更新日:2026年07月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
産後に抜け毛が急に増えて、不安に感じている方もいるかもしれません。産後の抜け毛の多くは女性ホルモンの減少による一過性のもので、産後1年までに自然に落ち着くケースが多いとされています。バランスのよい食事や睡眠、適切なヘアケアを心がけることで髪の回復をサポートできます。なお、1年以上抜け毛が続いたり、部分的に髪がまとめて抜けたりする場合は、産後脱毛以外の原因も考えられるため、医療機関への受診を検討しましょう。
産後の脱毛は、多くの女性が経験する自然な変化です。産後の脱毛の最大の原因は、出産後に女性ホルモンが急激に減少することにあります。それに加えて、育児によるストレスや睡眠不足、栄養不足なども影響するでしょう。ここでは、産後脱毛が起こる主な原因を詳しく解説します。
産後脱毛の主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンには髪の成長期を延ばし、髪を抜けにくくする働きがあります。
妊娠中はエストロゲンの分泌が増えるため、本来抜けるはずだった髪が抜けずに留まり、髪の量が保たれやすくなります。ところが出産後はエストロゲンが急激に減るため、留まっていた髪が一気に抜け落ちてしまいます。これが、「産後に抜け毛が増えた」と感じる主な理由です。
育児に伴うストレスや睡眠不足も、抜け毛に関わります。産後の体が回復する途中で慣れない育児が重なると、心身ともに負担がかかりやすいでしょう。強いストレスや睡眠不足は自律神経やホルモンのバランスを乱し、頭皮の血行を妨げることがあります。頭皮に栄養が届きにくくなると、髪の成長にも影響する可能性があるでしょう。
栄養不足や頭皮環境の乱れも、抜け毛の一因になります。産後は授乳や育児で慌ただしく、自分の食事が後回しになりがちでしょう。 その結果、髪の材料となるタンパク質や、その合成を助ける亜鉛、ビタミンなどが不足すると、髪が育ちにくくなることがあります。また、忙しさからヘアケアが行き届かず、頭皮に汚れが溜まることも、頭皮環境を乱す要因になります。
産後の抜け毛は、早い人で産後2〜3ヶ月ごろから始まり、産後4〜6ヶ月ごろにピークを迎えることが多いとされています。その後、多くは産後6ヶ月〜1年ごろにヘアサイクルが整い、抜け毛は自然に落ち着いていきます。
これは、女性ホルモンの分泌が妊娠前の状態に戻り、髪の生え変わる周期が本来のリズムを取り戻すためです。
産後の抜け毛は一過性の現象であることがほとんどです。ただし、回復のペースには個人差があります。1年を過ぎても抜け毛が続く場合や、生え際・分け目の地肌が目立つ状態が改善しない場合は、ほかの原因も考えられるため、医療機関への受診も検討してみてください。
産後脱毛とよく混同されるものに、FPHL(女性型脱毛症)があります。産後脱毛は一過性で自然に回復するのに対し、FPHLは少しずつ進行していくのが特徴です。
産後脱毛は、出産という明確なきっかけがあり、6ヶ月から1年ほどで落ち着いていきます。一方でFPHLは、加齢や女性ホルモンの変化などを背景に、髪全体が徐々に細く・薄くなっていきます。見分けが難しい場合や、産後1年以上経っても抜け毛・薄毛が続く場合は、自己判断せず医療機関で相談すると安心です。
産後の抜け毛は自然に回復することが多いものの、髪と頭皮の健康を支えるセルフケアを取り入れることで、回復をサポートできます。ここでは、無理なく続けられるセルフケアの方法を紹介します。
髪の健康を支えるためには、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。髪の主成分はタンパク質のため、肉や魚、卵、大豆製品などを取り入れるとよいでしょう。あわせて、タンパク質の合成を助ける亜鉛や、代謝に関わるビタミン類もバランスよく摂りたい栄養素です。
産後で調理が大変なときは、宅配サービスやミールキットなどを活用し、手軽に栄養を補う工夫をするのも良いでしょう。
参考:厚生労働省「食事バランスガイド」
髪の成長に関わる成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。産後はこま切れの睡眠になりやすいですが、できる範囲で体を休めることが大切です。
赤ちゃんが眠っている間は家事を後回しにして、一緒に休むのも一つの方法です。また、短い時間でもベッドや布団に横たわるようにすると、少しでも体を休めることができます。完璧を目指さず、まずは自分の体をいたわることを優先しましょう。
ストレスをためこまないことも、頭皮の健康につながります。育児の不安や悩みは一人で抱えこまず、家族や友人、自治体の子育て支援窓口などに相談しましょう。
自治体の産後ケアサービスを活用して、看護師や助産師に育児の相談をしたり、少しの時間育児から離れて心身を休める時間を作ったりするのも一つの方法です。短い時間でも自分がリラックスできる時間を持つことが、心身の回復を助けるでしょう。
頭皮を清潔に保ちつつ、やさしくケアすることも大切です。皮脂や汚れが毛穴に詰まると頭皮環境が乱れるため、よく泡立てたシャンプーで指の腹を使い、やさしく洗うことを心がけましょう。
爪を立ててこすったり、洗浄力の強すぎるシャンプーを使ったりすると過剰な刺激によって頭皮トラブルの元となってしまいます。洗髪後はドライヤーで早めに乾かし、頭皮を清潔で健やかな状態に保ちましょう。
抜け毛が落ち着くまでの間は、髪型やスタイリングで気になる部分をカバーするのも一つの方法です。生え際に短い毛が増えると、分け目やフェイスラインが気になることがあります。
分け目を変える、トップにボリュームを出す、前髪でカバーするなど、無理のない範囲で工夫してみましょう。気になる部分を上手に隠すことで、気持ちもやわらぐかもしれません。

産後の抜け毛は、基本的には焦らず経過を見守ることが大切です。なお、授乳中は使用できる薬が限られます。発毛剤や脱毛症の内服薬を自己判断で使うのは避け、気になる場合や長引く場合は医師に相談しましょう。
産後の抜け毛は一過性であることがほとんどですが、なかには医療機関への相談が望ましいケースもあります。以下のような場合は、皮膚科や婦人科で相談しましょう。
特に、部分的にはっきりと抜けている場合や、抜け毛以外の症状を伴う場合は、産後脱毛とは別の原因が隠れていることもあります。自己判断せず、医師に相談して原因を確認することが大切です。
産後脱毛について、寄せられやすい疑問をまとめました。産後の脱毛にお悩みの方は、参考にしてください。
産後の抜け毛が続いてそのまま薄毛になりませんか?
産後の抜け毛の多くは一過性で、6ヶ月から1年ほどで自然に落ち着くことがほとんどです。そのまま抜け毛が収まらず、薄毛が続くケースは多くありません。ただし、1年以上抜け毛が続く場合や、地肌が目立つ状態が改善しない場合は、ほかの原因も考えられるため医療機関で相談しましょう。
授乳中に育毛剤や発毛剤(ミノキシジル)は使えますか?
授乳中は使用できる成分が限られるため、自己判断で育毛剤や脱毛症の薬を使うのは避けてください。特にミノキシジルや脱毛症の内服薬は、妊娠中・授乳中の使用について注意が必要です。使用を検討する場合は、必ず医師に相談しましょう。なお、産後脱毛は多くが自然に回復するため、まずはセルフケアで様子を見るのが基本です。
2人目以降の出産では抜け毛がひどくなりますか?
産後の抜け毛の程度には個人差があり、出産の回数で必ず悪化するとは限りません。同じ人でも、出産ごとに抜け毛の量や時期が異なることもあります。気になる場合は、産後の体調や生活習慣を整えながら経過を見守りましょう。
産後に脱毛が起こる主な原因は、出産後に女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することです。妊娠中に抜けずに留まっていた髪が、産後に一斉に休止期へ移行して抜け落ちる「分娩後脱毛症」によるもので、育児によるストレスや睡眠不足、栄養不足も影響します。
産後の抜け毛は早い人で産後2〜3ヶ月ごろから始まり、4〜6ヶ月ごろにピークを迎え、多くは6ヶ月〜1年ごろに自然に落ち着く傾向があります。髪の回復をサポートするには、栄養バランスの取れた食事や睡眠の確保、ストレスケア、頭皮にやさしいヘアケアを無理のない範囲で取り入れましょう。
ただし、1年以上抜け毛が続く場合や、部分的にごっそりと髪が抜ける場合や脱毛のほかに体調不良を伴う場合は、分娩後脱毛症以外の原因が隠れている可能性があります。この場合は皮膚科や婦人科などを受診して医師に相談しましょう。産後の抜け毛は多くが一過性のものなので、自分の体をいたわりながら回復を待つことが大切です。
厚生労働省「食事バランスガイド」
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| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
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