更新日:2026年06月17日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
フィナステリドを服用中でも妊活ができるのか疑問を持っている方もいるかもしれません。妊活中の場合、フィナステリドの服用は原則禁忌とされています。精液中への成分移行や、割れた錠剤を女性が触ることで男児胎児の生殖器発育に悪影響を及ぼすリスクがあるためです。本記事では、妊活に向けた休薬のタイミングや期間、副作用が妊活に与える影響、そして他のAGA治療薬の扱いについても解説します。
フィナステリドは精液中へ微量移行することが報告されていますが、通常量の服用によって胎児へ悪影響を及ぼすことを示す十分な証拠はありません。
一方で、妊活中に精液所見への影響を懸念して休薬を検討するケースもあります。 レバクリでは、妊活中の方に対しては慎重を期す観点からフィナステリドの処方を行っておりません。
フィナステリドを服用すると成分が血液や精液中に移行します。精液所見への影響が懸念される場合には、医師と相談のうえ数ヶ月の休薬を検討することがあります。
海外の研究では、フィナステリドの服用を中止した後に、精子濃度や精子の運動率が改善したという調査結果もあります。精子の数が多く、活発度が高いと、妊娠につながりやすくなります。
妊活を計画する3ヶ月前には医師に相談のうえ、計画的に休薬を進めることが大切です。
参考:National Library of Medicine「Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters」

フィナステリドを服用することで、稀に副作用が発現することがあります。特に妊活と関連の深い性欲減退やEDなどについて、下記で解説します。
フィナステリドの服用によって、性欲の減退が起こることがあります。性欲が減退することで、性行為に消極的になり、妊活に影響が出る可能性があるのです。プロペシアの添付文書によると、発症頻度は1~5%未満とされています。国内の臨床試験のデータでは、1.1%と報告されています。
フィナステリドによって性欲が減退する原因ははっきりとわかっていませんが、フィナステリドが男性ホルモンに働きかける作用を持つことが原因であると考えられています。この作用によって、性欲の増進に関わるテストステロンの分泌量に影響を与える可能性があるのです。
フィナステリドを服用することで、EDになることもあります。プロペシアの添付文書によると、発症頻度は1%未満とされているため、発症するのは稀であるといえます。
EDを発症すると、十分な勃起が得られなかったり、勃起が維持できなくなったりするため、妊活に影響を与える可能性があるといえるでしょう。
EDの発症原因は、性欲の減退と同様にはっきりとわかっていませんが、フィナステリドの作用によって、勃起を促すのに必要なテストステロンが不足することが原因と考えられています。
フィナステリドの服用によって、精液量が減少することもあります。発症頻度は、EDと同様に1%未満とされており、稀に起こる症状です。
そもそも、自然妊娠を叶えるには、十分な量の精液が射精されることが必要とされています。精液量の減少がみられる場合がありますが、妊孕性への影響については個人差があります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠0.2mg プロペシア錠1mg」
妊活中や妊娠中、授乳中の女性、および未成年の子どもにおけるフィナステリドの服用や接触は厳禁です。
最大のリスクは、妊娠中の女性が成分を取り込むことで、お腹の男児の生殖器に発育異常(奇形)を引き起こす恐れがある点です。また、授乳中の女性は母乳を通じて乳児へ成分が移行するリスクがあり、成長期の子どもが取り込むと正常な発育に悪影響を及ぼす懸念があります。
また、フィナステリドの成分は経口摂取(服用)だけでなく、触るだけで皮膚からも吸収されます。そのため、コーティングされていない割れた錠剤や粉末などに触れるだけでも影響が及ぶ可能性があるため、危険です。
女性や子どもが意図せず薬剤に接触しないよう、保管には細心の注意を払ってください。

妊娠後、授乳婦がフィナステリドを服用したり、接触したりすることも厳禁です。パートナーとも事前に薬の扱いについて話し合っておきましょう。
日本で厚生労働省から認可を受けているAGA治療薬は、フィナステリドのほかにも、デュタステリドやミノキシジルがあります。
フィナステリド以外のAGA治療薬が妊活に及ぼす影響について解説します。
デュタステリドの禁忌対象は、女性(特に妊婦)です。また、妊活を開始する約6ヶ月前からの休薬が推奨されます。
また、デュタステリドは、フィナステリドと同じく薄毛の原因となる5αリダクターゼの働きを阻害する薬です。フィナステリドがII型のみを阻害するのに対し、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害するため、より強力に作用します。
妊活前の休薬期間は半年(6ヶ月)以上が必要とされている理由は、体内から完全に成分が抜けるまでの期間(半減期)が長いためです。
フィナステリドよりもさらに注意が必要です。
男性がミノキシジルの外用薬(塗り薬)を使用する場合、性機能や胎児へ直接悪影響を及ぼすというデータはありません。
ただし、ミノキシジルの内服薬(ミノタブ)は国内未承認薬であり、胎児への影響に関するデータが乏しいため、妊活中の服用は避けましょう。
また、女性(妊婦・授乳婦)側の使用については、外用薬・内服薬ともに禁忌とされています。市販の外用薬(リアップなど)の添付文書にも、妊婦・授乳婦は使用しないことと明記されています。胎児や乳児への安全性が確保されていないため、使用は控えてください。
フィナステリドは妊活中、原則禁忌です。精液への微量移行や、割れた錠剤の経皮吸収により、男性胎児の生殖器発育に悪影響を及ぼすリスクがあります。体内からの成分排出と精子の製造サイクルを考慮し、妊活の3ヶ月前には休薬しましょう。
また、性欲減退やED、精液量減少といった副作用は妊活に直接影響する可能性があります。同様にデュタステリドも妊活6ヶ月前からの休薬が必要です。ミノキシジル外用薬は直接的な悪影響のデータはないものの、パートナーへの付着リスクがあるため医師への相談が推奨されます。
薄毛治療と安全な妊活を両立させるため、妊活中のAGA治療は必ず医師に相談し、パートナーとも話し合いながら適切な計画を立てましょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「5α-還元酵素2型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
ScienceDirect「Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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