更新日:2026年02月05日
AGA治療を検討する方の中には、「フィナステリドとミノキシジルは併用できる?」「効果や副作用は?」と気になっている方もいらっしゃるかもしれません。薬剤の併用はそれぞれの作用メカニズムを活かした効果的なアプローチとして注目されています。
本記事では、フィナステリドとミノキシジルの併用が可能な理由や期待できる効果を解説します。安全に使用するためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フィナステリドとミノキシジルは併用可能です。フィナステリドがAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制するのに対し、ミノキシジルは頭皮の血流を改善して発毛を促進します。
フィナステリドとミノキシジルは作用機序が異なるため、それぞれの持つ効果を組み合わせることで、より多角的にAGAにアプローチできる可能性があります。
ただし、治療薬の選択や併用にあたっては自身の体質や健康状態を考慮し、医師と十分に相談することが重要です。また、効果が現れるまでには一般的に6~12ヶ月程度かかるため、短期間で効果を判断せず、長期的な視点を持って取り組む姿勢が求められます。
自己判断での併用や個人輸入・通販などで入手した薬の使用は避け、必ず医師の指導のもとAGA治療を進めましょう。
フィナステリドは、AGAの進行を抑制するための内服薬「プロペシア」に含有される有効成分の名称です。また、この有効成分の名称がそのまま、プロペシアのジェネリック医薬品の商品名として使用されています。
なお、先発医薬品のプロペシアとジェネリック医薬品のフィナステリドは同様の成分が含まれているため、効果に大きな違いはありません。
ここでは、フィナステリドの主な効果や副作用、服用前に知っておくべき注意点について解説します。
フィナステリドは5αリダクターゼの働きを阻害し、毛髪の成長抑制や毛包を委縮させるDHTの生成を抑えて薄毛の進行を防ぎます。ヘアサイクルを正常化することで十分に成長する前に抜け落ちてしまう細い毛が減り、結果として徐々に太く健康的な毛髪が増えていくのです。
フィナステリドの効果には個人差がありますが、一般的には服用後3~6ヶ月程度で効果を実感する傾向があります。新しく生えてくる毛髪が健康な状態で成長するまでには一定の期間が必要なため、短期間での変化を期待するのではなく、長期的な視点で取り組みましょう。
フィナステリドについて詳しく知りたい方は、「フィナステリドの効果とは?副作用や服用時の注意点についても説明」も参考にしてみてください。
KEGG MEDICUSの「医療用医薬品 : フィナステリド」によると、副作用としてまれにリビドー減退(性的欲求の減退)や勃起機能不全、射精障害、精液量減少などが起こり得るとされています。男性機能に関する症状以外にも、肝機能障害や抑うつ、めまいといった副作用が起こる可能性もあります。
副作用は服用を中止すれば基本的に治まりますが、中止後も症状が継続するポストフィナステリド症候群になる可能性もあるため、体調の変化を感じた場合は速やかに医師へ相談しましょう。フィナステリドの副作用が不安な方は医師と話し合い、納得したうえで治療を開始することをおすすめします。
参考:KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : フィナステリド」
厚生労働省の「プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について」によると、フィナステリドを有効成分とするプロペシアは男性だけの治療薬のため、女性や子どもは使用できないとされています。特に男の子を妊娠している女性がフィナステリドやプロペシアに触れたり服用したりすると、男の子の生殖器に異常を起こす恐れがあるので注意が必要です。錠剤を分割したり、粉砕したりしたものを触れることも避けましょう。
また、フィナステリドの成分は前立腺がんのスクリーニング検査で用いられるPSA(前立腺特異抗原)値を低下させる作用があります。そのため、PSA検査を受ける際は、フィナステリドを服用していることを必ず医師に伝えましょう。
参考:厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」
ミノキシジルはAGAの進行を抑えるフィナステリドとは異なり、毛髪の成長を促進する働きを持っているAGA治療薬です。ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、外用薬は第1類医薬品として販売されています。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
内服薬については日本国内で未承認の薬となっているため、服用を検討する方は医師の説明を十分に聞いてリスクを理解しておきましょう。以下でミノキシジルの主な効果と副作用、注意点の解説をしていきます。
ミノキシジルは発毛を促進する効果が期待できる成分として、AGA治療に用いられています。もともとは高血圧の治療薬として開発されましたが、その後に発毛効果が認められて薄毛治療にも応用されるようになりました。
ミノキシジルの内服薬には血管を広げて血流を改善する作用があり、頭皮に栄養が行き渡ることで健康な髪が生えやすくなるとされています。ミノキシジルの外用薬は、直接頭皮に塗ることで毛母細胞を活性化させ、細胞分裂を促進して発毛を促します。外用薬は医療機関だけでなく市販薬としても販売されているため、ドラッグストアなどで購入可能です。
ミノキシジルについては、「ミノキシジルに効果はある?効果を高める方法や期間の目安も解説します」でも詳しく解説しています。
ミノキシジルには内服薬と外用薬があり、それぞれで起こり得る副作用には違いがあります。内服薬の場合は多毛症や動悸、不整脈、手足のむくみなどの症状が起こる可能性があるのです。内服薬の場合、ミノキシジルが腸管から吸収されるため副作用のリスクが外用薬より高い傾向があります。
一方、外用薬の副作用は内服薬と同様の動悸やむくみに加え、頭皮のかゆみやかぶれ、赤みといった皮膚の炎症です。
いずれの副作用も症状が強く出たり長期間続いたりする場合は、速やかに医師へ相談して服用量や使用方法の調整、治療方法の見直しをしましょう。
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬であった経緯から、心臓や血管に持病がある方や低血圧の方が使用する際は注意が必要です。内服薬を服用したあとに動悸や息切れなどの循環器系の症状が出た場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
また、外用薬についても頭皮に傷や炎症がある場合は症状を悪化させる可能性があるため、使用を控えるべきです。フィナステリドと同様に女性や子ども、特に妊娠中の女性は内服薬の使用は禁忌とされています。個人輸入などで安易に入手せず、医師の診断と指導のもと用法・用量を守って安全に使用することが大切です。
フィナステリドとミノキシジルの併用は、AGA治療において効果的な方法の一つとされています。それぞれ作用メカニズムが異なるため、併用によってお互いの効果を補完し合い、単独使用よりも効果を感じやすい傾向があるのです。
ここでは、フィナステリドとミノキシジルを併用するメリットを解説します。
フィナステリドとミノキシジルを併用するメリットの一つは、守りと攻めの治療を同時に行うことで、多角的な薄毛へのアプローチが可能になる点です。フィナステリドはAGAの原因となるDHTの生成を抑えることで、抜け毛の進行を抑制する役割を果たします。つまり、今ある髪の毛をAGAの影響から守り、ヘアサイクルの乱れを防ぐのです。
一方、ミノキシジルには血行促進や毛母細胞の活性化を通じて発毛を促し、髪の成長をサポートする作用が期待できます。このように、作用機序が異なる二つの薬剤を組み合わせることで、「AGAの進行を食い止めながら新たな髪の成長を後押しする」という単剤治療を上回る効果が期待できるのです。
薄毛が広範囲に及んでいる方やより高い効果を求める方にとって、併用療法は効果的な選択肢の一つといえます。
フィナステリドとミノキシジルを併用することのメリットには、単剤使用よりも比較的短期間で効果を実感できる点も挙げられます。薄毛に悩む方にとって効果を実感するまでの期間が短いことは、AGA治療のモチベーションを維持しやすくなるポイントといえるでしょう。
たとえば、フィナステリド単体では抜け毛の抑制が目的となるため、視覚的に「髪が増えた」と感じるまでには時間がかかる傾向があります。一方、ミノキシジルは発毛作用を持つため、フィナステリドと併用することで変化をより早く確認できる可能性があります。
ただし、併用したからといって服用後すぐに劇的な変化が現れるわけではありません。継続的な治療が前提ですが、早期に何らかの変化を感じられる可能性があるので、治療のモチベーション維持につながりやすいでしょう。
フィナステリドとミノキシジルの併用治療は、薄毛に対する効果的なアプローチとされています。しかし、経済的な理由や副作用の懸念から、併用をやめようと考える方もいるかもしれません。
併用治療をやめると時間の経過とともに服用しなくなった治療薬の効果が失われ、AGAの進行が再開する可能性が高まります。フィナステリドとミノキシジルの併用をやめた場合におけるAGAの進行度は、年齢や薄毛の程度、治療期間、遺伝的要因などによって個人差があります。
ここでは、フィナステリドとミノキシジルの併用をやめた場合の影響を解説するので、どのような変化が現れるのか参考としてご覧ください。
ミノキシジルは発毛を促す役割を担っているため、使用を中断した場合は発毛効果の低下やそれに伴う脱毛の再発が懸念されます。ミノキシジルによって成長が促されていた毛髪は、使用を中止することで徐々に抜け落ちるでしょう。
しかし、フィナステリドの服用を継続していれば、AGAの原因物質であるDHTの抑制作用は維持されます。そのため、AGAによる新たな抜け毛の進行自体は、ある程度食い止められる可能性があります。
ミノキシジルの中断によって治療効果はフィナステリド単体での効果に戻るので、併用していたときのような「髪が増える」という実感は薄れるでしょう。費用面や副作用が理由でミノキシジルを中断したい場合は、治療の中止や切り替えが自身の毛髪の状態にどのような影響を与えるかについて、医師に相談することが大切です。
フィナステリドのみを中断した場合、AGAの進行が再開する可能性が高まります。フィナステリドの服用を中止することで再び5αリダクターゼが活性化し、テストステロンがDHTに変換されます。その結果、DHTが毛母細胞に悪影響を与えることでヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増加するのです。
ミノキシジルを継続して使用している間は、発毛促進作用によって髪の成長は促されます。しかし、根本的なAGAの進行は止まらないため、新たに生えてくる毛髪も次第に細く、短くなる可能性があります。
フィナステリドは長期的な服用が推奨される薬であるため、特に副作用がなく継続が困難ではない場合は自己判断での中断は避け、医師の意見を聞いてから判断しましょう。
AGA治療でフィナステリドとミノキシジルを併用する際は、服用前に以下のポイントを押さえておきましょう。
以下で、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
フィナステリドとミノキシジルを併用するうえで大切なのが、医師から指示された用法・用量を正確に守ることです。フィナステリドは1日1錠(0.2または1.0mg)の内服薬を服用します。また、ミノキシジル内服薬の用法用量は1日1回1錠、外用薬の場合は1日2回1mlと、それぞれ異なります。
効果を早く実感したいからといって自己判断で服用量を増やしたり、服用回数を変えたりすることは、副作用のリスクを高めるだけでなく、期待する治療効果が得られない原因にもなりかねません。
自身の健康状態や体質に合わせて医師が最適と判断した量と頻度で継続することが、安全かつ効果的にAGA治療を進めるためのポイントです。疑問点があれば、その都度医師に相談しましょう。
個人輸入や通販での入手は、偽薬のリスクがあるためおすすめできません。偽薬には有効成分が全く含まれていなかったり、規定外の成分や有害物質が混入していたりするケースがあるため、期待した効果が得られないだけでなく健康被害につながる可能性があります。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「制度の概要」によると、医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を正しく使用して重篤な健康被害に遭った際に、医療費や年金などの給付を受けられる制度です。ただし、個人輸入によって健康被害に遭った場合、この制度は利用できません。
AGA治療薬の個人輸入については、「AGA治療薬の個人輸入とは?予め知っておくべき4つのリスク」でも詳しく解説しています。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
フィナステリドとミノキシジルの併用療法は効果が期待できる一方で、単剤使用と比べて毎月の負担が増える側面があります。単剤でフィナステリドやミノキシジルを使用する場合と比べ、2種類の費用がかかるため毎月の治療にかかるコストが高くなるのです。
クリニックによってはジェネリック医薬品の取り扱いや、費用の負担を軽減するための相談に応じている場合があります。経済的な負担を考慮しつつ最適な治療を続けるためには、医師と相談しながら自分に合った治療計画を立てることが重要です。
フィナステリドとミノキシジルの併用治療は、単剤使用よりも比較的早期に効果を実感できる可能性があります。しかし、AGA治療の効果を安定させ、維持するためには長期的な継続が必要です。
毛髪にはヘアサイクルがあるため、薬の効果が現れ始めて満足のいく結果を得るには一般的に6ヶ月~1年以上の期間が必要とされています。併用後に効果が出始めたからといって自己判断で薬の服用をやめてしまうと、AGAが再び進行してしまう可能性があるのです。
フィナステリドはAGAの進行を抑制、ミノキシジルは発毛効果を維持する目的で継続的な使用が推奨されています。長期的な治療計画に基づいて粘り強く取り組むことで、満足のいく結果につながるでしょう。
ここでは、フィナステリドやミノキシジルに関する疑問に対し、Q&A形式で回答していきます。それぞれの治療薬について詳しく知りたい方や、使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
フィナステリドとミノキシジルの併用治療を始めて効果を感じられないことには、複数の理由が考えられます。一つは、治療期間がまだ短いことです。効果を実感し始めるまでには一般的に3〜6ヶ月、満足いく結果を得るには1年程度の継続が必要とされています。焦らず、まずは医師の指示通りに決められた期間、治療を継続することが重要です。
また、生活習慣やストレス、体質などもAGA治療の効果に影響する可能性があるため、規則正しい生活やバランスの取れた食事を心がけましょう。「半年以上継続しても全く変化がない」「抜け毛が以前より増えた」と感じる場合は、薬の用量や治療方法自体が合っていない可能性も考えられます。自己判断せずに、治療を受けているクリニックの医師に相談しましょう。
日本国内では承認されていませんが、海外で製造したフィナステリドとミノキシジルの合剤は存在します。合剤にはそれぞれの成分が含まれているため、一度に摂取できるのはメリットといえるでしょう。その一方で、合剤にはフィナステリドとミノキシジルの成分が含まれていることから、副作用発現のリスクや治療効果の調整が難しくなる可能性があるといったデメリットがあります。
安全に併用治療を行うためには医師の診断に基づき、自身の希望や体質に合った治療薬を処方してもらう方法がおすすめです。AGA治療を検討している方は、自己判断するのではなく医師に相談して治療方針を決めましょう。
費用を抑える目的でフィナステリドやミノキシジルを個人輸入や通販で購入することは、リスクを伴うためおすすめできません。個人輸入などで流通している医薬品の中には「有効成分が全く含まれていない」「不純物や有害な成分が混入している」など、偽薬が潜んでいる危険性があります。偽薬を入手し服用すると、期待した治療効果が得られないばかりか、重大な健康被害を引き起こす恐れがあるのです。
また、個人輸入した医薬品の使用によって健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。安全で確実な治療を受けるためには、医療機関を受診して医師の診断のもと、医薬品を処方してもらいましょう。
フィナステリドとミノキシジルは、作用機序が異なるAGA治療薬として併用することで相乗効果が期待できます。フィナステリドはAGAの原因物質DHTの生成を抑制することで薄毛の進行を防ぎ、ミノキシジルは頭皮の血流改善や毛母細胞の活性化を通じて発毛を促進します。フィナステリドとミノキシジルを組み合わせることで、単剤使用よりも効果的に薄毛に対処できる可能性が高まるでしょう。
費用面を抑えるために個人輸入や通販を利用すると、偽薬のリスクや医薬品副作用被害救済制度を利用できないデメリットがあります。併用治療を始める際は、医療機関での処方が安全です。
AGA治療は長期的な視点で取り組む必要があります。併用による副作用の懸念や費用面などの不安がある場合は、自己判断せず医師と相談し、自分に合った治療計画を立てましょう。