更新日:2026年07月06日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「デュタステリドを服用中だが、妊活を始めたい」と考えている方もいるかもしれません。デュタステリドは男性胎児の生殖器発達に影響をおよぼす可能性があり、妊活中の服用は推奨されていません。また、女性が薬剤に触れて経皮吸収することで同様の影響があるため、細心の注意が必要です。本記事では、デュタステリド服用と妊活のリスクや注意点、AGA治療と妊活を両立させるための代替手段について解説します。
妊活を検討している場合、デュタステリドを服用しながらの妊活は避けてください。なぜなら、男性胎児の生殖器に先天性異常を誘発する恐れがあるだけでなく、精子の品質への影響やパートナーの予期せぬ薬への接触による同様のリスクがあるからです。
デュタステリドは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する薬剤です。成分が精液を通じて胎児に影響を与える可能性(催奇形性)があり、特に男性胎児の外生殖器の発達に影響をおよぼす可能性があります。
DHTは、男性胎児の生殖器発達にも必要な物質ですが、デュタステリドが作用することでDHTを抑制してしまい、影響をおよぼすとされています。
精液中に移行するデュタステリドの成分量はわずかであることが確認されていますが、理論上は胎児への影響リスクが排除できないため、推奨はできません。
医薬品医療機器総合機構の「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書(妊婦)」でも、妊娠中の女性が服用した場合の胎児への影響が明記されています。
参考:医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書」

デュタステリドは皮膚からも吸収される(経皮吸収)特性を持っており、カプセルから漏れた薬剤やフィルムコーティング錠剤の粉が女性の肌に触れるだけで体内に吸収される危険があります。前述の通り胎児に直接的な発育リスクが及ぶため、特に妊娠中の女性は成分に接触することも厳禁です。
生活空間を共にするパートナーがいる場合、薬剤が身近にあること自体が潜在的なリスクになり得るため、保管場所や取り扱い方法には十分な注意が必要です。
デュタステリドの服用は、男性の性機能に影響をおよぼす可能性があるため、結果として妊活の妨げになることがあります。医薬品医療機器総合機構の「ザガーロ錠添付文書(その他の副作用)」によると、主な副作用として1%以上の頻度で性欲減退(リビドー減退)や、勃起不全、射精障害などが報告されています。
症状によってはスムーズな性交渉を困難にする要因となり得るため、使用には十分な考慮が必要です。薬剤による性機能への影響が心配される場合は、医師と相談して休薬や代替治療法の検討をおすすめします。
妊活中にデュタステリドの服用を継続する場合は、自己判断で服用を続けることはせず、徹底したリスク管理と専門医への相談が不可欠です。以下で順に確認していきましょう。
妊活を計画する際は、体内から薬の成分が完全に消失する期間を考慮し、余裕を持った休薬計画を立てるのがよいでしょう。
デュタステリドは、服用した薬の成分が体のなかで半分になる半減期が、約3〜5週間と長く、体内に残りやすい性質があります。完全に成分が体外に排出されるまでには相当な時間を要するため、妊活を始める最低でも6ヶ月前からの服用中止が推奨されます。
具体的な休薬スケジュールについては必ず医師と相談して決定しましょう。休薬により薄毛の進行が心配な場合は、代替治療法についても併せて検討することが大切です。
万が一カプセルやフィルムコーティング錠剤が破損し、中身が漏れ出したり粉塵が出たりした場合に女性が触れないよう、保管場所や取り扱いには細心の注意を払ってください。
コーティングされたカプセル剤であっても、何らかの原因で破損し薬剤が漏れ出すリスクは否定できません。そのため、女性パートナーや子どもの手が届かない場所に保管し、万が一薬の成分に触れてしまった場合は直ちに石鹸と水でしっかりと洗い流し、医師に相談するよう徹底してください。
また、自身が薬剤を取り扱ったあとは必ず手を洗うようにしましょう。
不妊治療を受ける場合には、AGA治療薬の服用歴を必ず主治医に正しく申告してください。デュタステリドは、精子数や精液量などに影響をおよぼす可能性が示唆されており、検査結果の正確な判断や治療を妨げる可能性があります。
AGAの治療に携わっている医師に相談するだけでなく、不妊治療医とも連携し、薄毛治療と妊活のどちらを優先するのか、治療の優先順位を明確にすることが大切です。
デュタステリド服用中および服用中止後6ヶ月間は、献血禁止です。これは、妊婦が輸血を受けた場合に、血中にデュタステリドの有効成分が胎児へ渡ることで、生殖器の発育に悪影響をおよぼすリスクを避けるための公的なルールです。
他者の胎児を守るためにも、服用の中止後6ヶ月以降から、という期間を厳守する必要があります。
妊活はパートナーとの問題であるため、自分一人で判断せず、将来の家族に関わる問題としてパートナー同士で話し合うことが大切です。
まず、AGA治療を継続したい思いと、妊活におけるリスクの両面を包み隠さずパートナーに説明することをおすすめします。そのうえで、必要に応じて医師に相談し、休薬やほかの代替案を検討しましょう。

デュタステリドを休薬している間も、妊活へのリスクが低い方法を選べば薄毛対策を継続することは可能です。
内服薬の代わりとして、全身への影響が少ないミノキシジル外用薬(塗り薬)の活用は一つの選択肢となります。外用薬は塗布した部位にのみ作用し、血中への移行が極めて少ないため、内服薬であるフィナステリドやデュタステリドに比べて妊活や胎児への影響が低いとされています。
ただし、ミノキシジル外用薬は発毛を促す効果があるとされていますが、抜け毛を防ぐ効果はない点については注意が必要です。使用前には必ず医師と相談し、適切な製品選択と使用方法の指導を受けることが大切です。
睡眠や食事といった生活習慣を見直し、健やかな髪を育むための土台作りを行うことも大切です。
質の良い睡眠は体の疲労回復や健康維持に欠かせません。また、髪の材料となるタンパク質や亜鉛を意識した食事、頭皮の血行を促す適度な運動は、髪の健康をサポートします。厚生労働省の「食事バランスガイド」を参考に、栄養素のバランスが取れるように日々の食生活を見直してみましょう。
参考:厚生労働省「健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 睡眠」
参考:厚生労働省「食事バランスガイドについて」

シャンプーの仕方を見直すことも大切です。
過剰な皮脂や汚れが頭皮トラブルを招かないよう、これまで以上に丁寧なセルフケアを意識するとよいでしょう。
まず、濡らす前に髪を櫛でとかしておきます。次に、お湯を頭皮全体に行きわたらせ皮脂や汚れをふやかして流す予洗いをします。そのあとにシャンプーを手に取りよく泡立て、地肌全体が爪を立てずに指の腹で優しく揉み出すように洗います。頭皮を動かすようにマッサージしながら洗うことで血行が促進され、健やかな髪が育ちやすい環境を整えます。
また、シャンプー剤の洗い残しは頭皮の炎症を引き起こし、抜け毛を助長するリスクがあるため、ぬるま湯で時間をかけて十分にすすぐことを意識しましょう。

一人で悩みを抱え込むよりも、医師のサポートを受けることで精神的な安定が得られるかもしれません。オンライン診療なら、妊活というデリケートな悩みも、自宅というプライベートな空間からリラックスして相談できるメリットがあります。
また、オンライン診療を活用すれば、個々の薄毛の進行度や妊活のスケジュールに合わせた、最適な休薬タイミングや代替の治療プランの提案を自宅にいながら受けられます。通院の手間や周囲の目を気にする心理的ハードルが下がるため、効率的に専門的な知見を得ることが可能です。
医師の管理下で、休薬によるAGAの進行に対する適切なフォローアップも受けられ、パートナーと一緒に納得のいく対策を立てやすくなります。

納得のいく方法を探すためにも、まずはクリニックを受診して医師に相談をしてみましょう。
デュタステリド服用中の妊活は、胎児への潜在的なリスクを考慮すると推奨できません。特に男性胎児の正常な生殖器発達への影響や、女性の経皮吸収による危険性など、さまざまなリスクが存在します。
妊活を開始する場合は、最低でも6ヶ月前からの休薬を検討し、パートナーとの十分な話し合いを通じて合意形成を行うことが大切です。また、不妊治療を受けている場合は、必ず主治医にAGA治療薬の服用歴を申告しましょう。
AGA治療と妊活の両立を図るためには、ミノキシジル外用薬への切り替えなど、リスクの低い代替手段を活用することがおすすめです。一人で悩まず、オンライン診療なども活用しながら医師のサポートを受けることで、納得感のある選択が可能になるでしょう。
医薬品医療機器総合機構「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg 添付文書(妊婦)」
医薬品医療機器総合機構「ザガーロ錠添付文書(その他の副作用)」
厚生労働省「知っているようで知らない睡眠のこと」
厚生労働省の「食事バランスガイド」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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