更新日:2026年01月29日
シャワー後や枕に残る抜け毛が増えてきて、薄毛の進行に不安を感じている方もいるかもしれません。薄毛の原因として考えられるのは男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。ジヒドロテストステロン(DHT)は男性らしい体の特徴を形成する重要な役割がある一方で、薄毛の原因となり得ます。
本記事では、ジヒドロテストステロン(DHT)が増加する原因や抑制方法などを解説するので、薄毛の進行を食い止めたい方はぜひ参考にしてください
国民生活センターの「AGA治療、植毛」によると、ジヒドロテストステロン(DHT)はテストステロンから変換される男性ホルモンの一種です。ジヒドロテストステロン(DHT)は5αリダクターゼという酵素の働きによって生成されます。
ジヒドロテストステロン(DHT)は男性らしい身体の特徴を形成するうえで欠かせず、筋肉・骨格の維持や体毛・ひげの発達、性機能などに関与しているのが特徴です。
しかし、ジヒドロテストステロン(DHT)は男性型脱毛症(AGA)の主要な原因とされています。頭皮の毛包が敏感な場合は、ジヒドロテストステロン(DHT)が毛根に作用して毛髪の成長サイクルを徐々に短くするのです。
重要なのは、ジヒドロテストステロン(DHT)そのものが悪いわけではなく、毛包のDHT感受性が高い人にとっては薄毛の原因となり得ることです。薄毛には遺伝的な要因が関わっており、親や祖父母に薄毛の人がいる場合はジヒドロテストステロン(DHT)の影響を受けやすい可能性があります。
「テストステロンは薄毛の原因?日常生活でもできる薄毛の改善方法も解説!」では、テストステロンについて詳しく紹介しているので、あわせてご一読ください。
参考:国民生活センター「AGA治療、植毛」
ジヒドロテストステロン(DHT)の過剰な生成は薄毛を加速させる要因の一つです。ジヒドロテストステロン(DHT)が体内で増加する主な原因には、日々の生活習慣と遺伝的な要素の両方が関係しています。
日常の生活習慣はDHTの増加量に影響を与える要素の一つです。特に、日々の食生活において亜鉛が不足するとホルモンバランスが乱れ、ジヒドロテストステロン(DHT)の増加につながります。
また、厚生労働省の「こころもメンテしよう」によると、長期間のストレスや睡眠不足によるストレスは、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を増加させます。コルチゾールが高い状態が続くと、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換が促進されるのです。
参考:厚生労働省「こころもメンテしよう」
ジヒドロテストステロン(DHT)とAGAの関係には、遺伝的要素が存在します。
テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する5αリダクターゼの活性度は、遺伝的に決まるのが基本です。ジヒドロテストステロン(DHT)の活性が高い人は、同じテストステロンレベルの人より多くのジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。
また、毛包が敏感に反応する場合は早期から薄毛が進行しやすい傾向があります。父親や祖父が若くして薄毛になった場合、同様の遺伝子を受け継いでいる可能性があるでしょう。
遺伝的要素は変えられないものの、生活習慣の改善によって遺伝的なリスクがある場合も薄毛の進行を遅らせることは可能です。
AGAと遺伝の関係性については、「AGAと遺伝との関係性を解説!薄毛の原因や対処法も紹介」の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
ジヒドロテストステロン(DHT)の増加を適切にコントロールすることは、薄毛の予防や進行を遅らせるために重要です。ここでは、日常生活で実践できるジヒドロテストステロン(DHT)の抑制法を3つ紹介します。
食事は体内のホルモンバランスに直接影響するため、ジヒドロテストステロン(DHT)の抑制に重要な役割を果たします。
ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑える働きが期待できる栄養素を意識的に摂取しましょう。亜鉛は5αリダクターゼの活性を抑制する効果が期待でき、牡蠣や牛肉、ナッツなどに多く含まれています。また、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は抗炎症作用があり、頭皮環境の改善に役立つでしょう。オメガ3脂肪酸は主にイワシやブリ、サバといった青魚から摂取できます。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
また、ノコギリヤシなどのハーブ類もジヒドロテストステロン(DHT)の抑制効果が期待できる食品です。
バランスの良い食事を心掛け、特定の食品に偏らない栄養摂取が長期的な頭皮の健康につながるでしょう。サプリメントに頼り過ぎず、まずは日々の食事から改善していくことをおすすめします。
良質な睡眠とストレス解消はホルモンバランスを整え、ジヒドロテストステロン(DHT)生成を抑制するために不可欠です。厚生労働省の「知っているようで知らない睡眠のこと」によると、6~8時間程度の睡眠が推奨されています。
睡眠の質を向上させるためには、光・温度・音に配慮した快適な睡眠環境を整えることや、適度な運動習慣を身につけることなどが大切です。深い睡眠をとることで成長ホルモンの分泌が促され、頭皮の健康回復にも寄与します。
また、先述のとおりストレス管理もジヒドロテストステロン(DHT)の抑制に重要です。慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を増やし、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を間接的に促進します。瞑想やヨガ、深呼吸法などのリラクゼーション技術を日常に取り入れることで、ストレスレベルを下げられるでしょう。趣味の時間を確保したり、自然の中で過ごす時間を作ることもジヒドロテストステロン(DHT)の抑制に効果的です。
睡眠とAGAの関係について詳しく知りたい場合は、「薄毛は睡眠で治る?睡眠と薄毛の関係を詳しく解説」の記事もあわせて参考にしてみてください。
参考:厚生労働省の「知っているようで知らない睡眠のこと」
適切な運動は全身の血行を促進し、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
有酸素運動を行うことで全身の血流を改善し、頭皮への栄養供給を促進するからです。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」によると、1日60分、8,000歩以上の歩行が推奨されています。
筋力トレーニングについては、週2〜3日行うことが大切です。全身の筋肉をバランス良く鍛えることを心がけましょう。「筋トレは薄毛の原因になるの?」と気になる方もいるかもしれません。過度な高強度トレーニングは一時的にテストステロンレベルを上昇させる場合があります。ただし、適度な運動であれば全身の健康維持に役立つでしょう。
参考:厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版」
自分でできるセルフケアを続けても十分な改善が見られない場合は、専門家の助けを借りることを検討しましょう。特に、薄毛の進行が早い場合や家族に薄毛の方が多い場合は、早めの対応がおすすめです。
近年では、オンライン診療サービスの普及によりAGAの診断や治療が以前より手軽になっています。オンライン診療なら仕事の休憩時間や退勤後に専門医の診察を受けられるのが特徴です。
オンライン診療の主なメリットとして、通院の手間や時間が省けることやプライバシーが守られること、医師による定期的なフォローアップが容易であることなどが挙げられます。特に「薄毛の悩みは人に知られたくない」と感じる方もいるため、オンライン診療は心理的なハードルが低いといえるでしょう。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、男性型脱毛症(AGA)の主な原因となる男性ホルモンです。ジヒドロテストステロン(DHT)は、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されたものです。ジヒドロテストステロン(DHT)が増加する原因は大きく分けて生活習慣と遺伝的要素があります。特に食生活の乱れやストレス、睡眠不足といった生活習慣がジヒドロテストステロン(DHT)の増加に影響しているのです。
ジヒドロテストステロン(DHT)を抑制するためには、亜鉛やオメガ3脂肪酸を含む栄養バランスの良い食事の摂取や質の高い睡眠の確保とストレス解消、適度な有酸素運動と筋トレを習慣化することが効果的です。これらの対策を継続しても改善が見られない場合は、オンライン診療などの専門的なアプローチを検討する必要があるでしょう。
薄毛の進行に不安を感じている場合は、ジヒドロテストステロンについての正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで薄毛の進行を遅らせたり、場合によっては改善したりすることが可能です。