更新日:2026年07月01日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「フィナステリドがやばい」と聞いて何がやばいのか不安になっている方もいるかもしれません。フィナステリドがやばいといわれる理由は、副作用のリスクや初期脱毛、長期的な費用負担があるためと考えられます。しかし、正しく理解すれば不安に思うことはありません。 本記事では、フィナステリドがやばいといわれる理由を解説します。フィナステリドをやめたらどうなるのかも紹介するので、気になる方は参考にしてください。
「AGA治療薬のフィナステリドがやばい」という言葉の裏には、副作用への不安や初期脱毛による一時的な抜け毛、治療費が長期的に続くという3つの理由があると考えられます。しかし、これらは正しく知っておけば、コントロール可能なリスクであり、フィナステリド自体が危険であるわけではありません。
ここでは、フィナステリドがやばいといわれる3つの理由を紹介します。
フィナステリドには、肝機能障害や性機能障害、抑うつ症状などの副作用が生じることがあります。ただし、薬によって何らかの副作用が生じる可能性は、医薬品全般にいえることで、フィナステリドに限ったことではありません。
また、副作用には個人差があるため、すべての患者が発症するわけではありません。フィナステリドの副作用で発症確率が最も高いリビドー(性欲)減退であっても、5%未満とされています。詳しい解説は後述します。
これらの副作用の可能性がSNSなどで注目を集めて、「やばい」などの言葉で拡散された可能性が考えられるでしょう。
フィナステリドを服用していると、一時的に抜け毛が増える初期脱毛が起こる可能性があります。初期脱毛は、フィナステリドの作用によって一時的に生じているものであり、ネガティブな現象ではありません。しかし、薄毛治療中に抜け毛が増えると、視覚的なショックが大きく「フィナステリドはやばい」と勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
なお、初期脱毛には個人差があり、起こらない人もいます。
AGAは継続的な治療が必要なため、コストを考えて「やばい」と考える人もいる可能性があります。AGAは進行性の脱毛症であり、多くの場合は効果維持のために長期的な治療継続が必要とされています。さらに、AGA治療は健康保険などの適用外なので、費用は全額自己負担です。
ただし、ジェネリック医薬品を利用すれば、先発医薬品よりも費用を抑えられます。フィナステリドは有効成分名であり、先発医薬品として「プロペシア」、後発医薬品として各社の「フィナステリド錠」が販売されています。
なお、フィナステリドの費用相場は月々3,000円〜5,000円です。自身がAGA治療に、毎月どの程度の費用を使えるかを考えて、治療法を選択しましょう。
フィナステリドには、以下の副作用が生じることがあります。
医薬品医療機器総合機構の「フィナステリド錠 添付文書」によると、重大な副作用として肝機能障害が挙げられています。それはフィナステリドの分解が肝臓で行われるためです。しかし、この副作用は、肝臓で代謝するほかの医薬品にもいえることであり、過度に心配する必要はありません。
また、上記添付文書にある国内第II/III相二重盲検比較試験(24~50歳のAGA患者414例を対象とした48週間のプラセボ比較試験)によると、性機能障害の発現率はリビドー(性欲)減退1.1%、勃起機能不全0.7%であったと報告されています。
さらに、フィナステリドの服用により、まれに気分が落ち込むといった抑うつ症状が出ることもあります。
服用前に副作用が気になる場合は、事前に医師へ相談し、詳しい説明を受けることが望ましいでしょう。服用中に体調に異変を感じた場合、自己判断で服用を中止せず、まずはフィナステリドを処方した医師に相談することが大切です。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
フィナステリドで生じうる初期脱毛とは、あくまで一時的な現象であり、AGAが悪化しているわけではありません。ここでは、初期脱毛について、メカニズムや生じる期間、抜け毛の経過例を解説します。
初期脱毛は、治療による毛周期の変化に伴って生じる可能性がある現象と考えられていますが、その機序は完全には解明されていません。

そもそもAGAはDHT(ジヒドロテストステロン)という強力な男性ホルモンにより、ヘアサイクルが乱れることで発症します。そして、フィナステリドには、ヘアサイクルを整える働きがあります。初期脱毛は、フィナステリドの作用でヘアサイクルがリセットされて、AGAの影響を受けた弱い毛が強い毛に生え変わる際に生じるのです。
なお、初期脱毛には個人差があるため、初期脱毛の有無でフィナステリドの効果を判断することはできません。また、初期脱毛があったとしても髪の抜ける量が少ないことで、初期脱毛に気づかないケースもあります。
初期脱毛は、治療開始後2週間〜8週間ごろに起こることが多いといわれています。初期脱毛の経過例として、以下の画像を参考にしてください。

初期脱毛が生じることで、一時的に治療前より抜け毛が増えることがあります。ただし、3ヶ月程度で落ち着くことが多いといわれているため、過度な心配は必要ないでしょう。
なお、初期脱毛の開始期間や抜け毛の経過には個人差があります。前述した期間や経過例の画像は、あくまで参考程度に留めておきましょう。初期脱毛による抜け毛が多く、不安に感じる場合は早めに医師へ相談しましょう。
初期脱毛はフィナステリドの作用によるものだと理解して、慌てて服用を中止しないように気をつけましょう。初期脱毛を恐れて、フィナステリドを中止すると、これまでの薬の作用が消失する恐れがあります。
抜け毛を抑制するために治療をしているのに、一時的であっても抜け毛が増えることに精神的なストレスを感じる人もいるかもしれません。そんなときには「今抜けている毛は、いずれ抜けるはずだった弱い毛だ」と割り切って、前向きな考え方で乗り切ることが大切です。また、髪を短くするなどヘアスタイルを変えたり、帽子を活用したりして、初期脱毛による薄毛をカバーする工夫を行うこともおすすめです。
抜け毛の量が多い、または初期脱毛の期間が長いと感じる場合は、すみやかに医師へ相談しましょう。
フィナステリドの服用をやめると、AGAが再び進行する恐れがあります。ここでは、フィナステリドをやめた後の体の変化や、やめるタイミングについて解説します。
フィナステリドの服用を中止すると、薬の効果が失われるため、AGAの進行が再開する可能性があります。中止後すぐに抜け毛が始まるわけではありませんが、数ヶ月かけて徐々に進行し、ボリュームの減少や生え際・頭頂部の後退を招く恐れがあります。治療中止後はAGA本来の進行速度に戻るため、結果として時間の経過とともに薄毛が進行する可能性があり、注意が必要です。
また、一度中止してから再開すると、治療効果を失った状態からの再スタートとなるため、再び改善を実感するまでには時間を要します。フィナステリドの服用を中止する際は、リスクを理解したうえで慎重に検討しましょう。
フィナステリドをやめるタイミングは、自身のライフスタイルにあわせるのがおすすめです。たとえば、子育てが終わるころや仕事の定年など、薄毛が進んでも、年相応と感じられる年齢を重ねているタイミングでの服薬終了などが考えられます。また、子どもがほしいと感じるタイミングでは、一時的な服用中止を検討する必要があります。
自身のライフスタイルを考慮し、納得いくタイミングを見つけることが大切です。フィナステリドを一生飲まなければならないと悲観せずに、いつまで髪を維持したいかをよく考えて、やめるタイミングを検討しましょう。家族やパートナーへ相談して決めるのも良いでしょう。
フィナステリドは、輸入代行サービスなどを介して個人輸入でも入手できますが、多くのリスクを伴うため、推奨しません。ここでは、フィナステリドを個人輸入する際のリスクや安全に入手する方法を解説します。
医薬品の個人輸入は、不純物の混入や成分量の過不足の危険があるため、避けるべきです。個人輸入される医薬品には、日本の医薬品基準である「医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)」が適用されておらず、品質が保証されていません。GMPの適用を受けるには、事前の相談、書類の申請、薬剤の製造場所の実地調査などが行われ、基準に満たした場合のみ認定がおりるシステムです。
また、厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」では、個人輸入した医薬品には、偽造製品や不衛生な場所で製造された製品などが混ざっている可能性があると指摘しています。
万が一重篤な副作用が出ても「医薬品副作用被害救済制度」が適用されず、入院費用などが自己負担となります。
これらのリスクを考えると、個人輸入による入手は避けるべきでしょう。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
フィナステリドを安全に入手するには、医師に診察、処方を受けることが大切です。正しい成分のフィナステリドを服用できるだけでなく、医師が頭皮の状態を見て、患者にあった用量を判断してくれる点もメリットです。
また、薄毛の原因がAGAでなかった場合も、医師による適切な対応が期待できるでしょう。さらに、フィナステリドによる副作用や初期脱毛の不安をいつでも医師に相談できる環境が整います。AGAは長期的な治療が必要なため、安心して取り組める環境を整えることが、無理のない継続につながります。
最後にフィナステリドに関するよくある質問を紹介します。フィナステリドを服用しようか検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
フィナステリドを服用できない人はいますか?
女性(特に妊婦・授乳中の女性)や20歳未満の人、重度の肝機能障害がある人は服用厳禁です。
妊娠中の女性がフィナステリドを服用した場合、お腹の中にいる男子胎児の生殖器発達に影響を及ぼす恐れがあります。また、フィナステリドの成分は皮膚からも吸収される性質をもつため、触れることも厳禁です。錠剤は通常フィルムコーティングされており、割れたり砕けたりしない限り、成分が露出することはありません。通常のフィルムコーティング錠であれば触れても問題ありませんが、割れたり砕けたりした錠剤は妊婦または妊娠の可能性のある女性が取り扱わないよう注意が必要です。
20歳未満の人は、成長期のホルモンバランスへの影響が懸念され、安全性が確立されていないため、服用は避けるべきといわれています。ほかにも、フィナステリドは肝臓で分解されるため、重度の肝機能障害がある人は服用できません。
フィナステリドの服用だけで十分ですか?
フィナステリドは抜け毛を抑制する作用が期待できるため、現状維持には向いていますが、発毛促進には効果が限られます。
発毛を促したい場合は、ミノキシジルとの併用がおすすめです。ミノキシジルの作用は、完全には解明されていませんが、血管拡張作用による毛包周囲の血流改善や毛包に直接作用し、ヘアサイクルの成長期を延長する作用が期待できます。
自分が思う髪型に対する理想が現状維持なのか、発毛なのかを考えて、治療薬を処方してもらいましょう。
「フィナステリドがやばい」といわれる理由は、副作用や初期脱毛、長期間の費用負担にあります。しかし、これらを正しく理解し対処すれば、不安に思うことはないでしょう。
フィナステリド服用により、頻度不明で肝機能障害や抑うつ症状、発現率5%未満で性機能障害の副作用が生じる可能性があるといわれています。
また、一時的に抜け毛が増える初期脱毛は、ヘアサイクルが整う過程で生じるもので、ネガティブな現象ではありません。
治療費についても、ジェネリック医薬品であるフィナステリドを選択することにより、先発薬よりも負担を抑えられます。費用負担を抑えようと個人輸入に頼ると、健康被害を招く恐れがあるため、必ず避け、専門のクリニックで処方を受けましょう。
医師の適切なサポートを受けながら治療することが、無理のない長期継続へとつながります。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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