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更新日:2024年02月15日

頭皮が赤いときの治し方は?頭皮が赤くなる8つの原因と治し方を解説

この記事のまとめ
  • 頭皮は青白い状態が健康な状態であり、赤いときはできるだけ早く病院を受診をすることが大切
  • 頭皮が赤い原因は、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾燥性皮膚炎などである
  • 頭皮の赤みの治し方は、ステロイド外用や保湿薬外用、内服加療などが代表的
  • 頭皮の赤みの治し方として、洗髪方法やヘアケア用品、生活習慣の見直しも効果的

頭皮が赤いことに気が付いたときどうすれば良いか、周りに相談しにくく不安かもしれません。頭皮が赤い場合の治し方は原因によりさまざまです。

本記事では、頭皮が赤いときの治し方について、具体的な治療法やセルフケア方法を解説します。

頭皮が赤いときの治し方は?

頭皮の赤みを治すには、できるだけ早く頭皮状態を把握し、原因に応じた治療を行うことが大切です。

ここでは、健康な頭皮はどのような状態か、そして頭皮が赤いと思ったときいつどのような病院で受診するべきかについて解説します。

頭皮の状態を確認する

健康な頭皮は青白く透明感がある状態です。血行が良く頭皮の水分含有量が十分な頭皮は、透明感があり、毛根が透けて見えることで青白い印象になるからです。

一方、皮膚が青白い色から逸脱した状態は、頭皮がダメージを受けている状態です。頭皮が赤い、黄色い、赤黒い場合は頭皮が炎症を起こしている可能性が高いです。

頭皮が気になる場合は自分で頭皮の状態を確認してみましょう。

病院を受診する

頭皮が赤いことが気になる方はできるだけ早く病院を受診しましょう。頭皮が赤いときに受診するべき病院・クリニックは、皮膚科です。

頭皮が赤くなる原因はさまざまです。経過観察で改善する場合もあれば、専門的な治療を必要とする場合もあり、早期に診断をつけることが大切です。

また、頭皮の赤みは早期に治療を行うことで重症化を防ぐことができる可能性があります。専門的な治療が必要な場合は、必要に応じて受診した皮膚科の病院・クリニックから総合病院などを紹介してもらえるはずです。

頭皮が赤くなる8つの原因

頭皮の赤みに対する治療は原因によって異なります。まずは頭皮の赤みの原因をはっきりさせることが大切です。頭皮が赤くなる代表的な8つの原因について以下で深掘りします。

接触性皮膚炎

頭皮が赤くなる1つ目の原因は、接触性皮膚炎です。接触性皮膚炎とは、外からの刺激が肌に触れることによって生じる皮膚の炎症反応のことです。

接触性皮膚炎は、主に刺激やアレルギーから生じます。刺激性のシャンプー、肌に合わない金属のアクセサリー・カラー剤・帽子などが頭皮の接触性皮膚炎の原因となります。

脂漏性皮膚炎

頭皮が赤くなる2つ目の原因は、脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は、頭など皮脂が多いところに発生しやすい皮膚炎です。脂漏性皮膚炎はマラセチアという真菌が原因であると考えられています。

脂漏性皮膚炎を発症すると、頭皮が赤くなったり脂ぎったフケが出たりすることがあります。ストレスや疲れによって症状が悪化することがあり、自らの体調のコントロールも大切です。

脂漏性皮膚炎の治し方については、「脂漏性皮膚炎の治し方は?症状や原因、セルフケアについても解説」を参照してください。

乾燥性皮膚炎

頭皮が赤くなる3つ目の原因は、乾燥性皮膚炎です。乾燥性皮膚炎は皮膚の油分や水分が減ることで皮膚が乾燥し、乾燥した皮膚に刺激が加わることで生じる炎症のことです。

乾燥性皮膚炎では白く乾燥したフケが出たり、炎症によって頭皮が赤くなったりすることがあります。乾燥性皮膚炎を防ぐには皮膚の乾燥を予防することが大切です。

頭皮の乾燥については、「頭皮が乾燥するとどうなる?原因とおすすめのケア方法を解説」を参照してください。

アトピー性皮膚炎

頭皮が赤くなる4つ目の原因は、アトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下し皮膚の炎症を繰り返す疾患です。

アトピー性皮膚炎では頭皮のかゆみや赤みを生じることがあります。アトピー性皮膚炎は繰り返す疾患であり、上手く付き合っていくことが大切です。

頭皮の湿疹については、「頭皮の湿疹の原因は?治療方法と予防方法について紹介」でも詳しく解説しています。

日光皮膚炎

頭皮が赤くなる5つ目の原因は、日光皮膚炎です。日光皮膚炎は太陽の紫外線を浴びることで生じる皮膚の炎症で、いわゆる日焼けです。太陽の光を浴びた後に頭皮が赤くなったり、痛みを生じたりします。重症の場合には水泡形成などを生じることもあります。

日光皮膚炎は紫外線対策をすることで予防することが期待できます。

蕁麻疹

頭皮が赤くなる6つ目の原因は、蕁麻疹です。蕁麻疹は掻痒感を伴った赤い発疹が生じる皮膚疾患です。蕁麻疹は強いかゆみのある発疹で、血管性浮腫という膨疹を伴うことがあります。

頭皮の蕁麻疹は合わないカラー剤、帽子などによって生じる可能性があります。蕁麻疹の原因となっている薬剤や素材を使わないことで予防できます。

膿痂疹

皮膚が赤くなる7つ目の原因は、膿痂疹(のうかしん)です。膿痂疹は黄色ブドウ球菌やレンサ球菌によって引き起こされる皮膚の感染症です。膿痂疹ではかゆみを伴う発疹、場合によっては水泡形成などが生じます。

膿痂疹は怪我、虫刺されなどの皮膚が弱っている場所に生じる可能性がある疾患です。皮膚を清潔に保つことが膿痂疹の予防に繋がります。

悪性腫瘍(血管肉腫)

皮膚が赤くなる8つ目の原因は、悪性腫瘍です。悪性腫瘍はいわゆる「がん」です。頭皮に発生する悪性腫瘍としては血管肉腫が代表的です。ただし、悪性腫瘍は頭皮が赤いときの原因である頻度は決して高くありません。

血管肉腫とは血管の内皮細胞が悪性化することで生じます。血管肉腫は頭皮が赤い原因としては稀ですが、極めて専門的な治療が必要になるため早期の発見がより大切です。

頭皮が赤いときの治療法

頭皮が赤いときは原因や症状に応じて治療が必要になります。ここでは、頭皮が赤いときの代表的な治療法について解説します。

ステロイド外用

頭皮が赤いときの代表的な治療法は、ステロイドの外用です。ステロイドの外用はステロイド軟膏やローションを頭皮の赤い箇所に塗る治療です。ステロイドは、接触性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、乾燥性皮膚炎、そしてアトピー性皮膚炎などの治療で用いられます。

副作用として、皮膚の炎症、皮膚の萎縮などがあります。

保湿薬外用

頭皮が赤いときの2つ目の治療法は保湿薬の外用です。保湿薬の外用は保湿成分のあるクリームやローション、そしてワセリンなどを頭皮の赤い箇所へ塗る治療です。保湿薬は主に乾燥性皮膚炎の治療に用いられます。

保湿薬の副作用として皮膚の発赤や掻痒感を生じることがありますが、頻度は比較的稀です。保湿薬の外用は副作用の頻度が低く、比較的手軽に行うことができる治療法の1つです。

内服加療

頭皮が赤いときの3つ目の治療法は内服加療です。内服加療は薬を飲む治療です。内服する薬剤はステロイド、抗ヒスタミン薬などが代表的です。ステロイドの内服はアトピー性皮膚炎がひどいとき、抗ヒスタミン薬はかゆみが強いときなどに使用する治療です。

内服加療は薬によって副作用が異なります。例えば、ステロイドの内服は肥満や緑内障、糖尿病、骨粗しょう症などの副作用があり、内服期間が長くなる場合には特に注意が必要です。抗ヒスタミン薬の内服はアレルギー、口の渇き、便秘、眠気などの副作用を生じることがあります。

内服する薬によっては専門的なフォローアップが必要になることがあります。内服加療は専門的な病院・クリニックで診察してもらったうえで行うようにしましょう。

抗菌薬

頭皮が赤いときの4つ目の治療法は抗菌薬です。抗菌薬として塗り薬や内服薬を用いる治療です。抗菌薬は脂漏性皮膚炎や膿痂疹に対して使用します。例えば、脂漏性皮膚炎に対しては原因となっている可能性がある真菌に対して抗真菌薬の塗り薬を用いる場合があります。

抗菌薬の副作用としては、内服であればアレルギーなど、そして塗り薬であれば掻痒感などがあります。

免疫抑制剤

頭皮が赤いときの5つ目の治療法は免疫抑制剤です。免疫抑制剤は過剰な免疫反応を抑える治療です。塗り薬、内服、そして点滴などの種類があります。

免疫抑制剤は接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが比較的重症な場合に用います。免疫抑制剤の塗り薬における副作用には皮膚の刺激感などがあります。免疫抑制剤の内服、点滴における副作用は血糖異常、腎機能障害など多岐にわたります。

免疫抑制剤も専門的なフォローアップが必要になる可能性が高い薬剤です。必ず専門的な病院・クリニックで診察してもらったうえで検討しましょう。

手術・放射線療法・抗がん剤

頭皮が赤いときの6つ目の治療法は手術・放射線療法・抗がん剤です。手術・放射線療法・抗がん剤は血管肉腫、つまり頭皮の悪性腫瘍に対して行う治療です。

頭皮の悪性腫瘍は極めて専門的な治療が必要になる可能性が高いです。ただし、悪性腫瘍は頭皮が赤いときの原因である頻度は決して高くないため、頭皮の赤みが気になる際にはまず皮膚科の病院・クリニックを受診し、何が原因なのかしっかりと診察・診断をしてもらうようにしましょう。

頭皮が赤いときのセルフケア方法

頭皮が赤いときの治療はいずれも病院・クリニックで行う専門的な治療です。頭皮の赤みが気になった後、もしくは頭皮が赤くなる前に自分で行うことができるケアもあります。

ここでは、頭皮が赤いときの5つのセルフケア方法について解説します。

洗髪方法を見直す

頭皮が赤いときのセルフケアの1つ目は、洗髪を見直すことです。合わないシャンプーや正しくない洗髪方法は頭皮の赤みの原因になる可能性があるからです。

合わないシャンプーや刺激性の強いシャンプーは接触性皮膚炎の原因になる場合があります。頭皮の赤みやかゆみなどに気が付いた場合は、使用しているシャンプーなどを見直してみましょう。

また、洗髪の仕方も注意が必要です。爪を立てて洗う、シャンプーをしっかり洗い流さない、汚れが落としきれていないといった場合も頭皮の赤みを引き起こす可能性があります。

洗髪をする際は、指の腹で頭皮全体を網羅的に行い、3分以上の時間をかけてしっかりと洗い流しましょう。

ヘアケア用品を見直す

頭皮が赤いときのセルフケアの2つ目は、ヘアケア用品を見直すことです。合わないヘア用品は頭皮の赤みの原因になる可能性があります。

合わない整髪剤、カラー剤、パーマ剤などは接触性皮膚炎の原因になる場合があります。頭皮の赤みや掻痒感がある期間は、整髪剤などの使用を控えるようにしましょう。そして、頭皮の赤みが落ち着いた後も整髪剤やカラー剤を使用しないようにする、もしくは別のものを試してみましょう。

ヘア用品を見直すことで頭皮の赤みを予防できる可能性があります。

紫外線対策をする

頭皮が赤いときのセルフケアの3つ目は、紫外線対策をすることです。紫外線は頭皮の赤みを引き起こす可能性があります。

帽子やスプレータイプの日焼け止めなどを用いることで頭皮の紫外線対策が期待できます。できるだけ日差しが強くない時に外出するようにすることも有効です。

頭皮に紫外線を浴びた場合は、頭皮の保湿、クーリングをすることで炎症を抑えられる可能性があります。

生活習慣を見直す

頭皮が赤いときのセルフケアの4つ目は、生活習慣を見直すことです。食生活の乱れ、睡眠不足などは頭皮の炎症につながる可能性があります。

バランスの良い食事、十分な睡眠は頭皮のターンオーバー(皮膚細胞の入れ替わり)を促進し、頭皮が炎症を起こしにくい状態を維持することにつながります。食生活や睡眠を見直すことで頭皮の赤みの予防が期待できるでしょう。

ストレスを軽減する

頭皮が赤いときのセルフケアの5つ目は、ストレスを軽減することです。ストレスは自律神経やホルモンのバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こす可能性があります。また、ストレスがたまっていると頭皮を無意識にかきむしってしまう場合があります。

精神的、肉体的ストレスをできるだけ軽減することで頭皮を健康に保つように意識しましょう。

まとめ

頭皮の赤みを引き起こす原因はさまざまです。頭皮が赤いことに気が付いた時にはまず皮膚科の病院・クリニックで受診するようにしましょう。頭皮の赤みを引き起こす代表的な原因として接触性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、乾燥性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、日光皮膚炎、蕁麻疹、膿痂疹、そして悪性腫瘍があります。

頭皮の赤みの治療は原因によります。代表的な治療として、ステロイド外用や保湿薬外用、内服加療、抗菌薬、免疫抑制剤、そして悪性腫瘍の場合には手術・放射線療法・化学療法などがあります。頭皮の赤みに対するセルフケアは、洗髪方法を見直す、ヘア用品を見直す、紫外線対策をする、生活習慣を見直す、ストレスを軽減する、そして病院を受診することです。

繰り返しになりますが、頭皮が赤いことに気が付いたときにはできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会