更新日:2026年03月13日
「頭皮の乾燥はなぜ起こるのだろうか」と悩んでいる方もいるかもしれません。頭皮の乾燥は、洗浄力の強いシャンプーの使用や熱いお湯での洗髪など、日々のヘアケア習慣が引き起こしている場合があります。
本記事では、頭皮の乾燥を引き起こす4つの原因と、乾燥によるフケやかゆみの症状について解説します。ぬるま湯での洗髪や適切なタオルドライなど、頭皮の乾燥を防ぐための対策も紹介しているので、ぜひご一読ください。
頭皮の乾燥は、日々の習慣が原因となって起こることがあります。たとえば皮脂汚れを落とそうとして頭皮に負担をかけた結果、乾燥トラブルとして現れる場合があるでしょう。
頭皮の乾燥を引き起こす原因として考えられるのは、以下の4つです。
それぞれ解説します。
頭皮の乾燥を引き起こす原因の一つとして、洗浄力の強いシャンプーの使用が挙げられます。多くの市販のシャンプーには、ラウリル硫酸Naなどの刺激が強めの洗浄成分が使われており、泡立ちは良いものの、脱脂力が強いという特徴があります。洗浄力が強すぎる製品は、頭皮に必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまうおそれがあります。
本来、頭皮を覆う皮脂膜は外部の刺激から頭皮を守り、水分蒸発を防ぐバリア機能としての役割があります。洗浄力の強いシャンプーによって皮脂膜が壊されると、頭皮はバリア機能をなくし、慢性的な乾燥状態を引き起こす可能性があります。
たとえ洗浄力が強くなくても、1日に数回シャンプーすると必要な皮脂まで落としてしまい、頭皮の乾燥を引き起こす可能性があります。
また、頭皮にはアクネ菌や表皮ブドウ球菌、カビの一種であるマラセチア菌といった常在菌が存在するといわれており、菌のバランスで病原性のある菌の増殖を抑えています。しかし、短時間に何度も洗浄を繰り返すと、常在菌のバランスが崩れ、頭皮の皮膚疾患やトラブルにつながる可能性があります。
熱いお湯での洗髪も、頭皮の乾燥を招く原因の一つです。40℃を超えるような熱いお湯は、本来残しておくべき皮脂まで落としてしまう可能性があるからです。38℃前後の温度で洗うことで、頭皮への負担を避けて汚れを落とせます。
頭皮や髪を濡れたままにしておくことも、頭皮の乾燥を引き起こす原因になり得ます。
洗髪後にタオルドライなどで水分を拭き取らず、頭皮が湿った状態が続くと、マラセチア菌が増殖する可能性があります。その結果、かゆみや炎症、フケなどの頭皮トラブルを起こす原因になります。トラブルによって頭皮のバリア機能が破壊された結果、頭皮の保水能力が低下し、頭皮の乾燥につながる可能性があるでしょう。
ドライヤーの温風も、使い方によっては頭皮の乾燥を起こす原因になります。特に、短時間で乾かそうとしてドライヤーの吹き出し口を近づけすぎると、頭皮が必要以上に高温にさらされることで過乾燥状態になるおそれがあります。
また、1ヶ所に集中してドライヤーを当て続けることも良くありません。ドライヤーの温風を近づけすぎたり、同じ場所に当て続けたりすると、頭皮や髪の乾燥・ダメージを助長するおそれがあります。
また、十分にタオルドライを行わないと、ドライヤーの使用時間が長くなって頭皮が熱ダメージを受け、乾燥につながりやすいため注意しましょう。
頭皮の乾燥が進行している場合、フケやかゆみ、炎症などの症状として現れる場合があります。症状を確認し頭皮の状態を知ることで、適切なケアにつながるでしょう。
頭皮の乾燥でよくみられるのが、フケの発生です。フケは古くなった頭皮がターンオーバー(肌の新陳代謝)によってはがれ落ちたもので、正常な頭皮にもフケは見られますが、ほとんど目立つことはありません。しかし、何らかの原因によって頭皮の皮脂や常在菌のバランスが悪くなると、ターンオーバーが正常に行われず、通常とは状態の異なるフケとして現れます。
フケには「乾性フケ」と「脂性フケ」の2種類あります。それぞれ対策が異なるため、どちらの特徴に当てはまるのか確認してみましょう。
2種類あるフケの特徴について、以下の表にまとめました。
| フケの種類 | 特徴 | 原因 |
|---|---|---|

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
| 白くパラパラと落ちる 細かい |
| 頭皮の乾燥によりターンオーバーが早まった結果、角質がはがれ落ちる |
| 脂性フケ | 黄色みを帯びて大きくベタつきがある 頭皮に張り付く | 脂漏性皮膚炎 皮脂によりマラセチア菌が繁殖する |
もし白くて細かい粉のようなフケが出ている場合、頭皮の皮脂が過剰に落ち、ターンオーバーのリズムが早まって未熟な角質細胞まで剥がれ落ちていることが考えられます。その場合、頭皮の水分が蒸発してうるおいがなくなっているため、フケを洗い流そうと過度にシャンプーすることは逆効果です。頭皮のうるおいを守り、いたわるケアをしましょう。
健康な頭皮はバリア機能によって守られていますが、乾燥によって角質層に隙間ができると、外部からの刺激に弱くなってしまいます。そうすると、シャンプーの残留成分や空気中のホコリなどが頭皮を刺激し、かゆみを引き起こすと考えられます。
また、フケ自体が刺激となり、頭皮にかゆみを感じてしまうケースも考えられるでしょう。
かゆみで頭皮を強くかきむしってしまうと、小さな傷から雑菌が入り、赤みや腫れをともなう炎症を起こすおそれもあります。炎症が悪化すると、さらにバリア機能が低下してしまい、セルフケアだけでは改善が難しくなる場合も考えられます。
頭皮のかゆみについては、「頭皮のかゆみは何が原因?改善方法やかゆみを放置するリスクを解説」で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
頭皮の乾燥を防ぐためには、できるだけ刺激を与えないケアがおすすめです。日々のセルフケアで実践していきましょう。
頭皮の乾燥を防ぐために大切な方法は以下の4つです。
それぞれについて説明します。
頭皮の乾燥を防ぐために、ぬるま湯かつ洗浄力が優しいシャンプーで洗髪し、頭皮の潤いを奪いすぎないケアがおすすめです。お湯の温度は高すぎると皮脂が過剰に落ちるため、体温より少し高いくらいの38℃前後に設定して洗いましょう。
髪を洗うときには「アミノ酸系」や「ベタイン系」の界面活性剤を主成分としたマイルドなシャンプーがおすすめです。洗浄成分がマイルドなシャンプーを使用することでは、頭皮にある余分な皮脂汚れを落としながらも、必要な潤いを守って洗えます。頭皮が乾燥していると感じたら、脱脂力の強いシャンプーが原因の可能性もあるため、洗浄力が優しいシャンプーに変えてみるのも良いでしょう。
洗髪時は、指の腹を使って洗っていきます。力強くゴシゴシこするのは避け、ダメージをできるだけ抑えましょう。
頭皮の乾燥を防ぐ方法として、タオルドライでドライヤーの時間を短縮することも挙げられます。ドライヤーの熱のダメージを抑えるためには、髪を乾かす前のタオルドライでできるだけ水分を吸い取っておくことが大切です。
吸収性の高い清潔なタオルで髪全体を覆ったら、指の腹で優しく押さえるようにして頭皮の水分から拭き取っていきます。その後、髪の根元から中間、毛先へと移っていきましょう。タオルドライを丁寧に行うと、ドライヤーを当てる時間を短縮でき、熱による頭皮の過乾燥を防ぐことが期待できます。
タオルドライをするとき、ゴシゴシと強く拭くことは頭皮を刺激し摩擦につながるため避けましょう。また、摩擦は濡れた髪にも良くありません。水分を含んだ髪は表面のキューティクルが開いており、傷つきやすいからです。こする力が強いと、抜け毛の原因にもなりかねません。
タオルドライでドライヤーの時間を短くし、頭皮へのダメージを減らしましょう。
頭皮の乾燥を防ぐためには、加湿器で部屋の湿度を調節する方法もおすすめです。頭皮は肌と同じように気温や湿度によって水分が奪われやすいため、環境を整えることで乾燥を防ぎやすくなります。
特に冬の室内では暖房の使用などで湿度が40%を下回ることが多いと考えられます。加湿器で湿度を50〜60%にすることで、空気の乾燥による頭皮のダメージを減らせるでしょう。湿度が上がりすぎることも良くないため、適切な湿度を保てるよう、自動調節機能のある加湿器の使用もおすすめです。
室内の湿度を調節することで、頭皮の乾燥トラブルを防ぎましょう。
頭皮の乾燥トラブルを防ぐには、紫外線を長時間浴びない方法もあります。肌の保湿にかかわるコラーゲンやエラスチンなどの成分が紫外線によって破壊された結果、保水力が低下し乾燥を引き起こすおそれがあるからです。乾燥によって頭皮のバリア機能が弱まり、炎症やかゆみなどのトラブルにつながる場合があります。
また、紫外線で頭皮にある皮脂が酸化し「過酸化脂質」に変化すると、頭皮に刺激を与えて乾燥や炎症を悪化させるなど、さらなる頭皮環境の悪化を引き起こす可能性があります。
そのため、外出時はUVカット効果のある日傘や帽子の使用を心がけましょう。ただし、帽子を長時間着用すると熱や湿気がこもりやすく雑菌が繁殖するおそれがあります。そのため、屋内では帽子をたまに外したり、通気性の良い素材の帽子を使ったりするなどして熱や湿気を逃がすようにしましょう。
頭皮の乾燥そのものが直接的に抜け毛を招くことはありません。しかし、乾燥が引き起こすトラブルが間接的に抜け毛を招くリスクがあります。たとえば、頭皮の乾燥による炎症でかゆみが発生し、頭をかくことで物理的な刺激によって一時的に抜け毛が増えることがあります。
頭皮の乾燥は抜け毛と関連性があるため、悪化すると薄毛が進行するリスクがあります。早めに対策して、健康な頭皮環境を保っていきましょう。
頭皮の乾燥は、洗浄力の強いシャンプーや熱いお湯での洗髪、洗髪後の頭皮の放置、ドライヤーの熱などが原因の可能性があります。乾燥した頭皮は、白くパラパラとした乾性フケやかゆみ、炎症などの症状として現れ、放置すると頭皮のバリア機能の低下を招くおそれがあるため、適切なケアが大切です。
頭皮の乾燥を防ぐには、38℃前後のぬるま湯と洗浄力が優しいアミノ酸系シャンプーを使用したり、丁寧なタオルドライでドライヤーの使用時間を短くしたりする方法があります。また、加湿器で室内湿度を50〜60%に保ったり、外出時は帽子や日傘で頭皮への紫外線を防いだりすることもおすすめです。
頭皮の乾燥を放置すると、抜け毛や薄毛のリスクを高める可能性があるため、適切なケアで健康な頭皮環境を保っていきましょう。