更新日:2026年07月01日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「フィナステリドのみのAGA治療でも効果は十分か」と気になっている方もいるかもしれません。フィナステリドのみでも、AGAによる抜け毛の抑制が期待できますが、発毛効果は限定的という注意点があります。 一方、メリットはフィナステリドの治療費しかかからない点です。副作用の心配もフィナステリドだけで済みます。 効果的に服用するには、最低6ヶ月は継続し、医師から処方された薬を飲みましょう。
フィナステリドのみでも、AGAの抜け毛を抑制する効果が期待できます。フィナステリドとは、AGA治療において、デュタステリドと並ぶ代表的な治療薬です。日本皮膚科学会の脱毛症ガイドラインでも「推奨度A:行うよう強く勧める」とされています。
また、フィナステリドは有効成分名であり、先発医薬品として「プロペシア」、後発医薬品(ジェネリック医薬品)として各社の「フィナステリド錠」が販売されています。
一般的に、フィナステリドは服用開始から3ヶ月程度で抜け毛が減少し始めるといわれています。そして、6ヶ月程度で髪質の変化(太さやハリ)の実感が期待できます。ただし、効果の出方には個人差があるため、これはあくまで参考程度に留めてください。
フィナステリドのみで治療すると、月々の治療費や副作用のリスクをフィナステリドだけで抑えられるといったメリットがあります。これらは、治療を長く続けるうえで、大切なポイントとなるでしょう。
フィナステリドのみの治療では、ほかの治療薬を併用する場合と比べ、月々のコストを抑えられます。AGA治療では、複数の治療薬を併用する治療法があります。たとえば、フィナステリドとミノキシジルの併用などです。そうすると当然、それぞれの治療薬に費用がかかり、治療総額が大きくなります。
フィナステリドの費用相場は月々3,000円〜5,000円程度です。ミノキシジルの費用相場は、内服薬と外用薬(1%、5%)のどちらも月々5,000円〜10,000円程度です。併用する場合、月々8,000円〜15,000円になります。
AGA治療は数年単位で続くため、経済的負担が少ないことで治療を継続しやすくなるでしょう。加えて、フィナステリドはジェネリック医薬品で、先発薬のプロペシアと比較して安価な点もメリットです。
服用する薬がフィナステリドのみであれば、複数の治療薬を使用するより副作用のリスクを抑えられます。医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」によると、フィナステリドには、以下の発現頻度で副作用が生じる可能性があるとされています。
肝機能障害:頻度不明
性機能障害
(性欲減退:1~5%未満
勃起機能障害:1%未満
精子減少:1%未満)
抑うつ症状:頻度不明
副作用のリスクは、どの医薬品でも避けられません。薬を併用している場合、その分、それぞれの治療薬で考えられる副作用が生じる可能性があります。そして、併用薬が増えると、考慮すべき副作用の種類が増えるため、医師による管理がより重要になります。
フィナステリドのみの服用であれば、フィナステリドの副作用の可能性だけを考慮すれば良いため、「副作用が出るかも」という精神的な不安も少なくて済むでしょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
フィナステリドのみで治療することにメリットがある一方で、デメリットも存在します。フィナステリドには、主として抜け毛の進行抑制作用が期待されますが、積極的な発毛を目的とする場合にはミノキシジルなどの併用が検討されます。
デメリットを治療前に知っておくと、理解したうえで治療に専念できるため、「発毛していない気がする」「効果を感じられない」などの焦りや戸惑いを減らせるでしょう。
フィナステリドのみの治療では、発毛促進の作用が限定的です。フィナステリドに期待される主な働きは、抜け毛を抑制する作用による今ある髪の現状維持です。発毛を促し、見た目の大きな変化を求める場合には、ほかの治療法との併用が必要になるでしょう。
たとえば、発毛を促すミノキシジルの使用やLEDおよび低出力レーザー照射による施術、また、自分の髪を移植する自毛植毛などの施術と併用することが考えられます。
フィナステリドは、AGAの進行抑制を目的として幅広い病期で使用されますが、進行が高度な場合には単独治療で十分な改善を実感しにくいことがあります。フィナステリドの主な作用は、髪の現状を維持することですが、維持できる髪そのものが失われていると、目に見える改善を実感しにくくなります。薄毛が進行しきった後期段階の場合は、発毛促進作用のあるほかの治療法との併用がおすすめです。
そもそもAGAは、薄毛が進行しきってから始めるよりも、初期段階で治療を開始することが理想的です。一般的にはAGAの進行が軽度な段階で治療を開始した方が、毛髪を維持しやすいと考えられています。ただし、体質などの個人差があるため、初期段階でもフィナステリドだけで効果を実感できないこともあります。
まずは医師へ相談し、自身のAGAがどの程度進行しているのかを診断してもらいましょう。
フィナステリドのみで、できる限りの効果を得たいと考える場合は、以下3つの点を守って服用しましょう。
これらを守ることで、誤った服用により効果が減少してしまう恐れを予防できます。
フィナステリドは、用法用量を守って正しく服用しましょう。一般的に1日1錠、同じ時間に服用する必要があります。朝夜のどちらに服用しても効果は変わりません。
同じ時間に服用することで、血中濃度を安定させたり、飲み忘れを防いだりできます。もし飲み忘れた場合は、一度に2回分服用せず、次の時間まで待って1回分を服用しましょう。
数回の服用忘れで効果に大きな差はないと考えられていますが、何度も服用し忘れが続くと、本来の効果を発揮できない可能性があります。お薬カレンダーやタイマー、ピルケースなどを活用して、毎日決まった時間に服用できるように工夫しましょう。
フィナステリドの効果を評価できるのは6ヶ月程度とされているため、最低でも6ヶ月以上の服用を続けましょう。医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」でも、効果を確認できるまで6ヶ月の連続投与が必要とされています。ヘアサイクルの乱れを正常に戻すには、それなりの時間がかかるためです。これはフィナステリドに限らず、どのAGA治療にもいえることです。
6ヶ月未満の間は、目に見える効果が現れにくいため、「効果が出ていない」と勘違いして服用をやめてしまうケースもあります。自己判断で服用を中止すると、数ヶ月間の治療効果が失われる恐れがあります。効果がわからなくても、最低6ヶ月は根気よく治療を続けましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
フィナステリドは、輸入代行サイトなどを介した個人輸入ではなく、必ずクリニックを受診し、医師から処方してもらいましょう。
厚生労働省の「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」では、個人輸入した医薬品には、偽造品や粗悪品が混ざっている可能性があると指摘されています。悪質な業者から有効成分が少ない医薬品を購入して、知らずに使用していた場合、本来の効果が出ないばかりか、健康リスクを生じることがあります。
また、日本の医薬品は通常「医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)」を満たさなければ流通できません。GMPの承認を得るには、厳格な基準のもとに申請内容の確認や製造場所の実地調査などが必要です。しかし、個人輸入の医薬品にはその基準がなく、品質が保証されていません。
クリニックを受診して処方される医薬品であれば、有効成分や品質が保証されているため、安心して服用できるでしょう。
参考:厚生労働省「医薬品・医療機器」
医師から処方されたフィナステリドを正しく服用し、6ヶ月以上継続しても効果が実感できない場合は、ミノキシジルとの併用やデュタステリドへの切り替えを検討しましょう。ただし、どちらの選択肢も医師との相談のうえ、判断する必要があります。
まずは、専門のクリニックを受診し、医師へ自身の理想を伝えましょう。
フィナステリドとミノキシジルを併用すると、フィナステリドのみと比較してAGAの改善が実感しやすくなります。フィナステリドによる脱毛抑制作用と、ミノキシジルによる毛包への作用を組み合わせることで、より高い治療効果が期待されるためです。
ミノキシジルの作用は完全には解明されていませんが、以下の働きがあると考えられています。
また、ミノキシジルには内服薬と外用薬があります。外用薬は厚生労働省から承認されていますが、内服薬は承認されていません。内服薬を服用する際は、必ず医師と相談したうえで、医師の管理のもと使用する必要があります。
フィナステリドのみで効果がなかった場合、医師へ相談し、デュタステリドへの切り替えを検討しても良いでしょう。デュタステリドはフィナステリドと同じく、5αリダクターゼを阻害し、抜け毛を抑制する治療薬です。
フィナステリドは5αリダクターゼII型のみを阻害するのに対して、デュタステリドは5αリダクターゼのI型とII型の両方を阻害します。また、デュタステリドはフィナステリドより高い治療効果が期待できます。
ただし、効果の出方には個人差があるため、デュタステリドに切り替えれば、必ず効果が実感できるとは限りません。
フィナステリドのみの服用でも、AGAによる抜け毛を抑える効果が期待できます。フィナステリドのみでの治療は、費用を抑えられたり、ほかの治療薬と併用した場合より副作用のリスクを減らせたりするメリットがあるでしょう。
一方、髪を積極的に増やす発毛効果は限定的であり、AGAが進行しきった状態には効果が不十分なこともあります。
フィナステリドを効果的に服用するには、用法・用量を守り、医師が処方した薬を使い続けることが大切です。もし、6ヶ月以上続けても満足な結果が得られないときは、ミノキシジルとの併用やデュタステリドへの切り替えを医師に相談すると良いでしょう。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
厚生労働省「医薬品・医療機器」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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