となると、髪に必要な栄養が行きわたりにくくなってしまうためです。AGA対策として、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。ストレス管理方法には、以下のようなものがあります。
特に有酸素運動は、ストレス低減だけでなく頭皮の血行促進にも役立ちます。ただし、激し過ぎる運動は逆にストレスになる場合もあるため、無理のない範囲で行いましょう。
健康な髪は健康な頭皮から生まれます。まず、シャンプーの方法が重要です。正しいシャンプー法は以下のとおりです。
洗浄力が強過ぎるシャンプーは頭皮の必要な油脂まで奪い、乾燥や炎症を引き起こす原因になります。アミノ酸系シャンプーなど、頭皮に優しい製品を選ぶのがおすすめです。
ヘアスタイリング製品や整髪料の残留も頭皮環境に悪影響を与えることがあるため、使用後は十分に洗い流す習慣をつけましょう。また、頭皮に直接強い紫外線が当たると炎症を引き起こす可能性があるため、外出時は日焼け止めや帽子などで保護することも大切です。
ここでは、AGA治療に関するよくある質問にFAQ形式で回答します。以下で詳しく解説するので、AGA治療に対して分からないことがある場合は、疑問解消のためにお役立てください。
AGAを発症したからといって、すべての髪が失われるわけではありません。適切な治療とケアによって、症状の進行を遅らせたり、改善させたりすることが可能です。
重要なのは、早期発見と早期治療です。薄毛に気づいた初期段階で適切な対策を始めることで、効果的に症状を管理できる可能性が高まります。AGA治療には内服薬や外用薬、自毛植毛などさまざまな治療選択肢があり、これらを組み合わせることで高い効果が期待できます。
AGAは完治というよりコントロールするものと考え、継続的なケアを行うことが大切です。症状に合わせた治療法を専門医と相談しながら選択することで、満足できる髪の状態を維持できる可能性は十分にあるでしょう。
AGA治療を中止すると、徐々に治療前の状態に戻っていきます。特に薬物療法(内服薬・外用薬)の場合、効果は治療を続けている間のみ持続します。
内服薬(フィナステリドやデュタステリドなど)の服用を中止した場合、1年程度で治療前の状態に戻ることが多いです。外用薬も同様に、使用を中止すると効果は徐々に失われていきます。
治療を中止する場合は、医師と相談しながら徐々に薬の使用頻度を減らしていくことで、急激な変化を緩和できることもあります。また、生活習慣の改善や頭皮ケアなどを継続することで、進行のスピードを遅らせることができるかもしれません。
AGA治療薬の効果を維持するためには、継続して服用する必要があります。治療薬がAGAの原因そのものを取り除くわけではなく、症状を抑制している状態だからです。
フィナステリドやデュタステリドなどの5αリダクターゼ阻害薬は、服用している間だけDHTの生成を抑制します。服用を中止すれば、再びDHTが毛根に影響を与えはじめ、薄毛が進行する可能性が高まります。
しかし、ライフステージによっては治療の優先度が変わることもあるでしょう。たとえば、子どもを望む時期には一時的に治療を中断する、あるいはほかの治療法に変更するなどの選択肢も考えられます。
治療の継続や変更については自己判断せず、必ず医師と相談しながらAGAをコントロールするようにしましょう。
AGAの完治は難しいものの、早期に適切な治療を始めることで症状の進行を抑制したり、良好な頭皮状態を維持したりすることは可能です。
AGAの完治が難しいとされる理由は、治療薬なしではDHTの生成を抑えるのが難しいためです。AGAの原因であるDHTの生成を抑えるには、治療薬を使用し続けなければなりません。また、AGAによって毛母細胞が死滅した場合、再生するのは難しいとされています。そのため、AGA治療では「いかに早く気づいて進行を食い止め、状態を改善するか」という視点で考えることが必要です。AGAの治療法には、抜け毛を抑制する内服薬(プロペシア・ザガーロ)や発毛を促す外用薬(ミノキシジル)、自毛植毛などがあります。
ただし、AGA治療には副作用のリスクがあることや保険適用外で全額自己負担となること、治療を中断すると再び症状が進行することを理解しておく必要があります。