更新日:2026年08月03日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
抜け毛が増えてきて「タバコが薄毛の原因かもしれない」と気になる方がいるかもしれません。喫煙は血行不良などを通じて薄毛に影響する可能性がありますが、薄毛の主な原因はAGAです。この記事では、喫煙が髪やテストステロンに与える影響、AGAとの見分け方、禁煙方法と治療薬による対策を紹介します。
喫煙は薄毛に影響する可能性があります。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、頭皮の血行を悪くすると考えられています。髪は毛根の毛細血管から栄養を受け取って成長するため、血流が滞ると栄養が届きにくくなり薄毛への影響が考えられます。
近年の研究では、喫煙者は非喫煙者に比べてAGAを発症するリスクが約1.46倍、さらにAGAが進行するリスクが約1.60倍高いことが判明しています。
ただし、薄毛の主な原因はAGA(男性型脱毛症)です。喫煙はあくまで薄毛を助長する要因の一つと捉え、まずはAGAの可能性を疑って対策を考えることが大切です。
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「喫煙と循環器疾患」
喫煙の薄毛への影響は、ニコチンによる血行不良と、テストステロン・DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンへの作用の2つが挙げられます。それぞれの作用について解説します。
ニコチンによる血行不良は、髪の成長を妨げる要因になり得ます。タバコの煙に含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあり、全身の血の巡りを悪くするとされています。髪の根元には毛細血管が通っており、そこから酸素や栄養を受け取って毛母細胞が分裂し、髪が育ちます。喫煙で頭皮の血流が滞ると栄養供給が不足し、髪が育ちにくくなると考えられます。
ただし、禁煙によって血行が戻れば頭皮環境の改善にはなりますが、それだけで薄毛が改善するとは限りません。
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「喫煙と循環器疾患」
喫煙とテストステロンの関係は、研究によって結果が一定していません。喫煙が男性ホルモンを増やすという報告がありますが、明確な関連を示さない報告もあり、現時点で断定はできません。
AGAの直接的な原因は、男性ホルモンのテストステロンが頭皮で変換されてできるDHT(ジヒドロテストステロン)です。薄毛の根本にあるのはDHTの働きであり、喫煙が単独でAGAを進行させると言い切ることはできません。タバコとテストステロンの関係を気にするより、まずはAGAそのものへの対策を考えることが大切です。
薄毛の原因が喫煙によるものかAGAによるものかを自分で見極めるのは難しいため、医師の診察を受けるのがおすすめです。喫煙による血行不良とAGAは、見た目だけでは区別がつきにくく、両方が重なっているケースもあります。原因に合った対策をとらなければ、薄毛が進行してしまうこともあります。とくにAGAは進行性のため、早めに専門の医師へ相談することが大切です。
レバクリを通じた診療では、ビデオ通話によるオンライン診療で、医師が問診をもとに薄毛の状態を確認します。自宅にいながら相談できるため、忙しい方や通院に抵抗がある方も継続しやすい受診方法です。
薄毛の原因がAGAだった場合は、治療薬による対策が基本です。レバクリを通じて処方される主な治療薬であるフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルについて説明します。

フィナステリドは、AGAの進行を抑える内服薬です。前頭部や頭頂部に多い5αリダクターゼII型を阻害し、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで薄毛の進行を防ぎます。臨床試験では、治療開始から3ヶ月以降に毛髪数の増加が認められており、進行抑制だけでなく一定の発毛効果も期待できます。
代表的な副作用には、肝機能障害(頻度不明)や性機能障害(性欲減退1〜5%未満、勃起機能障害1%未満、精子減少1%未満)、抑うつ症状(頻度不明)が挙げられます。
費用相場は先発のプロペシアで6千円〜1万円、後発のフィナステリド錠で3千円〜5千円が月あたりの目安です。
レバクリを通じた診療では2026年6月時点で、国内製のプロペシアの後発医薬品(1mg)や、成分が同一の海外製医薬品(1.3mg)の取り扱いがあります。医師の判断で1.3mgを処方する場合、国内では未承認用量の取り扱いになりますが、成分が同一のものを処方いたします。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠 添付文書」

デュタステリドは、フィナステリドと同様に抜け毛予防と発毛促進の両方が期待できる内服薬です。II型に加えてI型の5αリダクターゼも阻害し、DHTをより強力に抑制する効果が期待できます。
代表的な副作用には、肝機能障害(頻度不明)や性機能障害(性欲減退1%以上、勃起機能障害1%以上、精子減少1%以上)、抑うつ症状(1%未満)があります。費用相場は先発のザガーロで9千円〜1万1千円、後発のデュタステリドで5千円〜8千円が月あたりの目安です。
レバクリを通じた診療では2026年6月時点で、国内製のザガーロの後発医薬品(0.5mg)や、成分が同一の海外製医薬品(0.5mg)の取り扱いがあります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル 添付文書」

ミノキシジルは、発毛を促す作用が期待される薬で、外用薬と内服薬があります。血管を広げて毛包周囲の血流を改善し、ヘアサイクルの成長期を延ばすことで発毛に作用すると考えられています。外用薬の代表的な副作用には、頭皮や皮膚のかゆみ・発赤、ふけ、使用部位の熱感があります。
また、内服薬(ミノキシジルタブレット)は国内未承認の医薬品で、診療ガイドラインでも推奨度D(行うべきではない)となっています。レバクリを通じた診療では2026年6月時点で、海外(インドもしくはタイ)から輸入した5mgを医師の管理のもとで取り扱っています。国内で承認された外用薬という選択肢もあるため、利用を検討する場合は副作用も含めて医師に相談してください。外用薬と内服薬のどちらが合うかは人によって異なります。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」

禁煙は健康面で多くのメリットがありますが、すでに進行したAGAは禁煙だけで元に戻すのは難しいケースが多いです。喫煙習慣の見直しと並行して、内服薬や外用薬による治療を早期に検討することが推奨されます。気になる症状があれば、自己判断で薬を中断せず、まずは医師に相談してください。
喫煙は頭皮環境が悪化して薄毛を助長する可能性があるため、禁煙するのはよい選択です。禁煙にはいくつかのコツがあります。禁煙を成功させるポイントを順に解説します。
タバコにはニコチンによる薬物依存と、クセとして定着した心理的・行動的依存という2つの側面があり、いずれも喫煙のきっかけになる場所やシチュエーションを物理的に排除することが禁煙を成功させる一つの方法です。
タバコを手元から遠ざけるだけでなく、吸いたい気持ちを誘発する受動喫煙を避けられるよう喫煙所に近づかないようにしましょう。また、お酒の席は自制心が緩みがちなので、禁煙を開始してから1〜2ヶ月の間は完全禁煙の飲食店以外は利用を控えるくらい慎重でもいいかもしれません。
習慣化している喫煙ルーティンの打破も必要です。たとえば、食後のコーヒーとセットでタバコを吸う習慣がある場合は、あえて飲み物を別のものに変えるなど、タバコを連想させる行動パターンを意識的に崩してみましょう。
禁煙中に感じる口寂しさは、別の刺激によって脳の関心を逸らすと解消できるかもしれません。ミント系のガムや飴、炭酸水など、脳にリフレッシュ感を与える代替品を取り入れるのが一つの方法です。特にガムなどを噛むという動作は、リラックスをもたらすセロトニンの分泌を促すといわれており、禁煙に伴う不快なストレスを軽減させる効果が期待できます。
自力での対策に限界を感じる場合は、市販のニコチンガムといった禁煙補助剤を活用するのもおすすめです。禁煙を開始してから1〜2ヶ月の間は特に欲求が強まりやすいため、口寂しさをうまく紛らわすことが、禁煙成功への鍵となるかもしれません。
禁煙開始後の数日間は、強い喫煙欲求が1日に数回程度あらわれる傾向にあります。これをコントロールするためには、下記のようにタバコに代わるリフレッシュ方法をあらかじめ準備しておくとストレスが緩和されるかもしれません。
喫煙したいという衝動は1日中継続するわけではなく、長くても3~5分程度で収まる場合がほとんどといわれています。タバコを吸いたくなる場面を事前に書き出し、欲求をやり過ごす代替行動を決めて試してみましょう。

禁煙とあわせて生活習慣を見直すことは、頭皮環境を整え、AGA治療の土台になります。直接的に発毛を促したり、AGAの進行を止めたりするものではありませんが、治療を支えるメリットがあります。
禁煙と並行してバランスのとれた食事を摂ることは、髪が育つ頭皮環境を整える土台です。髪の材料となるタンパク質や、その合成を助ける亜鉛、ビタミン類などを意識して摂るとよいでしょう。1日3食、主食や主菜、副菜に加えて、乳製品や果物をバランスよく取り入れる食習慣がおすすめです。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
質の良い睡眠は、髪の成長をサポートする生活習慣の一つです。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、体の修復や代謝に関わるとされています。成人の睡眠時間はおおよそ6〜8時間が目安です。
日中に日光を浴びたり適度に体を動かすと、夜間の休息とのメリハリが出て質の良い睡眠につながりやすくなります。また、寝室を落ち着いてリラックスできる快適な空間に整えるのも良いでしょう。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

正しい方法での洗髪は、頭皮を清潔に保ちAGA治療を促す環境の土台づくりに役立ちます。洗いすぎると必要な皮脂まで落としてしまうため、頭皮タイプに合ったシャンプー選びと洗い方が大切です。脂性肌はスカルプシャンプーや薬用シャンプー、乾燥肌はアミノ酸系シャンプー、敏感肌はアミノ酸系シャンプーもしくは薬用シャンプーが向いています。
洗い方は、ブラシで汚れを落とす、ぬるま湯で予洗いする、シャンプーを手で泡立てる、指の腹でやさしく揉み洗いする、しっかりすすぐ、十分に乾かす、という流れを意識しましょう。
喫煙とあわせて多量のアルコール摂取は、間接的に頭皮環境へ影響を及ぼす可能性があるため、過度な飲酒は控えましょう。過度な飲酒は、頭皮環境の影響だけでなく肝疾患や生活習慣病、依存症などのリスクも高めるとされています。
お酒を飲むときは、あらかじめ飲む量を決めておくのがおすすめです。また、空腹の状態でアルコールを摂取すると吸収が早まるため、飲酒前や飲酒中には食事を一緒にとるのもよいでしょう。お酒を飲む合間に同量の水を挟むことも、体内のアルコール濃度を抑え、負担を軽減できる可能性があります。
参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
ストレスをためない工夫も、髪が育つ環境を保つうえで役立ちます。特に禁煙中はイライラや集中力の低下といった離脱症状が起こることもあり、いかに発散するかが大切です。
一方で、ストレスがAGAを発症・進行させる直接的な原因になるという明確な根拠は確認されていません。気分転換や休息は健やかな髪のサポートにはなりますが、薄毛が気になる場合は、生活習慣の見直しと並行して医師への相談を検討しましょう。
喫煙よりも、薄毛の主な原因として考えられるのはAGA(男性型脱毛症)です。AGAは男性ホルモンが関与する進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部から少しずつ薄くなっていくのが特徴です。 喫煙の見直しは健康のために大切ですが、薄毛の根本にAGAがある場合は、禁煙だけでは進行を止められません。
AGAは早く対策を始めるほど、その後の経過に違いが出やすいとされています。薄毛が気になる方は、原因を自己判断せず、まずは医師に相談して状態を確認することをおすすめします。
喫煙は、ニコチンによる血行不良などを通じて薄毛に影響する可能性があります。一方で、喫煙とテストステロンの関係は研究で結論が一定しておらず、薄毛の主な原因はAGAです。AGAは進行性のため、原因が喫煙かAGAかを自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。
レバクリを通じたオンライン診療(診察料なし・最短15分の診療・治療薬の最短即日発送)なら、自宅から薄毛の相談ができます。喫煙習慣が気になる方も、まずは気軽に相談してみてください。
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「喫煙と循環器疾患」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル 添付文書」
厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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