更新日:2026年02月05日
「最近、急に髪が細くなった」「髪にボリュームがなくなり、地肌が透けて見えるようになった」と悩んでいる方もいるかもしれません。髪が細くなる原因は生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化などさまざまですが、AGAやFAGAのような脱毛症が進行している可能性もあります。
この記事では、髪が細くなる主な原因と対処法を解説します。医療機関での治療が必要なケースについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
髪が細くなったと感じたら、薄毛の進行を示すサインかもしれません。髪の毛の太さが変化すると、見た目のボリュームや触り心地が違ってくるため、鏡を見たときや髪を触ったときに違和感を覚えるでしょう。
しかし、髪が細くなったといっても、その基準は人によってさまざまです。ここでは、日本人の平均的な髪の太さについて説明するとともに、髪が細くなった場合に起こる見た目の変化を説明します。
公益社団法人日本毛髪科学協会の「毛髪に関する数字」によると、日本人の髪の毛の平均的な太さは、0.07~0.08mm程度です。太さには個人差があり、生まれつき平均よりも髪が細い人もいるため、あくまで目安の一つとして捉えましょう。表のとおり、髪の毛は三層構造になっています。
| 層の名前 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| キューティクル | 髪の表面を覆い、内部を保護する | 最も外側にあり、うろこ状の透明な層になっている |
| コルテックス | 髪の主要部分でしなやかさや強度、色を決める | 髪のハリやコシに直結する |
| メデュラ | 役割は完全には解明されていないものの、断熱効果や衝撃から守る働きがあると考えられている | 髪の中心部で、細い髪や産毛には存在しないこともある |
髪の太さは、主にコルテックスの量によって左右されます。コルテックスは髪の8~9割を占めており、コルテックスの量が多ければ髪は太くなり、少なければ細くなる仕組みです。
肉眼で髪の毛の太さを確認するのは難しいため、気になる方はクリニックでマイクロスコープによる測定をしてもらうとよいでしょう。
参考:公益社団法人日本毛髪科学協会「毛髪を知る」
髪の毛が細くなると、鏡を見たときにいくつかの変化が現れ始めます。まず、髪の毛一本一本の直径が小さくなるため、髪全体のボリュームが減ったように感じるでしょう。特に40代以降の女性の場合、ハリやコシがなくなり、ヘアスタイルがぺったんこになりやすいと感じることが多くなります。
また、髪の毛の隙間から頭皮が透けて見える範囲が広がることも、視覚的に大きな変化です。20代から30代の男性の場合は、生え際や頭頂部の髪が細くなってきたと感じたら、AGAの初期症状である可能性も考慮すべきでしょう。
髪が細くなる変化は、進行性のものもあれば、栄養状態やストレスなど一時的な要因によるものもあります。髪の毛が細くなったと気になり始めたら、生活習慣の見直しやヘアケア方法の改善など、早期に適切な対策を講じることが大切です。
髪が細くなったときに考えられる原因として、主に以下の5つが挙げられます。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
髪が細くなる原因を把握できると、自分に合った効果的な対策を見つけることにつながります。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
髪の毛が細くなる原因として考えられる一つが、不規則な生活習慣です。偏った食事や睡眠不足は、髪の成長に必要な栄養素の吸収や新陳代謝に影響を与えます。たとえば、過度なダイエットや偏食をしている場合、髪の成長に必要な栄養が足りないため、髪の毛は太く成長しません。
また、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が不足し、髪の毛が成長しにくくなってしまう場合もあります。睡眠時間だけでなく、睡眠の質が悪い場合にも成長ホルモンの分泌が低下するため、注意しましょう。最近髪が細くなったと感じる方は、まず自分の生活習慣を見直してみることをおすすめします。
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、髪の毛の成長に影響を及ぼします。自律神経は、血管の収縮や拡張をコントロールしているため、ストレスが強まると頭皮の血管が収縮して酸素や栄養が運ばれなくなり、髪の毛が成長しにくくなるのです。
また、ストレスによって引き起こされる行動も髪に影響します。たとえば、ストレスを感じると無意識に髪を引っ張ったり、頭皮をかきむしったりする癖がつくことがあります。こうした行動は頭皮に直接的なダメージを与え、健康な髪の成長を妨げるため気をつけましょう。
日々のシャンプーやヘアケアの方法によって、知らないうちに髪を細くしている可能性もあるでしょう。自分の髪質や頭皮の状態に合っていないシャンプーを使用していると、頭皮に必要な油分まで取り除いたり、逆に汚れが十分に落ちなかったりします。
また、パーマやヘアカラーを頻繁に行うことも、頭皮に負担を掛けるため、髪の毛が細くなる要因になるおそれがあります。髪が細くなったと感じている方は、自分の髪質や頭皮の状態に合ったシャンプーを選び、優しく丁寧に洗いましょう。
加齢とともに髪が細くなるのは、ホルモンバランスの変化が原因です。年齢を重ねるにつれて、髪の成長に関わるホルモンの分泌量や働きが変化し、髪質に直接影響を与えます。
女性の場合、30代後半から40代にかけて、髪の成長サイクルを延ばしてハリやコシを与える働きがある女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少するため、髪を細くする原因となるでしょう。
一方、男性の場合は、男性ホルモン(テストステロン)とその代謝産物であるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響を受けます。髪の成長サイクルが短くなるので、十分に成長する前に髪が抜け落ち、次第に生えてくる髪が細く短くなっていくのです。
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)など、何らかの病気による脱毛に伴って髪が細くなっている可能性もあります。加齢や一時的なストレスではなく、医学的な治療が必要なケースもあるので、髪が急に細くなったり、大量に抜け落ちたりする場合は、一度医師に相談してみてください。
AGA(Androgenetic Alopecia)は男性型脱毛症と呼ばれ、男性に見られる進行性の脱毛症です。主に20代以降で発症する進行性の脱毛症で、セルフケアのみでAGAによる薄毛が完治することは基本的にありません。AGAは、フィナステリドやミノキシジルなどの薬剤治療が効果的とされています。
AGAについて詳しく知りたい方は、「AGAとは?抜け毛・薄毛が進行する男性型脱毛症について分かりやすく解説」も参考にしてみてください。
女性も男性型脱毛症と似た症状を示すことがあり、これをFAGA(Female Androgenetic Alopecia)と呼びます。男性のAGAとは異なり、全体の髪が薄くなるパターンが特徴的です。加齢に伴う女性ホルモンの減少などによって、毛包が男性ホルモンの影響を受けやすくなることで引き起こされると考えられています。
FAGAについては、「女性のFAGAとは?症状や原因、対処法、ほかの脱毛症を解説」で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
びまん性脱毛症は、頭部全体の髪の毛が薄くなる脱毛症です。女性に見られやすく、分け目の広がりや頭頂部の薄さが目立つようになります。急激に変化するのではなく、徐々に進行していくのが特徴です。
びまん性脱毛症は、過度なストレスやダイエット、栄養不足、ホルモンバランスの急激な変化などが原因で起こります。原因を特定し、生活習慣や内科的な問題を改善することが重要です。
髪の毛の成長には、血液によって運ばれる酸素と栄養が欠かせません。体内に鉄分が不足すると起こる鉄欠乏性貧血は、全身の細胞への酸素供給が低下するため、髪の毛を作る毛母細胞の働きにも影響を及ぼします。鉄欠乏性貧血の場合、髪の変化だけでなく、疲れやすさやめまいなどの症状も現れます。
髪が細くなったと感じたときは、栄養バランスの整った食事を意識する、睡眠時間を十分確保するといった対処法があります。ここでは、髪が細くなったと感じたときに取り組める対処法を紹介するので、悩んでいる方は参考にしてください。
髪が細くなったと感じたら、栄養バランスの整った食事を意識して摂りましょう。髪の主成分となるタンパク質は、肉・魚・卵・大豆製品などから摂取できます。また、タンパク質の合成や髪の成長をサポートする亜鉛は牡蠣・レバーなど、ビタミン類は緑黄色野菜から摂取可能です。
一度に食生活を変えるのは難しいかもしれませんが、朝食に卵を追加する、おやつはフルーツを選ぶなど、できることから始めてみましょう。食事のみでは栄養が不足する場合は、サプリメントで補うこともできます。
薄毛とサプリメントの関係性については、「サプリメントは薄毛改善・AGAに効果がある?選び方や注意点を解説」でも詳しく解説しています。
睡眠中は体の修復と再生が活発に行われ、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは髪の毛の成長に重要な役割を果たすので、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
質の高い睡眠を確保するために、就寝前はカフェイン摂取や寝る前のスマートフォン操作は控えましょう。また、湯船に浸かって体を温めたり、入浴後にストレッチをしたりすることも効果的です。
自分のライフスタイルに合わせて睡眠時間を確保し、質の高い睡眠が取れるよう心がけましょう。
髪が細くなったと感じるときは、普段使っているシャンプーが頭皮や髪質に合っているか、間違った方法で洗っていないか見直すことも大切です。洗浄力が強過ぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流し、乾燥や炎症を引き起こす原因となる場合があります。特に敏感肌の方は、アミノ酸系など低刺激のシャンプーに切り替えることを検討してみましょう。
爪を立ててゴシゴシ洗うと頭皮が傷つくため、シャンプーするときは指の腹で優しく頭皮をマッサージするように洗います。シャンプーのすすぎ残しがあると、毛穴を詰まらせる原因になるので、時間をかけてしっかりと洗い流しましょう。
頭皮の血行不良は、髪の成長に必要な酸素や栄養が毛根に届きにくくなる原因の一つです。頭皮の血行が滞ると、髪の毛に必要な栄養素や酸素が十分に届かず、髪が細く弱くなってしまいます。これを改善するためには、頭皮マッサージを日々の習慣に取り入れることがおすすめです。
頭皮マッサージは指の腹を使い、頭皮全体を優しく揉みほぐすイメージで行いましょう。血行が滞りやすい生え際や頭頂部を意識して、心地よいと感じる程度の圧で行うことが大切です。血行が促進されることで頭皮環境が徐々に改善され、細くなった髪にハリやコシが戻る助けとなる可能性があります。
髪が細くなったり、ボリュームが減ったりしたと感じたときは、薄毛を目立たなくさせるためにヘアスタイルを見直す方法も有効です。たとえば、分け目をいつも同じ場所に作っていると、その部分の地肌が目立ちやすくなりますが、分け目を定期的に変えることで目立ちにくくできます。
また、髪全体にふんわりとしたレイヤーを入れたり、部分的にパーマをかけたりすると、髪の根元が立ち上がりやすくなり、ボリューム感を出すことも可能です。さらに、生え際や頭頂部の薄さが気になる場合は、その部分をカバーできるような前髪の作り方やスタイリング剤の選び方について、美容師に相談してみるのも良いでしょう。
過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、髪の成長サイクルに悪影響を与えることがあります。現代社会では年齢を問わずさまざまなストレスにさらされているため、趣味に没頭する時間や軽い運動、友人との会話など、自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。
ストレス解消法によりリラックスすることで、頭皮の血管の収縮が和らぎ、血行が改善される効果も期待できます。自分に合った方法を見つけて、心身のバランスを整えましょう。
ここでは、髪の細さや薄毛治療に関する疑問をQ&A形式で回答します。髪が細くなったと悩む方、薄毛治療に関心がある方は参考にしてください。
睡眠不足や栄養バランスの乱れ、ストレス、過度なダイエットなど、20代で髪が細くなる原因はさまざまです。急に髪が細くなったと感じる場合は、まず生活習慣の見直しから始めましょう。
生活習慣の乱れが原因でない場合、男性であればAGAを発症している可能性があります。AGAは進行性のため、心配な方は早期に医療機関を受診することが重要です。
女性の薄毛は、女性ホルモンの影響が関わるFAGA(女性男性型脱毛症)や、頭部全体が薄くなるびまん性脱毛症などがあります。治療方法としては、内服薬や外用薬を用いた薬物療法が一般的です。
また、薄毛の原因が鉄欠乏性貧血や甲状腺疾患など、内科的な要因にある場合は、その原因疾患の治療も並行して行う必要があります。悩んでいる方は医療機関に相談し、自分に合った薄毛治療の方法を見つけましょう。
AGAの治療は、基本的に保険適用外です。AGAは主に整容面における治療適用となり、自由診療として扱われます。自由診療の場合は、診察や検査、処方される薬代など、治療にかかる費用は全額自己負担です。
ただし、円形脱毛症や皮膚疾患など、AGA以外の脱毛症や頭皮の病気が原因である場合は、その治療部分について保険が適用されることもあります。また、最近ではオンライン診療で診察料がかからないクリニックもあるので、複数の医療機関を比較検討したうえで決めるのがおすすめです。治療は継続が重要なので、長期的に続けられる費用設定かどうかも確認しましょう。
AGA治療にかかる治療費については、「AGA治療の効果や具体的な内容、治療薬を選ぶポイントを解説」で詳しく解説しています。
髪が急に細くなったときは、まず何が原因なのかを特定しましょう。一時的なストレスや栄養不足、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が考えられます。
生活習慣や頭皮ケア方法の見直しは、すぐに取り組める改善方法の一つです。栄養バランスの整った食事を意識したり、シャンプーの種類や洗い方を見直したりしてみましょう。改善方法を試しても髪が細いままの場合は、医療機関への受診をおすすめします。
髪が細くなる原因は、生活習慣の乱れやストレス、ホルモンバランスの変化など多岐にわたります。細くなった髪を少しでも元の太さに戻すために、生活習慣を見直したり頭皮マッサージを取り入れたりして、髪に栄養が届きやすい環境を整えましょう。
なかなか改善が見られない、ほかにも抜け毛や薄毛が気になるといった場合は、AGAなどの進行性脱毛症の可能性もあるため、医療機関の受診をおすすめします。