更新日:2026年06月19日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「毎月の費用や副作用が気になる。AGA治療をやめるとどうなるか知りたい」とお考えの方もいるかもしれません。AGA治療を中断すると薬による抜け毛抑制や発毛促進の作用が徐々になくなり、数ヶ月~1年程度で元の薄毛の状態に戻る可能性があります。治療効果に満足しても自己判断での中止は避け、医師と継続方法を検討しましょう。 本記事では、AGA治療をやめると起こりうる変化や治療を中断・再開するリスクを解説します。
AGA治療を中断したあとに起こりうる変化は、以下のとおりです。
それぞれ解説します。
AGA治療薬をやめると、副作用が出ている場合は改善に向かう可能性があります。AGA治療で用いられる内服薬は、服用を中止することで有効成分が体内で徐々に代謝されます。そのため、治療中に副作用と思われる症状が出ていた場合は、服用をやめることで症状が軽減、または消失することが考えられるでしょう。
AGA治療薬のフィナステリド服用中に性欲減退などの副作用があった場合、服用をやめると性機能の不調は数週間~数ヶ月かけて改善する傾向にあるとされています。
AGA治療薬をやめた場合、薬による薄毛の症状への抑制がなくなるため、症状が再び進行するリスクが高まる可能性があります。治療薬は抜け毛を抑制したり発毛を促進したりする効果があるものの、根本的に治すわけではありません。一般的に、AGA治療を中断してから数ヶ月~1年ほどで元の薄毛の状態に戻ると考えられています。
AGA治療をやめると年齢相応の進行度まで一気に進んでしまうケースもあるため、注意が必要です。

AGA治療をやめると、薬で抑えていたAGAの症状が進行する可能性があります。AGA治療をやめたい場合には、自己判断での中断は避け、医師に相談しましょう。
AGA治療薬の使用が「一生続く」と言われる理由は、以下の2つです。
AGAの特性や治療薬も含めて、それぞれ詳しく解説します。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)が髪の成長サイクルを短くしてしまうことで起こる進行性の脱毛症です。
男性ホルモンテストステロンが酵素5αリダクターゼと結びつき、AGAの原因ホルモンDHTを生成します。DHTは毛包でアンドロゲンレセプターと結合することでヘアサイクル(毛周期)の成長期が短縮され、薄毛が進行する仕組みです。
AGAは、男性ホルモンの影響を受けやすい「遺伝的な体質」が主な原因であるため、完全に治癒させる「完治」という概念がありません。そのため、薬の使用をやめると再び髪の成長期が短縮されます。髪の量を維持したい期間は、適切な治療を続ける必要があるといえるでしょう。
AGA治療薬を使用し続ける必要があるのは、治療をやめると効果がなくなるためです。AGAの主な治療薬には、抜け毛を抑制するフィナステリドやデュタステリド、発毛を促進するミノキシジルがあります。
フィナステリドは、前頭部や頭頂部にある5αリダクターゼll型を阻害することでDHTの生成を抑え、抜け毛を抑制する内服薬です。医薬品医療機器総合機構の「フィナステリド錠 添付文書」によると、薬の効果を持続させるためには継続的に服用することが必要とされています。
また、同資料によると、「効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要」とされています。このように、フィナステリドの効果が現れるまでには一定の期間が必要であるため、1ヶ月などの短期間で自己判断で治療をやめず、6ヶ月継続してみましょう。
フィナステリドの副作用として肝機能障害や性機能障害が起こりうるとされています。副作用の症状が現れた場合には使用を中止し、医療機関を受診することが大切です。副作用などの不安を感じる場合は自己判断で中止せず、医師と相談しながら治療継続について検討しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素ll型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
デュタステリドは、5αリダクターゼl型・ll型を阻害することでDHTの生成を抑え、抜け毛を抑制する内服薬です。医薬品医療機器総合機構の「デュタステリド錠 添付文書」によると、「治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要」とされています。1ヶ月などの短期間で治療をやめず、6ヶ月継続してみましょう。
デュタステリドの副作用も、フィナステリドと同じく肝機能障害や性機能障害が起こりうるとされています。副作用の症状が現れた場合には使用を中止し、医療機関を受診することが大切です。副作用などの不安を感じる場合は自己判断で中止せず、医師と相談しながら治療継続について検討しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 デュタステリド錠」
ミノキシジルの作用機序は、現在に至るまで完全には解明されていないものの、以下の作用があると考えられています。
ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布することで血行を良くし、発毛を促進する効果が期待できる薬です。ミノキシジル外用薬の効果を維持するには、継続して使用することが必要です。大正製薬の「リアップX5チャージ説明書」によると、効果がわかるようになるまで少なくとも4ヶ月間、毎日使用を継続することが必要とされています。説明書に書かれた用法・用量を守って適切に使用しましょう。
副作用は、塗布した頭皮の発疹・発赤やかゆみなどの局所的な症状が中心です。また、ミノキシジルには血管拡張作用があるため、胸の痛みや動悸、むくみなどの全身症状が現れる場合もあります。副作用が現れた場合は直ちに使用を中止して医療機関を受診しましょう。
参考:大正製薬株式会社「製品情報サイト」
ミノキシジル内服薬は、外用薬と同じように、血管拡張作用により毛包周囲の血流を改善し、ヘアサイクルの成長期を延長する作用があると考えられています。ただし、体に直接成分を取り込むことから、外用薬よりも全身性の副作用リスクがあるのが特徴です。そのため、2026年4月時点で国内未承認薬であり、医療機関や医師の管理のもと輸入され、使用されています。
AGA治療をやめるタイミングとして考えられるケースは、以下の2つです。
それぞれ詳しく解説します。
AGA治療をやめるタイミングとして考えられるのは、効果に満足して治療をやめたいと考えるケースです。目標とする毛量に達した場合、やめるのではなく毛量維持を目的とした治療方針へ移行するのが良いでしょう。
薬を完全にやめてしまうと再び抜け毛が増えるリスクがあるため、薬の種類や剤形の変更を検討して治療を継続するのが良いでしょう。
例えば、医師に相談して発毛を促進する薬から抜け毛を抑制する薬へ減らすといった調整ができます。あくまで医師の判断によって決定し、段階的に薬を調整していくことが大切です。
AGA治療をやめるタイミングとして、副作用が強く治療の継続が難しいケースも考えられます。治療薬の使用によって体調に異変を感じたり、日常生活に支障が出るほどの副作用が現れたりした場合は、我慢して治療を続けるべきではありません。直ちに使用を中止して医師へ相談し、薬の変更などの調整を行いましょう。
医師の判断のもと、作用が異なるほかの治療を検討することで、体への負担を抑えながら治療を継続できる可能性があります。自己判断で我慢して薬を続けたり、中断したりするのは避けましょう。
AGA治療を一時的に中断・再開しようとすることは可能ですが、一定のリスクがあります。安易に中断・再開するリスクは以下の2つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
AGA治療を中断した場合、副作用など体調への影響を確認しながら再開することは可能です。ただし、中断後からの経過には個人差はあるものの、数ヶ月から1年程度にかけて、AGAの症状が進行する可能性が考えられます。
治療を再開したとしても、前回の終了時点からではなく、進行してしまった状態からのスタートとなるケースがあります。そのため、前回と同じ効果が得られるまでに長い期間が必要になる可能性があるでしょう。
結果的に経済的・時間的コストがかかる可能性があるため、自己判断での中断にはリスクが伴うといえます。
治療を中断・再開するリスクとして、治療方針が変更され、再開初日から前回の用量を使用できない可能性がある点にも注意が必要です。治療を休んでいた場合、体調やAGAの進行度が変わっていることもあるため、前回治療時と同じ処方が適切とは限りません。治療の中で徐々に薬を増やして体に慣らすプロセスを、最初からやり直す必要が出てくるケースもあります。
また、前回の治療で使っていた薬の種類や用量が変更されることも考えられます。再開する際は、通院などの負担が増える可能性があることを理解しておきましょう。
「やめたい」と感じる原因が経済的な負担や副作用の発現である場合、AGA治療薬を中止する以外にも選択肢があります。以下の3つの方法を試してみましょう。
体調や副作用の発現が疑われる場合、医師の判断のもと、一時的な休薬を検討する場合があります。たとえば、体調不良がAGA治療薬によるものか判別できないときなどは、医師の判断で一定期間だけ服用を止めて様子をみることがあります。これにより、気になる症状の原因が薬なのか確認し、治療方針を決定します。
ただし、休薬するかどうかやその期間については、必ず医師の判断に従ってください。自己判断で長期間休んでしまうと治療効果がリセットされるおそれがあるためです。
治療薬の併用によるコストが気になる場合には、単独使用に変更することも選択肢の一つです。たとえば、フィナステリドとミノキシジルを併用している場合、どちらか一方の使用に切り替えることも検討できます。
特に、髪の量に満足している方は、ミノキシジルの使用をやめ、フィナステリドのみで毛髪を維持する段階へ移行することで、月々の費用を抑えられる可能性があります。
ただし、フィナステリドの抜け毛を抑える効果のみではAGAの進行を抑制できない可能性があるため、単独使用の決定は医師と相談して行いましょう。
AGA治療の選択肢として、内服薬から外用薬に変更する方法もあります。ミノキシジル内服薬を服用している場合、塗り薬である外用薬へ切り替えることで、発毛効果を残しつつ全身性の副作用のリスクを低くすることが可能です。
ミノキシジル内服薬は全身に作用する傾向がありますが、外用薬は塗布した部分に作用するため、体への負担を軽減しやすいと考えられます。このように、薬の形を変えるだけでも治療を続けやすくなる場合があるでしょう。
治療をやめたいと思ったときは、医師からアドバイスを受けることで不安や悩みを解決できる場合があります。自己判断せず、医師に相談すると良いでしょう。
また、医師の判断によって治療を継続することになる場合もあります。自身が効果を感じておらず治療をやめたいと思っていても、医師の診察では治療薬が効いており、現状維持できていると判断されるケースもあるからです。
現状維持もAGA治療の効果とされているため、自己判断で治療薬をやめてしまうと、急激な悪化を招くリスクがあります。治療をやめたい理由を伝え、医師の視点から判断してもらいましょう。
ここでは、AGA治療薬の中断に関するよくある質問をまとめました。不安を軽減しながらAGA治療を継続しましょう。
AGAは完治しますか?
AGAは完治という概念がない疾患とされています。AGAは男性ホルモンによる「体質」の影響が強いため、治療薬を使用しても原因を止められるものではありません。AGA治療薬はあくまで、薄毛になるプロセスの進行を食い止めることが目的で使用されます。
AGAは完治はしないものの、早期から治療を開始し継続することで、薄毛が気にならない状態を長く保つことは可能です。医師に相談しながら適切な治療を進めていきましょう。
自己判断で薬をやめても良いですか?
AGA治療薬を自己判断で中止することはおすすめしません。AGAは進行性の疾患であるため、治療をやめることで薬の作用によって抑えられていた原因ホルモンが生成されるようになり、抜け毛が増える可能性があります。
副作用や経済的な理由で治療をやめたい場合には、自己判断で薬を中止せず、その旨を医師に伝えてください。薬の種類を変更するなど、納得してAGA治療を続けられる方法が見つかる可能性があります。
AGA治療薬を中断できる期間の目安はありますか?
基本的には、目安として一週間程度の休薬であれば影響は少ないとされています。
旅行先への持参忘れなど、数日~1週間程度の短い期間の飲み忘れであれば、すぐに影響が出ることは少ないといえるでしょう。しかし、数ヶ月単位で中断してしまうと、これまでの成果がリセットされてしまう可能性があるため避けるべきです。
強い副作用が出て継続が難しいといったケースでない限り、自身の判断で長期間の治療中断を行わないほうが良いでしょう。
AGA治療をやめると数ヶ月~1年で薄毛が再び進行する可能性が高いため、自己判断での中止は避けましょう。AGAは進行性の脱毛症であり完治という概念がないため、発毛効果を維持するには継続が必要です。
副作用や費用の不安がある場合は、完全にやめるのではなく、医師に相談して薬の種類や剤形を変更する選択肢があります。目標の毛量に達した患者の場合、現状維持を目的としたプランへ移行することで、負担を減らしながら抜け毛を防ぐことも可能です。
たとえば、内服薬を外用薬へ切り替えて副作用リスクを抑えたり、安価な薬でコストを軽減したりする方法も有効です。中断後に再開すると、進行した状態から開始されるため、時間や費用がかかることもあります。まずは医師と納得できる継続方法を相談しましょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素ll型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 デュタステリド錠」
大正製薬株式会社「製品情報サイト」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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