更新日:2026年07月30日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
薄毛が気になり、治療を受けるにあたってAGA治療を病院やクリニックのどこを受診すべきか迷う方もいるかもしれません。AGA治療はこれらの医療機関に加えオンライン診療でも受けられます。この記事では、費用相場やAGA治療に使用される薬について、自分に合う選び方を紹介します。無理なく続けられる受診先を見つけるためにも、まずこの記事で紹介する各受診先の特徴を確認しておきましょう。
AGA治療は、皮膚科や内科などの病院、AGA・薄毛専門クリニックなどで受けられ、対面とオンライン診療の2つの選択肢があります。どの受診先でも、医師の診察を受けたうえで治療薬の処方を受ける流れは共通しています。まずは、AGA治療を受けるうえで知っておきたい前提を確認しましょう。
AGA治療は、健康保険が使えない自由診療です。AGA(男性型脱毛症)は悩みの深い病気ではありますが、生命に関わる病気ではなく、主に整容面における治療適用とみなされるためです。そのため、今のところ治療費は公的保険の適用外で全額自己負担となり、料金は医療機関ごとに設定されています。受診先を選ぶときは、診察料や薬代を含めた費用を事前に確認しておくと安心です。
病院とクリニックの違いは病床数による区分で、AGA治療の内容そのものに違いはありません。医療法では、入院用のベッドの数が20床以上の医療機関を病院、19床以下または無床の医療機関を診療所(クリニック)と定めています。AGA治療は外来で薬の処方を受けるのが基本のため、病院かクリニックかという規模よりも処方される治療薬や通いやすさで選ぶのが大切です。
参考:デジタル庁(e-Gov)「医療法」
皮膚科でもAGA治療は受けられます。AGAは頭皮に関わる症状のため、相談できる皮膚科は少なくありません。ここでは、皮膚科でAGA治療を受ける場合のポイントを見ていきましょう。
皮膚科で処方されるAGA治療薬は、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬、塗り薬としてのミノキシジル外用薬が中心です。いずれも国内で承認されている薬で、AGAの進行を抑えたり発毛を促したりする目的で使われます。これらはAGA専門クリニックやオンライン診療でも処方される薬で、皮膚科だからといって治療内容が変わるわけではありません。
皮膚科でAGA治療を受けるときは、AGA治療に対応しているかを事前に確認しておきましょう。皮膚科は湿疹やニキビなど幅広い疾患を扱うため、AGAの自由診療を行っていない医療機関もあるためです。保険適用外となる点や取り扱う治療薬の種類、料金もあわせて確認しておくと、受診後のミスマッチを防げます。
AGA治療の受診先は、病院やAGA専門クリニック、オンライン診療という3つの選択肢があり、それぞれ特徴が異なります。処方される治療薬は共通していても、通いやすさや料金、医師への相談のしやすさに違いがあります。
| 受診先 | 主な特徴 | 通院 | 料金の傾向 |
|---|---|---|---|
| 病院(皮膚科・内科など) | かかりつけ感覚で相談しやすい | 必要 | 医療機関ごとに幅がある |
| AGA・薄毛専門クリニック | 治療の選択肢が豊富 | 必要 | 医療機関ごとに幅がある |
| オンライン診療 | スマホで完結し通院不要 | 不要 | 抑えやすい傾向 |
まずは上記の表で全体像を確認しましょう。
病院(皮膚科・内科など)でのAGA治療を受けるメリットは、通いやすさや身近さです。かかりつけの病院であれば体調管理のついでに相談でき、ほかの持病や服薬状況も踏まえて医師に診てもらいやすいでしょう。ただし、AGA治療に対応していない病院もあるため、事前の確認が必要です。また、日中の診療時間に通院する手間がかかる点もおさえておきましょう。
AGA・薄毛専門クリニックは、薄毛治療に力を入れている点が特徴です。内服薬や外用薬に加え、注入治療や植毛など幅広い選択肢をそろえる医療機関もあり、さまざまな選択肢から治療内容を検討したい方に向いています。 ただし、近くにAGA・薄毛専門クリニックがない場合は通院の手間がかかる点は考慮しておいた方が良いでしょう。また、料金は医療機関ごとに幅があるため、治療内容と費用を確認したうえで選ぶことが大切です。
オンライン診療は、自宅や好きな場所にいながらスマホで診察から薬の受け取りまで完結できる手軽さが特徴です。通院の必要がなく、自宅や外出先のすきま時間に医師の診察を受けられます。AGA治療は薬の処方が中心のため、オンライン診療と相性の良い治療です。なお、オンライン診療はカメラを使ったビデオ通話で行われるため、頭皮・毛穴・毛髪の状態を詳しく見てほしい場合には、対面受診の方が望ましいことがあります。
AGA治療の基本は、国内で承認された治療薬を使った薬物治療です。受診先が病院や専門クリニック、オンライン診療のどれであっても、標準的な治療はこの薬物治療を指します。ここでは代表的な治療薬の働きを見ていきましょう。
フィナステリドとデュタステリドは、AGAの進行を抑える内服薬です。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが脱毛を引き起こすことで進行します。フィナステリドとデュタステリドは、この5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑えて抜け毛を防ぐ効果が期待できる薬です。

フィナステリドは主に5αリダクターゼのII型を、デュタステリドはI型とII型の両方を阻害します。服用にあたっては、肝機能障害や性機能障害、抑うつ症状などが報告されているため、医師の管理下で正しく服用しましょう。なお、妊娠中・授乳中の女性や子どもは、服用だけでなく薬剤への接触も避ける必要があります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」 参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ザガーロカプセル 添付文書」
ミノキシジルは、発毛を促す目的で使われるAGA治療薬です。ミノキシジルの作用機序は、現在に至るまで完全には解明されていませんが、血管を広げて毛包周辺の血流を改善し、ヘアサイクルの成長期を延ばすことで発毛に作用すると考えられています。
国内で承認されているのは外用薬(塗り薬)のみで、内服薬は国内では未承認のため(2026年6月時点)、利用する場合は医療機関や医師の管理のもとで使用しなくてはなりません。ミノキシジル外用薬(塗り薬)の副作用としては、頭皮のかゆみや発赤、使用部位の熱感などが報告されています。フィナステリドやデュタステリドとは作用機序が異なるため、抜け毛防止と発毛の両面からアプローチする際に併用されることもあります。
AGA治療の費用は、受診する医療機関や処方される治療薬によって幅があります。AGA治療は健康保険が使えない自由診療で、診察料や薬代は医療機関ごとに異なることを把握しておきましょう。ここでは費用の目安と、費用を抑えるポイントを紹介します。
AGA治療の費用は、初診料・再診料と治療薬代の2つに分けて考えると把握しやすくなります。初診料・再診料は1回あたり3,000円〜5,000円程度が相場ですが、オンライン診療を中心に診察料がかからない医療機関も増えています。治療薬代は薬の種類によって変わり、主な治療薬の費用相場は下記のとおりです。
| 治療薬 | 費用相場(1ヶ月あたり) |
|---|---|
| フィナステリド(後発医薬品) | 3,000円〜5,000円 |
| プロペシア(先発医薬品) | 6,000円〜1万円 |
| デュタステリド(後発医薬品) | 5,000円〜8,000円 |
| ザガーロ(先発医薬品) | 9,000円〜1万1,000円 |
| ミノキシジル外用薬 | 5,000円〜1万円 |
2種類を併用する場合、それぞれを合わせた金額となります。
月々のAGA治療費を抑えたい場合は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)を選ぶ方法があります。後発医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分・同じ量で作られた薬で、開発コストが抑えられている分価格が安く設定されています。AGA治療は半年〜1年以上の継続が前提となるため、月々の薬代を抑えることで、続けやすくなるでしょう。先発医薬品と効き目は同等とされており、費用の負担を減らしたい方に向いています。
自分に合ったAGA治療先の病院・クリニックは、続けやすさ・費用・プライバシーの観点から選ぶのがおすすめです。AGA治療は長く続けることが前提のため、無理なく通える環境が大切になります。それぞれの観点を見ていきましょう。
AGAの治療先は、無理なく続けられるかどうかを基準に選びましょう。AGAは進行性のため、効果を実感するには半年〜1年以上の継続が必要とされ、途中でやめると再び薄毛が進むことがあります。
通院に時間がかかると続けにくくなるため、通院の時間を確保するのが難しいという方は、自宅で完結するオンライン診療を選ぶことで治療を続けやすくなるでしょう。
費用とプライバシーへの配慮が行き届いているかどうかも、受診先を選ぶときの基準になります。月々の費用は継続のしやすさに直結するため、複数の医療機関の診察料や薬代の総額を比較しておきましょう。
また、「薄毛の悩みを他人に知られたくない」「通院中の待合室で知り合いと顔を合わせないか不安」と感じる方は、オンライン診療を選ぶと、人目を気にせず治療を受けやすい環境が整えられます。

AGAは進行性のため、気になり始めた早い段階で治療を始めると、その後の状態を保ちやすくなります。受診先によって治療薬の選択肢に幅はありますが、国内承認薬を使った標準的な治療の内容自体は基本的に変わりません。だからこそ、治療を続けやすい環境かどうかを基準に選ぶとよいでしょう。
ここでは、AGA治療に関する読者が抱きやすい疑問について、FAQ方式で回答します。
AGA治療の効果はどれくらいで実感できますか?
AGA治療の効果が感じられるようになるまでには個人差がありますが、服用開始から3ヶ月ほどで抜け毛の減少を、6ヶ月ほどで髪のハリやコシの変化が見られる場合があります。
AGA治療を始める前に血液検査は必要ですか?
AGA治療で血液検査は必須ではなく、診断は主に医師による問診と視診で行われます。健康診断の結果があれば、より安全に薬を処方しやすくなります。血液検査で気になる結果がある場合は、医師にその旨を事前に伝えるようにしましょう。
オンライン診療でも対面と同じ治療薬が処方されますか?
オンライン診療であっても、対面の病院や専門クリニックと基本的に同じです。フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどのAGA治療薬は、対面でもオンライン診療でも処方されます。
AGA治療は皮膚科・内科などの病院、AGA・薄毛専門クリニック、オンライン診療で受けられます。どの医療機関を受診しても、AGA治療に使われる薬は基本的に共通です。ただし、治療は健康保険が使えない自由診療となるため、費用や通いやすさ、プライバシーへの配慮などに違いがみられます。
AGAは時間の経過とともに症状が進んでいくため、効果を実感するには半年から1年以上の継続を視野に入れましょう。長く治療を続けるためにも、受診先を決める際は、自身のライフスタイルに合わせて無理なく通いやすい医療機関を選ぶのが大切です。 まずはそれぞれの特徴や費用の目安を比較し、続けやすい医療機関を見つけることからはじめてみてください。
デジタル庁(e-Gov)「医療法」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「プロペシア錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ザガーロカプセル 添付文書」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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