更新日:2026年02月09日
「薄毛治療のためにフィンペシアを服用しようか迷っている」「クリニックは高いから、なるべく費用を抑えたい」と考える方もいるかもしれません。フィンペシアは個人で入手できるものの、偽薬のリスクや副作用が生じた場合の対応など、考慮すべき点もあります。
本記事では、フィンペシアの効果や副作用、注意点を解説します。安全にAGA治療を行うための選択肢も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フィンペシアとは、日本で承認されていないAGA治療薬です。有効成分として、抜け毛の抑制効果を期待できるフィナステリドを含んでいます。「クリニックにかかるAGA治療の費用を抑えたい」「忙しくて通院する時間がない」といった理由から、フィンペシアに注目している方もいるかもしれません。
しかし、2025年10月現在において、フィンペシアは厚生労働省の承認を受けていません。AGA治療でフィンペシアの使用を検討する前に、その正体や安全性について理解しておくことが重要となります。
ここでは、フィンペシアがどのような薬なのかを解説するので、服用を検討している方は参考にしてみてください。
フィンペシアはインドに拠点を置く製薬会社「シプラ社」が製造している、AGA治療薬の海外製後発品です。先発となる医薬品の特許が切れたあとに、同じ有効成分を使って製造・販売される後発薬を指します。一般的に、後発品は開発にかかる費用が抑えられる分、先発医薬品よりも安価に提供される傾向にあります。
フィンペシアの先発医薬品はプロペシアで、製造・販売をしているのはオルガノン株式会社です。フィンペシアは特許が切れる前から製造・販売されていることから、日本ではインド製のコピー版プロペシアとされています。
フィンペシアを個人輸入や通販で入手することは可能ですが、偽薬や不良品が紛れているリスクがあるので注意が必要です。
フィンペシアの有効成分は、AGA治療薬であるプロペシアと同じフィナステリドです。
フィナステリドは、5αリダクターゼという酵素の働きを阻害します。5αリダクターゼは、男性ホルモンの一種であるテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換し、AGAの症状を進行させます。フィナステリドによって5αリダクターゼの働きが阻害されると、DHTの生成も抑制されることから抜け毛を抑える効果が期待できるのです。
ただし、フィンペシアがプロペシアと同じ成分であっても、個人輸入や通販での入手にはリスクがあるため、安全なAGA治療のためにもクリニックを受診しましょう。
フィンペシアとプロペシアの違いについて詳しく知りたい方は、「フィンペシアとプロペシアの違いとは?後悔しないための5つの比較ポイント」も参考にしてみてください。
フィンペシアは厚生労働省によって医薬品として承認されていないため、日本国内の医療機関では正規に処方できない未承認医薬品に該当します。フィンペシアを日本で入手するには、個人輸入や通販で海外から取り寄せる必要があり、安全面においてリスクがあるので推奨されません。
日本で正式に承認されているフィナステリド製剤は、プロペシアとそのジェネリック医薬品のみです。これらは医療機関やクリニックでの取り扱いがあることから、AGA治療の際に医師に治療薬として処方してもらえます。
安全にAGA治療を行うためには、国内で承認された正規のAGA治療薬を、医師の診察のもとで処方してもらう方法がおすすめです。
ここでは、フィンペシアの主な効果と作用するまでの期間を解説します。以下でフィンペシアの主な効果と作用を実感するにはどのくらいの期間が必要なのかを確認しましょう。
AGAが発生する原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の働きによってDHTに変換されるためです。DHTが毛母細胞の働きを弱めることで毛髪の成長期が短くなり、髪の毛が長く成長する前に抜け落ちてしまいます。AGAは進行性の疾患なので、治療をしないまま過ごすと細く短い毛が増え、薄毛が目立つようになります。
フィンペシアに含まれるフィナステリドは、AGAの進行を抑制する効果を持つ有効成分です。フィナステリドには5αリダクターゼの働きを抑制する作用があり、DHTの発生を抑えることから薄毛の進行を食い止めます。ただし、フィンペシアの服用によって完全にAGAが治るわけではなく、効果には個人差があることを理解しておきましょう。
フィンペシアをはじめとするフィナステリド製剤の効果を実感するには個人差がありますが、一般的に3~6ヶ月程度だとされています。髪の毛には成長期・退行期・休止期というヘアサイクルがあり、治療薬が作用して新しい髪が成長するまでに一定の時間を要するためです。体質や薄毛の進行度合い、生活習慣などによって効果の現れ方は異なるため、あくまで目安の一つとして捉えておきましょう。
また、服用開始後に初期脱毛による一時的な抜け毛の増加がみられる場合がありますが、これは治療薬が効いているサインといえるため、過度に心配する必要はありません。正しい服用方法で6ヶ月以上フィンペシアを飲み続けても効果を感じられない場合、AGA以外の病気が薄毛の原因になっていることも考えられるため、一度医師に相談してみましょう。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ここでは、フィンペシアの副作用について説明します。副作用の発症率は高くないため、過度に心配する必要はありませんが、服用後に体の異変や不安を感じた場合は医師に相談しましょう。
フィンペシアを服用すると、性機能に関する副作用が現れる場合があります。具体的には、性欲減退(リビドー減退)や勃起機能の低下(ED)、射精量減少などの症状が挙げられます。
このような症状が起こる理由は、フィンペシアに含まれる有効成分のフィナステリドが、男性ホルモンの代謝に影響を与えるためです。フィナステリドによる作用はAGAの進行を抑える効果がある一方で、性機能に影響を及ぼす可能性があります。
性機能に関する副作用が現れると、パートナーとの関係や妊活をしている場合に影響を与えることがあります。服用後に症状を自覚した場合は、医師に相談して症状の程度に応じた適切な対処法や、治療薬変更などの検討をしましょう。
フィンペシアに含まれるフィナステリドは、主に肝臓で代謝されます。そのため、代謝する過程で肝臓に負担がかかり、肝機能障害が起こる可能性があるのです。肝機能障害の症状としては、倦怠感や食欲不振、吐き気、黄疸などが現れることがあります。
個人輸入や通販でフィンペシアを入手し、自己判断で服用を続けることは、肝機能の悪化を見逃すリスクにつながるため、自分に合った治療薬を医師に処方してもらう方法が安全です。特に、もともと肝臓に持病がある方や日常的にアルコールを多く摂取する方は、事前にその旨を医師に相談しておきましょう。
フィンペシアの服用によって気分が落ち込む、意欲が低下するといった抑うつ症状が稀に現れることがあります。
精神的な変化は身体的な副作用とは異なり、自覚しにくかったり、日常生活のストレスと区別がつきにくかったりする場合があります。周囲の人から性格や行動の変化を指摘されたら、抑うつ症状の副作用が起きている可能性も考慮しましょう。
フィンペシアの服用後に、「以前と比べて気分が沈む状態が続く」「不安感が強まる」といった状態がみられる場合は、速やかに医師へ相談することをおすすめします。
フィンペシアを服用した際に、アレルギー反応が生じる可能性もあります。アレルギー反応は、有効成分であるフィナステリドや、フィンペシア錠剤に含まれるそのほかの添加物に対して体が過剰に反応することで起こります。具体的には、発疹やかゆみ、蕁麻疹などの症状です。重症化すると、より深刻な症状に進展する危険性もあります。
フィンペシアを服用してから皮膚に異変を感じたり、息苦しさを覚えたりした場合は、ただちに服用を中止して医療機関を受診しましょう。個人輸入や通販で入手した製品の場合、含有成分が不明確で、予期せぬ添加物が含まれている可能性もあるため注意が必要です。
フィンペシアの副作用について詳しく知りたい方は、「フィンペシアの副作用は?個人輸入の危険性と服用における6つの注意点」も参考にしてみてください。
初期脱毛とは、フィンペシアなどのフィナステリド製剤を服用後、一時的に抜け毛が増える現象を指します。初期脱毛は治療薬がAGAの進行を抑制し、乱れていたヘアサイクルが正常な状態に戻ろうとする過程で起こる一過性のもので、過度に心配する必要はありません。
初期脱毛には個人差があり、服用開始後1〜3ヶ月程度で落ち着くのが一般的です。ただし、初期脱毛の程度には個人差があるため、6ヶ月ほど続く方もいれば初期脱毛が起こらない方もいます。「初期脱毛が長期にわたり続く」「抜け毛が異常に増えた」といった症状がみられる場合は医師に相談しましょう。
フィンペシアの初期脱毛については「フィンペシアの初期脱毛はいつまで起こる?副作用やリスクについても解説」でも紹介しているので、気になる方は参考にしてみてください。
フィンペシアを服用する際は、以下の点に注意する必要があります。
ここでは、フィンペシアの服用における注意点を解説するので、自己判断での使用に不安を感じている方や、正しい服用方法を知りたい方は参考としてご覧ください。
フィンペシアなどのAGA治療薬は、決められた用量と用法を正しく守って服用することが重要です。自己判断で服用量を増やしたり、回数を多くしたりしても、効果が強まる保証はなく、むしろ副作用のリスクが高まる可能性があります。
フィンペシアは、1日1錠を水か白湯で服用します。1日に決められた量以上の薬を服用すると副作用のリスクが高まるため、たとえ薬を飲み忘れたとしても、2回分をまとめて服用することは避けましょう。
飲むタイミングに指定はありませんが、飲み忘れがないように毎日決まった時間に服用することがおすすめです。安全かつ効果的にAGA治療を進めるために、用量・用法を守って服用しましょう。
フィンペシアを服用する際は、ほかの薬との飲み合わせを確認しましょう。特にプロペシアとそのジェネリック医薬品は、フィンペシアと同様に有効成分としてフィナステリドを含むため、基本的に併用はできません。同じ有効成分を含む薬を同時に服用すると、1日に決められた用量以上を摂取することになり、副作用のリスクが高まる恐れがあります。
また、服用時の注意点として、グレープフルーツジュースやお酒と一緒に飲むことは控えましょう。グレープフルーツにはフィナステリドを分解する酵素を阻害する働きがあるため、フィナステリドが体内に残る時間が増え、副作用のリスクが高まります。
アルコールはフィナステリドと同様に肝臓で代謝されるため、同時に摂取することで肝臓に負担がかかり、肝機能障がいを発症するリスクが考えられます。そのため、フィンペシアは水か白湯で服用しましょう。
フィンペシアと同様の成分であるプロペシアの添付文書を確認すると、プロペシアは「男性における男性型脱毛症の進行遅延」が効能または効果として定められており、女性に対する適応がないことや、妊婦または妊娠している可能性のある女性および授乳中の女性に対しての使用は禁忌とされています。
フィナステリドは男性胎児の生殖器の発育に影響を及ぼす恐れがあるため、妊娠中の女性や妊娠の可能性がある女性は特に注意が必要です。フィナステリドは皮膚から吸収する性質を持つので、砕けたり割れたりしたフィンペシアの錠剤に女性が少しでも触れないように十分に注意しましょう。
また、同様にプロペシアの添付文書によると、小児への適応がないことや、20歳未満での安全性および有効性は確立されていないことも明記されています。
パートナーや子どもと同居する場合は、誤ってフィンペシアを服用したり触れたりしないよう厳重に管理することが求められます。
参考:PMDA「[医療用医薬品 詳細表示プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg」
フィンペシアの有効成分であるフィナステリドを服用すると、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられる「PSA(前立腺特異抗原)」の検査数値が、通常時の約半分程度になることが知られています。そのため、フィンペシアを服用中にPSA検査を受けた場合、前立腺がんの兆候があったとしても見逃してしまう可能性があるのです。
前立腺がんの早期発見を妨げないためにも、PSA検査を受ける際は、医師にフィンペシアを服用している旨を申告しましょう。事前の申告により、医師はPSA値を適切に評価して診断を行えます。
フィンペシアの個人輸入や通販による入手は、偽薬の可能性や健康被害が生じた場合に自己責任になるなどのリスクがあります。AGA治療のためにフィンペシアの服用を検討している場合は、リスクについて正しく理解し、そのうえで検討する必要があるでしょう。
フィンペシアを個人輸入や通販サイトで購入する際、リスクの一つとして挙げられるのが、偽薬や粗悪品が手元に届く危険性です。厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」では、医薬品の個人輸入は健康被害の危険性があると注意喚起されています。
特に注意すべきは、一見して本物と区別がつかないほど精巧に作られた偽造品が流通していることです。偽造品は外観だけでなく、パッケージやシールまで本物そっくりに作られているため、自分の目では判別がほぼ不可能な場合もあります。
偽薬や粗悪品のリスクを避けるためにも、AGA治療を検討する場合は医師に相談しましょう。
参考:厚生労働省「医薬品・医療機器」
個人輸入や通販で入手したフィンペシアの副作用によって健康被害が出たとしても、自己責任となるため医薬品副作用被害救済制度を利用することはできません。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「制度の概要」によると、医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う制度です。個人輸入や通販で購入した医薬品は医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため、重篤な健康被害が生じて医療機関にかかっても、費用は全額自己負担となります。安全なAGA治療を行うには、クリニックで自分の症状や希望に合った治療薬を処方してもらいましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
費用面やプライバシーの懸念からフィンペシアの個人輸入を検討している方は、安全にAGA治療を行うためにクリニックを受診しましょう。
クリニックでは医師が薄毛の原因や健康状態を診断したうえで、適した国内承認薬を処方してくれます。副作用のリスクについて説明を受けられるほか、ジェネリック医薬品を選ぶことで費用を抑えられます。何か気になることがあれば医師に相談できるのも安心です。
オンライン診療の場合は通院の手間がなく、交通費を抑えられるメリットがあります。忙しくて通院時間を確保できない方や、AGA治療のことを誰にも知られたくない方にとって、選択肢の一つとなるでしょう。
ここでは、フィンペシアに関してよくある疑問に対し、Q&A形式で回答していきます。フィンペシアの服用を検討している方や、フィンペシアのことを詳しく知りたいという方は、参考としてご覧ください。
フィンペシアは有効成分としてフィナステリドを含んでおり、AGAの進行を抑制する効果が期待されます。AGAは男性ホルモンのテストステロンが5aリダクターゼという酵素によって、DHTに変換されることで進行します。DHTが毛根に作用するとヘアサイクルが乱れるため、髪が細く短くなってしまうのです。
フィナステリドは5αリダクターゼの働きを阻害することで、DHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを正常化させます。個人差があるものの、効果を実感するまでには一般的に3~6ヶ月程度の服用が必要です。効果が感じられないからといって自己判断で服用を中止するのは避け、長期的な視点で治療を継続しましょう。
なお、フィンペシアは日本で承認されていないため、クリニックで自身の症状に合ったAGA治療薬を処方してもらうのが安全です。
フィンペシアの個人輸入や通販サイトでの購入は、いくつかの危険を伴うことを知っておきましょう。
まず、入手ルートが不透明であるため、有効成分が含まれていない偽薬や、人体に有害な不純物が混入した粗悪品が届くリスクが存在します。偽薬や粗悪品を服用すると、健康被害を引き起こす原因となります。
さらに、フィンペシアは厚生労働省に承認されていない未承認薬です。そのため、服用によって重篤な健康被害が生じたとしても、国内で承認された医薬品を対象とする「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり、すべて自己責任で対処しなければなりません。
安全にAGA治療を行うためには、偽薬のリスクがなく、医師の診察と管理のもとで治療薬が処方されるクリニックの利用を検討しましょう。
フィンペシア(フィナステリド)とミノキシジルは作用機序が異なるため、それぞれの異なる作用メカニズムにより、AGA治療の効果を高める可能性があります。
フィンペシアがAGAの進行を抑制し、抜け毛を防ぐ「守り」の役割を担うのに対し、ミノキシジルは血行を促進し、毛母細胞を活性化することで発毛を促す「攻め」の役割が期待されます。フィンペシアとミノキシジルの併用はさらなる効果が期待される一方で、副作用のリスクも高まる可能性があるため、自己判断での併用は避けましょう。
併用を検討する際は医師の診察を受け、安全性や体質への適合性を確認することが重要です。
ミノキシジルについて詳しく知りたい方は、「ミノキシジルとは?主な効果や副作用、併用できるAGA治療薬を解説」も参考にしてみてください。
フィンペシアはAGA治療に有効なフィナステリドの成分を含みますが、国内では承認されていない治療薬です。個人輸入や通販での購入は偽薬・粗悪品が届く危険性があり、服用によって健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
AGA治療においてフィンペシアの服用を検討している方は、クリニックを受診して同じ有効成分を含むプロペシアなどの服用を検討してみるのがおすすめです。薄毛の悩みを解決するためにも、安全性を第一に考えたAGA治療を選ぶことが大切です。