更新日:2026年06月18日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「デュタステリドと亜鉛は併用しても大丈夫?」と疑問をお持ちの方もいるかもしれません。デュタステリドと亜鉛は禁忌ではなく併用可能です。抜け毛を抑える薬と髪を育てる栄養素を組み合わせることで、異なるアプローチで薄毛の改善を目指せます。
本記事では、デュタステリドと亜鉛の役割や亜鉛不足によって現れやすいサインについて詳しく解説します。亜鉛サプリの適切な服用方法にも触れているため、ぜひご一読ください。
デュタステリドと亜鉛を併用することについて、健康上の問題を引き起こすような禁忌の報告は現在のところありません。医薬品であるデュタステリドと、栄養素である亜鉛は、体内で働く仕組みが根本的に異なるためです。
デュタステリドは抜け毛の原因を抑える薬、亜鉛は髪の毛を育てるための栄養素で、それぞれ役割が異なります。それぞれが異なるアプローチで髪の状態に働きかけるため、併用自体は問題ないと考えられます。
以下では、それぞれの役割を詳しくみていきましょう。

デュタステリドには、AGA(男性型脱毛症)の原因物質である男性ホルモン・DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える効果があります。AGAの発症に関わっているのは5αリダクターゼという酵素です。この酵素が男性ホルモンであるテストステロンと結びつくことでDHTが生成され、髪の成長サイクルを短くしてしまいます。
デュタステリドは5αリダクターゼl型・ll型の働きを阻害するため、DHTの生成を防ぎ、抜け毛を抑制する効果が期待できます。AGA治療薬として皮膚科や専門のクリニックで処方されることが一般的です。
亜鉛は、髪の毛の主成分であるケラチンというタンパク質を合成する際に欠かせない栄養素です。亜鉛は牛肉やレバー、牡蠣、ナッツ類などに多く含まれます。食事から摂取したタンパク質が体内で一度分解され、髪の毛として再構成されるときに、亜鉛は酵素の働きを助ける補助因子として働くのが特徴です。
亜鉛はあくまで髪に必要な栄養素の一つとされており、AGAの根本的な原因である男性ホルモンのDHTを直接抑制する働きはありません。AGAは放っておくと進行する疾患であるため、改善を目指すには薬による適切な治療が必要です。
デュタステリドは肝臓で代謝される薬剤であり、サプリメントの併用状況によっては体調への影響に注意が必要です。そのため、デュタステリドと亜鉛を併用したい場合は、事前に医師へ相談しましょう。
厚生労働省「健康食品の正しい利用法」によると、成分の組み合わせによっては薬の効果が弱まったり、逆に副作用が強く出たりするリスクがあるとされています。そのため、自己判断でサプリメントを追加するのは避け、併用について医師からアドバイスをもらうと安心です。
参考:厚生労働省「健康食品の正しい利用法」

亜鉛は髪の合成を助ける栄養素ですが、発毛効果はありません。AGAによる抜け毛を抑制するにはデュタステリドによる治療を継続し、亜鉛はあくまで髪が生える土台作りとして活用しましょう。
タンパク質の合成を補助する亜鉛が不足すると、毛髪の成長に影響を与える可能性があります。食生活の偏りがある場合には、栄養状態も確認してみるとよいでしょう。
なお、一部の研究では亜鉛と男性ホルモン代謝との関連が検討されていますが、AGA改善効果について十分なエビデンスは確立されていません。
亜鉛が不足した場合、髪の状態以外にも身体にさまざまなサインが現れやすくなります。抜け毛の原因がAGAによるものか、亜鉛不足によるものかを判断する一つの目安として、以下の症状がないか確認してみましょう。
なお、これらの症状は亜鉛不足以外でもみられるため、気になる場合は医療機関へ相談しましょう。
日々の食事で亜鉛が不足しがちな場合には、医師に相談してデュタステリドのほかに亜鉛のサプリメントを併用することも効果的です。亜鉛サプリを取り入れるときに心掛けるべき服用方法は以下のとおりです。
亜鉛サプリは適切な摂取量やタイミングを守って服用しましょう。
亜鉛サプリを服用する際は、1日当たりの耐容上限量を守るようにしましょう。厚生労働省の「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」によると、成人男性の上限量は1日40~45mg程度とされています。
亜鉛を過剰に摂取し続けると、身体に必要なほかのミネラルの吸収を妨げるおそれがあります。特に注意が必要なのが、体内の銅の吸収が阻害されることで起こる「銅欠乏症」です。銅が不足すると貧血を招き、髪に十分な酸素や栄養が運ばれなくなった結果、髪の成長を妨げる可能性があります。
サプリメントは手軽に摂取できるため、気づかないうちに過剰摂取となるリスクがあります。特に複数のビタミンサプリやマルチミネラルサプリを併用している場合は、食事に加えてそれぞれの製品に含まれる亜鉛の量を合算して確認するようにしましょう。
参考:厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」
亜鉛サプリを飲むタイミングに決まりはありませんが、体質に合わせて飲むタイミングを決めるのがおすすめです。
成分の吸収効率を重視するのであれば、基本的には胃の中に食べ物がない空腹時に摂取するのが望ましいとされています。一方で、亜鉛は胃粘膜を刺激することがあるため、胃が弱い方が空腹時に飲むと吐き気や不快感を覚える場合もあります。
胃への負担が気になるのであれば、食後に服用することで負担を軽減できます。飲むタイミングについても、医師と相談して決めるのが良いでしょう。
亜鉛の吸収を妨げる食品や成分を避けて服用すると良いでしょう。たとえば、コーヒーや緑茶に含まれるタンニン、穀類や豆類に含まれるフィチン酸は、亜鉛の吸収に影響を与える場合があります。亜鉛サプリで必要量を摂取する工夫をしていても、それがうまく使われなくなることも考えられます。
コンビニ弁当やインスタント食品を頻繁に利用している場合は、添加物を多く摂取してしまいやすいため、服用の際には注意が必要です。亜鉛サプリを飲む前後の時間は、これらの飲食物を控えることで、髪に必要な栄養を効率よく吸収できるようになるでしょう。また、栄養バランスの偏りを避けることも大切です。
デュタステリドと亜鉛についてよくある疑問にお答えします。併用についての不安を軽減しながらAGA治療を続けていきましょう。
デュタステリドとミノキシジルを併用しながら、亜鉛も使用できる?
デュタステリドとミノキシジル、そして亜鉛サプリを同時に取り入れることは可能です。
抜け毛を抑制するデュタステリドと発毛を促進するミノキシジルの組み合わせは、AGA治療において推奨される方法の一つといえます。さらに髪の生成をサポートする亜鉛を合わせて使用することで、髪が生える土台作りにつながるでしょう。
ただし、医薬品と亜鉛サプリの併用は体への負担にも関連するため、前もって医師に確認しておくことが大切です。また、亜鉛サプリを検討する際は、1日の耐容上限量を超えないよう食事での摂取量やサプリに含まれる量を計算して取り入れるようにしてください。
亜鉛サプリやAGA治療薬を個人輸入しても大丈夫?
海外からの個人輸入で治療薬やサプリメントを入手する方法にはリスクを伴います。 個人輸入された製品の中には、成分が正しく含まれていない偽造品や、不純物が混入した不良品が紛れている危険性があるためです。
厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」によると、個人輸入した医薬品等は期待する効果が得られない可能性があるだけではなく、含まれる成分で健康被害などの危険性があるとされています。
また、医薬品医療機器総合機構の「Q3 救済の対象となる健康被害とはどのようなものですか。」によると、入院を必要とするような副作用が起きた場合、国内の正規ルートで購入した際に適用される「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはなりません。安さや手軽さだけで選ばず、安全性を考慮して医療機関で処方を受けるようにしましょう。
参考:厚生労働省「医薬品・医療機器」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A」
デュタステリドと亜鉛の併用は禁忌ではないため、医師の指導のもと使用し自身に合った治療を行うことで薄毛の改善を目指せます。治療薬であるデュタステリドが抜け毛の原因となる男性ホルモンの生成を抑え、亜鉛が髪の主成分であるタンパク質の合成を助ける役割があるためです。ただし、亜鉛には発毛効果そのものはないため、あくまで治療をサポートする補助的な役割として考えましょう。
亜鉛を摂取する際は、1日当たりの上限量である40〜45mgを厳守することが必要です。過剰摂取は銅欠乏症などのリスクを招き、かえって髪の成長を妨げるおそれがあるため注意してください。
より積極的な治療を検討する場合は、デュタステリドやミノキシジルとの併用という選択肢もあります。ただし、体への負担を考慮し自己判断は避け、医師に相談して行いましょう。
自身に合った治療法を知るためにも、皮膚科やAGAクリニックで相談することが大切です。
厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
厚生労働省「栄養・食育対策」
厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会」
厚生労働省「健康・医療」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度に関する業務」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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