更新日:2026年07月03日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「フィナステリドを服用中に献血できる?」と疑問をお持ちの方もいるかもしれません。フィナステリドの服用中は献血ができません。服用をやめてから1ヶ月以上の期間を空ける必要があります。これは輸血を受ける人やその胎児の安全を確保するためです。フィナステリドの服用中に誤って献血してしまった場合は、ただちに都道府県の血液センターや献血ルームへ申告する必要があります。
フィナステリド(プロペシア)を服用している期間は献血を行うことができません。日本赤十字社では、輸血を受ける患者の安全性を確保するために献血者に対して制限を設けており、フィナステリドの服用はその対象となっています。ここでは、フィナステリドの服用中に献血できない理由についてみていきましょう。
フィナステリドが献血制限の対象となる理由は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する作用にあります。フィナステリドは20歳未満における有効性および安全性が確立されておらず、また女性に対しては適応がありません。
妊婦または妊娠している可能性のある女性、および授乳中の女性によるフィナステリドの服用は禁忌です。また、皮膚から成分が吸収されるのを防ぐために、直接触れることも避けてください。男児胎児の生殖器などが正常に発達するのに必要なDHTの働きを抑制してしまうおそれがあるためです。
フィナステリドが含まれた血液が妊娠中の女性に輸血された場合には、男児胎児の生殖器が正常に発達しなくなる可能性が指摘されています。フィナステリドは男児胎児の外性器発達に影響をおよぼす可能性があることから、輸血の安全性確保のため献血制限の対象とされています。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
献血には血液の全成分を寄付する全血献血と、特定の成分だけを抽出する成分献血という2種類があります。フィナステリド服用中の場合、全血献血・成分献血ともに行えません。
血漿(けっしょう)や血小板だけを取り出す成分献血であっても、フィナステリドの成分が血液中に残り、輸血された人に悪影響をおよぼす可能性があるためです。「成分献血なら大丈夫だろう」と自己判断しないようにしましょう。

フィナステリドの成分は、男児胎児の生殖器の発達に影響をおよぼす可能性が指摘されています。輸血を受ける方の安全を守るため、全血献血や成分献血を問わず、服薬中の献血は控えてください。
フィナステリドの服用を中止したあと、すぐに献血ができるようになるわけではありません。日本赤十字社の基準では、フィナステリドをやめてから1ヶ月経過していることが献血再開の条件とされています。
AGA治療を一時的に中断する場合も、この休薬期間を守る必要があります。1ヶ月という期間を待たずに献血を行うと、予期せぬトラブルを招くおそれがあるため注意しましょう。
ただし、「効果を持続させるためには継続的に服用すること」とされており、休薬には治療効果が徐々になくなるなどのリスクが伴います。献血を検討する際は、医師と相談して判断するようにしましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
献血時の血液検査において、すべての薬剤成分が細かく特定されるわけではありません。そのため、フィナステリドを服用していることを隠して献血をしたとしても、その場ですぐに発覚する可能性は低いといえるでしょう。
しかし、「バレるかどうか」ではなく、自身の行為が他者にどのような影響を与えるかということを考える必要があります。虚偽の申告は、輸血を受ける患者の安全性確保を妨げる可能性があるため避けなければなりません。
献血をする際に行われる事前の問診では、普段飲んでいる薬について確認されます。正直に回答し、1ヶ月の休薬期間が経過していない場合は献血を諦めることが大切です。
フィナステリドを服用中に誤って献血をしてしまった場合は、ただちに都道府県の血液センターや献血ルームに申告する必要があります。前述のとおり、輸血を受ける患者に重大なリスクを負わせる可能性があるためです。
自身が献血した施設名称や問い合わせ先は、日本赤十字社のWeb会員サービスや献血時に渡されたリーフレットなどから確認できます。連絡する際は、献血時に発行された「献血者コード」を伝えましょう。献血によって輸血が必要な人を危険にさらさないためにも、事前問診の重要性を再認識したうえで誠実に対応することが大切です。
AGA治療で使用される代表的な薬として、フィナステリドのほかにデュタステリドやミノキシジルが挙げられます。献血を受けられる基準はそれぞれ異なるため、ここで確認していきましょう。
デュタステリド(ザガーロ)は、フィナステリドよりも献血制限の期間が長く、6ヶ月経過が条件となっています。デュタステリドは体内で成分が代謝されるまでの期間がフィナステリドに比べて長いためです。
デュタステリドは5αリダクターゼI型とIII型両方を阻害する作用のあるAGA治療薬です。個人差はありますが、より広範囲でDHTの生成を抑制し抜け毛を抑える作用があり、フィナステリドよりも強力にDHTを抑制し、AGA改善効果が高いことが報告されています。
デュタステリドはフィナステリドと同様、効果を実感するために継続使用が必要であることから、献血条件である6ヶ月の休薬にはリスクが伴います。そのため、献血を目的とした休薬については医師に相談して決めることが大切です。
ミノキシジルは発毛効果が期待されているAGA治療薬です。ミノキシジル外用薬(塗り薬)およびミノキシジル錠といった内服薬(飲み薬)は献血時の制限がなく、当日使用も可能とされています。
ただし、内服薬(飲み薬)としてミノキシジルを使用している場合は注意が必要です。もともとミノキシジルは血圧を下げるための降圧剤として開発された経緯があり、血管を拡張させる作用があります。内服することで全身に成分が回るため、献血時はリスクを考慮して、事前に血液センターの医師に申告・相談することが望ましいでしょう。
また、ミノキシジルの内服薬は、2026年4月時点で日本国内において未承認の薬です。承認されている外用薬とは扱いが異なるため、服薬中の献血については医師の判断を仰ぐと安心です。
以下では、献血制限のあるAGA治療薬とその期間をまとめました。
| 治療薬 | 薬の種類 | 献血制限(休薬期間) |
|---|---|---|
| フィナステリド(プロペシア) | 内服薬 | 1ヶ月 |
| デュタステリド(ザガーロ) | 内服薬 | 6ヶ月 |
| ミノキシジル外用薬 | 外用薬 | 制限なし(当日可) |
| ミノキシジル内服薬 | 内服薬 | 当日可(相談推奨) |
どのAGA治療薬も、効果を持続するためには継続して使用・服用することが重要です。献血を希望する場合には、休薬期間の有無を考慮しながら、治療方針について医師と相談しましょう。
ここでは、フィナステリドと献血についてよくある質問をまとめました。AGA治療中で献血の希望がある人はぜひ参考にしてください。
問診でAGA治療中だと話したくないときはどうすればいい?
献血の事前問診で、AGA治療中であると伝えるのに抵抗がある場合もあるでしょう。その場合、日本赤十字社が提供している公式アプリを活用することをおすすめします。
アプリ内では事前にWeb問診に回答できる機能があり、対面せずに情報を入力することが可能です。事前問診で服薬状況を申告しておけば、献血会場でのやり取りをスムーズに進めることができ、心理的な負担も軽減されるでしょう。プライバシーを守りつつ、適切な情報を伝えるための手段として使ってみてください。
フィナステリドの服用は血液検査の数値に影響する?
フィナステリドを服用している場合、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を低下させることがあります。PSAは前立腺から分泌されるタンパク質の一つで、前立腺がんや前立腺肥大といった異常を早期に発見するための手掛かりになります。そのため、検査を受ける際は医師にフィナステリドを服用中であることを伝え、数値を補正して評価してもらうことが大切です。
また、医薬品医療機器総合機構の「フィナステリド錠 添付文書」によると、まれに副作用として、肝機能の数値に以下のような影響が出る可能性があります。
・AST上昇
・ALT上昇
・γ-GTP上昇
基本的に血液検査の前日・当日でもフィナステリドを服用して問題ないとされています。血液検査の数値が気になる場合は、事前にフィナステリドの影響について処方医に相談してみるのが良いでしょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
フィナステリド(プロペシア)を服用中の献血は制限されており、服薬をやめてから1ヶ月の休薬期間を設ける必要があります。これは、輸血を受ける患者の安全性を確保するためです。
フィナステリドの成分は、血液を通じて女性や胎児に届いた場合、男児胎児の生殖器の正常な発達を妨げる可能性が理論上指摘されています。そのため、全血献血・成分献血を問わず、1ヶ月の休薬期間を経過していることが基準となります。自身の健康だけでなく、輸血を必要とする患者や胎児を守るために、ルールを理解して行動することが大切です。
また、デュタステリドの休薬期間は6ヶ月、ミノキシジルは制限がなく当日使用が可能など、治療薬の種類によって基準が異なります。これは治療薬の作用機序や薬が代謝されるまでの期間によって決まっています。
服薬中に誤って献血をしてしまった際は、ただちに血液センターへ連絡しましょう。フィナステリドを始めとするAGA治療薬は継続することで効果が実感できるため、献血の可否は医師と相談して決めることが大切です。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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