更新日:2026年02月12日
「薄毛治療をしたいものの、プロペシアの副作用が心配」と悩む方もいるかもしれません。プロペシアはAGAの進行を抑える治療薬で、安心して服用するためには正しい知識を身につけておく必要があります。
本記事では、プロペシアの効果や実感するまでの期間、副作用について解説します。プロペシアを服用するときの注意点や費用を抑えるための方法も紹介しているので、AGA治療を検討している方は参考にしてみてください。
プロペシアとは、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑えるために用いられる内服薬で、アメリカのメルク社によって開発されました。日本では2005年に承認され、先発医薬品のAGA治療薬として医療機関で処方されています。
プロペシアの有効成分は「フィナステリド」です。男性ホルモンの一種で、抜け毛の原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える働きがあります。ジェネリック医薬品は「フィナステリド錠」の名称で販売されており、プロペシアと同じ有効成分のフィナステリドを含んでいます。
プロペシアについて詳しくは「プロペシアの効果とは?効き目が出るまでの期間や副作用を解説」も参考にしてみてください。
ここでは、プロペシアの効果と実感できるまでの期間を解説します。AGA治療のために服用を検討している方は、プロペシアにどのような作用機序があり、いつごろから効果を実感できるようになるのかを知るための参考としてご覧ください。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドの役割は、AGAによって乱れたヘアサイクルを正常に戻すことです。AGAが進行すると、DHTが毛根に作用して髪の成長を阻害するため、毛髪の成長期が短くなり、髪の毛が十分に育つ前に抜け落ちてしまいます。
プロペシアはDHTの生成を抑制することで、乱れたヘアサイクルを徐々に改善していきます。その結果、短くなっていた髪の成長期が正常化し、太くて長い髪の毛が育つのです。
なお、AGA治療は継続することが前提であり、プロペシアの効果を維持するためには服用を続ける必要があると知っておきましょう。
フィナステリドについては「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」も参考にしてみてください。
プロペシアの効果は服用開始後すぐに現れるわけではなく、ある程度の時間をかけて徐々に実感できるようになります。一般的に効果を実感できる目安とされているのは、プロペシアの服用開始後3~6ヶ月です。
ただし、効果を実感できるまでの期間には個人差があるため、服用を始めてから1~2ヶ月で効果を実感する人もいれば、6ヶ月以上かかる人もいます。
プロペシアの効果が出るまでには時間がかかるため、短期間で効果がないからといって自己判断で服用を中止するのではなく、6ヶ月間は継続して飲み続けましょう。
また、一度効果が出始めても、服用を中止すると徐々に元の状態に戻っていくため、プロペシアの効果を維持したい場合は継続的な服用が必要です。
プロペシアはAGA治療薬として効果が認められている一方で、「性機能障がい」「肝機能障がい」「抑うつ症状」などの副作用が起こるリスクもあります。正しい知識を身につけて安全に服用するためにも、プロペシアの副作用やリスクについて理解を深めることが重要です。
プロペシアの副作用の一つに、性機能障がいがあります。KEGG MEDICUSの「医療用医薬品 : プロペシア」によると、性機能障がいに関連する副作用として、以下の症状を挙げています。
副作用の発生頻度は低いとされていますが、妊活中の場合は医師に相談し、パートナーと情報を共有したうえでプロペシアの服用を検討しましょう。なお、性機能障がいの副作用が症状が出た際は、服用の継続や中止を自己判断するのではなく、速やかに医師へ相談することが大切です。
参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
KEGG MEDICUSの「医療用医薬品 : プロペシア」では、プロペシア服用後の副作用で肝機能障がいが起こる場合があるとしています。これは、プロペシアの有効成分であるフィナステリドが代謝される過程で、肝臓に負担がかかるためです。
肝機能障がいの副作用が起こるのはまれなものの、肝臓に疾患がある方や既往歴のある方、日常的にアルコールを多量摂取する方は、肝機能への影響が出やすくなる可能性があるため注意が必要です。
肝機能障がいの症状には、倦怠感や食欲不振、黄疸などが挙げられます。プロペシアの服用後、万が一このような症状が現れた場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」
KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」によると、プロペシアの服用後に抑うつ症状が現れる可能性があるとしています。
抑うつ症状の副作用が発生する頻度はまれなものの、うつ病や不安障がいなどの精神疾患の既往がある方にとっては見過ごせないリスクです。プロペシアの服用を検討する際は、過去の精神疾患について医師に伝えておきましょう。
精神的な変調は、自身で気づきにくい場合もあります。家族や友人など、周囲にも協力を仰ぎ、日ごろから体調の変化に注意を払うことが重要です。もし、気分の落ち込みが続いたり、不安感が強くなったりした場合は、「気のせい」と済ませずに医師へ相談しましょう。
参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : プロペシア」
ポストフィナステリド症候群(PFS)とは、プロペシアの服用を中止した後も、性機能障がいや抑うつ症状などの副作用が持続する状態を指します。
ポストフィナステリド症候群については、発症メカニズムや発生頻度が明確になっていませんが、プロペシアを使用する際には知っておくべきリスクの一つです。ポストフィナステリド症候群による症状は、プロペシアの服用中止後も数ヶ月から数年にわたって持続することがあります。
プロペシアの服用を検討している方は、ポストフィナステリド症候群のリスクを理解したうえで、自身の状況に合わせて判断することが大切です。不安がある場合は医師に相談し、アドバイスを受けながら服用を検討することをおすすめします。
プロペシアは男性型脱毛症の治療に効果的な薬ですが、正しく安全に使用するためにはいくつかの注意点があります。ここでは、プロペシアを服用するときの注意点を解説するので、適切な服用方法を知り、リスクを最小限に抑えるための知識を身につけましょう。
プロペシアを服用する際は、1日1回1錠の用量を守りましょう。服用のタイミングは、毎日同じ時間帯に飲むことが理想的です。プロペシアは食事の有無に関わらず服用できるため、忘れにくい時間帯を選ぶと良いでしょう。たとえば、朝食の後や就寝前のルーティンの一部にするなど、生活習慣に組み込むことで飲み忘れを防げます。
なお、自己判断でプロペシアの服用量を増やしても、効果が増えるわけではありません。副作用のリスクを高める可能性もあるため、決められた用量をきちんと守って服用することが重要です。
プロペシアを飲み忘れてしまった場合は、次の服用時間まで待ってから服用します。このときに、飲み忘れたからといってプロペシアを2回分服用すると、血中濃度が上昇するリスクがあるので避けましょう。
プロペシアは、男性のAGAのために開発された医薬品です。PMDAの「医療用医薬品 詳細表示プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」では、プロペシアの使用は男性限定のため、女性と子どもは服用できないとしています。
特に、妊娠中や妊娠の可能性がある女性がプロペシアを服用したり、割れた錠剤に触れて皮膚からフィナステリドの成分が吸収されたりすると、男性胎児の生殖器に影響を及ぼす危険性があるため注意が必要です。
女性や子どもと同居している方は、誤ってプロペシアに触れることがないよう、保管場所には十分配慮しましょう。
参考:PMDA「医療用医薬品 詳細表示プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」
プロペシアを服用している、または服用を中止して間もない方は、服用中および服用中止後1ヶ月間は献血を控える必要があります。これは血液を介して、妊娠中や妊娠の可能性がある女性の体内にフィナステリドの成分が入るリスクを避けるためです。前述したように、プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、男性胎児の生殖器に影響を及ぼす危険性があるとされています。
フィナステリドは血中に一定期間残存するため、服用中止後もすぐには体外に完全に排出されません。献血を定期的に行っている方がプロペシアの服用を検討する際は、献血のスケジュールも考慮して計画を立てることが大切です。献血のためにプロペシアの服用を中止したい場合、自己判断ではなく医師に相談して指示に従いましょう。
プロペシアの有効成分フィナステリドは、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられるPSAの値を低下させる作用があります。そのため、プロペシアを服用中の方が前立腺がんの検査を受けると、PSAの値が低く出てしまい、がんの進行や早期発見を見逃す原因になりかねません。
事前にプロペシア服用の申告があれば、医師は服用の情報を踏まえて、測定されたPSA値を2倍して評価するなどの方法を用いることができます。がんの進行や早期発見を見逃すリスクを避けるためにも、前立腺がん検査を受ける際は医師にプロペシアの服用について申告しておきましょう。
プロペシアはAGA治療薬として効果があるものの、すべての人に適しているわけではありません。効果や副作用、生活環境によっては服用の中止を検討した方が良いケースがあります。
ここでは、プロペシアの服用中止を検討すべきケースを紹介するので、参考にしてみてください。
プロペシアの服用を6ヶ月以上継続しても、抜け毛の減少や薄毛の改善といった効果がほとんど見られない場合は、治療方針の見直しを検討すべき一つのタイミングといえます。
プロペシアはヘアサイクルを正常化させる作用があるため、一般的に効果を実感するまでに3〜6ヶ月程度の期間が必要とされています。そのため、目安とされている期間を過ぎても変化が見られない場合は、治療薬の変更やミノキシジル外用薬との併用など、プロペシア以外の治療法を検討するのも選択肢の一つです。
AGA治療にかかる費用を重視する方にとって、効果が見られない治療の継続は負担となります。プロペシアを服用しているのに効果が見られないときは、自己判断で中止するのではなく、まずは医師に相談しましょう。
プロペシアの副作用が原因で、仕事やプライベートなどの日常生活に支障をきたしている場合は、服用の中止を検討すべきケースといえるでしょう。性機能障がいや抑うつ症状といった副作用は、精神的・肉体的な負担となり得ます。副作用の症状の程度には個人差があり、人によってはまれに強く現れることもあります。
副作用が原因で支障をきたしていると悩むときは、AGAの治療を優先するよりも、自身の健康と生活を優先することが大切です。プロペシアの服用を中止した後も、副作用が持続する「ポストフィナステリド症候群」が見られるケースもあるため、支障を感じている場合は早めに医師へ相談しましょう。
プロペシアを服用中にほかの薬も併用している場合、薬の相互作用によって効果が弱まったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。薬の併用によって相互作用が懸念される場合は、プロペシアの服用中止を検討する必要があるでしょう。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、肝臓に存在する酵素(CYP3A4)で代謝されます。そのため、CYP3A4を阻害する作用を持つ薬剤との併用には注意が必要です。たとえば、イトラコナゾールやケトコナゾール、リトナビルのような薬剤との相互作用には注意しましょう。
ほかに服用している薬がある場合は、医師に相談することが大切です。市販薬やサプリメントも含め、すべての服用薬を正確に伝えることで、適切なアドバイスを受けられます。
プロペシアによるAGA治療は効果が期待できる一方、長期間服用を継続する必要があるため、費用面での負担が大きくなります。しかし、適切な方法を選べば、治療費を抑えながら治療を続けることが可能です。ここでは、プロペシア治療の費用を抑えるための方法を紹介します。
プロペシアの治療費を抑える方法の一つは、ジェネリック医薬品を選択することです。プロペシアのジェネリックは「フィナステリド錠」と呼ばれ、先発薬であるプロペシアと同じ有効成分を含みながらも、価格が安く設定されています。以下の表では、プロペシアとフィナステリド錠の価格と年間にかかる費用の目安をまとめました。
| 種類 | ひと月あたりの費用 | 年間費用 |
|---|---|---|
| プロペシア | 5,600~1万円 | 6万7,200~12万円 |
| フィナステリド錠 | 2,800~5,000円 | 3万3,600~6万円 |
ジェネリック医薬品の価格が安価なのは、先発薬の特許期間が終了した後で、開発にかかった研究開発費をかけずに製造できるためです。AGA治療の費用をなるべく抑えたい方にとって、ジェネリック医薬品は費用を削減できる賢明な選択肢となります。
ただし、ジェネリック品の価格や錠剤の形状、添加物はメーカーによって異なる場合があるので、医師に相談のうえ、自身に合った治療薬を選びましょう。
AGA治療の費用は薬代だけでなく、通院にかかる時間や交通費といったコストも積み重なります。このようなコストを削減するために、オンライン診療の活用が有効です。
オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けることができ、処方された薬は自宅に配送されます。空いた時間を活用して通院せずに診察を受けられるのは、オンライン診療ならではのメリットです。
クリニックによっては、初診料や診察料を無料とする場合があります。定期配送プランを提供するクリニックを利用すれば、3ヶ月分や半年分をまとめて処方してもらえるので、治療にかかる費用を抑えられるでしょう。
オンライン診療サービスを利用する際は、配送料やキャンセル規定など、トータルコストを比較検討し、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
ここでは、プロペシアに関する疑問に対し、Q&A形式で回答していきます。プロペシアの服用を検討している方は、参考としてご覧ください。
プロペシアを通販で購入することについては、安全性の観点からおすすめできません。個人輸入や通販で購入した場合、偽薬や品質・安全基準を満たしていない粗悪品であるリスクが高く、予期せぬ副作用や健康被害につながる危険性があります。
また、個人輸入薬による健康被害は、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外です。もし通販で購入したプロペシアの副作用によって健康被害が生じた場合、治療費や入院費用は自己負担となります。安全かつ確実にAGA治療を行うためにも、医師の診断のもとプロペシアを処方してもらいましょう。
プロペシアの服用を中止すると、治療によって抑えられていたAGAの進行が再び始まります。プロペシアは、抜け毛の原因となるDHTの生成を抑制する薬であり、その効果は服用中のみ持続します。そのため、服用を中止すると体内のDHT濃度が元に戻り、乱れていたヘアサイクルが再び短縮され始めるのです。
プロペシアの効果を実感したからといって自己判断で服用を中止するのは、治療効果を失うことにつながります。AGA治療は長期戦であることを理解し、副作用などで服用中止を検討する際は、医師に相談して今後の治療方針について話し合うことが重要です。
プロペシアとミノキシジルはAGA治療に使われる医薬品ですが、作用機序や使用法、効果の現れ方に違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に適した治療法を選ぶ参考になるでしょう。
プロペシアは抜け毛の進行を抑える役割を担うのに対し、ミノキシジルは発毛を促進する役割を担います。プロペシアは内服薬ですが、ミノキシジルは副作用が全身に作用するリスクが高いので、治療に用いられるのは一般的に外用薬です。
プロペシアとミノキシジル外用薬は併用可能で、抜け毛予防と発毛促進の両面からアプローチできます。脱毛のパターンや進行度、予算などを考慮して、医師と相談しながら治療法を決めましょう。
ミノキシジルについては「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」も参考にしてみてください。
プロペシアの有効成分フィナステリドは、抜け毛の原因となるDHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを正常化させる効果があります。個人差はあるものの、効果の実感には3~6ヶ月程度かかるのが一般的です。
一方で、性機能障がいや肝機能障がい、抑うつ症状などの副作用についても理解しておきましょう。また、女性や子どものプロペシア服用は禁忌で、誤って触れることのないよう、取り扱いには細心の注意が必要です。
プロペシアを服用するかどうかの判断は、ライフスタイルや経済状況、副作用のリスクを総合的に考慮し、医師と相談しながら行いましょう。AGA治療の期間は長期にわたるため、正しい知識を身につけて、自身に合った治療法で継続することが納得のいく選択につながります。